舞台全体の様子や現地の観客の反応中心の内容でございますが悪しからず。
11月9日(土)と10日(日)、札幌文化芸術劇場hitaruにて
新国立劇場バレエ団札幌公演『くるみ割り人形』を2日間観て参りました。
札幌でのバレエ鑑賞は北海道厚生年金会館での下村由理恵さん山本隆之さんが客演された
2007年全道バレエフェスティバル・イン・サッポロ『ドン・キホーテ』、
プログラムの最後を飾った『眠れる森の美女』3幕に新国立劇場から飯野萌子さんがオーロラ姫役、
渡邊峻郁さんがデジレ王子役で出演された2018年ニトリホール(旧北海道厚生年金会館)閉館公演に続く3回目です。
https://www.sapporo-community-plaza.jp/event.php?num=299
札幌公演くるみキャスト
主役は2組。小野さん福岡さん、米沢さん井澤さんともに好調で登場時から4階末端席までオーラを放ち
リフトてんこ盛りな振付であっても忙しさを感じさせずに披露なさっていてお見事でした。
珍しい配役であったのはスペインで、寺田さん、細田さん、速水さんのトリオ。
寺田さんは東京でも度々務めていらっしゃり、速水さんは初かどうか記憶が定かでない点はお許しを。
清楚な印象の強い細田さんが入るのは初できりっとした美女っぷりで見せ方も色っぽく
意外なほどによくお似合いでした。麗しい寺田さんと楚々としたお顔立ちの細田さんのベテランな美女たちに
2人を従えるイケイケドンドンな(拙いにもほどがある表現で申し訳ないが)若く勢いある速水さんのバランスが大変宜しく
観ていて笑いが込み上げてしまうほど面白く鑑賞いたしました。
拍手が特に大きく響いたのはロシアで、福田さんの吸い付ける力強さとドヤ顔は札幌の観客も虜にして魅了。
また他の全国公演とは異なり、本拠地と同様に気球の登場にも大拍手。
子供も大人もわあっと声を出して興奮を露わにしていたほど、hitaruが持つ舞台機構の充実ぶりを窺わせました。
シュタルバウム家前の柵は無しで、奥行きはそこまで幅がある方ではないのかもしれません。
順番前後して1幕は主役だけでなく周りにも注意深く目を留めてみると客人や乳母のお芝居が楽しく細かい。
初めて着目したのが見間違いでなければ稲村志穂里さんで、ちょっと厳しそうなしかし頼もしいお母さんな演技が板に付き
後にも述べますが新国立ダンサーと子役たちの自然な接し方には全体通して最たる感激でしたが
中でも稲村さんは目を惹くものがありました。稲村さんの夫役が渡邊拓朗さんで(恐らく)、おっとり優しそうな純朴パパ。
子供がもらってきたプレゼントである気球が先端に付いたおもちゃを手に取って不思議そうに眺めたり
隣にいた他の子供の保護者からラッパを自慢されて戸惑う表現が光っていた印象です。
両バルコニーから響いた地元札幌の子供たちによる合唱の魅力も挙げておきたい要素の1つ。
歌関係はバレエ以上に知識不足であるため頓珍漢発言があった場合容赦いただきたいのですが
北海道の大地が育んだ影響もあるのか太い芯が通った力のある歌声でした。
思い起こせば、2年前のびわ湖公演でのくるみも地元の合唱団が出演していましたが
琵琶湖の湖面や滋賀の人々の朗らかさを思わせる綺麗で明るい歌声であったと記憶。
合唱もまた地域性が感じられ、くるみ全国行脚を鑑賞する楽しみの1つとなっております。
ところで、兼ねてから当ブログでも不満を噴出しているイーグリング版くるみですが
これまで本拠地初台、2幕抜粋版でのNHKホール、長野県上田市、滋賀県のびわ湖、と全国公演も観てきた中で
演出面においては今回の札幌が最も楽しく鑑賞できました。
まず、道内選抜の子役たちと新国立ダンサーの舞台上の交流のあたたかさ。整理した結果、これが最たる理由です。
