後日と書いておきながら大分日数が過ぎましてすみません。
清泉女子大学の生涯学習講座ラファエラ・アカデミアの記事がきっかけの素敵な出会いについての話でございます。
以下、長くなりますが悪しからず。
1月下旬のある日のこと、大学の華道部で一緒に活動していた2学年下の後輩から連絡がありました。
彼女は幼い頃にバレエを習い始め、社会人になった今も継続してレッスンに通っていて
自身で踊ることも、劇場での鑑賞ともに好きなバレエ愛好者です。
突然でしたので何事だろうか!?と驚きながらメール本文を開くと、、、
友達が先輩のブログに嵌っています。
一瞬目を疑いましたが何度読み返してもシルフィードのように消えることもなく、幻ではないもよう。
余りの嬉しさと驚きで電車内であったにも関わらず思わず声を上げてしまいそうになりましたが
ただこのブログを一生懸命読んでくださっているということはかなりの偏りバレエオタクか、お酒好きな方かなど
一部失礼極まりない勝手な想像を巡らせておりました。
聞くところによれば、後輩と同い年とのこと。
そうなると私とはさほど年齢も変わらず、かなりの渋好みな方だろうかとも思え、
更には後輩にはブログのことは話していないはず。どのような流れで分かったのだろうかとも気になるのでした。
しかし後輩のバレエ友達ということはとても素敵な方であるには違いないと安心感を覚え
聞けば聞くほどその方にも会ってみたくなり、後輩が連絡を取ってくれて3人で会うことになりました。
当初はお茶や食事をしようと話が進んでいましたが彼女たち2人の出会いは数年前から通う酒井はなさんのレッスンだそうで
先輩も一緒に受けましょう!とのお誘い。
ところが、学年は確かに後輩より上ですがバレエのレッスンのキャリアにおいては
幼少時から現在に至るまでブランクなしで継続している後輩のほうが遥かに上。
友達も1日に3レッスン受講するなどかなり熱心な頑張り屋さんであると聞き
中1から約16年間1度たりともレッスンをしておらず、3年前の9月に再開以降も
2,3か月に1回の頻度である私からしたら到底追いつけないレベルでございます。
しかも先生は天下の酒井はなさん。我が人生を一変させた、2005年1月の新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』で
主役オデット/オディールを踊られ、その後も新国立での舞台はほぼ欠かさず拝見。
2009年の朝日カルチャーセンターでの講座や東京女子大学での公開講座といった
トークイベント等も何度か聴講しているため、素顔はほのぼのチャーミングなお人柄であるのは存じ上げております。
しかしレッスンで相変わらず順番が全然覚えられずに毎回先生を困らせている私が受講してはあかんやろと思い、
また後輩たちの前で恥ずかしい姿を晒け出すのは如何なものかと断ろうとしたのですが、(反面教師になる自信だけはあり)
せっかくの機会、これもご縁。私の人生に多大な影響を与えた舞台の主演ダンサーによるレッスンは
きっと財産になるはずと受講を決意。
何かあったら後輩たちに助けてもらおうと先輩らしくない頼りない考えもよぎりつつ、当日を迎えたのでした。
そして遂に後輩のバレエ友達と初対面。いたく可愛らしく素直で聡明な女性で知り合えたことに心から感激いたしました。
続いてブログに辿りついたきっかけを尋ねてみると、清泉女子大学の卒業生で
以前からラファエラ・アカデミアが気になっていたとのこと。
あれこれ検索しているうちにこのブログに辿りつき、その記事の中に「大学の後輩がアナニアシヴィリが好き」との文を発見し
ひょっとしたらアナニアシヴィリが好きと話していたレッスン友達の先輩であろうかと確認。
そして後輩が私に連絡をした、という展開だったようです。
話によれば後輩が「嵌っている」と記していた通りかなりの量の記事を読んでくれているようで貴重な読者様との出会いに感謝。
すると後輩が、大学時代に先輩がはなさんの舞台を勧めてくださったからこそ
今はなさんのレッスンに通えて、舞台にも足を運んで仲間にも出会えたのだと
年上を立てるに申し分ないことを伝えてくれて先輩は感涙寸前。心が洗われた1日でした。
キャリアが全く異なる彼女たち2人と私にはレッスンにおける数少ない共通点があり、
それは現在私が習っている先生から指導を受けた経験があること。チャコットに特別ワークショップでいらしたときです。
当時ワークショップ終了後すぐに後輩はあたかも業務報告の如く連絡してくれたのは今もよく覚えております。
後輩はバーとセンター、友達は更にパ・ド・ドゥクラスも受講したそうで(先輩、目が心臓印)当時の状況を根掘り葉掘り聴取。
話すその表情が爽やかこの上ない幸福感に溢れていたのは言うまでもありません。
3人でバレエ話に花を咲かせ、私の変わり者過ぎるバレエ愛好人生についても辛抱強く耳を傾けてくれまして
(先輩・初めてのレッスン女子トークか!?
