早いもので10月突入。台風に見舞われ残暑もありながらも少しずつ秋めいて参りました。
さて一昨日10月1日は都民の日。この日は土曜日でしたが
平日の場合都内の公立の学校は休みになるため1日通して妙な優越感。
遅く起きて、小学生の頃は教育テレビの子供向け番組を見て、
中高時代になるとお昼はタモリさんの掛け声に合わせて、、、など小、中、高校生活の楽しみの1つでありました。
本来であれば都庁では祝い事でも開くのでしょうがここ何ヶ月も全国ニュースのトップ扱いは「豊洲の盛り土」、
そして「2020年東京オリンピック建設費用問題」。とても祝祭感のある催しなどできる雰囲気ではないでしょう。
都民でありながらこの日は丸一日都外(坂本龍馬さんの故郷、詳細はまた後日書いて参ります)におりましたが、
地元の方々からも東京の心配をされてしまったほどです。
さてそんな都民の日イブ、新国立劇場バレエファンにも豊洲と東京五輪級の衝撃が広がる発表が舞い降りました。
新国立劇場バレエ団2017/2018シーズン開幕公演はウエイン・イーリング版『くるみ割り人形』だそうです。
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/160930_009171.html
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<2017/2018シーズン 開場20周年記念公演>
オペラ
楽劇「ニーベルングの指環」第3日
「神々の黄昏」〔新制作〕
2017年10月1日(日)、4日(水)、7日(土)、11日(水)、14日(土)、17日(火)
作曲:リヒャルト・ワーグナー
指揮:飯守泰次郎
演出:ゲッツ・フリードリヒ
新国立劇場オペラパレス
バレエ
「くるみ割り人形」〔新制作〕
2017年10月28日(土)~11月5日(日)
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
演出・振付:ウエイン・イーグリング
装置:川口直次
衣裳:前田文子
照明:沢田祐二
出演:新国立劇場バレエ団
新国立劇場オペラパレス
ダンス
森山開次「サーカス」〔再演〕
2018年5月
演出・振付・アートディレクション:森山開次
新国立劇場小劇場
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開場20周年、人間に当てはめれば成人式にあたる節目の年ですから
もっと大掛かりな、節目の年だからこそできるプロダクションを持ってくると期待していたため
正直やや拍子抜けでございます。
公演に先駆け、豪勢なガラでも開催して欲しいと願って止みません。
衣裳が前田文子さんであることは嬉しく、東洋人のスタイルに合うデザインで『カルメン』や『ホフマン物語』を
鮮やかに見せてくださったと記憶しております。
イーリングさんは現役時代からは程遠いふくよかな体型になってしまいましたが
ダンサーとしては素晴らしい功績を残され、アレッサンドラ・フェリとの『ロメオとジュリエット』や
メール・パークとの『春の声』など30年近く前の映像を今観ても、大らかで品のある踊りには自然と引き込まれます。
しかし振付家、演出家としてはどうか。私もまだ少ない数しか鑑賞していないためあれこれ申す資格はございませんが
『Men Y Men』や改訂振付『眠れる森の美女』を観る限り、
記念のシーズン開幕に全幕作品を依頼するほどなのだろうかと疑問に思えます。
眠りに関しては演出は比較的オーソドックスですが衣裳が大変不評、
結果としてイーリング版全体への評価が低くなってしまっているともいえますが。
とはいっても現在渦中の東京都庁を背景に描いた現代
(携帯電話の場面では昨年もガラケーでしたので正確には初演の2009年頃?)の場面がなくなることには安堵。
まことに個人的な意見ですが、現代劇ならともかく、
お金を払って観に行く舞台、しかも古典バレエに携帯電話が出てくるのは如何なものかと感じてなりません。
ところで新国立ファン全員の疑問でしょう。10、11月にくるみが来るとなれば12月公演の上演作品は何か。
都庁と同様しばらく迷走が続きそうな新国立。ひとまず今月末の『ロメオとジュリエット』開幕を静かに待つのみです。