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巡りに巡って舞い降りたご縁で受講でき感謝 酒井はなさんのレッスン

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後日と書いておきながら大分日数が過ぎましてすみません。
清泉女子大学の生涯学習講座ラファエラ・アカデミアの記事がきっかけの素敵な出会いについての話でございます。
以下、長くなりますが悪しからず。

1月下旬のある日のこと、大学の華道部で一緒に活動していた2学年下の後輩から連絡がありました。
彼女は幼い頃にバレエを習い始め、社会人になった今も継続してレッスンに通っていて
自身で踊ることも、劇場での鑑賞ともに好きなバレエ愛好者です。
突然でしたので何事だろうか!?と驚きながらメール本文を開くと、、、

友達が先輩のブログに嵌っています

一瞬目を疑いましたが何度読み返してもシルフィードのように消えることもなく、幻ではないもよう。
余りの嬉しさと驚きで電車内であったにも関わらず思わず声を上げてしまいそうになりましたが
ただこのブログを一生懸命読んでくださっているということはかなりの偏りバレエオタクか、お酒好きな方かなど
一部失礼極まりない勝手な想像を巡らせておりました。
聞くところによれば、後輩と同い年とのこと。
そうなると私とはさほど年齢も変わらず、かなりの渋好みな方だろうかとも思え、
更には後輩にはブログのことは話していないはず。どのような流れで分かったのだろうかとも気になるのでした。
しかし後輩のバレエ友達ということはとても素敵な方であるには違いないと安心感を覚え
聞けば聞くほどその方にも会ってみたくなり、後輩が連絡を取ってくれて3人で会うことになりました。

当初はお茶や食事をしようと話が進んでいましたが彼女たち2人の出会いは数年前から通う酒井はなさんのレッスンだそうで
先輩も一緒に受けましょう!とのお誘い。
ところが、学年は確かに後輩より上ですがバレエのレッスンのキャリアにおいては
幼少時から現在に至るまでブランクなしで継続している後輩のほうが遥かに上。
友達も1日に3レッスン受講するなどかなり熱心な頑張り屋さんであると聞き
中1から約16年間1度たりともレッスンをしておらず、3年前の9月に再開以降も
2,3か月に1回の頻度である私からしたら到底追いつけないレベルでございます。
しかも先生は天下の酒井はなさん。我が人生を一変させた、2005年1月の新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』で
主役オデット/オディールを踊られ、その後も新国立での舞台はほぼ欠かさず拝見。
2009年の朝日カルチャーセンターでの講座や東京女子大学での公開講座といった
トークイベント等も何度か聴講しているため、素顔はほのぼのチャーミングなお人柄であるのは存じ上げております。
しかしレッスンで相変わらず順番が全然覚えられずに毎回先生を困らせている私が受講してはあかんやろと思い、
また後輩たちの前で恥ずかしい姿を晒け出すのは如何なものかと断ろうとしたのですが、(反面教師になる自信だけはあり)
せっかくの機会、これもご縁。私の人生に多大な影響を与えた舞台の主演ダンサーによるレッスンは
きっと財産になるはずと受講を決意。
何かあったら後輩たちに助けてもらおうと先輩らしくない頼りない考えもよぎりつつ、当日を迎えたのでした。

そして遂に後輩のバレエ友達と初対面。いたく可愛らしく素直で聡明な女性で知り合えたことに心から感激いたしました。
続いてブログに辿りついたきっかけを尋ねてみると、清泉女子大学の卒業生で
以前からラファエラ・アカデミアが気になっていたとのこと。
あれこれ検索しているうちにこのブログに辿りつき、その記事の中に「大学の後輩がアナニアシヴィリが好き」との文を発見し
ひょっとしたらアナニアシヴィリが好きと話していたレッスン友達の先輩であろうかと確認。
そして後輩が私に連絡をした、という展開だったようです。
話によれば後輩が「嵌っている」と記していた通りかなりの量の記事を読んでくれているようで貴重な読者様との出会いに感謝。
すると後輩が、大学時代に先輩がはなさんの舞台を勧めてくださったからこそ
今はなさんのレッスンに通えて、舞台にも足を運んで仲間にも出会えたのだと
年上を立てるに申し分ないことを伝えてくれて先輩は感涙寸前。心が洗われた1日でした。

キャリアが全く異なる彼女たち2人と私にはレッスンにおける数少ない共通点があり、
それは現在私が習っている先生から指導を受けた経験があること。チャコットに特別ワークショップでいらしたときです。
当時ワークショップ終了後すぐに後輩はあたかも業務報告の如く連絡してくれたのは今もよく覚えております。
後輩はバーとセンター、友達は更にパ・ド・ドゥクラスも受講したそうで(先輩、目が心臓印)当時の状況を根掘り葉掘り聴取。
話すその表情が爽やかこの上ない幸福感に溢れていたのは言うまでもありません。

3人でバレエ話に花を咲かせ、私の変わり者過ぎるバレエ愛好人生についても辛抱強く耳を傾けてくれまして
(先輩・初めてのレッスン女子トークか!?
いや、よくレッスン帰りに食事していく機会もありますが皆さん素敵な女性ばかりで
私1人だけ新橋のサラリーマン状態なわけですが・・・)
食事の前後にはバレエショップを巡り、いざレッスンへ。
2人とも、可愛らしいものには目がない様子でした。(私に最も欠けている要素でございます。見習わねば)

そして酒井はなさんがスタジオにご登場。後輩や友達と親しみのこもった言葉を交わされ、幸せなオーラが広がりました。
続いて後輩が私の現在のレッスン状況をも伝えつつはなさんに紹介。
一緒に頑張りましょう!と優しく声をかけてくださりそれはもう胸が熱くなった次第です。
当初は入門クラスのみの受講予定でしたが、軽いストレッチと両手バーのみでセンターはなし。
その後のクラスは初中級で、どのスタジオでも「中」の字が入るだけで格段に難易度が上がる印象が強く
躊躇しておりましたがセンターも受けたいと思い
(普段通っているスタジオは広い上に受講人数がそう多くないため目一杯踊った気分になります)初中級も受講。
はなさんの教え方はとにかく丁寧で優しく、ゆっくりゆっくり進めてくださるため変な緊張を強いられることもなく
身も心もほんわかと解きほぐしてくださいます。
理解するまでに時間がかかっても嫌な顔1つせず分かるまで教えてくださり
生徒さんも皆さんリラックスしながら受講されているご様子で、笑いが起こる箇所も多数。
お手本はそれはそれは美しく、バーのときですらオーロラ姫に見えたほど。
優雅さや美しさに重きを置いたレッスンで、偶然なのか普段お世話になっている先生の教え方に実によく似ていました。
シルフィードをイメージするよう説明してくださった時には同時に両手で羽を作って背中でパタパタとはためかせ、
残念ながら当時は拝見していなかったはなさんのシルフィードが目の前に出現。
婚約者がいても妖精のもとへと走ってしまうジェームズに同情せずにはいられない可憐さでした。

レッスン終了後はなさんと話をさせていただく機会にも恵まれ、これまた感激。
アナニアシヴィリファンの後輩、彼女と知り合ったレッスン仲間の清泉の卒業生、
そして2人が受講している酒井はなさんのレッスン、
様々な要素が巡りに巡って舞い降りた幸運にただただ感謝。これからもこのご縁を大切に過ごして参りたいと思います。


※スワンマガジンVol.7に移転前の宮益坂スタジオにて行われていた
はなさんのレッスンレポートが掲載されています。カラー写真満載です。
http://swanmagazine.heibonsha.co.jp/vol7.html
お読みの際には 安珠さんが撮影された巻頭のPhoto Essay Vol.6もご覧ください。


日本バレエ協会『眠れる森の美女』3月19日(土)に酒井はなさんが主演されます。
はなさんのオーロラ姫は初鑑賞、楽しみです。

ダンサーズ・ウェブマガジン最新号に素敵なインタビューと写真。
http://dancerssupport.com/interview/925/


2003_2
新国立劇場バレエ団で先月13年ぶりに上演された『ラ・シルフィード』。
プログラムやチラシを飾っていたのは前回2003年に主演されたはなさんと山本さんの写真の数々。
当時やシルフィード特集が組まれたダンスマガジンにも大きな舞台写真が掲載、写真だけでもドラマが伝わってきます。

2007
2007年に牧阿佐美さん版『椿姫』初演直前の英字版の朝日新聞ヘラルドアサヒ掲載記事。
切なさで胸が締め付けられそうになります。
バレエ界における名パートナーシップ事典なる本が出版される暁には
フォンティーン&ヌレエフ、ハイデ&クラガンらに並んで載るべき黄金ペアなお2人です。






映画『ロパートキナ 孤高の白鳥』

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マリインスキー・バレエのスターダンサーであるロパートキナのドキュメンタリー映画
『ロパートキナ 孤高の白鳥』を観て参りました。

http://lopatkina-movie.jp/theaters/index.html

幼い頃の貴重な写真も紹介され、インタビューではバレエを踊っていて沸き起こる
苦悩、喜びといった様々な思いをシンプルながらも知性に富んだ言葉で淡々と表現。
考えに考え抜いて舞台を務め上げていることが窺えました。
興味深かったのは『オネーギン』のタチヤーナ
(恐らくタチヤーナを指しているのかと思います)を踊りたいと話していたこと。
タチヤーナは高貴で気高い女性だから、私の人生をきっと豊かにしてくれるといった内容で
背の高いダンサーであるため少女役のイメージは抱きにくいものの
ロパートキナならではの解釈で作り上げるタチヤーナが観たくなりました。

寡黙な印象がありましたが、ある舞台リハーサル中にはピアニストに細かな要求、自身の意見をはっきりと伝えたり
もう十分な仕上がり見えても納得いくまで繰り返すなどとにかく妥協は一切なし。
バレエ団の中でも別格のプリンシパルである現在の地位を確立してからも
ヌレエフ版『白鳥の湖』を始め挑戦を続け、謙虚に学ぶ姿が周りに与える影響は計り知れないものがあると思われます。
インタビューに登場したアニエス・ルテステュやジャン・ギョーム・バールといった
パリ・オペラ座関係者も絶賛していました。

舞台やリハーサル映像は『愛の伝説』を主軸に展開。非常に強い思い入れのある作品だそうです。
珍しかったのは『ショピニアーナ』(レ・シルフィード)パ・ド・ドゥもあり
静けさの中で紡がれる詩情に溜息が零れました。
ローラン・プティ振付『病めるばら』ではマーラーの壮大な交響曲を内に感情を秘めつつ伸びやかに体現。
大勢の振付家を触発させる曲ですが、威厳や神々しさが宿るロパートキナによる美の化身に感激するばかりでした。

私自身、実のところロパートキナの舞台はそう多く観ておりません。
昨年の世界バレエフェスティバル、『愛の伝説』、2012年『ラ・バヤデール』、
2007年ボリショイ&マリインスキー合同ガラ、2006年『ロパートキナのすべて』、
『白鳥の湖』、『海賊』『オールスター・ガラ』ぐらいかと思います。
しかし、少々先日のラファエラ・アカデミアの開講記事と内容が重複いたしますが
これまでのバレエ鑑賞人生における最も心が震えた来日公演2本のうち
1本が『ロパートキナのすべて』でした。(もう1本はグラチョーワ主演のボリショイバヤデール)
『パキータ』、『ライモンダ』3幕、ジュエルズより『ダイヤモンド』の究極のクラシック3本構成。
中でも『ダイヤモンド』は余分なものを削ぎ落した、陶器の如く滑らかで研ぎ澄まされた美に酔い痴れ
単に近寄り難いだけではなく優しい温もりをも感じさせる舞台で
あの日のじわっとした鳥肌の立ち様は今も覚えております。
パ・ド・ドゥではほんの小さな物音をも許されぬ空気に包まれ、
終演後殆んどの観客は心の中で静かに手を合わせていたに違いありませんし
実際に合わせている方もいらっしゃいました。