子役がわんさか登場して長々踊るくるみを公演として上演するのは基本反対派ではございますが
現地で選ばれた子役と新国立ダンサーが例えば客人の家族であればあたかも本物の親子のようで
新国立ダンサーたちの眼差しや接し方がとにかく優しく愛情深く、目頭が熱くなりかけたほど。
合わせる時間は本番前の数日間だったと思いますが、クララの家に入る場面からして仲睦まじい家族連れが次々と現れ
プレゼントを受け取った子供を迎えて喜び合う姿はまさに温もりに溢れた家族像。
客人一家のみならず、2日間ダブルキャストのクララにほんわか安心感を与えていらしたのは乳母の山田さん。
クララ役の子供にとっては初めての大きな劇場デビューであったでしょうし
何しろ幕が開いて最初に乳母と2人っきりでの髪を整えてもらう場面での登場ですから
途轍もない緊張状態にあったと察します。
そんなクララに、山田さんはきっと幕開け前から緊張を解すような声かけをなさって
お互いが心から楽しめる舞台になるよう気配りをなさっていたと想像。
幕が開き現れたのは、パーティーを前にニコニコ嬉しそうに支度をしてもらうクララと
懸命に髪を仕上げてあげている乳母の、髪飾りを留める箇所でクララが痛がる表現までもがほんわかしたやり取り。
それは両日共通で、幸せな幕開けを作り出していました。
ちなみに山田さん、パーティー最中もスカートの裾を掴んでくるっと優雅に回ったりとちゃっかりお茶目な一幕も。
練習時から大阪弁の面白いお兄さんとして慕われていたのであろう中で生まれた結束力が舞台にも表れていたと思わせる
ネズミの王様の奥村さんと子ネズミたちの集団も観ていて心が和んだ場面。
王様を慕い、王様は子ねずみを可愛がる様子が何処か微笑ましく
しかし対抗するときはとことんおもちゃの兵隊に対して立ち向かっていて
被り物で顔が見えなくても目に見えて明らかな一体感の強さに驚きを覚えたのでした。
最後は子役も全員登場し、舞台上のダンサーたちが盛大な拍手で迎え
子役は新国立に、新国立ダンサーは札幌に馴染んでいた良き雰囲気でした。
初日はクララが緊張からか前に出るか否かで躊躇してしまったときもありましたが
そこは福岡さんがさりげなく背中を押してあげて助け舟。
2日目の1幕では小道具を巡っての大きなハプニングが発生。
くるみ割り人形をクララとフリッツが奪い合う場面にて音楽が止まる箇所に合わせて人形の頭が外れてしまう流れのはずが
きつく締め過ぎていたためか頭が動かず取れず。演奏が終わったあとも暫し綱引きのように取り合いをしていたものの
とうとう外れなかったのです。しかし子役のクララ、フリッツともに動じず
何よりドロッセルマイヤー役の貝川さんの咄嗟の判断により、頭こそ取れずに済んだが
痛がっていて可哀想なくるみ割り人形と設定変更。落ち着いているように見えても
内心気が動転しそうであったに違いないクララへの慰めがそれはそれは優しく、
お芝居とリアルな心情双方が入り混じっていたであろう2人の姿や
且つ事なきを得た舞台進行にほっとした空気が会場全体を包みました。
考えてみれば大切にしている物を乱雑に扱われたら、壊されなくても傷が付かなかったとしても
悲しさを覚えるのは変わりなく、ごく自然な流れ。瞬時の切り替えに拍手を送りたいと思う場面でした。
過去に初台ではドロッセルマイヤーがくるみ割り人形を隠していたマントからさらっと取り出して掲げた瞬間に
頭が落下してしまった事件がありましたが(クララ役のさいとう美帆さんが顔面蒼白であったと記憶、無理もないが笑)
取れないまま進行したのは初かと思います。
加えて北海道の文化や気候に加え北国ならではのニーズ、更に現地での観光体験がイーグリング版演出に重なる点が多く
