12月2日(土)、大阪府狭山市文化会館SAYAKAホールにて原田高博バレエシアター第2回発表会を観て参りました。
昨年1月開催の第1回発表会に続き2度目の鑑賞です。
http://takahiro-ballet.boo.jp/
原田バレエのフェイスブック。当日の舞台の様子やリハーサル写真もたくさん掲載されています。
https://m.facebook.com/TakahiroBalletTheater/
バレエ・コンサートの部で最たる印象を残したのは幕開けの『眠れる森の美女』よりローズ・アダージオ。
原田さんの師匠で今年お亡くなりになった赤松優さんを偲んでの上演とのことですが
求婚者がとにかく豪華で佐々木大さんと山本隆之さんが入っていらっしゃり(もうお2方は恵谷彰さん、岡田兼宜さん)
名付けるならば大御所アダージオといったところ。
近年の新国立劇場バレエ団の同作品の同場面及び今秋上演したばかりの『不思議の国のアリス』
セカンドキャストによるパロディ場面で驚いている場合ではないと今更ながら気づきました。
ちなみに翌日マリインスキー・バレエのガラにおいてもローズ・アダージオを鑑賞いたしましたが
求婚者に関しては大阪狭山版のほうが華々しく、薔薇がピンクではなく赤であった点だけ多少気にかかったものの
(眠りといえばピンクの印象が強いが、マイク真木さんのバラが咲いたの歌でも赤だから良いか)
貴重且つ歴史書から飛び出したかのような大きな帽子を被る目にも麗しい山本さんのお姿を拝見できたのですから
富士山を眺めたとき以上に手をしっかり合わせ拝んだ次第です。
もう1本胸に響いたのは国田美和さんと山本さんによる『椿姫』よりパ・ド・ドゥ。
振付演出が違うとはいえ今年はハンブルク・バレエ団の来日公演で全幕やガラのノイマイヤーの世界、
世界バレエフェスティバルでも鑑賞する機会に恵まれましたが
社交界の陰で不穏な日々を送るヒロインの心を解きほぐす、こうも包容力を備えた男性が存在するであろうかと
山本さんが踊られると容姿は勿論、例え抜粋でも物語の世界へと誘われうっとりです。
第3部は原田高博さん振付の創作作品『風の森』。音楽家の小馬崎達也さんや仲林利恵さんも参加され
久乗編鐘(仏具のおりんに音階を付けて楽器にしたもののようです)や
琴の生演奏付きで披露されました。佐々木さんの山猫、山本さんの牡鹿、国田さんの鳥を中心に
針葉樹や広葉樹、風役のダンサーたちが絡みながらの展開で
柔らかな中にも力強い響きを持つ鐘や琴の神秘的な音色がバレエと溶け合い
自然が生み出す美しさや雄大さ、儚さが次々とめまぐるしく舞台を覆っていくユニークな作品でした。
牡鹿と言っても地域は近いが奈良の鹿さんではなく、山猫や鳥、針葉樹まで全員全身タイツ系衣装で
身体の線がくっきり見えるデザイン。男性は半裸に近いか半裸で、山本さんの神々しいことよ。別格の存在感でした。
今回の新作のために書き下ろした曲とともに披露するなど非常にチャレンジングな企画で
試行錯誤の連続であったと察し、成し遂げた関係者の方々には頭が下がる思いです。
前回の第1回の舞台でも日替わりキャストによる創作作品『心緒』を2日間に渡っての上演を成功させ
私は未見ですが下村由理恵さんと佐々木さんを主演に迎えた全幕『椿姫』上演も好評であったとのこと。
次回の舞台も今から楽しみです。
※今回生演奏による新作上演のためクラウドファンディングに挑戦し見事達成。詳細が記された記事はこちらです。
工夫を凝らしての舞台開催がいかに難しいか分かりやすく書かれています。
https://readyfor.jp/projects/16085/announcements/75957
※チケットの予約をメールにて問い合わせしたところ大変迅速で丁寧なご対応に感激。
ありがとうございました。嬉しくそして舞台が一層楽しみになり、私も見習いたい。
この日は冬らしからぬ暖かな晴天。落語家さんが案内する大阪水路クルーズに乗船するため難波駅近くの船着場へ。
いざ出航。何度も訪れている大阪ですが、まだまだ知らぬこと多数。
歴史、文化、阪神タイガースファンの恐るべきエピソードまで笑いも一杯盛りだくさんな内容でした。
大阪フェスティバルホール。来年9月大阪国際フェスティバルの一環?として
新国立劇場バレエ団がこどもバレエ『白鳥の湖』を上演予定と発表されています。
船内販売あり。せっかくですので河内長野産のお酒で昼から乾杯。
道頓堀付近まで来るとお笑いの審査の件で今話題のあの女性が歌う大阪を描いた曲も流れ始めます。
管理人が大阪の曲で最も好きな、『大阪で生まれた女』は流れず。
(お若い方はご存じでないと思いますが、1979年に発売されたBOROの曲です)
しかし大阪の豆知識を和気藹々楽しく学べるクルーズで
初めての訪阪の方、何度もいらしている方問わずおすすめです。
南海線車内、現在NHK朝の連続テレビ小説で放送中『まんぷく』舞台の泉大津は会場から近いらしい。
そういえば前月下旬にIwaki Ballet Company『ジゼル』鑑賞の際には
新宿駅からの道中、聳え立つ日清食品ビルを眺めながら歩いたのでした。
思い返せばほぼ毎週バレエ鑑賞で満腹、今年も幸に溢れた人生でございます。
帰りは新大阪駅内新幹線入口近くに位置する自然派ワインなるお店へ。創作作品のテーマと重なります。
お通しが鯖のブルスケッタ、ワインに合います。鯖も大好き。
ワインは余計な味が全くない、澄み切った味わいでした。
鰹のカルパッチョもいただきました。管理人、きっと前世はアザラシです。