映画にも『ダイヤモンド』があったのは嬉しかったのですが
欲をいえば、マリインスキーの群舞を従えた映像もあれば尚幸せに感じたかもしれません。

地域によっては11日に上映終了の劇場もありますがまだ上映中の劇場もありますので感想は控えめにしております。
舞台やリハーサル映像、インタビュー、そして要所要所に挟まれる
運河に恵まれたペテルブルクの風景映像も見応えがありますので是非ご覧ください。




【速報】【おすすめ】【公演は明日まで】新国立劇場バレエ団Dance to the Future2016

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新国立劇場バレエ団Dance to the Future2016を観て参りました。
http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/150109_006135.html

早速本日の舞台についての内容がホームページに掲載されています。
(もう少し詳しく書いても良いかと思うのだが、、、。まるで事務連絡)
http://www.nntt.jac.go.jp/dance/news/detail/160312_008325.html

バレエ団ダンサーによる振付作品集と2014年に新国立劇場で初演された
ジェシカ・ラング振付『暗やみから解き放たれて』からなる構成で上演。
バレエ団ダンサーによる振付作品は2012年に企画が始まりましたが
今年もとにかく質の高い作品が揃い、振付家とダンサーが互いの特性をよく知っている間柄なだけあって
各々のダンサーの魅力が十二分に引き出されていて実に充実した公演でした。
中でも福田圭吾さんが振り付けられた「beyond the limits of ...」は
鋭く締まりのある展開、クラシックを基礎としつつも(女性はトゥ・シューズ)ギリギリのところでせめぎ合う緊迫感、
そして照明の使い方も秀逸で本公演でも是非上演してほしい作品です。

古典バレエの音楽を使用した米沢唯さん振付の『Giselle』はこの路線で来たか!と驚かされました。
米沢さんならではのセンスが光るユニークな作品です。

※福田さんや米沢さんの作品は勿論ですが、前回の『ラ・シルフィード』で同時上演された
『Men Y Men』より面白い作品が勢揃い。
踊り手の個性を存分に生かす、新国立ダンサーの溢れんばかりの創作力に天晴れでした。

公演は明日まで。どうぞご来場ください。おすすめの舞台です。


※3月4日にはめぐろパーシモンホールにて佐藤勇次先生のスタジオ公演YUJI SATO BALLET FESTA5を
観て参りました。検索してお立ち寄りくださった皆様、ありがとうございます。
こちらも大変楽しい公演でした。感想につきましては、もうしばらくお待ちくださいませ。




多種多彩に4時間超 YUJI SATO BALLET FESTA5 3月4日(金)

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ヨーロッパのバレエ団で活躍され、新国立劇場バレエ研修所でも指導をなさっている
佐藤勇次先生主宰スタジオの公演YUJI SATO BALLET FESTA5をめぐろパーシモンホールにて観て参りました。
今年も演目盛りだくさん、古典の有名なパ・ド・ドゥから創作まで4時間を超えるボリュームで繰り広げられました。

※ただ今回は平日。開演時間の17時には間に合わず、第1部終盤の18時頃到着。
残念ながら全部鑑賞できなかった点は悪しからず。

鑑賞した演目全てを綴ると途方もない文字数になってしまうため、
特に印象深く残ったプログラムをいくつか挙げて参ります。

まずはSYLVIAのパ・ド・ドゥ。新国立にいらした頃より髪が短くなってさっぱりとした芳賀望さんが
一層爽やかさが増し、端正さも健在。紫系の衣裳もお似合いでした。
安定したサポートも観ていて気持ち良く、幸福感に満ちたパ・ド・ドゥでした。

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥでは浅田良和さんの颯爽とした姿が鮮烈な印象。
滞空時間が長い跳躍に加えてぴたっと決まる着地にどよめきが起こり
神経を隅々にまで届かせた踊りを披露。喝采を浴びていました。

根本佳奈さんと新村純一さんによる『ドロッセルマイヤーと金平糖のパ・ド・ドゥ』は
『くるみ割り人形』を大胆な解釈で新村さんが再振付。
クララと王子の出会い、グラン・パ・ド・ドゥのコーダ、そして幻想序曲『ロミオとジュリエット』の曲を繋げ
金平糖とドロッセルマイヤーの出会いから別れまでを描写。
流れに違和感がなく、また全幕上演では見えにくい金平糖とドロッセルマイヤーの不思議な関係を示す
大人の薫りが匂い立つパ・ド・ドゥでした。
ひょっとしたら、2人は叶わぬ恋愛関係にあったのかもしれないと想像を掻き立てられます。

青山佳樹さん振付の天の詩~トリスタンとイゾルデ「愛の死」より~は
ワーグナーの音楽で描かれたドラマのあるパ・ド・ドゥ。
『ロミオとジュリエット』の原型とも言われる『トリスタンとイゾルデ』の話は好きで本でも読み、
10年前には暗黒時代のヨーロッパ世界を忠実に再現したジェームズ・フランコ主演の映画も鑑賞いたしましたが
オペラとなると4時間を超える長大作品で食指が動かず。
(どこかで触れたいと思っておりますが私は何年経ってもオペラが大の苦手でございます)
7年前のザハロワのガラ、3年前のバレエ・アステラスに続いてバレエで鑑賞できたのは大きな喜びです。
2人で交わされる悲しみを湛えた感情が会場を包み、
白と黒のぼかしの効いたゆったりとした衣裳も雰囲気によく合っていました。

『ライモンダ』第3幕よりグラン・パ・ド・ドゥは斎藤由佳さんと黄凱さん。
斎藤さんの日本人離れした光が零れるかの如く煌めくオーラ、細く長い手脚が映えるポーズ、
パとパの繋ぎの部分も含めどこを切り取っても流れるように美しく、目が眩みそうになりました。
何度も組んでいらっしゃる黄さんとは盤石のパートナーシップを築かれています。

オオトリを務められたゲストの山本隆之さんのRevolteは矢上恵子先生振付作品。
元々は福田圭吾さんが20代前半の頃に出場されたコンクール用に振り付けられた作品だそうです。
凄まじい気迫に圧倒され、途轍もなくハードな作品を踊りこなすお姿はとても40代にはとても思えず。
締めに相応しい崇高な舞台姿にこの度も手を合わせたくなりました。

カーテンコールではスタジオ主宰の佐藤先生もご登場。カジュアルな格好でにこやかに挨拶される飾らないお姿から
所属団体を超えて大勢の方々から慕われるお人柄が伝わりました。来年も舞台も楽しみです。




Photo_2
到着した頃のパーシモンホール。だいぶ日が長くなった。


Photo_3
帰りは会場近くの串カツ屋さんにてハイボールと牡蠣のどて煮(おすすめ!)で乾杯。
女性1人の入店は勇気があると隣のサラリーマンに褒められた。女子への道は果てしなく遠い…。


新国立ダンサーの創作力に驚嘆 新国立劇場バレエ団Dance to the Future2016

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Dtf2016


新国立劇場バレエ団Dance to the Future2016を観て参りました。
http://www.nntt.jac.go.jp/dance/performance/150109_006135.html

第一部、第二部ではダンサー振付の7作品を上演。2012年に始まった企画ですが
年々クオリティーが上がり、今回も揃いも揃って面白い作品が集まりました。
第三部では2014年にバレエ団のために振り付けられて初演された
ジェシカ・ラング『暗やみから解き放たれて』を上演。ただ新国立ダンサーたちの作品を鑑賞した後では
やや薄味に感じてしまった印象です。



第一部・第二部

NBJ Choreographic Group 作品

【アドヴァイザー】平山素子


「Immortals」
【振付】髙橋一輝
【音楽】ヴィヴァルディ/M.リヒター
【出演】盆子原美奈、中島駿野、林田翔平、奥田祥智、佐野和輝、八木 進、吉岡慈夢

紅一点の盆子原さんを主軸に6人の男性ダンサーによる力強く野性味あるダンスが繰り広げられていきます。
盆子原さんは現在アーティスト(コール・ド・バレエ)ですが、ソロを踊ると一際強いオーラを放ち、
授賞式に臨むオスカー女優の如くスリットの入った衣裳が似合い、セクシーな健康美も眩しい。
男性たちも古典を見る限り全く気づきませんでしたが、実は物凄い身体能力の持ち主ばかり。
振りがぎゅっと凝縮した作品を水を得た魚のように生き生きと踊り、頼もしい気分になりました。


「Fun to Dance~日常から飛び出すダンサー達~」
【振付】小口邦明
【音楽】M.グレコ
【出演】小口邦明、若生 愛、宇賀大将、小野寺 雄、フルフォード佳林、益田裕子

前回は正統派なクラシック作品を発表された小口さんですが、
今回はバーレッスンとセンターレッスンを基盤にしながらショーのような楽しさ全開。
恐らくは普段のクラス・レッスンのときと同じ格好でTシャツもあればレオタードにスカートもあり、
それぞれ個性が出てウェア観察も楽しさの1つ。
男性2人の全てを発散させて弾けるような場面もあれば、男女のしっとりとしたパ・ド・ドゥあり、
2人で組む場面でもパートナーを固定せず入れ替わり立ち替わり異なる人と組んで
その都度異なる味わいを醸し出していた点も魅力でした。
生真面目にレッスンに勤しんでいたかと思いきやバーを飛び越えたり
客席に向かってお茶目にポーズを決めたりと予測がつかない展開。
しかし即興のように見えても舞台の広さや観客からの見え方を計算し尽くして振り付けられただけあって
要所要所の締め方が爽快。観る者を飽きさせず、わくわくとさせられました。
宇賀さんがタイツの色を日替わりにしていて初日は青レンジャー、2日目は赤レンジャー風。(逆だったかもしれない)
物静かそうでクラシックできっちりと踊りながらも『シンデレラ』ではもはや職人の域に達しつつある
前髪掻き上げ宝石屋を演じていらっしゃる小口さんの表現の幅の広さが前面に出た、心躍る作品でした。


「Disconnect」
【振付】宝満直也
【音楽】M.リヒター
【出演】五月女 遥、宝満直也

この企画の常連で、春の訪れを思わせる優しい作品もあれば
ボーリングをイメージした笑いを堪えるのに必死にならざるを得ない楽しい作品もあり、
(2014年の白鳥トロワを好演された小柴さんを観て
どうしても前年のボーリング着ぐるみの印象が抜けなかった方、
思わず笑いが込み上げてしまった方、多くいらっしゃるかと思います)
毎度完成度の高い作品を発表されている宝満さんですが
今回は静けさに包まれる中で人間の抑え付けられた苦しい心をぶつけ合うようなシリアスな雰囲気。
強靭でしなやかな五月女さんと柔らかで淡白な趣きのある宝満さんが1つになってじわりと化学反応が起こるものの
静止した姿は悲しみや寂しさを湛え、音楽はそのまま淡々と流れる。それぞれのバランスが絶妙でした。


「如月」
【振付】原田有希
【音楽】D.ヒース
【出演】五月女 遥、玉井るい、柴田知世、原田有希、盆子原美奈、益田裕子、山田歌子

恐らくはNBJ Choreographic Group初登場の原田さん振付の女性7人による翳りのある作品。
奥底に眠る苦悩や生きようともがく感情が徐々に抉り出されていき、
潤いを失い、切羽詰まって擦り切れていくかのような心の葛藤が描き出されていました。
スタイルが抜群に美しいダンサーたちが纏う黒色のシースルーで統一されたワンピースは影のようでもあり、
動くたびに揺れる様が危うい世界へと誘い込まれます。
踏み台を用いての表現や斜めに突き進むフォーメーションの構築もユニークでした。


「Giselle」
【振付】米沢 唯
【音楽】A.アダン
【出演】小野絢子(12日)/米沢 唯(13日)