気づけば不思議と親しみを覚えながら観ていたのです。
例えば花のワルツ。再演を重ねている現在もマンゴー&オレンジ部隊と私なんぞ呼んでいるわけですが
耳を傾けてみると不思議がる声は聞こえず。それどころか「南国のような暖かさがあって良い」と評判であったのです。
実のところ、私もこれまでは評価できる衣装とは到底思えませんでしたが
気温差20度以上の札幌の地では何でも良いので温暖さのあるものに縋りたい気持ちが高まり
大通駅地下街にて通りかかった沖縄物産館を目にするなり駆け寄らずにいられず
展示されていたビーチで寛いでいるサングラスをかけオリオンビールを飲む豚さんのディスプレイからしばらく離れられず。
状況はバレエにおいても同じで、オレンジワルツを観るなり色彩が愛おしいあまり
体温が一気に上昇してカイロを胸に当てた、そんな心持ちにさせられ札幌以外での鑑賞時には考えられぬ出来事でした。
そして勝手な私情盛り込みではございますが、現地での観光体験も影響大。
まず到着時札幌は粉雪が舞う気候。東京との気温差に凍える思いはしたものの
くるみ割り人形を観に来た土地にて粉雪の景色を眺めたことで
幕開けの雪降る中クリスマスパーティーへと向かう人々の感情にこれまでで最もすっと移入できたのでした。
また初日の公演前には札幌冬季五輪開催地であった大倉山ジャンプ競技場へ出向き、
博物館にて冬季競技のシミュレーションゲームを体験したり競技史の展示を見学。
だからこそ、幕開けにて氷上でソリやスケートをして遊ぶ人々の光景が驚くほどに身近に親しみやすく感じてならず
光GENJIでもあるまいしダンサーにローラースケートを履かすのは如何なものかと思っていたのが嘘のようでした。
更に拍車をかけたのはジャンプ競技場のリフト。高所好きな身であるためこれまでバレエを伴う旅先にて
展望台、観覧車、竹田城や若草山、吉野山(中腹まで)といった丘より少し高い程度に限る登山、ケーブルカー、リフトと
9割方1人で(ごく稀に友人と同乗)体験して参りましたが、スキー経験がなく雪が積もる中でのリフトは初めて。
乗って上昇し始めると、そうです。イーグリング版での雪の王国からの旅立ちである
気球に乗ったクララの気分そのものだったのです。勿論可憐なクララには程遠い我が容姿ですし
王子もドロッセルさんも不在で下にネズミ王がぶら下がっているわけでもないのですが
その時間帯は客が少なく貸切に近い状況でしたから雪景色を独り占め。
1幕最後の曲と合唱がすぐさま脳内を流れ、加えてリフトの速度がイーグリング版気球の上昇速度とほぼ同じで
曲が合唱とリフトが妙に連動してしまったのも興奮を強める要因となりました。
上昇があれば下降もあり、今度は第2幕冒頭の気分を満喫。舞台上を覆った、
お城の屋根が見えかけている雲の絨毯を切っていくように降下し地上に到着する舞台での数秒に
青空曇り空雪景色の三層構成であったこの日の札幌の天気が一度に視界へ入りつつ
雲ではないながら白色であるのは共通する雪が彩る地上へと向かって
最後は積雪していない地面へと降り立つ復路が重なったのでした。
まだまだ北海道要素は舞台に存在し、1幕で子供たちが貰うプレゼントで私だったら一番欲しいのは
可愛らしい羊が乗った滑車。理由はグリゴローヴィヂ版にもそっくりなおもちゃが登場し
のちに羊飼いとして葦笛を踊る2人を想起させるためであるのですが
今回ばかりは羊を見るなり浮かんだのは「ジンギスカン」。美味しいジンギスカンに出会えた幸福を
バレエを観ながら再び噛みしめる、おかしな事態に発展。
2幕ではアラビアにて、毎回謎なリフト祭りな印象ばかりが目に付きがちのはずが
褐色に塗った肌に散りばめられた白い斑点模様が「蝦夷鹿」に見えてしまい、今回は食事こそしなかったが