いや、よくレッスン帰りに食事していく機会もありますが皆さん素敵な女性ばかりで
私1人だけ新橋のサラリーマン状態なわけですが・・・)
食事の前後にはバレエショップを巡り、いざレッスンへ。
2人とも、可愛らしいものには目がない様子でした。(私に最も欠けている要素でございます。見習わねば)
そして酒井はなさんがスタジオにご登場。後輩や友達と親しみのこもった言葉を交わされ、幸せなオーラが広がりました。
続いて後輩が私の現在のレッスン状況をも伝えつつはなさんに紹介。
一緒に頑張りましょう!と優しく声をかけてくださりそれはもう胸が熱くなった次第です。
当初は入門クラスのみの受講予定でしたが、軽いストレッチと両手バーのみでセンターはなし。
その後のクラスは初中級で、どのスタジオでも「中」の字が入るだけで格段に難易度が上がる印象が強く
躊躇しておりましたがセンターも受けたいと思い
(普段通っているスタジオは広い上に受講人数がそう多くないため目一杯踊った気分になります)初中級も受講。
はなさんの教え方はとにかく丁寧で優しく、ゆっくりゆっくり進めてくださるため変な緊張を強いられることもなく
身も心もほんわかと解きほぐしてくださいます。
理解するまでに時間がかかっても嫌な顔1つせず分かるまで教えてくださり
生徒さんも皆さんリラックスしながら受講されているご様子で、笑いが起こる箇所も多数。
お手本はそれはそれは美しく、バーのときですらオーロラ姫に見えたほど。
優雅さや美しさに重きを置いたレッスンで、偶然なのか普段お世話になっている先生の教え方に実によく似ていました。
シルフィードをイメージするよう説明してくださった時には同時に両手で羽を作って背中でパタパタとはためかせ、
残念ながら当時は拝見していなかったはなさんのシルフィードが目の前に出現。
婚約者がいても妖精のもとへと走ってしまうジェームズに同情せずにはいられない可憐さでした。
レッスン終了後はなさんと話をさせていただく機会にも恵まれ、これまた感激。
アナニアシヴィリファンの後輩、彼女と知り合ったレッスン仲間の清泉の卒業生、
そして2人が受講している酒井はなさんのレッスン、
様々な要素が巡りに巡って舞い降りた幸運にただただ感謝。これからもこのご縁を大切に過ごして参りたいと思います。
※スワンマガジンVol.7に移転前の宮益坂スタジオにて行われていた
はなさんのレッスンレポートが掲載されています。カラー写真満載です。
http://swanmagazine.heibonsha.co.jp/vol7.html
お読みの際には 安珠さんが撮影された巻頭のPhoto Essay Vol.6もご覧ください。
※日本バレエ協会『眠れる森の美女』3月19日(土)に酒井はなさんが主演されます。
はなさんのオーロラ姫は初鑑賞、楽しみです。
ダンサーズ・ウェブマガジン最新号に素敵なインタビューと写真。
http://dancerssupport.com/interview/925/
新国立劇場バレエ団で先月13年ぶりに上演された『ラ・シルフィード』。
プログラムやチラシを飾っていたのは前回2003年に主演されたはなさんと山本さんの写真の数々。
当時やシルフィード特集が組まれたダンスマガジンにも大きな舞台写真が掲載、写真だけでもドラマが伝わってきます。
2007年に牧阿佐美さん版『椿姫』初演直前の英字版の朝日新聞ヘラルドアサヒ掲載記事。
切なさで胸が締め付けられそうになります。
バレエ界における名パートナーシップ事典なる本が出版される暁には
フォンティーン&ヌレエフ、ハイデ&クラガンらに並んで載るべき黄金ペアなお2人です。