唯一古典バレエの音楽を使用した米沢さん。初日、小野さんの登場を観てぶったまげました。
頭のてっぺんに付けた巨大な赤リボン、胸元は村娘風でありながらチュチュは短めで下にはフリルのパンツ、そして裸足。
通常片脚の爪先で対角線上に進んでいく振付を天橋立を眺望する場所で見られる股覗き体勢で歩く形に変えて、非常に大胆。
小野さんは可愛らしくて快活、悪戯好きな女の子が元気良く走り時々色っぽさも魅せる印象でした。
翌日は振り付けた本人の米沢さん。髪型はお下げで、今にも壊れそうなほど危なっかしく、狂気を募らせる少女。
最後に手を振る姿は空気に溶けて消えていきそうなほど儚く、看板のプリンシパルによる競演に連日驚かされました。


「カンパネラ」
【振付】貝川鐵夫
【音楽】F.リスト
【出演】宇賀大将(12日)/貝川鐵夫(13日)

今年のニューイヤー・ガラで遂にオペラパレスでの振付家デビューを果たされた貝川さんによる作品。
宇賀さんは一見あどけない雰囲気を備えていますがなかなか胸板が立派であると判明。
そういえば、2013年に上演された金森穣さんの作品にも抜擢されるなど現代作品でも活躍しています。
(Noism副芸術監督である井関佐和子さんは宇賀さんが通っていたバレエ教室の先輩に当たります)
少年の脱皮、のようなテーマを見て取れました。
翌日は貝川さんご本人。長身が映え、大らかさを感じさせました。


「beyond the limits of ...」

【振付】福田圭吾
【音楽】トミー フォー セブン
【出演】奥村康祐、寺田亜沙子、奥田花純、堀口 純、木下嘉人、玉井るい、林田翔平、原 健太

今回最も痛快で見応えがあった作品。最後に持ってきたのも納得です。
大量のスモークが焚かれる暗闇の中にダンサーたちが静かに現れ、洗練された鋭く締まりのある展開、
クラシックを基礎とつつも(女性はトゥ・シューズ)ギリギリのところまで張り詰めさせる隙のない緊迫感、
終始目が釘付けになりました。
照明の使い方がまた秀逸で、交互に2人ずつスポットを浴びて踊る場面ののち
やがて全員が浴びて一気に終盤へと向かう箇所は鳥肌もの。
男性では木下さんが身のこなしが軽やかで一際存在感があり、女性ダンサーたちの潔い切れ味にも痺れました。
中でも、ポスターやチラシにも大きく掲載されている寺田さんの長い脚線が空気を切り裂くたびに惚れ惚れ。
男女とも黒を基調としたレオタードで、身体の線がくっきりと見える研ぎ澄まされた美しさにも目を奪われました。



第三部

暗やみから解き放たれて

振付 ジェシカ・ラング
音楽 O.アルナルズ/N.フラーム/J.クレイマー/J.メトカーフ
装置 ジェシカ・ラング
(モロ制作会社ステファニー・フォーサイス、トッド・マックアレンのデザインによる裝置使用)
照明 ニコール・ピアース
衣裳山田いずみ
【出演】小野絢子、福岡雄大、八幡顕光、米沢 唯、
奥村康祐、貝川鐵夫、福田圭吾、奥田花純、
五月女 遥、細田千晶、丸尾孝子、川口 藍、
広瀬 碧、宝満直也、若生 愛、朝枝尚子、
小野寺 雄、原田有希

2014年のときは初演だったためか、電球飾りを始め諸々の風変わりな演出が印象に残っておりました。
しかし今回、新国立ダンサーによる極めて高質な作品を立て続けに観た後の場合、何時の間にやら目を閉じてしまい、、、。
数名の男性ダンサーが四羽の白鳥のように手を繋いだ場面ぐらいしか記憶にございません。
言い訳に聞こえるかもしれませんが、それだけNBJ Choreographic Group 作品のクオリティーが高かった証拠でしょう。

前回までとは異なり今回は中劇場での開催。間近で鑑賞できた小劇場に比べると臨場感が薄れたり、
距離の近さを感じられなくなってしまうのではないかと危惧する声も当初は聞こえていましたが、
結果として中劇場で良かったと思います。

まずダンサーたちが伸び伸びと踊っていたこと。少人数ならともかく、
ある程度の人数が舞台に立つと小劇場の場合どうしても踊りづらくなってしまう箇所も多々あったと記憶しております。

次に照明の力。どの作品にも言えますが、照明がもたらす効果の大きさを痛感した2日間でした。
場面毎に舞台の模様をも変えたり、交互にスポットを当てて緊迫感を高めたり、作品の質をより良く魅せることに貢献。
中劇場ならではの舞台機構を生かした演出の数々に驚嘆いたしました。

そしてNBJ Choreographic Groupの意義は非常に大きいと再確認。
普段はコール・ドで踊っているダンサーたちがソロや少人数で踊る舞台は新鮮ですし
加えてソロのほうがオーラが強まったり、実は高い身体能力や豊かな表現力の持ち主であるなど
古典の上演では気づけなかったダンサーの魅力が開花するのもこの企画の醍醐味でしょう。
確かに、外国の著名な振付家の作品を持ってくるのも大事なことかもしれません。
しかし振付家とダンサーが互いの特性をよく知っている間柄だからこそ
各々のダンサーの魅力が十二分に引き出されるのはこの企画ならでは。
どの作品も2月の『ラ・シルフィード』で上演されたウェイン・イーリングの『Men Y Men』や
今回再演のジェシカ・ラング『暗やみから解き放たれて』に比べても遜色がない、むしろより面白味があった印象です。
古典の再演だけでなく、様々な作品の上演及び自身と仲間と創り上げるオリジナル作品発表の重要性を
強く感じた公演でした。次回は11月、今から楽しみです。

※次回公演の『ドン・キホーテ』はゴールデンウィーク。ああ、それまで長い。



福田さん振付「beyond the limits of ...」での使用された2曲。SF世界を旅する気持ちになります。(音源は違うかもしれません)





【衝撃】【感激】【絶叫寸前】新制作こどものためのバレエ劇場『白鳥の湖』チラシ

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先週の新国立劇場バレエ団Dance to the Future2016、実に面白い作品目白押しで充実した公演でしたが
入場時に受け取ったあるチラシに開演前から興奮が収まらず、気分が高揚したまま開演を迎えました。

チラシ表の右側に見えたのは、こちら!!!


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1幕王子拡大!管理人、暗転直前の中劇場客席で絶叫寸前(笑)。
王妃の手の甲に口づけするさまがここまで絵になる王子、世界を渡り歩いても容易にはお目にかかれないでしょう。


Photo
申し遅れました。チラシの公演名は7月に新制作上演されるこどものためのバレエ劇場『白鳥の湖』です。
本日じっくりと時間をかけて眺め、チラシをつまみに昼下がりから祝福のワインが止まらず。
そういえば、白鳥の1幕は王子の成人祝い。杯の踊りやら飲み過ぎた家庭教師などお酒の出番が続きます。

公演の開催については既にホームページなどで発表されていましたし
チラシもそろそろ出来上がる頃とは想像しておりましたが、例年こどもシリーズは殆んど足を運んでいないため
DTF開演直前に配布物を確認する中で概要だけでも読んでおこうと軽く眺める程度のつもりでした。
ところが、まさか載っているとは思いもしなかったダンサーの姿に胸が熱くなった次第でございます。

酒井はなさんと山本隆之さんといえば数々の演目でペアを組まれ、
新国立劇場バレエ団往年のファンの間では黄金ペアとして記憶に刻んでいらっしゃる方も多いことでしょう。
チャイコフスキー三大バレエからジゼル、ドン・キホーテ、ラ・シルフィード、椿姫、カルメン、
ロメオとジュリエット、オルフェオとエウリディーチェなどなど数多くの演目で共演。
書き連ねているだけでも、それぞれの舞台で生み出された深いドラマが思い起こされます。
また新国立にはない、或いは共演されていないレパートリーでも本を読んだり、舞台を鑑賞していると、
バレエ化しているいないに関わらずお2人を当てはめてしまったことも数知れず。
マクミラン『マノン』、クランコの『オネーギン』、漫画『ベルサイユのばら』、
その他恋愛小説などなど他にも色々。想像が膨らむばかりです。
ベルばらに関してはマリー・アントワネットと題し、江藤勝己さん振付で3年前に日本バレエ協会公演で上演。
漫画よりも遥かに麗しく、そして深い愛に包まれたマリーとフェルセンでございました。


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もう何発か拡大!

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このままお2人について綴っておりますと昨夜鑑賞した眠れる森の美女のように
100年の月日が過ぎてしまいそうですので話を戻します。

よく読んでみますと、衣裳デザイン者の名前からして2006年1月まで採用していた
セルゲイエフ版の衣裳、装置を使用すると思われます。
そのためセルゲイエフ版の経験者且つ当時ほぼ全演目で主役を張っていらした
ダンサーも載せる運びになったのでしょう。
黒とオレンジで整えた吉本泰久さんの道化、市川透さんのヴィジュアル系バンド風ロットバルトや
ソフトクリーム娘なる花嫁候補たちにも懐かしさが募ります。
中央には牧阿佐美さん版を踊る現在のバレエ団の看板である小野さんと福岡さんが大きく載っています。


拡大写真を載せて参りましたが、最近できたこども白鳥特設ページの「ものがたり」のカテゴリーに
画質の良い美しい写真が多数あり。どうぞご覧ください。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/kids-swan/#story


大分話が前後いたしまして、普段以上に支離滅裂な展開になり失礼いたしました。
明日以降は落ち着きを取り戻して進めて参ります。




はなさんの幸福オーラで満たされた安心の王道路線 日本バレエ協会 コンスタンチン・セルゲイエフ版『眠れる森の美女』 3月19日(土)酒井さん&奥村さん

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日本バレエ協会のセルゲイエフ版『眠れる森の美女』を観て参りました。
http://tomin-fes.com/list/ballet03.html

オーロラ姫役の酒井はなさんが軽やかで愛らしく、スターオーラ満開な姫君を好演。
新国立の開場から約20年の月日が流れていますが、古典作品においても
まだまだ主役を務められることを示す素晴らしい舞台でした。


オーロラ姫:酒井はな
デジレ王子:奥村康祐

リラの精:堀口純
カラボス:西島数博

フロリナ王女:塩谷綾菜
青い鳥:高橋真之

フロレスタン王:桝竹眞也
王妃:佐藤真左美
カタラビュト・式典長:小笠原一真
狩猟長:奥田慎也
ガリフロン:柴田英悟
伯爵夫人:鈴木裕子

優しさの精:渡久地円香
元気の精:原田貴子
鷹揚の精:榎本祥子
呑気の精:木下真希
勇気の精:小泉菜摘

ダイヤモンドの精:伊野波都
金の精:大山裕子
銀の精:大長亜希子
サファイアの精:渡久地真理子

白い猫:菊地結子
長靴を履いた猫:冨川祐樹
赤頭巾:高橋静香
狼:奥田慎也
シンデレラ:榎本祥子
フォーチュン王子:オリバー・ホークス

各国の王子:福岡雄大 江本拓 小口邦明 田中俊太朗 
※目視のため間違っていたらご指摘お願いいたします。福岡さん、江本さん、小口さんは確実かと。



はなさんのオーロラは初見。元気一杯な姫君を想像しておりましたが、最初は慎ましく奥ゆかしさを感じさせる抑えた雰囲気。
実に可憐で、王子達の近くに寄っては恥じらって国王夫妻のもとへと戻る一連の中で
徐々に心を開いて高まる感情を丁寧に表現され、観る者の誰もが思わず頬を緩ませずにはいられない愛らしさでした。
登場した瞬間に幸福なオーラで会場で満たすスター性は健在。
床に語りかけるように脚をそっと差し出しながら舞台に現れて観客に微笑むその数秒だけでも
胸が熱くなるような興奮を覚えました。
ローズ・アダージオでもひやりとする箇所は皆無で、求婚者たちとのやりとりにおいても各々の王子たちと心をこめて踊り、
前半では初々しさを残して後半へ進むにつれ堂々たる品格を醸していき鮮やかなドラマを描出。
小姓たちに向ける優しい笑顔にもほっこりとし、はなさんのあたたかな人柄が滲み出たひと幕でした。
ローズ・アダージオでこんなにも胸が高鳴ったのは
2007年の新国立劇場バレエ団公演、コール・ドとして入団され着実に昇進を遂げてきた川村真樹さんが
待望の主役デビューを果たされたとき以来です。