公演鑑賞前にも通りかかり、札幌市中心部にも蝦夷鹿料理店が点在していたため次回は行こうと決意。
こんな考え方や捉え方は札幌だからこそできたのでしょう。
但し、いくら楽しんだとはいえ不満が残る演出は変わらずでリフトの多さや王子のお面着け外しの煩わしさ、
魔法の国のモデルルーム状態なスカスカ感など要改訂な部分は多々ございます。
スカスカ感は仕方ないとして、ネズミ王たちとの戦闘が終わってクララに出会ってからの王子のお面は
外したままにして欲しいものです。
本拠地初台での初演時は完売の初日ですら幕間のホワイエは静かめで、
振付演出に物申すな会話が四方八方から聞こえてきたのは今も覚えておりますが
札幌ではリフトの多さの指摘はありながら蝶々の疑問や雪国中盤へのネズミ軍団割り込みに関しても不満は聞こえず。
それよりも新国立が来札してくれた、昨年の『白鳥の湖』がどう頑張ってもチケットが入手できず
首を長くして待っていた歓迎と感激の気持ちが客席一杯に広がっていた印象です。
地域によって初台とは観客の反応が違うのはこれまでの全国公演を通して体感はしていながら
札幌の地で、振付演出が苦手であるイーグリング版『くるみ割り人形』を驚くほどに満喫できたのは想定外。
札幌の観客の新国立大歓迎な雰囲気や好反応、そして誠に勝手な私情ながら現地での観光や体験による後押しで
私にとっては初となった新国立劇場バレエ団としての札幌公演鑑賞を心から堪能できた2日間でした。
来年の新国立劇場バレエ団札幌公演はイーグリング版『眠れる森の美女』。
青い鳥や1幕のオーロラ、2幕の森の妖精たちや皆一色のプロローグ妖精ソリスト、
ブルーインパルスなカヴァリエに孫悟空な王様、椿屋珈琲のウェイトレスなど
一部どころではない衣装を除いては好きなプロダクションのため、大変嬉しい上演です。
舞台機構が整っている劇場ですから、イーグリングさんお気に入りの幕開けリラとカラボスが乗るゴンドラの降下や
無駄に巨大な船舶免許必須リラの舟も本拠地と同様に登場すると想像いたします。
奇しくも札幌文化芸術劇場の最寄である大通駅の地下街の名称はオーロラタウンで
通った際の我が予感は的中。或いは地下街が呼び寄せた運命かもしれません。
イーグリング版眠りといえば、4人の王子の衣装が華やかな上に東洋人にも合うデザインで
初演時から惚れ惚れ観察しておりお国柄が違うのも魅力。来シーズン東京でも上演されるか否かはまだ分かりかねますが
2017年での再演時にローズアダージオで圧巻であった、白いフリルが麗しい井澤駿さんイタリア王子と
顔つき凛々しく馬に跨り弓矢を手に草原を駆ける姿が容易に浮かぶ渡邊峻郁さんの韃靼(これ重要)ロシア王子が並ぶ
金閣寺と銀閣寺同時出現なる対決、札幌東京問わず再度叶いますように。
幕間、さっぽろテレビ塔を眺めながら乾杯。薄いパイ生地にふわふわのチーズとベリーがのった
軽めのおつまみ兼デザートもお勧めでございます。確か300円だったかと記憶。
スパークリングワインは艶やかなまろみの中に爽快さを含んだ味で、好みでございました。
新国立劇場のスパークリングはより鋭い爽やかさがある印象です。
ちなみに劇場での赤ワインで渋みと熟成感を備えて一番好みな味であったのは
昨年3月にトゥールーズキャピトル管弦楽団の火の鳥を聴きたいがために大雪が降る中に出向いた
サントリーホールのビュッフェで販売されていたワインでした。しかもグラスが大きめであったのも魅力。
ワインはさておき、満員御礼な公演でしたので時間帯によっては丸テーブルを他の方と一緒に利用していたところ、
小学生の女の子とお母様と会話。バレエの先生の勧めもあって新国立のコール・ドが観たくて来たとのこと。
