これまた2週間前の出来事で恐縮、簡単に綴って参ります。
4月12日(土)、新宿の芸能花伝舎で行われたバレエカレッジ主催講座
指揮者井田勝大さんによるバレエ音楽の魅力と秘密《第6回》
シンデレラ〜プロコフィエフがかけた"ユーモア"の魔法に参加して参りました。
https://balletcollege.amebaownd.com/posts/5976701
プロコフィエフ作曲『シンデレラ』音楽を5つの要素に分類し
杉田玄白も仰天であろうミリ単位で細分化しつつ大解剖。
ある一音がどう組まれているか、その1点だけで風変わり且つ面白味のある響き方になるのか
ピアノ演奏も交えながらの解説で2時間はあっという間。
もっと聞きたい、知りたい、そう思えてならない講座でした。
作曲された時代背景も踏まえての説明も詳しくしてくださり、戦争が絶えぬ当時のソ連の状況を考えると
いたくロマンティックな曲を続々と作り上げたプロコフィエフに脱帽です。
バレエカレッジさんはバレエを踊る愛好者と鑑賞愛好者、双方が楽しめる講座を多々企画され、
私は後者ですが今後も興味津々な講座が予定されています。どうぞお気軽にご参加ください。
ところで、プロコフィエフのバレエ音楽において話題になるのは
チャイコフスキーに比較すると摩訶不思議過ぎる曲調ばかりで馴染めないとのご意見。
確かに、ひたすら美しく好みが分かれそうにないチャイコフスキー三大バレエ音楽に慣れてしまうと
プロコフィエフ音楽の魅力理解には至れずなお考えにも納得がいきます。
私の場合ですが、いかんせん未就学児の頃から『シンデレラ』の曲に親しんでおり
チャイコフスキー三大バレエより先にプロコフィエフのほうが
脳に刷り込まれていってしまった経緯があります。
バレエ教室の発表会で私にとっても、人数が少ないがためにコール・ド・バレエの概念すら
生徒は分からず(笑)恐らくは教室にとっても最初で最後だった全幕バレエの経験が『シンデレラ』だったのです。
幼少期の私のみならず、迎えに来る保護者までもがプロコフィエフの魔法に取り憑かれ
友人のお母様も私の母も、不思議なワルツが脳内を旋回しているなどと口走っていたものです。
結果どうなったか。管理人は成人するまで、ボリショイのアルヒーポワとムハメドフが主演を務める
グリゴローヴィヂ版の映像を除いては三大バレエの魅力が理解できず
中毒性が無いといったら失礼だが、三大バレエの音楽に物足りなさ感じていたのでした。
話が二転三転いたしましたが、今年2019年は日本のバレエ界における『シンデレラ』イヤー。
明日からのゴールデンウィークは新国立劇場バレエ団、来月半ばにはスターダンサーズバレエ団
来月下旬からはKバレエカンパニーが上演します。
バレエ団によって演出も異なり、新国立は古いおとぎ話の絵本を捲りながらも
煌びやかな気分に浸れるアシュトン版。スタダンはねずみさんのお友達が
シンデレラを終盤までサポートするほっこりとした鈴木稔さん版で
Kバレエカンパニーはシンデレラの身近な物たちが妖精と化して導き、
舞踏会到着時にはお城のシルエットが夜空に映え観客も力強く足を一歩踏み出す心持ちになれる熊川さん版。
是非ともそれぞれの味わいをご堪能ください。
井田さんはKバレエカンパニーで多く指揮をなさっていて『シンデレラ』も務められるため
演出の話は熊川さん版が中心でしたが、明日以降管理人はほぼ初台通いの連休でございます。
会場入口。桜と思わしきピンク色の丸みを帯びた花が出迎えてくれました。
帰り、軽く一杯のつもりが並々注いでくださった赤ワイン。室温で渋み十二分、好みの味でした。
モロッコ料理、フムス。レンズ豆の滑らかなペーストで、香辛料が効きワインが進みます。
シンデレラの舞踏会場面に登場する果物はモロッコ産との設定が演出によっては解説に明記。
ちなみに、幼き管理人が出演した発表会では「モロッコからのオレンジ大使」という大そうな役名が付き、
小学3年生以上の複数名の生徒が踊っていました。
モロッコとは言っても民族衣装なデザインではなく
上半身は紺色のベルベットでシフォンの白い長袖、白いチュチュと赤いリボンを合わせたお洒落な衣装。
懐かしく思い起こされます。