2幕ではまどろむような風情を漂わせて思わず手を差し伸べたくなる儚さがあり、
助けたいと欲望を募らせる王子の心に説得力を持たせる優美さでした。
目覚めでは無邪気さを見せながら両親を起こす天真爛漫ぶりで蕩けそうに。
良い意味で、幻影の姫から想像がつかぬ明るさに王子も尚のことオーロラを見守りたくなったに違いありません。
英国の演出でよく見られる目覚めのパ・ドドゥは確かにしっとりロマンチックですが、
甲高いファンファーレによって皆が一気に100年の眠りから目覚めて
オーロラとデジレはこれぞ運命とばかりの祝福を受けて婚約、
そして3幕へと突入する流れは明らかに話にリアリティは欠けるものの勢いには乗りやすく
晴れ晴れとした気分で結婚式鑑賞に臨める気がいたします。

格調高い3幕も脳裏に刻まれ、決して派手な衣裳でないながらも全身から放たれる威厳と眩い光に圧倒。
はなさんの古典全幕は実に久々でしたが様式美の枠の中で周囲と円滑なコミュニケーションを取りつつ
主役としての風格を見せながら自由自在に踊り、大掛かりな古典作品を引っ張るパワーにただただ天晴れです。

奥村さんの王子は気品に加え、骨太さが益々備わって爽快。
セルゲイエフ版ではオーロラを救出するにあたって王子が剣でカラボスや手下たちと戦う試練があり、
優しいだけの王子では非常に不満が残る演出。
しかし臆せず勇敢に立ち向かい、遂には百年の眠りを突き破って姫に口付けするまでの過程が力強く、頼もしさ十分です。
はなさんとは何度も組んでいらっしゃるだけあって安定したパートナーシップを披露され、はなさんのほうが先輩ではありますが
舞台の上ではそれはそれはお似合いな姫と王子でした。

もう1人、目を見張ったのはリラの堀口さん。伸びやかでダイナミック、
大変華奢な体型ですが全身で音楽をたっぷりと使った踊りは観ていて実に気持ち良し。
プロローグでは妖精たちを導く姿はふわっと優しげでですが、カラボスと向き合うときにはきりりとした姿で堂々たるものでした。
来年5月に新国立劇場バレエ団では一昨年初演のウェイン・イーリング版が再演されますが、
次回こそは是非ともリラにキャスティングしてほしいと願います。(ただリラの衣裳にフリルが多すぎて違和感があるのだが・・・)

西島さんのカラボスは妖しさ満点。黒や緑、銀色の入ったドレスを翻す姿には麗しさもあり
単なる悪役に留まらない魅力が光っていました。
セルゲイエフ版を何度も経験されている2日目夜公演でのトレウバエフさんも気になります。

フロリナ王女の塩谷さんは愛くるしく柔らか。手先をひらひらさせ過ぎるダンサーも時々見かけますが
あくまで気高い王女と解釈されているのでしょう。余計な力を入れず、さっぱり且つ端正に踊られていました。
高橋さんは短い時間ながらもバネのある跳躍に楽しげな笑みが快い印象。爽やかな風を吹かせ場を盛り上げました。

それからダイヤモンドの伊野波さんのスケールが大きく軸がしっかりとした踊りも心に残り、
まだお若いようですが宝石陣を頼もしく統率する貫禄も良し。今後が楽しみです。
高橋有里さんと小笠原一真さん主宰のAristo Ballet Studio所属とのこと。

古典中の古典で喜劇の要素は本来ないはずの作品でありながら客席のあちこちから笑いが毀れていた場面の1つは
4人の王子たちのやりとり、そしてセルゲイエフ版名物である似合わない鬘。
キャラクターがはっきりしていて、積極的にアプローチする王子もいれば、控えめに接する王子、
求愛を阻む大胆な王子、とオーロラを愛する点は共通ながらも個性が様々。
鬘は皆長めのデザインで、似合っていたかどうかはさておき全員サポートは万全体勢のため安心。
ただ、ボリュームが抑えられたヘンデル風の鬘は世界史コントを彷彿とさせ、やはりどうしても笑ってしまいます。(特に福岡さん)

劇場でのセルゲイエフ版鑑賞は2007年の新国立劇場バレエ団公演以来約9年ぶり。
プロローグで薄紫色の衣裳をまとった大勢のリラのお付きたちの登場が目に入ると、セルゲイエフ版を観に来た、と
懐かしさと嬉しさが込み上げるばかりでした。
マリインスキーの衣裳ではありませんでしたが、それでも全員色も模様も異なり
上品な華やぎに満ちた6人の妖精たちが現れると気分が華やぎます。背中には羽が付いて、妖精らしさも倍増し。
そして先にも触れた、似合わない鬘。しかし古典バレエの最高峰と称され、
帝政ロシアを賛美する、贅に贅を尽くした豪華絢爛な作品であり
現存する演出の中でもセルゲイエフ版は他の作品を凌駕する壮大さがあるといえます。
今回の上演では6人の妖精や花のワルツの男性は鬘なしにするなど
東洋人に合うデザインを起用しつつ、4人の王子のように突き抜けるべき箇所はとことん仰々しく整え
そのバランスが丁度良く感じました。
(要所要所でのオーロラサポート担当の福岡さんは技術が鉄壁なだけあって
何度思い出しても髪型とのギャップに笑ってしまう)
2幕冒頭で貴族たちと森で戯れる王子のダーツが絶対命中である点や妙に大きい獲物の鹿、
3幕最後のかごめかごめと言わんばかりに手を繋いで円になってゆっくりと回る振付もお約束ながら唸らせる演出です。

結婚式は最初のほうでオーロラ姫と王子が登場し、下手側に立って来客を迎えます。
赤頭巾ちゃんやフロリナ姫、シンデレラなど個性が際立つ来客が入場するたびに様々な反応を示して
にこやかに優しく迎え入れる新郎新婦の幸せそうな表情は人間味を感じさせ、心が和む場面の1つです。

絢爛な眠りを堪能できましたが、欲を言えばもう少し貴族の人数を増やしたほうが豪華さはぐっと上がったようには思います。
上階席から鑑賞すると、ところどころぽっかり穴が空いたかのよう。予算の関係と思われ、ダンサーに責任はありませんが。

期待を大きく上回る質の高い舞台に感激し、プロローグから終幕まで王道路線の古典を満喫。
はなさんのオーロラが放つ幸福なる輝きに共演者も観客も満たされ、一体感のある舞台でした。
まだ早い段階ではありますが、今年の上位3本に入る予感大です。


Photo
カーテンコールには振付指導をされたマイヤ・ドゥムチェンコさんが登場。
1996年夏の来日公演記事が掲載されたダンスマガジンを読んだとき、
何と可愛らしく気品のある姿だろうかとうっとり。恐らくはヴィシニョーワと同世代か。
あれから20年。当時と殆んど変わらぬプロポーションで優雅に登場され、感動もひとしお。


※ダンススクエアのサイトに写真がたっぷり掲載。
http://www.dance-square.jp/tsm1.html




【先月発売】【なかなかハイテク】シルバニアファミリー 森のバレエ劇場

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本日は2016年におけるイースターだそうです。クリスチャンではないため復活祭の点以外の詳しい知識はありませんが
子供の頃に見ていた教育テレビの『えいごであそぼ』で取り上げられ、
卵に絵を描く作業は楽しそうであると感じたと記憶しております。
ハロウィンに続けと言わんばかりに日本でも徐々に浸透させようとしているのか、
世間には卵やうさぎがデザインされた品が多数目に留まります。

ところで皆様はうさぎと聞くと、どんな作品、事柄が思い浮かぶでしょうか。
アシュトンによってバレエ化もされた『ピーター・ラビット』、満月でお餅をつく姿など様々かと思います。
私と同世代の方の場合、主人公の名前が月野うさぎであり2年前に当ブログでも触れた『セーラームーン』、
そして玩具のシルバニアファミリーではないでしょうか。
http://sylvanian-families.jp/?page=home


※同世代と言われてもいった何歳だと見当がつかない方もいらっしゃることと思いますが
物心ついて最初に知った世界情勢のニュースがソビエト連邦崩壊だった世代です。
(もっと分かりやすい例えはないのかとのご指摘はここでは受け流します・・・)

シルバニアの歴史についてはこちらをご参照ください。昨年の3月20日で30周年を迎えたそうです。
http://sylvanian-families.jp/special/30th/


今や様々な種類のファミリーが誕生していますが、最たるスタンダードはうさぎで
初期の頃から活躍し、商品パッケージの中央に映る機会も現在も尚多いようです。
そのシルバニアから先月、「森のバレエ劇場」が発売されました。
http://sylvanian-families.jp/catalog/item_detail.php?category_id=72&product_id=1361


動画もあります。




『白鳥の湖』の情景と『くるみ割り人形』の行進曲はあらかじめ入っていますが、機材と繋げれば好みの音楽の再生も可能のようです。
組み立てるとチケット売り場もあり、細かい箇所まで考えられています。
子供の頃に親しんだ玩具にバレエが加わって感慨深い気分。男の子のダンサーも登場すると、嬉しいものです。


年々新しい仲間が誕生しているシルバニアですが、私が子供の頃はうさぎと猫ぐらいだったかと記憶。
しかし近年は海の生き物も仲間入りし、ラッコもいるそうです。
http://sylvanian-families.jp/catalog/item_detail.php?category_id=1&product_id=973

どのキャラクターも誕生日があり、性格の設定も明確。ただ共通しているのは、皆で平和な社会を作り上げている点でしょう。
例えばうさぎとラッコの共存など本来考えられないこと。しかしたかが玩具、されど玩具。
シルバニアを並べてみたとして、次第に引き込まれごく自然な風景に見えてきそうですから不思議です。
昨今の痛ましい報道を見聞きしていると、ルーツがばらばらである者同士であっても
分かち合い協力していくことの大切さ、尊さを投げかけているとさえ感じます。




京都にて第15回星のバレエカーニバル開催

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2011年撮影、宇治の橋

春の京都恒例・星のバレエカーニバルが今年も開催されます。

主催の田中規子バレエホームページ
http://ballet-web.jp/wordpress/?p=197

田中規子バレエのブログ
http://ameblo.jp/t-ballet-academy/entry-12137682769.html



※以下、田中規子バレエのホームページ、ブログより
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4月9日(土曜日)
ジュニアの部   バリエーション 
開場  1時30分
開演  2時

4月10日(日曜日)
シニアの部  Va・創作・GPD15曲
開場  3時30分 
開演  4時

場所:京都こども文化会館

入場無料 整理券はいりません!

