1週間更新が滞りすみません。10月下旬以降あちこちの舞台に足を運んでおりますが順を追って阿波の舞台から。
10月23日(日)、徳島県の鳴門市文化会館にて清水洋子バレエスクール第18回発表会を観て参りました。
今回で8度目の鑑賞です。
http://yokoshimizuballetschool.web.fc2.com/news.html
※清水バレエフェイスブックはこちら
今年は創立以来初の学校が長期休暇でない時期の開催だったそうです。
ゲストは新国立劇場の山本隆之さん、KチェンバーカンパニーJr.の青江聡一郎さん。
秋開催のため例年に比べゲストは少なかったものの最後を華やかな正統派眠りで締め括り、大変見応えのある舞台でした。
最初は『クラスコンサート』。日々の練習風景を1幕仕立てにした作品です。
バーからセンター、そして最後は高度なテクニックをふんだんに取り入れ、
レオタードやウェアだけでもすっきりと美しく魅せてくださり
日頃の基礎の積み重ねがいかに大事であるかを考えるきっかけにもなりました。
所々にはポワントを忘れた!先輩カップルを目撃!といったコミカルな場面もあり
単なるレッスンの羅列ではなく物語性をも含んだ構成で次の展開がより楽しくなる流れでした。
小品集も盛りだくさんな演目でしたがプログラムを開いて最初に目に留まったのは『ラケットと少女』。
どんな作品だろうかと想像を巡らせいざ観ると、ルロイ・アンダーソン作曲の『プリンク・プランク・プルンク』で
バドミントンのラケットを手に踊る女の子たちの踊りでした。
確かに、あちこちで入る「シュッ」という音がバトミントンのシャトルが飛ぶ音にそっくり。
振り返れば今年バドミントン界は男子女子ともに全国ニュースのトップで扱われるニュースが色々ありましたが
リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得し本日開幕したSJリーグでも勝利を収めた
タカマツペアの五輪における逆転劇が脳裏に過ぎりつつ、バレエに溶け込んだバドミントンも楽しいと思わせました。
それから『ヴィヴァンディエール』も当初発音が困難な作品だがどんな振付であろうかと思ってみたら
恐らくはロシア名で『マルキタンカ』と呼ばれる作品で、最近はパ・ド・シスのみが上演される機会が多いようです。
(初鑑賞は一昨年の大阪)
色違いの衣裳を着た5人の村娘と村の青年が織り成す明るく牧歌的な雰囲気があり
バランシンの『アポロ』を彷彿とさせる、各々角度が異なるアラベスクで並び脚が半円の放射状に伸びるポーズもあり
面白く鑑賞いたしました。お目にかかれるのは発表会ならではであろう貴重な作品です。
ハレキナーダのヴァリエーションを踊られた生徒さんは
以前グラン・パ・ド・ドゥで披露なさっていたと記憶しておりますが
そのときよりも一層端正で表情豊か、指先脚先から感情が零れ落ちているかのような可愛らしさでした。
大人の方のヴァリエーションもあり、『ライモンダ』第3幕は年齢や経験を重ねたからこそ
滲み出る味わいの凝縮にしみじみと感激。
12名の大人の生徒さんによる『幻想的ワルツ』はライモンダ夢の場の曲。
最近全幕で鑑賞する機会がなく、この曲に振り付けられた作品を鑑賞できたのはまことに幸運です。
1人1人が呼吸を合わせながらふわっと舞い靡くチュチュの連鎖が何とも優美。
しばらく余韻に浸り、このあと2幕3幕と続いていくのではなかろうかと期待してしまったほどです。
最後は『眠れる森の美女』より。結婚式にプロローグを挿入した抜粋で本来の眠りより人数は少なめではあっても
そうとは感じさせず、華やか絢爛なバレエを観た気分になり満足度非常に高し。
中でも慈愛に満ちたリラの精、煌びやかなサファイア、銀、ダイアモンドの宝石の精神トリオ、
爽やかなフロリナ王女と青い鳥が印象に残りました。
衣裳のセンスにも惹かれ、理想の色彩、豪華さ。王道路線なデザインです。
結婚式へのプロローグ挿入は発表会でよく見られ、見せ場や出番の数の都合上かもしれませんが
洗礼式で祝福した優しさや元気などの妖精たちが結婚をも祝いに再び現れるのは実に筋が通った展開。
オーロラ姫がこの上ない祝福を受ける演出でしょう。
オーロラ姫の生徒さんは品と晴れやかさを持ち合わせた雰囲気で、堂々たる姫君。
そして世の王侯貴族の手本のようにノーブルな山本さんのデジレ王子に手を合わせた次第でございます。
物語性をもたせてレッスン風景をまとめた作品から小品集、締めに抜粋形式での古典作品と
クラシックバレエの魅力を存分に楽しめるプログラムでした。
来年は8月6日(日)、会場は同じく鳴門市文化会館にて開催です。今から心待ちにしております。
会場は川近く。大学時代の徳島出身の友人と会う前に時間があり(10年ぶりの再会)、鳴門駅近くを散策。周辺を遊歩道が整備されています。しかし雨天ではないにも関わらずどこを見ても歩行者は私だけ。
友人曰く、徳島は車社会とのこと。そういえば、鳴門市文化会館の駐車場もかなりの面積がありそうでした。
帰りは鳴門駅すぐそばの郷土料理店・和趣にて徳島の銘酒、阿波の男前。
このお酒の名称に当てはまるのは誰やー?本日のデジレ王子やー!と
会場で久々に会った地元在住の友人と乾杯。(友人は車利用のためお茶で)