先日の土日、新国立劇場バレエ団札幌公演『くるみ割り人形』を2日間観て参りました。
札幌のバレエ鑑賞は北海道厚生年金会館での下村由理恵さん山本隆之さんが客演された
2007年全道バレエフェスティバル・イン・サッポロ『ドン・キホーテ』、
最後を飾った『眠れる森の美女』3幕に新国立劇場から飯野萌子さんがオーロラ姫役、
渡邊峻郁さんがデジレ王子役で出演された2018年ニトリホール(旧北海道厚生年金会館)閉館公演に続く3回目です。
https://www.sapporo-community-plaza.jp/event.php?num=299
まだ9月分の鑑賞記も終わっていない状況で恐縮するばかりですが、
想像以上に嬉しい楽しい鑑賞でしたので、キャスト一覧の写真掲載を含め(プログラム写しただけですが)
速報でもない速報な形で綴って参ります。詳細は随分先になる予定でおりますので悪しからず。
兼ねてから当ブログでも不満を噴出しているイーグリング版くるみですが
これまで本拠地初台、2幕抜粋版でのNHKホール、長野県上田市、滋賀県のびわ湖、と全国公演も観てきた中で
演出面においては今回の札幌が最も楽しく鑑賞できました。
まず、道内選抜の子役たちと新国立ダンサーの舞台上の交流のあたたかさ。(これが最たる理由と考えを整理中)
子役がわんさか登場して長々踊るくるみを公演として上演するのは基本反対派ではございますが
現地で選ばれた子役と新国立ダンサーが例えば客人の家族であればあたかも本物の親子のようで
新国立ダンサーたちの眼差しや接し方がとにかく優しく愛情深く、目頭が熱くなりかけたほど。
合わせる時間は本番前の数日間だったと思いますが、クララの家に入る場面からして仲睦まじい家族連れが次々と現れ
プレゼントを受け取った子供を迎えて喜び合う姿はまさに温もりに溢れた家族像。
客人一家のみならず、2日間ダブルキャストのクララにほんわか安心感を与えていらした乳母の山田さんや
練習時から大阪弁の面白いお兄さんとして慕われていたのであろう中で生まれた結束力が舞台にも表れていたと思わせる
ネズミの王様の奥村さんと子ネズミたちの集団も観ていて心が和んでしまう、そんな舞台だったのです。
最後は子役も全員登場し、舞台上のダンサーたちが盛大な拍手で迎え
子役は新国立に、新国立ダンサーは札幌に馴染んでいた良き雰囲気でした。
2日目の1幕では小道具を巡っての大きなハプニングが発生してしまいましたが
子役のクララ、フリッツともに動じず。何よりドロッセルマイヤー役の貝川さんの即座の判断や
落ち着いているように見えても内心気が動転しそうであったに違いない
クララへの慰めがそれはそれは優しく、お芝居とリアルな心情双方が入り混じっていたであろう2人の姿や
且つ事なきを得た舞台進行にほっとした空気が会場全体を包みました。
それから北海道の文化や気候に加え北国ならではのニーズ、更に現地での観光体験がイーグリング版演出に重なる点が多く
気づけば不思議と親しみを覚えながら観ていたのです。詳細はまた本編で触れて参ります。(いつになるやら…)
但し、いくら楽しんだとはいえ不満が残る演出は変わらずでリフトの多さや王子のお面着け外しの煩わしさ、
魔法の国のモデルルームなスカスカ感など要改訂な部分は多々ございます。
ちなみに気球はあり、紗幕は無し(その件をすっかり忘れたまま鑑賞しておりましたが無かったはず)です。
それから、来年の新国立劇場バレエ団札幌公演はイーグリング版『眠れる森の美女』。
青い鳥や1幕のオーロラ、2幕の森の妖精たちや皆一色のプロローグ妖精ソリスト、
ブルーインパルスなカヴァリエに孫悟空な王様、椿屋珈琲のウェイトレスなど
一部どころではない衣装を除いては好きなプロダクションのため、大変嬉しい上演です。
舞台機構が整っている劇場ですから、イーグリングさんお気に入りの幕開けリラとカラボスが乗るゴンドラの降下や
無駄に巨大な船舶免許必須リラの舟も本拠地と同様に登場すると想像いたします。
奇しくも札幌文化芸術劇場の最寄である大通駅の地下街の名称はオーロラタウンで
通った際の我が予感は的中。或いは地下街が呼び寄せた運命かもしれません。
イーグリング版眠りといえば、4人の王子の衣装が華やかな上に東洋人にも合うデザインで
初演時から惚れ惚れ観察しておりお国柄が違うのも魅力。来シーズン東京でも上演されるか否かはまだ分かりかねますが
2017年での再演時にローズアダージオで圧巻であった、白いフリルが麗しい井澤駿さんイタリア王子と
顔つき凛々しく馬に跨り弓矢を手に草原を駆ける姿が容易に浮かぶ渡邊峻郁さんの韃靼(これ重要)ロシア王子が並ぶ
金閣寺と銀閣寺同時出現なる対決、札幌東京問わず再度叶いますように。
※上の写真:宿泊先のホテルを出て少し直進したところから撮影。
青空に聳える真っ赤なテレビ塔、札幌文化芸術劇場が入るさっぽろ創世スクエア、二条市場が同時に見えました。
札幌公演くるみキャスト
大通駅地下街のオーロラタウン。新国立劇場バレエ団札幌公演2020『眠れる森の美女』
観劇の前後に是非ご通過、ご利用ください。
先述の通り本編はいつになるのやら状態でございますが、金曜日から前乗りした2泊3日の札幌の旅
バレエのみならず観光や食事も満喫いたしました。
金曜日の昼間は北海道大学敷地内を散策しておりましたところ、テレビカメラを従えたグループが。
札幌での開催が決まった2020年東京五輪マラソンと競歩のコース視察に五輪組織委員会事務総長が来ていたようです。
当日の報道番組でも度々目にし北海道のニュースではトップ扱い。
クラーク像周辺にいた管理人も映像によっては映り込んでいた可能性大でございます。