《シニアの部  ゲストダンサー》
青木崇  アンドレイ クードリャ  碓氷悠太
大平哲滋   張縁睿    陳建国
福岡雄大    黄 凱     山口章       50音順(敬称略)
---------------------------------------------------------------------------------------------

シニアの部はここ数年ほぼ毎年観ておりますが、無料とは思えぬ豪華さで毎度驚かされております。
初めて足を運んだ際には、入場券を買い忘れたかと思ったほどです。
今回は初出演でしょうか、福岡雄大さんがご登場、ご注目を。
女性の出演者の方々も毎回実力者が揃い、見応え十二分。
お近くの方は勿論のこと、この日にお花見やご旅行で京都付近にお越しになる皆様も是非ご来場ください。
会場付近にも名所が多くあり、北野天満宮はすぐそば、金閣寺も比較的近距離です。
春の京都でバレエ鑑賞、どうぞお楽しみください。

※NHKバレエの饗宴と重なってしまったため、今年は管理人観に行けず。ご覧になった方のご感想をお待ち申し上げます。


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2011年撮影、金閣寺。金閣派か銀閣派で大概意見が分かれます。
(私は中学校の修学旅行で初めて京都へ出かけたときから、渋味と落ち着きのある銀閣派です)


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2015年撮影、銀閣寺に近く哲学の道が見える湯葉の店、に志田。春らしい彩りに魅せられ、何度か4月に訪れております。



さくら満開・明日から新年度

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明日からは新年度。東京の桜はまもなく満開で、新しい節目を迎える方も多くいらっしゃることと思います。
新宿では今夜、バレエ・プリンセスの公演が開催。春の夜を可憐なお姫様たちが彩っていることでしょう。

※そういえば、夏には『バレエの王子様』という公演が開催。口に出すのも文字にするのも恥ずかしく
一昔前の少女漫画を彷彿とさせる今時珍しい公演名に仰天でしたが
公演概要が発表されるにしたがって目も耳も慣れてきたように感じます。

近々お花見を予定されている方も大勢いらっしゃることと思いますが、
私は現在過去ともにお花見の習慣がある職場にいたことがないため、いわゆるシートを敷いてのお花見経験がありません。
桜の時期は前回の記事で書いた通りいつも京都でバレエを鑑賞しておりましたため
1人のんびりと嵐山や宇治、銀閣寺や平安神宮、鴨川沿いなどを散策。
どんちゃん騒ぎをして警察沙汰になっている報道映像が目に入ると
ゆっくりと安全に楽しめないものかと考えてしまいますが、
お酒が入ると気持ち良くなって歯止めが効かなくなってしまうのでしょう。
来月10日のバレエの饗宴の頃にはNHKホール近くの代々木公園周辺は葉桜の風景が広がっていそうですが、
それもまた風情がありそうです。

バレエでさくらといえば、デヴィッド・ビントレーさん振付の『パゴダの王子』。
突っ込みどころは多々ありましたが今となっては懐かしさが込み上げる作品です。
映画や漫画においては『男はつらいよ』寅さんの妹、『ちびまる子ちゃん』主人公の名字で
いずれも長年愛され、幅広い世代に親しまれている作品ですが
バレエ化したら、ファミリー向け作品に仕上がってひょっとしたら面白いかもしれません。
ただ、ズバリ!が口癖の丸尾君を務めてくれるダンサーが果たしているかどうか、、、。

ところで皆様は来年度の目標はありますか?仕事、趣味、健康などそれぞれの分野において色々あるかと思います。
私もいくつかありますが、1つは体重管理。
来月末にいつもお世話になっているスタジオのレッスンへ行く予定を立てておりますが
ここ最近は恐怖の余り、体重計に乗っておりません笑。
今年は宮崎駿さんの名作の1本である『天空の城ラピュタ』劇場公開から30年にあたりますが
だからといってパズーと同様、着地で床に穴を開けるわけには行きません。
(ラピュタをご覧になってない方には、意味が通じないかと思いますがご了承ください)
まだトトロのように着地した瞬間、周囲のものが浮かび上がるだけの事態のほうが大事には至らずに済むでしょう。

取り留めのない記事になってしまいました。来年度も管理人の体型とは正反対に細々と書き続けて参りますので、
どうぞ宜しくお願いいたします。

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今年の1月末、新橋のサラリーマンの席ではありません。
一応頭をシニヨンにした、レッスン帰りのバレエ女子がいた席でございます。
2年前、スタジオ近くに美味しく手頃な海鮮居酒屋が開店。


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日本酒も注文。レッスン後の一杯は格別です。そうだ、女子力増強も目標に掲げねば。


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番外編:今月中旬に新宿にて飲んだ奈良の日本酒、その名も春鹿。
生産地を聞いて奈良の鹿好きとしては思わず飛び付いてしまいましたが
締まりのある味が心地良く、美味しうございました。
奈良といえば、本日センバツ高校野球決勝で智辯学園が香川代表の高松商業にサヨナラ勝ちで優勝。
地元では盛大な祝福パレードが開催されることでしょう。




今年も開催・MRBスーパーガラ2016

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毎年夏の恒例・MRBのガラが今年も大阪で開催されます。

MRBホームページ
http://mrb.matsudatoshiko.net/stage.html

MRBのブログ 3月31日現在出演者・演目最新情報 
http://ameblo.jp/mrb-ballet/entry-12144465792.html


出演者、演目などは追加で決まり次第、随時更新してくださるようです。
今年もベテランからフレッシュなダンサーまで豪華な顔ぶれですが、
Kバレエスタジオの工藤雅女(くどうまさこ)さんは恐らく初出演。注目のダンサーです。
エスメラルダのヴァリエーションは一昨年大阪で拝見いたしましたが、
鋭く強く突き抜けた感があるかと思えば中盤では女性らしい情緒を滲ませ
短いヴァリエーションの中であってもドラマを見せてくださったことは今もよく覚えております。
加えて技術も盤石で、2年前は最後タンバリンを脚先に打ち付けながら斜め一直線に進む箇所では
回転しながらさらりとこなされ、大喝采でした。

古典のグラン・パ・ド・ドゥからヴァリエーション、創作までバラエティに富み
漆原さんや小嶋さんの振付作品も楽しみであります。
ちょうどリオ五輪開幕直前で日本国内もスポーツの祭典に熱くなっている時期ですが、
大阪のバレエも負けてはいません。京阪電車中之島線を利用すれば、中之島駅を出てすぐです。
(電車利用者には大変便利)どうぞ、足をお運びください。


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昨年の終演後に撮影した、会場目の前にある橋。青くライトアップされ、涼やか。



余談ですが、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』が昨日最終回を迎えました。
後半あたりからは毎回欠かさず視聴しておりましたため、朝の時間に痛快で心地良い大阪弁が聞けなくなると思うと
大阪関連の記事を書きながら一層寂しさが募ります。
ところで、大阪弁といっても、大阪の中でもまた地域によって異なると教えていただいたことがあり
例えば大阪弁を練習してから大阪に引っ越したからと言っても、
きちんと地元の方々のように流暢にはなかなか話せるようにならないとか。ううむ、言葉は難しい。





日本におけるシェイクスピア作品の第一人者・坪内逍遥の直筆原稿もあり 早稲田大学演劇博物館

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何度か書いておりますが、今年はシェイクスピア没後400年。
世界各地で記念行事が開催され、また偶然か国内のバレエ公演においてもシェイクスピア作品が目立っています。
英国ロイヤルバレエ団来日公演、松山バレエ団、大阪の佐々木美智子バレエ団、
新国立劇場バレエ団で『ロミオとジュリエット』を上演。また今週末のNHKバレエの饗宴では
谷桃子バレエ団が日原永美子さんに振付の新作『オセロー』を披露。
3月に行われたハンブルク・バレエ団来日公演では『真夏の夜の夢』が含まれ、
目白押しと言っても良いかもしれません。

そんな中で先日早稲田へ行く用事があり、以前から行きたいと思っていた早稲田大学演劇博物館へ行って参りました。
早大の教授を務め、日本で最初にシェイクスピアの全訳を成し遂げた坪内逍遥の古稀を記念して建てられたそうです。
http://www.waseda.jp/enpaku/


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ざっと回るだけにとどまったため展示資料1点1点に深く見入ったわけではありませんが
特に印象深かったのは、坪内博士直筆の『ロミオとジュリエット』原稿です。
達筆で読み解くまでには至らなかったものの、現代の日本でも書店や図書館に行けば必ずと言って良いほど並べられ
バレエでも人気の高いシェイクスピア作品に親しめるようになったのは
国内に広めたいという博士の惜しみない情熱があったからこそであり、
日本におけるシェイクスピアの原点を見た気がいたしました。
他にも貴重な資料が多数展示され、入場も無料ですのでどうぞご来館ください。
演劇関係が主体ですが舞踊関係の資料も充実。バレエ好きも存分に楽しめる空間が広がっています。
次回は図書資料もじっくりと閲覧したいと思います。

今年の1月末まではダンスの振付に焦点を当てた企画展も開催されていました。
http://www.waseda.jp/enpaku/ex/3628/
尚木造のため、ヒール靴ですとカパカパと大きな音が響きやすくなりますので避けたほうが無難です。

以下も前に少し触れた余談。中学生の頃は本を殆んど読まない子供でしたが
高校受験の面接ではほぼ確実に読書に関する質問があると聞き愕然。
バレエ好きな面接官などそう会えるはずもなく、バレエ雑誌と答えるのも如何なものかと
考えあぐねていたときに現れた救世主がシェイクスピアでした。
中学3年の秋に友人のバレエの発表会を観に行き、演目が『真夏の夜の夢』。
ところがパックの悪戯によって人間関係が複雑に絡み合い、1回観ても話がチンプンカンプン。
本棚にあったはずと記憶を辿りながら帰宅後すぐさま手にしたのが真夏、、、も収められている子供向けのシェイクスピア本で
プログラム片手に人間関係を再確認し、あらすじを把握。
子供向けでしたので少々難しい言葉や分かりづらい内容は各ページの上部に解説が掲載され
その中に坪内逍遥も写真入りで掲載されていました。
第一印象は「お髭が立派なお爺さん」でしたが、よくよく読むと日本におけるシェイクスピア作品の第一人者で
偉大なる人であるとのちに気づいた次第でございます。

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この日は王子駅(王子様駅ではない)から都電荒川線に乗車して早稲田駅へ。
王子駅すぐ前の飛鳥山公園は今がちょうど桜が見頃のはず。公園から撮影、京浜東北線が通過中。


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都電荒川線王子駅。レトロな車両が今も運行されているのは嬉しい。
ちなみに荒川線沿線にはプリンシパル王子というマンションがあり、現在入居者募集中のよう。
もし住むとなれば、住所を明記するだけでもときめく心を抑えられなくなるのは目に見えています。


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博物館斜め手前から、坪内逍遥像。




【追加:共立女子大学で事前解説あり】【おすすめ夏公演】小林紀子バレエシアター「アシュトン/マクミランプログラム」『二羽の鳩』『ソリテイル』

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先日の日曜日、NHKバレエの饗宴2016を観て参りました。例年より渋い作品が揃っていましたが
NHKホールの大箱であっても存分に楽しめました。また感想は近々載せて参ります。
入口で今夏の公演がぎっしりと詰まったチラシの束が配布され、読んでみると面白そうな催しが続くようです。

その中でも、おすすめの舞台があります。小林紀子バレエシアター『二羽の鳩』『ソリテイル』です。
http://www.nkbt-tokyo.com/perform.html


※追加
島添さんの母校である共立女子大学(千代田区神田神保町)にて事前解説がついたチケットプランもあります。
地下鉄神保町駅からすぐの立地です。
共立アカデミー鑑賞会・学外ツアー一覧

[一部抜粋]
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受付状況 2016年06月01日まで、受付中です。
回数 全2回
講座日程 【事前解説】 6/7(火)18:40~19:40  【公演】 7/1(金) 18:30開演
会場 【事前解説】神田一ツ橋キャンパス
【公演】新国立劇場中劇場 (住所)渋谷区本町1-1-1(tel)03-5351-3011
受講料:※チケットによって異なります
講師 小林健太、島添亮子

小林健太:
小林紀子バレエ・シアター制作として舞台制作を担当。世界的に著名なアーティストとともに公演の制作を行う。事前解説には、本学卒業生で日本を代表するバレエダンサー、島添亮子さんも講師として参加します。

島添 亮子:
共立女子大学国際文化学部(現 国際学部)卒業。小林紀子バレエ・シアターのプリンシパル・ダンサーとして、古典から近代バレエまで幅広く主演する他、新国立劇場バレエ公演、(株)日本バレエ協会公演「ジゼル」等への主演、また日本テレビ系のドラマ「プリマダム」に「白鳥の湖」のオデット役で出演。2007年東京新聞制定中川鋭之助賞、2008年橘秋子賞優秀賞受賞。2012年服部智恵子賞受賞。

