7月8日(日)、東京シティ・バレエ団ウヴェ・ショルツ・セレクション
『オクテット』『ベートーヴェン交響曲第7番』を観て参りました。
http://tokyocityballet.com/uwescholz/
『オクテット』は初見。メンデルスゾーンの「弦楽八十奏曲」変ホ長調に乗せて踊られ、
オレンジのドレスを着た女性たちが四肢の隅々までがエレガントで
上は黒のシャツ、下は白で整えた男性陣もすっきり。一斉にサポートする場面も多数ありましたが
破綻がなく、ただ上手いだけでなく全員で揃える技量も備えている点にも驚かされます。
明朗な箇所もあればしっとり静けさに包まれた場面もあり、
2楽章の岡さんと石黒さんのパ・ド・ドゥからは秘めたる関係性を覗かせ、
ストーリーのない作品であっても不思議な緊張感が漂いました。
女神のように孤高な存在感を示していた4楽章の清水さんにも惚れ惚れ。
背景の光沢ある襞のついたオレンジ系のベルベットの幕もまた、品ある舞台を演出していました。
『ベートーヴェン交響曲第7番』の鑑賞は2014年のNHKバレエの饗宴以来。
壮大な交響曲の中で1人1人が力強く音楽を表現する力量にきびきびと変化を遂げていくフォーメーションに
再度観てみたいと思わせたと記憶。女性ダンサーが皆スレンダーで美しく、且つ身体能力も高し。
どんな曲調であれ乗りに乗って踊っている印象を受けました。
中でも志賀さんの暗闇に登場しただけで魂のこもりようが伝わる凄みや
佐合さんの長身から繰り出される軽やかなしなやかさ、中森さんの明るく溌剌とした踊りに見入った次第。
『オクテット』以上に男性陣の一斉サポートも多用。男性ダンサーの秀でたサポート力にも目を見張りました。
2か3楽章であったか、半円形状に手を繋ぎ中央に光が当たる演出はどう見てもウルトラマン或いは
たまには世代相応の例えを出してみるとしてアニメ『セーラームーン』での
タイムワープする技であるセーラーテレポートを彷彿。
男女ともに白地に線がシンプルに入った丸襟のレオタード衣装は宇宙戦隊を想像させたためかもしれません。
(脳裏には時折ささきいさおさんが歌う『宇宙戦艦ヤマト』テーマ曲が流れた管理人ではあったが)
2楽章は最も好きなベートーヴェンの曲で、暗闇に光が射し込むような希望の見出しを感じさせる重々しい曲調は
昨年3月に中村恩恵さんと新国立劇場バレエ団が組んで上演した『ベートーヴェン・ソナタ』で耳にした録音でも
胸に響くものがありましたが、生演奏で鑑賞できたのは大きな喜びでした。
東京シティのダンサーはまだまだ存じ上げぬ方も多いものの
3月の『白鳥の湖』でよく訓練された技術の高さに驚愕し、バレエ団の誇りをかけて上演を重ねているであろう
ショルツ作品を再度観たいと願っておりましたが音楽と振付が同時に目と耳に入ってくると
それはそれは気持ち良く、再演時にはまた足を運びたいと思っております。