昨年の白鳥の湖は瞬時の完売であったため1年越しの待ちに待った新国立北海道公演鑑賞で幸せなひと時を過ごしたご様子。
雪が圧巻だったと感激しきりでいらっしゃいました。女の子が食べていたビュッフェのビーフサンド、
お肉たっぷりで美味しいがパンがポロポロこぼれるため食べる時は気をつけてください、との食レポートをいただき
地元の小学生からの学びの時間となりました。
お母様は、大きくなったらお姉さんみたいにこういう場所でワイン飲めたらお洒落でいいねと
お嬢様に語りかけ、東京から来た私ごときな飲兵衛をこうも立ててくださった寛大さと
バレエを楽しんだ上に食レポまでしてくれた小学生の子、その節はありがとうございましたと
今も北に向かって頭を下げたい思いです。東京のお姉さん、帰京後も呑んでばかりでおります笑。
大通駅地下街のオーロラタウン。新国立劇場バレエ団札幌公演2020『眠れる森の美女』
観劇の前後に是非ご通過、ご利用ください。
さて、金曜日から前乗りした2泊3日の札幌1人旅。日帰りで分刻みな大慌てスケジュールであった
昨年の北海道厚生年金会館(ニトリホール)閉館鑑賞時には成し得なかった食事や観光も更に満喫し
イーグリング版の思いも寄らぬ感激を除いた最大のお土産は2キロ以上増量した我が体重。
札幌公演直後の講座やミハイロフスキーバレエ公演などでお目にかかった方々、一段と見苦しい姿を失礼いたしました。
ベートーヴェン・ソナタの頃には戻りつつありましたが、油断は禁物であると肝に銘じております。(現時点で再び危うし…)
ただ、食べ慣れないものを含め美味しいものを短期間で一気に食してしまったため身体が驚いてしまったのは当然であり
何よりも現地の特産物をたっぷりいただけたのは大きな喜び。食の写真中心でございますが、宜しければご覧ください。
とにもかくにも東京とは時間帯によっては気温差20度もあった札幌、
東京も真冬であった2007年2月の訪問であった『ドン・キホーテ』とは大違いな、堪える寒さでございました。
師走に入った多忙な時期にそんな旅行記なんぞ読んでいる暇はないとの方は恐れ入ります、
ミハイロフスキー『パリの炎』鑑賞講座や『マノン』音楽講座、『パリの炎』公演感想まで今暫くお待ちください。
真っ暗闇の中、自宅最寄駅を始発で出発。早寝を心掛けてはいたのだが
録画していながらNHKフランス語講座でのトゥールーズキャピトルバレエ特集を我慢できずに放映を視聴したがために
興奮して寝付けず笑。自業自得だがうとうと眠気を感じつつ日暮里からはスカイライナーで成田へ。
行きの飛行機の窓から、翼も見えます。機内ではひたすらガイドブックを開いて食事処を研究。
函館ではないが、はーるばる来たぜさっぽろー!しかしこの曲が脳裏をよぎったのは偶然ではなかった。
金曜日の昼間は北海道大学敷地内を散策しておりましたところ、テレビカメラを従えたグループが。
札幌での開催が決まった2020年東京五輪マラソンと競歩のコース視察に五輪組織委員会事務総長が来ていたようです。
当日の報道番組でも度々目にし北海道のニュースではトップ扱い。
クラーク像周辺にいた管理人も映像によっては映り込んでいた可能性大でございます。
ところでもし今回イーグリング版ではなく牧阿佐美さん版くるみ割り人形を上演していたら、
プロローグの都庁高層ビル群から、小池都知事とバッハ会長の対決の結果合意なき決定により
2020年東京五輪マラソン競歩の開催地がこの札幌になった一連の急ぎ足な流れが浮かび
夢の世界どころではなかったかもしれません。
すすきののスープカレー店エスへ、カレー2種セット。
北海道型のお皿にはコクのあるパキスタン風カレー、奥の器にはタンドリーチキン入りのスープカレー。