【備考】
島添亮子が全日程出演しない場合もありますので予めご了承ください。
講座の一環として事前解説を行いますので必ずご出席ください。
鑑賞券は会場受付にてお渡しいたします。
キャンセルによる返金は6/23(木)までといたします。
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アシュトン振付『二羽の鳩』はパリのアトリエを舞台に少女と若者の甘酸っぱい恋が描かれ
若者は一度は妖艶なジプシーのもとへと走ってしまうものの行った先で散々な目に遭い、
後悔して再び少女のところへと戻って愛を確かめ合うといった物語です。題名の通り、本物の鳩が登場します。
小林シアターでの日本初演頃である約25年前、10年前のKバレエカンパニーとこれまで全幕では2回観ておりますが
鳩が客席に飛んでくるような事故はありませんでしたのでご安心を。

鳩といえば、日本で生まれ育った者からするとポッポッポで始まる歌や電話は良い風呂でお馴染みの伊東の温泉、
引っ越しセンターの印、映画『天空の城ラピュタ』でパズーのトランペットの音色に乗って一斉に飛び立つ姿、
そして新たなエンブレム候補が発表された2020年ではなく52年前の東京オリンピック開会式といった印象が強く、
白鳥や黒鳥、火の鳥、先日発売のぴあのバレエガイドでも漫画家のくりた陸さんがお描きになっていた
『リーズの結婚』のニワトリに比較すると決してバレエではメジャーな存在ではないかもしれません。
しかしふとしたときに突然飛び去って主人公の心の移ろいを引き立てたり、
最後は2人の再会の象徴として椅子の背に二羽が寄り添うなど物語の鍵を握る重要な役割を担っています。
微笑ましい世界を描き出し、ほっこりとした余韻に浸れることでしょう。

少女がジプシーの女にぶつける競争心、刺激欲しさであろう若気の至りで
ジプシーたちの闇への巻き込まれる一因となる若者の一目惚れ、そして改心して日常生活に戻り
少女との愛の絆を確認し合う最後、と偶然であるのか
本日4月13日の誕生花たちがそのまま物語に反映しているかのようです。http://www.nnh.to/04/13.html

今夏はアナニアシヴィリ、フェリ、ロパートキナ、ザハロワが競演するオールスター・ガラや
(プログラムにはありませんが、もしこの4人によるパ・ド・カトル実現したらバレエ史に残りそうです)
バレエの王子様(チラシデザインも出演者紹介も少女漫画風でこれはこれでなかなか面白い)、
バレエの巨匠、エトワール・ガラ、と来日公演が目白押しですが
日本のバレエ団公演も魅力に満ちていますので、どうぞご注目を。
念のために申し上げますが、直前のロバート・テューズリー降板により急遽数日間のリハーサルで代役を務められた
チラシ掲載の2005年上演時の若者役ダンサーを載せたいがために今回紹介したわけでは決してありません笑。
『二羽の鳩』、そして少女の内面を細やかにときにユーモアを交えて描いた『ソリテイル』、両方おすすめでございます。



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2人が再び愛し合う最後、本来であれば「二羽の鳩」が椅子の背にとまっていなければならないのですが、
一羽はお散歩中でしょうか。
Kバレエカンパニーで鑑賞したときは、一羽は堂々と舞台を横切っていました。生き物ならではのご愛嬌です。




これまでとは趣向が様変わり NHKバレエの饗宴2016 4月10日(日)

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Nhk


NHKバレエの饗宴2016を観て参りました。
https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0272981/
以前よりも渋い作品が揃い、巨大なNHKホールでの開催にやや不安を覚えておりましたが
いざ鑑賞すると存分に楽しめました。



[第5回記念特別企画]
マニュエル・ルグリ プロデュース 未来のエトワールたち


『ゼンツァーノの花祭り』から

振付:オーギュスト・ブルノンヴィル    音楽:ヘルステッド
振付指導:マニュエル・ルグリ

木村楓音 山本理久

ルグリとブルノンヴィルが今一つ結びつかずプログラムを知った当初は首を傾げておりましたが
プログラムのルグリのインタビューにフランスバレエとの共通点がある旨や若い人の育成に適しているなど
理由が書かれていて納得。
お2人とも少し緊張があったようにも見受けられましたが上品で微笑ましくエレガントでした。



『ナポリ』から
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル    音楽:パウリ、ヘルステッド、ガーデ、ルンブイエ
振付指導:マニュエル・ルグリ

石井日奈子    小川理恵    田野井大登
鳥居ありす    山仁  勇    𠮷江絵璃奈

明るくカラフルで爽やかな作品。丁寧にのびのびと踊っていて、清々しい印象を残しました。
若さというのはそれだけで強みになる!(ゼンツァーノ、ナポリともにダンサー全員新国立劇場開場以降の生まれ)
ただ、全国放送されるNHK主催の公演のトップバッターを務めるにはおとなしい気が否めず。
特に第1回の幕開けを飾った新国立劇場バレエ団『アラジン』財宝の洞窟場面は
他のバレエ団目当てに来た観客も、何が何だかよく分からないが
とにかくスケールの壮大さに感激と言わんばかりに大拍手を送って
直後の休憩時間も振付の面白さや豪華な装置、衣裳の話題でもちきり。
その後に続くバレエ団も勢いに乗っていった印象でした。
そうはいっても若手育成はどの世界においても重要。今後に期待です。



スターダンサーズ・バレエ団
『リラの園』

振付:アントニー・チューダー    音楽:ショーソン
振付指導:アマンダ・マッケロー、ジョン・ガードナー
演奏:渡辺玲子(バイオリン)

カロライン:渡辺恭子
その愛人:吉瀬智弘    
カロラインの婚約者:山本隆之
彼の過去の女:佐藤万里絵
友だちと親戚:西原友衣菜    金子紗也    松本実湖    酒井優
                    渡辺大地       大野大輔    加地暢文    宮司知英

昨年の9月公演オール・チューダー・プログラムとほぼ同じ布陣、NHKホールのような大箱であってもしっかり魅せました。
渡辺さんの儚くも美しいカロライン、山本さんの本場の英国紳士以上に気品を備え魅力的であろう婚約者。
幕が開き、寄り添いながらもどこか虚しさを秘めて同じ方向を眺める姿が絵になるお2人でした。
渡辺さんは前回の9月公演以上に踊りや立ち振る舞いが優雅且つ自然で、
他の静謐なチューダー作品でも是非観てみたいダンサー。引き込まれました。
吉瀬さんは見た目はややプレイボーイ風な(褒めています)軽さがありながら
カロラインとは叶わぬ恋と分かっているのか、手を取るときも嬉しさよりも哀しみが宿っているかのよう。
佐藤さんの理知的な美貌を持つ過去の女はカロラインの婚約者と束の間2人で踊るときの
抑えた中から複雑な思いが滲み、表現に奥行きが感じられました。
再演を重ね、また今回も9月公演に続きチューダー財団よりアマンダ・マッケローとジョン・ガードナーが来日して指導にあたり
より自然で雄弁なドラマに仕上がっていました。主要な人物を取り巻く友だちや親戚も
単なる楽しい宴ではない雰囲気を盛り立て、静かな哀しみを帯びた絡みを演出。大切に上演し続けてほしい作品です。

余談、上手側前方席だったため、幕が開くと婚約者と目が合った気分に。
勿論アイドルのコンサートではないため手は振っておりません。ご安心ください。

※スターダンサーズ・バレエ団ホームページ
http://www.sdballet.com/

※次回公演 『白鳥の湖』全1幕 『迷子の青虫さん』 
4月29日(金祝)11:00/15:00 テアトロ・ジーリオ・ショウワ(小田急線新百合ヶ丘駅) 
青虫さんの役柄が全てさんづけでほのぼのとします。
http://www.sdballet.com/performance/performance.html

※アントニー・チューダー・トラストのホームページ
http://www.antonytudor.org/index1.html

フェイスブックにスタダンのリハーサルや饗宴の舞台の様子が掲載されています。
アマンダさんとジョンさんがスタダンを心から愛して接していらっしゃることが伝わってきます。

※渡辺恭子さんのブログ 饗宴についても詳しく綴ってくださっています。心癒される、まことに美しい文体です。
http://ameblo.jp/le-chasseur-de-reve/entry-12148967819.html



谷桃子バレエ団
『オセロー』(新作)

振付・演出:日原永美子    音楽:シュトニケ    原案:シェイクスピア
演奏:渡辺玲子、近藤    薫(バイオリン)

オセロー(ヴェニス公国の将軍):齊藤    拓
デズデモーナ(オセローの妻):永橋あゆみ
イアーゴー(オセローの旗手):三木雄馬
エミリア(イアーゴーの妻):佐々木和葉
キャシオー(オセローの副官):檜山和久

コロス(男性):山科諒馬    酒井    大    吉田邑那    安村圭太    横岡    諒
コロス(女性):植田綾乃    永井裕美     山口緋奈子    中野裟弓    馳    麻弥

黒を基調としたモダンな装置、衣裳で約30分にまとめた、面白味のある骨太な作品でした。
個性の強い(強すぎる!?)プリンシパル陣、ソリストも適材適所。
シュトニケの重苦しく不協和音が散りばめられた音楽も作品によく合い、濃厚で複雑なドラマを描出していました。
齊藤さんのオセローは豪胆で熱い印象、登場からして人を寄せ付けない強烈なオーラを放ち、危険な香りを匂わせます。
永橋さんのデズデモーナは何事も要領よくこなしそうな、周囲から浮き立つほどの華やかな美女。
軽薄そうな性格は悲劇へ導きを予感させます。
圧巻であったのは佐々木さんのエミリア。イアーゴーの貞淑な妻であり、デズデモーナの慎ましい侍女であるはずが
身近で次々と引き起こる悲劇に苛まれ表情はみるみると虚ろで蒼白に。カーテンコールでもそのままで
役に深く入り込んでいたことが伝わる熱演でした。
あらすじを予習した上で、もう一度観たい作品です。

※谷桃子バレエ団ホームページ
http://www.tanimomoko-ballet.com/index02.php

※次回公演 谷桃子追悼公演 9月23日(金) めぐろパーシモンホール
http://www.tanimomoko-ballet.com/news/company/index_news.php?b=55


橋本清香&木本全優(ウィーン国立バレエ団)
『モーツァルト・ア・ドゥ』から

振付:ティエリー・マランダン    音楽:モーツァルト

前回出演時の2013年は超絶技巧満載なパ・ド・ドゥで鮮烈な印象を与えた橋本さんと木本さんは
今回はコンテンポラリー披露。伸びやかでしなやかな肢体が舞台映えし、モーツァルトの軽妙でしっとりとした音楽に乗せた
ユニークな振付を水を得た魚の如く踊られました。
たった5分間だけであった点だけ勿体ない、次はどんな展開であろうかと思っているうちに終了してしまい
もっと観たいと思わせる作品です。

※ウィーン国立バレエ団ホームページ
http://www.wiener-staatsoper.at/Content.Node/home/staatsballett_neu/allgemeines/Allgemein.en.php



小林紀子バレエ・シアター
『レ・ランデヴー』

振付:フレデリック・アシュトン    音楽:ダニエル・オーベール
美術:ウィリアム・チャペル    振付指導:アンソニー・ダウスン

プリンシパルガール:島添亮子
プリンシパルボーイ:アントニーノ・ステラ
オントレ:高橋怜子
              上月佑馬    照沼大樹    宮澤茅実    松居聖子
              倉持志保里    廣田有紀    澁可奈子    濱口千歩
              澤田展生    冨川直樹    荒井成也    五十嵐耕司
              アンダーシュ・ハンマル    望月一真
パ・ド・カトル:萱嶋みゆき    真野琴絵    荒木絵理    谷川千尋
パ・ド・トロワ:高橋怜子    上月佑馬    照沼大樹
パ・ド・シス:澤田展生    冨川直樹    荒井成也    五十嵐耕司
                    アンダーシュ・ハンマル    望月一真

