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Channel: アンデオール バレエ日和
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新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さんプリンシパル昇格

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新国立劇場バレエ団の渡邊峻郁さんがプリンシパルに昇格されました。おめでとうございます。
昨日の『ロメオとジュリエット』終演後、大原永子監督より任命されたそうです。

https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/26_016277.htm


↑新国立劇場バレエ団Facebookを埋め込んでみたが、上手くいっていないかもしれず。

昨日の千秋楽公演は会場にて鑑賞しておりましたが、澄み切った爽やかさと
火傷しそうな熱さが共存する感情の起伏を全身で物語るロメオを熱演され、
パートナーリングも万全。昇格決定に納得の舞台でした。
最高位の階級となれば今後はより厳しいものを求められる立場ですが
プリンシパルに相応しい魅力をお持ちのダンサーですから
一層磨きのかかった舞台を見せてくださると信じております。

本拠地初台の公演のみならず全国公演や発表会にも足を運び
トゥールーズ時代のDVDを何度も鑑賞してはインタビューで明かされた当時の苦労話を読んだり、
昨年務められた着物雑誌モデル関連の、参加者約70名の中で新国立ファンは3名というアウェー状態での
着物イベントトークショーもこなしていた姿や急遽代打での大阪フェスティバルホール主演舞台等々も
拝見してきた者としては我が事のように喜ばしく感じております。

記憶の限り、シーズン期間中の昇格は福田圭吾さん(ビントレーさんによるカルミナのリハーサル中だったはず)、
木下嘉人さん(確かファーストアーティストからソリストへ)例がありますが
プリンシパル昇格はひょっとしたら新国立劇場バレエ団史上初かもしれません。

昇格の決定打となった作品が表現の幅や解釈、鋭い洞察力を問われる
ドラマティック作品『ロメオとジュリエット』であったことも嬉しく、
テクニックは勿論のこと、貴公子から悪役までありとあらゆる役柄の経験を積まれたトゥールーズ時代に
相当鍛えられたのであろう高い演技力、深い表現力が十二分に発揮され厚みある舞台を届けてくださいました。
ロメオは渡邊さんを象徴する役柄の1つとなるのは間違いないでしょう。

ただ、要らぬ心配且つファンの勝手な心理ではございますが、渡邊さんがこれまでに務められた
主役級ではない「非常に」幅広い、役によっては注目される機会もなかなかない役柄を担当されることは
この先は格段に減少するであろうと考えると寂しくもあり。
父親役から金銭を受け取って立ち去って行く『シンデレラ』御者、
ルースカヤの女性ダンサーを警護!?しながら舞踏会に登場する付き人、
『ラ・バヤデール』トロラグヴァなど、どれも渡邊さんが務めなければ注目すら、
場合によっては存在すら知らずにいたかもしれぬ役柄ばかりです。
また『眠れる森の美女』4人の王子(特に韃靼ロシア王子の嵌り具合は渡邊さんの右に出る人はいないと想像)や青い鳥』
『ホフマン物語』客人、アリババのような踊り子、『アラジン』ジーンやルビー、『シンデレラ』王子の友人 『くるみ割り人形』ねずみの王様、『白鳥の湖』パ・ド・トロワ、『コッペリア』衛兵さんなど
目立ちはするが主役ではない役柄も渡邊さんがなさると一気に吸い寄せられて
役に注目する大きなきっかけとなり、同時にこれまで主役級以外の男性の役柄に対し
観察を怠りがちであった自身にも気づかされたものです。

そんな勝手な回想はさておき、昇格おめでとうございます。
これからの舞台も楽しみが尽きず、心待ちにしております。

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