道産野菜もふんだんに入っていて目にも胃にも嬉しい。平日はドリンクバーが無料です。
店内には葛西紀明さんや髙梨沙羅さんら著名人のサインが多数あり。
今回の飲食では最たる衝撃であったのがジンギスカン。
実は管理人、生まれてからこのかた◯◯年、焼肉店へ行ったのはたったの2回で
焼く術や注文のコツなど無知に等しい状態。
お肉をひたすら食べ続ける気になかなかならず、行かぬまま月日は流れていったのでした。
しかし北海道へ行くからにはジンギスカンも食してみたいと欲が募り、(昨年の札幌滞在時は時間の関係で行けず)
魚、特にお刺身の方が断然好きなはずが札幌入りして余りの寒さに身体が冷え切りチェックイン後は
すぐさまホテルでベッドに潜り込んで北海道のワイドショーであるどさんこワイドを視聴、
ニンニクも摂取しつつお肉で気力を回復したいと一層欲が湧き、
すすきの周辺ですぐに入店できるジンギスカン屋を発見。
ここが大正解で店員さんもいたく親切で優しい上に、出張や旅行者用にお1人様セットプランを用意。
http://www.higenoushi.com/menu/menu_04.php
半分の量に盛ったメニューの中から3種を選ぶ方式で
人生3度目の焼肉店訪問ながらいきなり1人で七輪と鉄板2台を駆使する運びに。
店員さんの懇切丁寧な説明と励ましもあり、管理人頑張りました。
好みの加減で焼ける上に、シンプルなジンギスカンであってもジューシーで食が進み、
味付けラムは炭が匂う甘辛い香ばしさにビールが益々進み、焼肉がこんなにも美味しく楽しいのかと衝撃でございました。
但し慣れぬ作業のため、時々玉ねぎを焦がしかけたのはお許しを。新しい趣味として1人焼肉が加わりそうです。
同じくお一人様プランを召し上がっている方が美味しそうに飲んでいらしたため
滅多に注文しないのだがレモンサワーでも乾杯。パンチの効いた酸っぱさで体内すっきり。
いつから習慣化したかは存じ上げぬが、札幌には締めパフェ文化があるらしく
すすきのから歩いて移動、ガイドブックで一目惚れしたこちらへ。
落ち着いたシックな内装で、管理人大好物なキャラメルとピスタチオの競演。甘さ控え目で好みな味でした。
やや設備に古さはありつつも清潔でスタッフの応対も大変良く
会場にもすすきのにも徒歩で移動可能な距離で良い立地のホテルでした。
前夜食べ過ぎて翌朝は胃に食べ物が入らぬ状況であったため、
さっぽろ創世スクエア1階に入っているモリヒココーヒーでブレンドを。
値段の張り具合にたまげたが、居心地の良い空間でのんびり。
カウンターに書かれていた、新国立ダンサーのサインを見逃してしまい、猛省。
大倉山ジャンプ競技場へ。札幌市中心部より気温は低く、このときは2.5度でございました。
1人でふらっとやって来る女性客は珍しいのか、防寒諸々警備員さんが随分心配してくださり
東京から来た旨を伝えると尚更心配そうなご様子。
ジャンプ台からの景色。日の丸飛行隊、ここから飛んだのかと想像の翼をはためかせます。
いざ下降。青空曇り空雪景色、三層構成の景色に感激。往復ともにクララの気分です。(同乗者不在だが)

新国立常連の北海道ご出身の方より教えていただいた洋菓子店きのとや。
大通公園近くの店舗は陽光が差し込んで気持ち良く、シンプルな内装のためか男性客も多し。
店舗限定オムパフェをいただき、宝石の如きのった色とりどりのフルーツに中には求肥も隠れています。
生クリームはふわりとして滑らか。オムパフェな宝石と、今回はケーブルカー点検で行けなかったものの
頂上のレストラン名がジュエルズである藻岩山で思い出したが
新国立でもいつかバランシンの『ジュエルズ』レパートリー入りを願っております。
