12月7日(土)、渋谷にて舞踊評論家の村山久美子さんが講師を務める
バレエ講座『ボリショイ・バレエの魅力を探る~
「ボリショイ・バレエinシネマ season 2019ー2020」の楽しみ方~を受講して参りました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000261.000002883.html
村山さんの講座の受講は初めてでしたが、口調は穏やかながら何事も簡潔にスパッと説明され
大変分かりやすく、随所にダンサーや振付家の細かなエピソードも盛り込んでくださり
シネマ及び来年の来日公演鑑賞が益々楽しみになる講座でした。
シネマの話題に入る前に、まずはボリショイ及びロシアバレエの歴史や振付家、
マリインスキーとの違いや近年の傾向、バレエ史に名を刻むダンサー達などについて説明。
それらを踏まえて本題のシネマへと移りました。
中でも長年観ている作品ながら初耳であった事柄はロシアでの『くるみ割り人形』において
バレエ団の女性ダンサーが主役のクララ(マーシャ)を1幕のパーティーから
終盤のグラン・パ・ド・ドゥまで踊る演出に至った経緯で、チャイコフスキーの音楽に絡んだ事情のようです。
初めて触れたくるみ割り人形がキエフバレエ団の公演でその次がボリショイ。
共にバレエ団の女性ダンサーが一貫して主役を踊る演出ををバレエに興味を抱いた初期段階にて
繰り返し親しんでしまったためかクララ(マーシャ)イコール金平糖やグラン・パ・ド・ドゥも踊る役柄であると
勝手な位置づけが以後数年続いてしまい子役によるクララが登場する公演を目にした際にはびっくり仰天。
今もなかなか馴染めずにおりますがそれはさておきチャイコフスキーをこよなく愛するロシアらしい理由と思わせました。
2019/2020シーズンのシネマは『くるみ割り人形』、『海賊』、『ロミオとジュリエット』、
『ライモンダ』、『白鳥の湖』、『ジゼル』、『ジュエルズ』が登場。再上映も含まれていますが
村山さんによる見所解説や出演ダンサーのエピソードを聞くともう一度足を運んで気持ち新たに鑑賞したくなった次第。
初登場作品で手を叩いて狂喜乱舞状態となったのはグリゴローヴィヂ版『ライモンダ』で
重厚な歴史絵巻なる舞台がグラズノフの音楽と共に大スクリーンで鑑賞できると思うと胸が高鳴るばかりです。
2012年の来日公演鑑賞は全て見合わせてしまったため、グリゴローヴィヂ版の中でも
ひときわ好きな作品とは言いながら全編通して親しんでいるのは
80年代後半に収録されたナタリア・ベスメルトノワとユーリー・ヴァシュチェンコ主演映像のみ。
いかにも高貴そうなスミルノワのライモンダと、マント姿が似合い絵になるか否かが鍵になるベリャコフのジャン、
そして主役級の活躍を見せるツヴィルコのアブデラーマンにも注目し近年収録の映像を堪能したいと思っております。
来年は3年ぶりの来日公演も控え、私にとっては初となる生での『スパルタクス』全幕鑑賞がいよいよ叶うと思うと
それまでに多々素敵な鑑賞が続くのは承知していながらも公演が待ち切れません。
帯同するボリショイ劇場管弦楽団の爆音演奏も楽しみでございます。
2枚の写真ともに、当ブログレギュラーのムンタ先輩と一緒に講座後に
まだ日中ながら渋谷駅近くにて忘年会も兼ねて鹿肉のシチューや
薄い衣のふわっと柔らかなスパイスチキン、蟹グラタンなど、食もお酒も進みました。
ムンタ先輩、来年は新国立劇場バレエ団『マノン』に勇んでご来場です。
先輩はクランベリーの何かの飲み物、私は1杯目はウォッカで、2杯目はハーフアンドハーフの重層なビールで乾杯。