本日、新国立劇場バレエ団2017年/2018年シーズンラインアップが発表されました。
例年大学入試センター試験を過ぎた頃に発表されるため、本日と知って驚きましたがそんなのは序の口。
内容を見て驚愕です。
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/170112_009745.html
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2017/2018シーズン バレエ ラインアップ
くるみ割り人形 [新制作]
シンデレラ
新国立劇場開場20周年記念特別公演
ニューイヤー・バレエ
ホフマン物語
白鳥の湖
眠れる森の美女
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ラインアップを見て一言、言わせてください。
「何じゃこりゃ???」
お若い方はご存じでないと思いますが、1970年代から80年代にかけて放送された
松田優作さん出演のドラマ『太陽にほえろ』の名台詞です。
話を戻します。まさかの眠り、しかもイーグリング版2年連続とは。20周年のため原点に回帰して
チャイコフスキー三大バレエを入れたかったのか、監督の意図は定かでありませんが
本当に21世紀に存在する劇場付きの国立バレエ団であろうか、
2010年から2014年までビントレーが芸術監督を務め
新しい作品を多数取り入れたバレエ団であろうかと首を傾げずにはいられず。
例えばの話、三大バレエの他にドゥアトやエイフマン、ビントレーなど現代作品を含む5、6演目あるならまだしも
『シンデレラ』とかろうじての『ホフマン物語』、ニューイヤーバレエ。
もうこうなったら、現時点では上演時間が2時間未満であるニューイヤーバレエに作品をたくさん追加して、
酒井はなさんや登録プリンシパル陣も呼んで観客をあっと言わせるような豪華さに仕上げてもらいたい。
それから一昨年新制作の『ホフマン物語』は公演数がたったの3回。監督のやる気のなさが見え見えです。
スコティッシュ・バレエ団のダンサー時代に踊った大原さんが
懸命にレパートリー入りさせたのは気のせいだったのか??
それからダンスに目を向けてもDance to the Futureが見当たらず。まさか上演なしということでしょうか。
私が新国立劇場へ行き始めたのは2004年10月、ちょうど「プティパ・バレエの世界」と銘打った
古典中心のシーズン開幕でした。それでも開幕作品『ライモンダ』は全幕が滅多に上演されない作品の新制作で
翌年3月にはエメラルド・プロジェクトとして新国立オリジナル作品上演を企画し石井潤さん版『カルメン』を初演。
まだ開場から10年に満たない中で、意欲的なことを行っていたものであると感じます。
確かにビントレーさんの任期中は客入りの厳しい公演が多々あり、上からの圧力もあったのでしょう。
大原さんの芸監就任から1シーズン、2シーズンくらいは客入り回復のために古典中心のプログラムを組むのは納得です。
しかしもう2017年、3年が経ちます。しかも開場20周年のシーズンに古典偏重であるのは如何なものか。
ひょっとしたらこの古典偏重の来シーズンのラインアップは、我々素人に考えつかないような
バレエ団発展のための秘策を大原さんは練り、松田さん扮するジーパン刑事も舌を巻くほどの
高い推理能力を駆使した上での厳選作品たちであるのかもしれません。
説得力のある話が聞けるかもしれません。(そうとでも信じるしかない…)
或いは大原さんも本当のところ、もっと目新しい作品を上演したい気持ちはあるが
集客最優先!とこれまた圧力をかけられているなど本音が出る可能性も考えられます。
監督が三大バレエを全てと古典を上演しようと前向きに考えているとも思えず。
真相が気になる方は、ヴァレンタイン・バレエ2日目の終演後に開催される
シーズンラインアップ説明会の聴講へ行きましょう。
※司会者を無視しての一方的な話にならないことを祈ります。
ラインアップはどうあれ(重要では勿論あるが)いつも上質な舞台を見せてくださる
新国立劇場バレエ団を応援する気持ちに変わりはありません。
来シーズンも作品を問わず、心のこもった素敵な舞台を毎回届けてくださることでしょう。
それにしても劇場オリジナル作品はもはや夢のまた夢なのでしょうか。
バレエ団が誇る新作を観せて欲しいと思いは募るばかりです。
本日届いたトゥールーズのキャピトル・バレエ団芸術監督カデル・ベラルビが
バレエ団のために振り付けた作品『美女と野獣』DVDの封を切りながら考えさせられました。
演目に不満はあるが、来シーズンも幸せなひとときを劇場で過ごせますように。