五月女さんのルビー、細田さんのエメラルド、小野さんのダイヤモンド、観てみたい舞台です。男性も日々妄想中。
公演終演後、夜の大通公園にて。
昨年の北海道厚生年金会館(ニトリホール)閉館公演前と同じく踊る人々の像にて撮影。
このあと再びきのとやへ出向いて新国立常連さんお勧めのシュークリームを購入。
ホテルに持ち帰り、夕食を済ませたあとにいただきました。
上品な甘さのカスタードクリームが詰まった、さくっとした食感のシューも歯応えが良く美味しく大満足。
きのとやさん、もっと様々な種類のケーキを試してみたかったため次回も再訪決定。
すすきのといえばこちら、ニッカウイスキーの看板。
昼に自撮しようとした際には、東南アジア系の観光客の方が撮影を手伝ってくれました。
札幌とても寒い、でも楽しいしラーメンも美味しいと嬉しそうに語っていて、また日本に遊びに来てくれますように。
大舟盛り。前世はアザラシである管理人、すぐ完食。今夏の浦安市での発表会鑑賞後に続き、舟盛は胸躍ります。
イーグリング版眠りのリラの精が所有する舟にも負けていない大きさです。
舟盛のあとは、憧れであった夜のすすきのでラーメン。
店名は「雪風」くるみの余韻に浸りながらすすっておりました。濃厚ながらすっと入り込んでくる味噌味です。
並びましたが、後ろにいた大阪から来た旅行客と話していたらあっという間に席へ。
最終日は朝からビールと鮭いくら丼小サイズ。前夜の慣れない2軒目ラーメンな食事に身体が驚き
小振りサイズがちょうど良いのである。器いっぱいに広がっていて勿論鮮度も良し。
こちらのお店の大将が盛り上げ上手で、これからの行き先を聞かれ
モエレ沼公園とその後はhitaruでバレエ鑑賞する旨を伝えたところ
僕も(体型がややふくよかであるため)プリマって言われます、但しハムのことですけれど、と切り返され店内一同大笑い。
瞬時に思いつく頭の回転の早さが羨ましい。
公園の中の山を登っていくと、絶景。強風でしたが青空と絨毯の如き雲が両方見渡せる景色に感激。
ここも行きたかった、サッポロビール博物館。昨年酒井はなさんと福岡さんが主演を務めた
hitaruこけら落としシリーズ『ドン・キホーテ』へ関西から出掛けられた方が現地より連絡をくださり
ビール飲み比べ写真が添付。心躍った管理人、次回の札幌訪問時には足を運ぶと決めておりました。
モエレ沼公園からバスと地下鉄を乗り継いでいざ訪問。
開拓ビールで乾杯。レトロな内装にも見入ります。ビールに付いてくる
枝豆のおつまみお菓子のコリっとした食感としょっぱ過ぎない塩気が嬉しい。
隣のお土産店でも販売されています。
時間も迫ってきましたので大通駅へ向かい、一応名所の時計台も見学。
2日目の公演後はすすきの寄りに位置する、ホテルから会場へ向かう道中にて見つけた北海道酒場「さぶろう」へ。
新千歳空港到着時に北島三郎さんの名曲『函館の女』が過ったのは間違っていなかったとここで結論。
地酒と寿司タワー。お寿司のネタが大きめで鮮度も頗る良い上に値段も手頃。
質と価格を考えると、これまでの人生で味わったお寿司の上位3食に入ると考えても過言ではない味でした。
再訪決定。
(あと2食は、今年の新国立富山公演帰りに立ち寄った寿司店と時々訪れる東大阪の海鮮居酒屋)
お通しがなく明瞭会計、地酒は少しずつ様々な種類を楽しめるよう小瓶に入れての提供。
これを呑めばジャックに会えるかもしれないと願いつつ
但し昨年の新国立上演におけるファーストキャスト限定で妄想するも
呑んだからといって会えません。これが現実。
新千歳空港へ、帰りの飛行機に搭乗。LCCですので乗り場は隅っこ。お土産や飲食店へ立ち寄るには
ANAやJALの乗り場付近まで移動が必要ですが、そう遠くはないためご安心を。