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Channel: アンデオール バレエ日和
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リオデジャネイロオリンピック開幕まで1か月 毎度気になる「頑張ってください」

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リオデジャネイロオリンピック開幕までいよいよ1ヶ月を切りました。
報道も盛んになり、南米初の開催に向けて気分も高まって来ています。
昨日のNHK夜のニュースには開会式の演出を手掛ける映画監督がインタビューに応じ、
式のテーマについて少し明かしていました。

私はスポーツは全くできない上に(バレエもできていませんが…)詳しくもありませんが、オリンピックの年の生まれで
更には妹も4歳違いでオリンピック年生まれ。
しかも2人とも開催時期とほぼ同じ夏生まれのため母にとっては胎教が毎度オリンピック番組。
母曰く、時節柄どのチャンネルを回してもオリンピックばかりだったようですが
娘2人の出産がきっかけでオリンピック好きになり、その血は確実に子へも受け継がれております。

ところでオリンピックその他応援の際に気になる言葉があります。それは

「頑張ってください」。

この言葉をかけられて、力や元気が沸き、モチベーションが上がる人もいると思います。
一方で、余計なプレッシャーを感じてしまう人も大勢いることでしょう。
特にオリンピックの場合注目度は高く、国中の期待を背負っているだけあって
プレッシャーも、そして様々なものを犠牲にしての努力も半端ないはず。
これ以上にないくらい頑張っているのは想像に難くありません。
中でもメダル獲得期待の選手としてメディアで取り上げられている選手の心の内は
いくら強い精神の持ち主であるとはいえはち切れんばかりの緊張感で一杯と思われます。
そんな最中に「頑張れ」とばかり言うのは如何なものか、と感じてしまうのです。

森下洋子さんが昔、自著だったかと思いますが
私たちは舞台が年間通していくつもあり、(1本1本力を注いでいることを踏まえて)回数には恵まれていますが
オリンピックの選手は4年に1回。並々ならぬ努力をしていて相当なプレッシャーに置かれている身でしょう。
そういった方々に向かって頑張れ、メダルメダルと言うのはどうかと思うのです、
といった考えを綴っていらっしゃいました。
スポーツとバレエ、異なる分野であれ生の舞台での勝負に挑む森下さんも
稽古の虫と言われ、日々鍛錬を積み重ねながらバレエ界における「日本初」をいくつも成し遂げられたダンサーです。
そんな数々の大舞台を経験されている森下さんが仰るくらいなのですから、
オリンピック選手の試合にかける思い、そして圧し掛かるプレッシャーは想像を超えに超えているのでしょう。

そもそも日本で頑張れ!の応援が定着したのはいつ頃なのか。
象徴するのは1936年のベルリンオリンピックで日本女子初の金メダルを獲得した
競泳平泳ぎ前畑秀子選手への実況応援でしょう。
NHKアナウンサー河西三省さんが「前畑頑張れ、前畑頑張れ」と繰り返し、
当時はラジオでしたから耳に入る言葉は今以上に心に迫り、日本中を熱狂の渦に巻き込んでいたようです。
(管理人は当然、生まれておりませんので詳細は分からず)
2004年のアテネオリンピック体操日本男子団体が金メダルを決める瞬間の鉄棒演技における
NHKアナウンサー刈屋富士雄さんによる選手の旋回の速度と着地に歌詞をぴたりと当てはめたかのような
「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ」と並ぶ名実況として語り継がれています。
※栄光への架け橋誕生話はこちら

国を代表して出場し、注目度も非常に高い。
少し前にあるオリンピックメダリストと話をさせていただいたことがありましたが
最初前を通られたときには余りに控え目で失礼ながら五輪メダリストには見えず
経歴について触れても、いやいや全然、何てことはありませんからと手を大きく振るばかり。
お手本のように礼儀正しい立ち振る舞いに感動すると同時に私たちが到底できないような涙ぐましい努力をしていても
また例え現役を引退しても経歴として生涯ついてくるわけですから
人の鑑として人間性も備えていなければならない、大変な人生です。

以下はあくまで私個人の考えではありますが。
バレエダンサーにしても仕事関係の人にしても、誰かを応援するときに
頑張ってくださいとはどうしても言い辛く思っております。
特にバレエダンサーの場合は先述の通り、身体を張って過酷な職業に従事し精一杯頑張っている方々に対して
私のようなチャランポランな人間からはこれ以上頑張れとは、とても言えないのです。
では何と言えば良いのか、これまた難しい課題でございます。

例えば転職する友人には、「頑張り過ぎないように」と声をかけるときが多いように感じます。
それから仕事で言われて嬉しいのは「頑張っているね」。きちんと見てくれていることが分かり、励みになる言葉です。

まとまりのない日記ですみません。今月3日(日)にケイバレエスタジオの出雲公演を観て参りました。
ケイスタの強い結束力を感じさせた大変素晴らしい舞台でしたので詳細は後日書いていきます。





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