男女とも白い衣裳でアシュトン特有の細かな脚捌きが多用された、上品でいたく可愛らしい作品。
女性の頭にはピンク色の大きく長いリボンが着き、動くたびにふわっと靡いてほんわかとした香りの余韻が残ります。
明確なあらすじはないようですが、主役のカップルを軸に男女が入れ替わり立ち替わり登場して見せ場を作り
男性のみのパートも含まれ迫力ある要素も盛り込まれていたのは意外でした。

※小林紀子バレエ・シアターホームページ
http://www.nkbt-tokyo.com/index2.html

※【おすすめ】次回公演 アシュトン/マクミランプログラム 『二羽の鳩』『ソリテイル』 
7月1日(金)~3日(日) 新国立劇場中劇場(新宿から1駅、京王新線初台駅直結)
http://www.nkbt-tokyo.com/perform.html



平田桃子&セザール・モラレス(バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)
『くるみ割り人形』からグラン・パ・ド・ドゥ

振付:ピーター・ライト、レフ・イワーノフ    音楽:チャイコフスキー

今回唯一の古典名作品。くっきりとした輪郭のある踊りが魅力の平田さん、温厚に見守るノーブルなモラレスさん、
最後の締めに相応しい貫禄のある晴れやかなパ・ド・ドゥでした。
淡いピンクときらきらと豪華な装飾に彩られた衣裳や頭飾りからも目が離せず。全幕で観たいと思わせました。

※バーミンガム・ロイヤル・バレエ団ホームページ
https://www.brb.org.uk/



フィナーレ   ※毎年恒例『眠れる森の美女』より花のワルツ

【指 揮】
園田隆一郎
【管弦楽】
東京フィルハーモニー交響楽団


普段なかなか足を運ばないバレエ団、そして今回はルグリに選ばれた将来を嘱望されている若手ダンサーを一度に鑑賞でき
バレエの饗宴は意義深い公演であると再度感じた次第です。
ただ1つ残念であったのは、各々の団体の字幕とリハーサル映像が映し出される
スターウォーズのような仰々しいオープニングがなくなってしまったこと。(ルグリと未来のエトワールたちだけはあった)
気分を高揚とさせる効果もあっただけに、次回からは復活を切に願います。
それから欲を言えば、華やかなクラシックの大作を1本入れるだけでも、もう少し客入りも見込まれたかと思います。
これからも続けていただきたい企画であり、次回のプログラムが今から楽しみであります。



※放送予定
◆「クラシック音楽館」 5月22日(日)午後9時~〈Eテレ〉
◆「夢をかなえるアン・ドゥ・トロワ ~ルグリと目指せバレエの饗宴~(仮)」 5月14日(土)午後3時~〈Eテレ〉



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『くるみ割り人形』より金平糖の精と花のワルツの衣裳を展示


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今年は英国寄りの作品が多かった印象。帰りに渋谷駅近くで見つけたブリティッシュ・パブで乾杯。
古き良き歴史が刻まれているかのような趣のある内装です。
黒板に記されたメニューの金額はポンド表示で一瞬、驚きますが、円単位のメニューもありますのでご安心を。




4月23日(土)新国立劇場バレエ団の米沢唯さん、井澤駿さんFM世田谷samedi petite cielにご出演/新国立劇場諸々

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ゴールデンウィークに『ドン・キホーテ』上演を控えている新国立劇場バレエ団。
主役のキトリを踊る米沢唯さんとバジルを踊る井澤駿さんが
今週23日(土)にFM世田谷で放送されるsamedi petite cielに出演されます。

新国立劇場バレエ団フェイスブックより
https://www.facebook.com/nnttballet/?fref=nf

エフエム世田谷ホームページより
http://www.fmsetagaya.com/02time_table/03sat.html

ドンキの見所や裏話など楽しいお話を聞かせてくださることでしょう。
ご出演は12時15分頃のようで、待ち遠しく思います。


先日、主要キャストも発表されました。小柴さんがエスパーダに大抜擢。
代々濃ゆい!?キャラクターの方々によって踊り継がれてきましたが、伊達男をどう踊られるかご注目を。
前回バジルを踊られた菅野さん、奥村さんがガマーシュ。
菅野さんは端正は貴族、奥村さんはお茶目な坊ちゃん、といったところでしょうか。
お2人のバジルももう一度観たかったとは思いますが、きっと上品で素敵なガマーシュを魅せてくださるでしょう。
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/160411_008429.html

新国立で採用しているのはボリショイ・バレエでニーナ・アナニアシヴィリとの
名パートナーシップで知られるアレクセイ・ファジェーチェフ版。
バルセロナの賑わい→居酒屋狂言自殺→ジプシー→夢の場→結婚式の順序による展開で
観ていて心躍る演出、とは正直言い難いのですが、
新国立のダンサー総出演で主役だけでなく街の人々や居酒屋の客に至るまで細かいお芝居が楽しく、
毎回それはそれは賑やかな舞台に仕上がっています。目があと4つぐらいは欲しいと思えてなりません。
ゴールデンウィークでご旅行や帰省などで皆様お忙しいことと思いますが、是非劇場へも足をお運びください!


※昨日ボリショイシネマ『ドン・キホーテ』を観て参りました。
ファジェーチェフ版ですが、少し手を加え美術衣裳は一新。感想はまた後日書いて参ります。


それから新国立劇場ホームページのトップページがリニューアルしたようです。
諸々の情報をブログからフェイスブックに移行する、
また来シーズンからのZ券購入方法の変更についても記載されています。
http://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/160420_008456.html

いずれにしても、まめに情報を発信してくださることを願います。


余談:ラジオで世田谷通信という番組があるとは知らず、今更ながら驚きました。
劇場が位置する渋谷ではなく世田谷のラジオによる放送でいささか不思議ではあるものの
これといった観光地や名産がない、全国区で有名なゆるキャラもいない世田谷
(強いて言えば等々力渓谷のマイナスイオンと人口の多さは自慢か。
人口は鳥取県全体より多いようです。子供も減らず、少子社会とは無縁らしい)が
注目を少しでも集める機会が増えるのは嬉しいことでございます。

それから、エフエム世田谷スタジオキャロットは
世田谷では貴重な高層ビルである三軒茶屋駅前のキャロットタワー内にあり。
見晴らしが良い場所ですので是非お出かけください。
http://www.fmsetagaya.co.jp/studiocarrot.htm




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昨年9月、Angel R発表会『ドン・キホーテ』鑑賞前に撮影、キャロットタワー。にんじん色です。
会場が三軒茶屋駅そばの昭和女子大学人見記念講堂、
世田谷に降臨した男の色気とスターオーラ全開のエスパーダさんが懐かしく思い起こされます。




ボリショイ・バレエ in シネマ Season 2015-2016『ドン・キホーテ』

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ボリショイ・バレエ in シネマ『ドン・キホーテ』を観て参りました。
http://bolshoi-cinema.jp/index.html

キトリ:エカテリーナ・クリサノワ
バジル:セミョーン・チュージン
ドン・キホーテ:アレクセイ・ロパレーヴィヂ
森の女王:オルガ・スミルノワ
街の踊り子:アンナ・チホミロワ
メルセデス:クリスティーナ・カラショーワ


キャスト詳細はこちら
http://www.bolshoi.ru/en/performances/912/roles/#20160410180000


クリサノワのキトリはパワーフル回転で、盤石過ぎる技術に愛くるしい表現も光る元気一杯なヒロインでした。
前回の『じゃじゃ馬馴らし』でも感じましたが、脚を思い切り上げようが
高速回転しようが音楽にぴたりと嵌ってどんなポーズでもびしっと決めて爽快感この上なし。
役柄上、脚を高く上げる振付がいくつもありますがどの場面においても180度以上は上げず
音楽の中に収まるよう神経を行き届かせていたのであろうと思わせました。
ポーズを決める際にも、袖へ飛んで行ってしまうのではないかと心配になるほど
エネルギーを全開にしていても、強制終了ではなく最後は余裕を持たせて美しく締めます。
荒っぽさを感じさせず、いかにしてテクニックを駆使しきちんと魅せるかをしっかりと心得ていると窺えました。
一昨年の来日公演でも全幕キトリを踊っていますが、鑑賞するべきであったと後悔。
キトリやじゃじゃ馬のカタリーナのようなお転婆娘だけでなく、
オデットやオーロラ姫、マーシャといった姫やニキヤもレパートリーにしていて実に幅広くこなせるダンサーです。
コール・ドで入団し、着実に昇進を続けてプリンシパルに上り詰めた叩き上げ。
群舞も含めあらゆる役柄を踊った経験が身体に染み、生きているのでしょう。
例えば1幕では端にいる街の人々の役のダンサーにまでコミュニケーションを図り
皆が気持ち良く踊っているかを確かめるかのように目配せをしていて、舞台全体が底上げされていく印象を受けました。
記憶が確かであれば、10年前の日本公演では同じくコール・ドであったニクーリナやオシポワと共に
『ラ・バヤデール』影のソリストに抜擢され、今や3人ともプリンシパル。思わず目を細めてしまいます。
オシポワは今夏の英国ロイヤル・バレエ来日公演でも主演が予定され、移籍先でも大活躍です。

チュージンは見た目はバジルが似合う容姿ではなくどうなるかと思っておりましたが意外や意外。
軽快で楽しくクリサノワとの息も合い、はまり役でした。

チホミロワの踊り子は艶かしく妖気があり、色っぽさ濃厚。
先のじゃじゃ馬のときと同様自信たっぷりで安定感もあり、準主役であっても主役並のオーラを纏っていて吸い寄せられました。

新劇場開場を記念して今回衣裳や美術を一新。振付でも手を加えた箇所がありました。
見せ場として追加されたのが2幕居酒屋のジグ。日本のバレエでも挿入している演出を観たことが何度かありますが
(3幕でサンチョのソロとして見せる演出もあり)
例えが良いかどうか分かりかねますが、ディズニーランドでのショーのような賑やかさで
急ピッチにリズムを刻む曲に乗せ、女性1人男性3人が縦横無尽に踊る振り付けです。
居酒屋での盛り上がりが最高潮に達し、劇場の観客そして酒場の客たちからも大きな喝采を浴びていました。
新国立であれば五月女さん、八幡さん、福田圭吾さん、池田さんあたりが担当しそうです。

森の女王のスミルノワは大らかで落ち着きとスケールのある踊りで魅せ、
クリサノワとスミルノワ、2人のプリンシパルが並ぶとそれはそれは舞台が華やぎました。

キャラクターダンスではボリショイ魂炸裂。魅せ方、1つ1つの足の運び、どこを取っても絶品で
ギターやジプシーの踊りも瞬く間に終わってしまった印象です。3幕ボレロのオクサーナ・シャロワが実に整った美人で
クラシックの姫でも十分いけそうな容姿でありながらスペインのキャラクターダンスもお手の物。
他の役でも今後注目していきたくなりました。

残念であったのはキトリの衣裳のスカートが段々の襞状ではなく、
ジゼルやスワニルダのような村娘風のデザインになってしまった点。
赤色のため一応はキトリに見えるものの、ローズ・アダージオでのオーロラ姫がピンクである、
オデットには耳を覆う白い羽飾りがあるようにキトリの段々襞状デザインは鉄板。
そこは変えて欲しくなかったと心から思います。
また1幕の背景が以前よりポップでシンプルな絵になり、日本のバレエ教室の発表会のほうが豪華に感じてしまいました。

プロローグではバレエ『ドン・キホーテ』の歴史についてや作曲者のレオン・ミンクスについて
司会のカタリーナ・ノーヴィコワより話がありました。
初演はモスクワであるが夢の場が加えられたのはその後マリインスキーでの上演時であったそうで
3幕キトリのヴァリエーションを始めミンクスの作品ではない曲も数曲あるそうです。

