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ヌレエフの半生を描いたレイフ・ファインズ監督映画『ホワイト・クロウ』

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大変今更感がございますが、10月下旬に東京国際映画祭にて上映された
ルドルフ・ヌレエフの半生を描いた作品『ホワイト・クロウ』を六本木にて観て参りました。
https://tokushu.eiga-log.com/film-festival/13564.html

https://2018.tiff-jp.net/ja/lineup/film/31CMP16


※仮装人間が大勢行き交っていた時期に鑑賞し、時間がだいぶ経過しているため
抜けている箇所が多々あり大雑把な感想でございますが悪しからず。

ヌレエフ役はタタールスタン国立カザン歌劇場バレエ団のオレグ・イヴェンコ。
外見がよく似ていて且つ寡黙な中にも燃え盛る闘志を秘めた反骨児な性格や
パリで現地の人々と親交を深め、美術館を訪れて物事を吸収をする貪欲さを演じる姿がいたく自然で
演技経験はないとアフタートークでの監督の話で知り驚きました。

子供時代の回想場面はモノクロで映され、口数少なく内向的で遊びの輪にも加わりたがらず
遠くから光景を見つめる目には寂しさが宿り、貧しく苦しい生活を物語っているといえます。

全編通して最たる関心であった亡命の瞬間は一部始終が細かく再現されていたようで
客のふりをしているが実は手引きをする警察(確か)の助けを借りて監視状況から命懸けで逃れていく場面は
呼吸も忘れ、息を殺しながら見入る展開でした。

人も情報も行き交いが盛んな現代と異なり、ソ連圏から西側への渡航が困難であった時代。
キーロフのダンサーたちがパリの地に降り立ち、視界に入るもの全てが珍しく目を見開いて風景を眺めている姿や
レセプションの場でも現地の関係者とは自由に歓談できず、集団で固まりながら立っている光景は
鉄のカーテンが下ろされていた当時の世相を如実に表していると思えます。

ヌレエフといえば男性バレエダンサーの役割地位を一気に高めた言わずと知れたバレエ史に残るダンサーでありながら
世に演目を広めるきっかけにもなったマーゴ・フォンティーンとの『海賊』グラン・パ・ド・ドゥ映像を始め
亡命後の華々しい現役時代や、パリ・オペラ座バレエ団の芸術監督に就任し
強烈な個性と燦然たる輝きを放つエトワールを次々と育て
バレエ団の栄華なる時代を築いた実績は頭に入っていたものの
キーロフ・バレエ時代の軌跡や亡命の詳細までは把握しておりませんでした。
苦悩や葛藤、反抗といった晴れやかとは言い難い心情は勿論、
時代に翻弄されていたバレエ団の状況をも丁寧に描写されていて
映画を通して知ることができたのは今後バレエを鑑賞していく上で大きな収穫となりました。
来年2019年に劇場公開されますので、バレエ史を揺るがした大事件の真相に迫りながら
ファインズ監督が手がけた映画を大勢の方にご覧いただけたら幸いです。

※同僚役でセルゲイ・ポルーニンが出演していましたが出番はさほど多くなかったと記憶。
ディズニー版くるみ割り人形といい、注目キャストとして名前が挙がっていても
出番の頻度は少々寂しく、もう少し登場して欲しかったと感じております。




申したいことは山ほどあるが見所もいくつか発見 新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』12月18日(火)〜24日(月祝)

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12月18日(火)〜12月24日(月祝)、新国立劇場バレエ団
ウェイン・イーグリング版『くるみ割り人形』を計6回観て参りました。
https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/nutcracker/


※11月公演『不思議の国のアリス』感想に比べますとかなり短めですので
お急ぎの方もご安心ください。但し、写真は相変わらず多めでございます。


※詳しいキャストは後日掲載いたします。ひとまず劇場ホームページより抜粋


【12月18日(火)13:00】
クララ:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫
ねずみの王様:井澤 駿
ルイーズ(クララの姉):奥田花純
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太


【12月21日(金)19:00】
クララ:木村優里
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:渡邊峻郁
ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫
ねずみの王様:井澤 駿
ルイーズ(クララの姉):奥田花純
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太


【12月22日(土)18:00】
クララ:米沢 唯
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:井澤 駿
ドロッセルマイヤー:中家正博
ねずみの王様:奥村康祐
ルイーズ(クララの姉):池田理沙子
雪の結晶:柴山紗帆、飯野萌子
花のワルツ:寺田亜沙子、細田千晶、速水渉悟、浜崎恵二朗


【12月23日(日・祝)13:00】
クララ:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫
ねずみの王様:渡邊峻郁
ルイーズ(クララの姉):細田千晶
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太


【12月23日(日・祝)18:00】
クララ:池田理沙子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:奥村康祐
ドロッセルマイヤー:中家正博
ねずみの王様:木下嘉人
ルイーズ(クララの姉):柴山紗帆
雪の結晶:飯野萌子、広瀬 碧 
花のワルツ:寺田亜沙子、細田千晶、速水渉悟、浜崎恵二朗


