2017年が始まり、今年の鑑賞予定を立てている方も大勢いらっしゃることと思います。
少し先ですが、6月は『ジゼル』大激戦。ボリショイ・バレエ団、新国立劇場バレエ団、Kバレエカンパニーと
偶然なのか3団体が上演を予定しています。ボリショイとKバレエはまだ分かりませんが、
新国立は全キャスト鑑賞予定でおり各々のダンサーの表現が楽しみであります。
繰り返しになりますが、ジゼル役に細田さんが入っていないのがただただ残念で
観たいと1万回書けば実現するならば、書きたいところです。
昨年鹿児島での『ジゼル』全幕鑑賞にあたって関連書籍に目を通したのですが、
期待以上に面白い本がありましたので紹介いたします。吉野万理子さん著書の本です。詳しくはこちら。
子供向けの本でやさしく分かりやすい言葉で書かれている程度であろうと特に期待もせずに本を開いたのですが
予想を遥かに超える面白さで驚きました。
ジゼルを何事も深く考える理知的な少女として捉え、愛するアルブレヒトだけでなく
ヒラリオンについてもしっかりと洞察。ジゼルが考えている内容を詳しく細やかに描いています。
細やかであるのはジゼルの脳内だけでなく情景描写も同様。
アルブレヒトに抱き付いた際の温もりある感触に夢見心地なジゼルの感情など、
ときには読み手の顔が赤らむようなドキッとする表現もあり
電車内など公共交通内施設内ではお読みにならないほうが無難かもしれません。
私の場合うっかり東京の山手線内で読んでしまったのですが新宿で読み始め、池袋付近で最初にドキリ。
ゆっくり読み進めているうちに細やか過ぎる表現の数々に赤面寸前となり、
田端で乗り換え読み終えて胸を締め付けられているうちに目的地に到着。
その名も「王子」駅でああ大興奮でございました。
タイミングが良すぎる奇跡に感動を覚えたのはさておき子供向けの本であると侮ってはならず
登場人物の感情やジゼルとヒラリオンの関係など吉野さんの新鮮な解釈にも発見の連続となる書籍です。
理想のアルブレヒトを思い浮かべながら是非お読みください。