幕間には改訂振付を行ったファジェーチェフのインタビューもあり。
(だいぶふくよかになっていました。新国立劇場のプログラム写真とはかなり違います。
ラントラートフやチュージンもいずれはこうなってしまうのかとやや心配)

それからシネマでのお楽しみ、幕間のスタッフの動きにも引き込まれました。
2幕の装置搬入時には闘牛士役のダンサーと居酒屋の椅子に座り、
演じ手になりきって乾杯したり談笑しながら入念に確認。
バレエを愛する心やボリショイ劇場での仕事を誇りに感じていることが伝わる一幕でした。

2017/2016シーズンのボリショイ・シネマはこのドンキにて終了。
来シーズンのラインナップは4月25日に発表されるそうです。
ドンキの終映が23時近く、もう少し早い開映ですと助かる気もいたします。

映画も良いのですが、予定であれば来年あたりボリショイが来日するはず。
ここ最近白鳥とドンキは必ず入っており、そろそろ別の作品も観たいものです。
『ライモンダ』や『スパルタクス』を是非とも持って来て欲しいと勝手ながら願ってしまいます。




【今観ても面白い】プリンスの曲を用いたジョフリー・バレエ団の作品

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既にニュースでも大きく報じられていますが、歌手のプリンスさんが亡くなり
オバマ大統領を始め多くの著名人が哀悼の意を表しています。

お恥ずかしい話私がプリンスさんのお名前を知ったのは10年ほど前で、かなり最近のこと。
米国のジョフリー・バレエ団のレパートリーの中で
プリンスさんの曲を多数用いた作品『ビルボーズ』が大変な人気を誇っていたと
ダンスマガジンで読んだことがきっかけでした。
名前からして当初はグループか何かと思っておりましたが、よくよく調べると男性個人の名前で驚いた次第です。
もしバレエに関心がなければ、またかつてジョフリー・バレエ団に属され
その後新国立劇場バレエ団に入団された山本隆之さんのインタビューを読んでいなければ、
訃報が全国ニュースのトップ扱いで報じられるまで、知らずに過ごしていたかもしれません。

動画はメルボルンでの公演のようですが、英語力が欠如している私には
ナビゲーターの女性やジェラルド・アルピノ監督が話している内容がさっぱり理解できず
(いかんせん極力易しい言葉を選んでくださっているのであろう
新国立でのビントレーさんの話ですら片言の日本語と演目名以外聞き取れなかった)
いつ頃の公演か、公演の概要なども全く分かりません。
どうぞご覧くださいとしか言い様がなくまことに無責任な紹介ではございますが
大胆でセクシー、アクロバティックな面白い作品ですのでまずはご覧ください。
37秒のあたりで東洋人の男性が映っていますが、1993年から95年の時期の舞台であれば、ひょっとしたら、、、!?

こちらの新聞記事によれば、93年から94年あたりでしょうか。いや、分からぬ。(読解力も欠如)
http://www.nytimes.com/1995/02/21/arts/will-the-joffrey-ballet-leave-new-york.html


※ジョフリー・バレエ団をモデルに描かれた映画『バレエ・カンパニー』
決して派手な作風ではないもののダンサーという過酷な職業をかなり赤裸々に描いていて、見入ってしまう作品です。
クラシックは少なめですがコンテンポラリーやエンターテイメント色の強いオリジナル作品が豊富、
映像を通して堪能できます。



薄井憲二さんがロシア舞踊誌主催「踊りの魂賞」受賞

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前日本バレエ協会会長の薄井憲二さんがロシア舞踊誌主催「踊りの魂賞」を受賞されました。おめでとうございます。


産経ニュース
http://www.sankei.com/entertainments/news/160423/ent1604230018-n1.html

毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160203/dde/018/040/018000c


多くのコンクールの審査員を務められ、バレエ関連の著書も多数。
年齢を重ねられた今も精力的に活躍なさっています。
現在日本ではたくさんの舞台が催され、気軽にバレエを楽しめるようになりましたが
ここに至る過程には、シベリア抑留という厳しい環境の中で命がけでロシア語を身につけ
帰国後は日本のバレエ界発展のために力を尽くされた薄井さんのような方がいらっしゃることを忘れてはなりません。
ダンスマガジン1998年7月号でのインタビューによれば、
抑留中に村の公会堂で上映された映画にウラノワの『白鳥の湖』第2幕や
『眠れる森の美女』のグラン・パ・ド・ドゥと猫の場面が収録された『バレエのソリスト』という作品があり
通常であれば抑留者は村人たちが見終わった翌日に鑑賞できるそうでしたが
この作品に限っては急ぎの返却を求められ、村人にしか見せられないと兵隊から言われたそうです。
しかしバレエへの情熱を絶やせず、日本でバレエを習っていたことを話して
その映画を見たいと将校にお願いしたところ、どうぞどうぞと許可してくれたとのこと。
例え抑留者であっても自国が誇る芸術に興味を示す薄井さんには、将校も喜びを覚えたのかもしれません。

昭和63年には「ソビエト・バレエ・インスティテュート」を開校され、(のちにロシアへ名称変更)
ブリヤート国立バレエ団の監督を務める岩田守弘さんやキエフ・バレエ団の田北志のぶさん、
先日のNHKバレエの饗宴でも新作を発表されるなど振付家としても活躍中の日原永美子さん、
そして東京バレエ団にプリンシパルとして入団された秋元康臣さんもこちらの出身です。
田北さんや日原さんがいらした頃はソ連崩壊によりロシア経済が危機的な状況にあった時代でしたが
それでも本場で学ぶ機会を設け、教え子へ惜しみない愛情を注いでいらしたことが窺えます。
(モスクワバレエアカデミー校長であったソフィア・ゴロフキナへのインタビュー記事や不足する食料、
学校内の様子など当時の状況についてはダンスマガジン1992年4月号に掲載されています)

兵庫県立芸術文化センターでは常設展として薄井さんのバレエ・コレクションを展示していますが
このたびの受賞を記念した展示が4月19日(火)より始まりました。
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/ballet/contents/standing/vol56.pdf

劇場を額縁と捉えた同時期の企画展にも惹かれます。
http://www1.gcenter-hyogo.jp/sysfile/center/ballet/contents/project/k-vol17.pdf


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※上の写真:『アルミードの館』 アンナ・パヴロヴァ、ヴァツラフ・ニジンスキー
※下の写真:『火の鳥』 タマラ・カルサーヴィナ、アドルフ・ポルム



【祝】山本隆之さん紫綬褒章を受章

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連休前、皆様いかがお過ごしでしょうか。東京は雨模様でしたが、朝から嬉しいニュースが飛び込んできました。
新国立劇場バレエ団登録プリンシパルの山本隆之さんが紫綬褒章を受章されました。おめでとうございます。
2013年の芸術選奨文部科学大臣賞に続いての快挙です。


NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160428/k10010501271000.html

産経新聞奈良県伊賀地区専売会記事
http://sankei-nara-iga.jp/news/archives/7855

NHK関西ニュースウェブ 東大阪のスタジオでのインタビュー映像もあり。柔らかな口調に安心感を覚えます。
(関西圏で放送されたのでしょうか。羨ましい!)
http://www.nhk.or.jp/kansai-news/20160428/4883381.html

新国立劇場バレエ団ホームページ
http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/news/detail/160426_008505.html


経歴は記事にもある通りですが、バレエを始めた時期が決して早くはないながらも
従姉妹にあたる矢上香織先生、久留美先生、恵子先生の厳しいご指導の下で才能を開花。
米国のジョフリー・バレエ団へ入団後すぐツアーに参加され、
米国のみならずオーストラリアやアフリカをも回られました。
帰国後は新国立劇場バレエ団でほぼ全ての演目で主演。
まだ主役を踊れる男性ダンサーが少ない頃からバレエ団の看板として毎回登板され、
古典からコンテンポラリーまであらゆる作品で活躍されてきました。
現在新国立劇場バレエ団の公演に数多く主演している福岡雄大さんや奥村康祐さん、井澤駿さんも
インタビューではパートナーリングや役作りなど山本さんに敬意を表す言葉を口にし、
バレエ団における男性ダンサーたちの憧れ、手本であり基盤を築き上げたと言っても過言ではありません。

山本さんといえば品のある佇い、そして役になりきるのではなく
生きているようにしか見えないほどの深い表現力には毎回感動を覚えて参りました。
役柄の洞察や観客に訴える感情の描出は跳躍で高さを、回転で回数を求めるよりも遥かに困難なことです。
1つだけ選ぶのは非常に難しいのですが、ケネス・マクミラン振付の『マノン』デ・グリューの名演は
50年経っても私の鑑賞歴で最も心震えた舞台であることに変わりはないでしょう。
気まぐれなマノンに注ぐ深い愛情にどれだけ涙したことか、今も舞台の1場面1場面が思い起こされます。
また例え脚が本調子でない時期であっても矢上恵子先生振付の
途轍もなくハードなコンテンポラリー作品をも踊り切ってしまうといったプロ根性にもただただ脱帽するしかありません。

長年の功績は勿論のこと人々に慕われる謙虚な性格、仕事への姿勢など全てにおいて受章に相応しく
心よりお祝い申し上げます。

初めて舞台姿を拝見してから毎回もう一度観たい、もっと観たいと思い続けて早11年。
「表現者として舞台に立ち続けたい」とのお言葉が何よりも嬉しく、これからの舞台が益々楽しみです。


※上の写真:自宅にございます山本さんが表紙になっているチラシやモスクワ公演主演時のプログラム、
ワシントン公演の記事や大きなページを割いているページを並べてみました。
並べ方のセンスがないのはさておき、古典の貴公子から公開可能ギリギリ路線な衣裳を着けた役柄まで
何でも幅広く踊られる、名付けて主役の百貨店です。





5月20日(金)世田谷区等々力の玉川区民会館にてダンサーズサポート主催<守山実花のバレエレクチャー・シリーズ1>開催

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5月20日(金)の夜、バレエ評論家の守山実花先生によるバレエレクチャー・シリーズ1が開催されます。
http://dancerssupport.com/hot-topics/news/1029/


■講師:守山実花(バレエ評論家)
■開催日時:5月20日(金)19:00~20:30
■受講料:2,500円(税込)
■定員:30名(先着順)
■会場:玉川区民会館第3集会室
■アクセス:東急大井町線等々力駅 徒歩2分


バリニシニコフやヌレエフ、ダウエルにフラッチ、プリセツカヤなど
バレエ史に残るスターダンサーを取り上げてくださるようで、実に興味を抱かせる内容です。
守山先生の講義は清泉女子大学での生涯学習講座ラファエラ・アカデミアで3年前より受講しておりますが
穏やかで丁寧でありつつもユーモアを交えて笑いが起こることも多く、大変分かりやすく話を進めてくださいます。
バリシニコフにしてもヌレエフにしても、紛れもなく大スターであるのは分かっているものの
他のダンサーと何が違ったかをすぐに答えられるかと聞かれると、なかなかそうもいきません。
ダンサーたちの魅力が紐解かれ、目から鱗が落ちる箇所がいくつも出てくることと思いますので是非ご参加ください。

主催のダンサーズサポートさんといえば、ダンサーたちの美しい写真の数々や
中身の濃いインタビューを掲載する充実したサイトを運営され、私も何度も閲覧しております。(特にVol.5 October)
シリーズの名称であるため、恐らくは今後も継続してくださるのでしょう。
気軽に参加できるオープン形式講座のシリーズ化により、バレエの知識を得る機会が増える嬉しい企画です。



※上の写真:1990年新書館出版 ナタリア・マカロワ自伝-妖精ナターシャの想い出-(ケイコ・キーン訳)裏表紙
『ジゼル』マカロワとバリシニコフ





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