しばらく更新が滞り申し訳ございません。
6月半ばは東京近郊でバレエ公演が多く重なりました。
新国立劇場、英国ロイヤル、ザハロワ&レーピンなど梯子なさった方もいらっしゃることと思います。
昨日最終日を迎えた英国ロイヤルの看板作品でもあるケネス・マクミラン版『ロミオとジュリエット』公演は
残念ながら観に行けませんでしたがご覧になった方々のご感想を楽しみに過ごしている次第ございます。
ところで、マクミラン版のパ・ド・ドゥの魅力といえばジェットコースターに乗っているかの如き
浮遊感、疾走感溢れる流れるような振付。
高揚する感情をそのまま謳い上げているかのようで初演から半世紀を迎えた今も、
ダンサーそして観客の心を捉え続けています。
しかしバレエを職業としていない、また仮に習っているとしてもパ・ド・ドゥと無縁な者にとっては
どれだけ気持ち良いのか、そして一歩間違えれば大事故にもなりかねないほどの危険性があるのか、
身をもって感じる機会はありません。
『ロミオとジュリエット』のみならずマクミランの振付でよく見られる女性の身体を斜めに掲げるリフトなど、
どんな感覚になるのか気になっておりました。
ところが、ほんの少しではありますが類似体感できる場所を発見いたしました。
今年の春に開業した池袋のサンシャイン60内にあるスカイサーカスのアトラクション・弾丸フライトです。
http://www.skycircus.jp/
多少なりともバレエと絡みそうな行為であれば何でも試したくなる
好奇心旺盛な管理人が実際に乗って参りました。(訪問は5月中旬)
縦になった大砲のような筒の中に入ってベルトで固定され、その後筒が斜め下方向に傾けられます。
バレエでいえば『眠れる森の美女』グラン・パ・ド・ドゥで主に英国系の振付で見られる
フィッシュダイブ体勢のオーロラ姫状態で静止です。
或いは『ドン・キホーテ』でも似たポーズがアダージオ中盤にあります。
この体勢のまま係員の方がゴーグルを装着してくださるのですが
このときご注意いただきたいのが、きつめに装着すること。
のちに激しく上下に動くため、緩んでしまう恐れがあるのです。
スタートすると映像が流れ、東京の名所をあたかもジュリエットの恋をも想起させる猛スピードで駆け抜け
急上昇急下降も多数。筒がししおどしのように軽快に上下するため、シミュレーションゲームの域を超える迫力でございます。
アトラクションであれば好きなだけ思う存分叫ぶことも可能ですが、バレエの場合振付は忠実に守って
尚且つ観客からの見え方を意識し、マクミラン作品のような深いドラマが描かれる作品であっても
感情の赴くままに踊れば良いわけではありません。
それに支えてくれるのは機械ではなく人間。強い信頼関係が不可欠です。
筒の中に入って上下するたび、1000人以上の観客の目が光り音楽が鳴り響く中で上質な舞台を届ける
バレエダンサーの凄さに改めて頭が下がる思いがいたしました。
急上昇、急下降するたびにロミオに支えられたジュリエットの気分に浸れるかもしれません。
ロミオはどうぞお好みの方をご想像くださいませ。
『ロミオとジュリエット』だけではありません。他にもバレエの世界観を体感できる場所が備わっています。
鏡張りの部屋である無限スケープです。
四季の移ろいが映し出され、まるでアシュトン版『シンデレラ』でございます。
四季とは言っても日本の四季を彩っているため(例・春は桜)アシュトン版『シンデレラ』とはだいぶ異なるものの
脳内でプロコフィエフの音楽が自然と再生されること間違いなし。どうぞお入りください。
もう1つのアトラクション、スウィングコースター。ブランコに乗って街中を遊泳する爽快なアトラクションです。
『アルプスの少女ハイジ』のオープニングに憧れたことが1度でもある方には特におすすめでございます。
また牧阿佐美さん版『椿姫』で郊外を訪れたマルグリットが2、3回揺れるだけではありますがブランコに乗る場面があり。
アルマンはお好みの方をご想像ください。
話がおかしな方向へ行きつつありますので本日はこの辺りで。
アラジンの感想はまた後日。4回鑑賞いたしましたが、どのキャストもそれぞれ魅力が弾け、実に充実した公演でした。