【12月24日(月・休)14:00】
クララ:小野絢子
ドロッセルマイヤーの甥/くるみ割り人形/王子:福岡雄大
ドロッセルマイヤー:貝川鐵夫
ねずみの王様:渡邊峻郁
ルイーズ(クララの姉):細田千晶
雪の結晶:渡辺与布、広瀬 碧
花のワルツ:飯野萌子、益田裕子、木下嘉人、原 健太


小野さんのクララは登場時はいたくあどけなく、少女のクララが急激に成長してしまった違和感がない雰囲気。
小刻みに震えながらのパ・ド・ブレの細かさにも目を見張り瞬時に真夜中の不気味な世界へと入り込みました。
金平糖は女王然とした輝き、品格で眩しいばかりのオーラ。脚を差し出すだけでも煌々たるものが漂い眼福でした。

米沢さんは少し大人びたクララで、最初からほんのり色っぽさがありつつも
ふわっとした可愛らしさと不気味な夜に怯える表情で異世界へと誘い、
持ち味のスピード感と端正な踊りが合わさった金平糖も麗しく映りました。

昨年から目覚ましい成長を感じられたのは池田さんで
ステップの運びがスムーズで表現もぐっと大きくなり、飛躍していた印象。
どうしてもあどけなさがのこるお顔立ちのため役を選ぶとは思いますがクララはとてもお似合いでした。
少女クララと金平糖への変化の遂げ方も瑞々しいばかり。

木村さんはエレガントで細く長い手脚が描く弧が、前回以上に柔らか且つ芯もしっかり通っていて安定感もあり。
何処までも可愛らしく守ってあげたくなるクララを好演されていました。大砲の中を掃除する力一杯な仕草も健気。

福岡さんの王子は甥っ子のときから威厳と優しさ双方バランス良く備え、
子どもクララが自然と惹かれていく様子が前回よりも違和感が薄まった印象。
(初演時は父娘に見えなくもなかった)

井澤さんは『不思議の国のアリス』イモ虫役で開眼したのか今までになく自信に満ちた王子。
初日をご覧になった方から評判を聞いてはいたのだが、アリスが何かをもたらしたのでしょう。

奥村さんは男性らしい魅力が益々増えたようでパワフルに駆け抜けクララを導いて行く王子。
勢い余ってよろっとしてしまったヴァリエーションもご愛嬌と受け止めたくなってしまう
明るく乗っている様子が微笑ましく映りました。

渡邊さんは士官学校の制服(恐らく)が渋く生真面目そうな雰囲気にぴたりと合い
服の規定を記した学生手帳のモデルとして載っていそうな嵌まりっぷり。
戦闘場面での勇ましさも昨年以上に強まって、混沌とした空間を剣を手に斬れ味鋭い跳躍を繰り出しながら
ネズミ王に立ち向かう姿の雄々しいことよ。
そして今年最後もやります髪型考察。昨年の同演目では気合十二分なぺったり分けで
最たる緊張であるナポレオンな帽子を取った瞬間、思わず丸印。
前髪にボリュームを持たせていたため自然に見え、昭和のサラリーマンな香りは無しで安堵いたしました。
来年ニューイヤーバレエはどう来るか、2019年も考察を継続して参ります。

クララと王子のパートナーシップはどのペアも宜しく、小野さん福岡さんは鉄壁が一層深化して
無意味に(失礼)高難度なリフトの連続なる振付であっても良い方向へと持っていく術に驚嘆。
米沢さん井澤さんは、井澤さんが飛び込んでくる米沢さんの受け止めが格段に上手くなり
くるみにおいては頗る波長が合っていると昨年思わせ且つ
2人ともスタミナが落ちず驚かされた池田さん奥村さんもより伸びやかになった印象。
木村さん渡邊さんは出会いの場面での互いがみるみると火照っていく過程が鮮やかで甘美。
シャンパンゴールドなグラン・パ・ド・ドゥでの衣装もそれはそれは煌びやかに決まっていました。

見比べが最も面白かったのはネズミ王。渡邊さんは一番上背がありながら仕草がお茶目。
指をひらひらさせてクララの寝室へ侵入したり、オリジナル?腰振り踊りでくるみ割り人形に戦闘を挑む姿も
愛嬌があり、そうかと思えばジャンプは大迫力。カーテンコールも昨年と同様独創的で
ネズミの頭だけを覗かせてから手を出し、その後ご本人登場。
全員での舞台上挨拶では尻尾を大事そうに前側の胸辺りで両手で持ち、
いらっしゃいませとの声が聞こえてきそうな、まるでレジカウンターの店員の如く礼儀正しいネズミさんです。
最終日はおもちゃの兵隊が止めを刺すために放つもその場にポトッと落下してしまう大砲(実際は小さい)が
離れた場所に転がってしまいましたが、いそいそと探して発見し
熱がりながらも大事そうに両手に載せ(11月のアリスにおける焼き立てのタルトを思い出した笑)
クララをからかいながら退散。
前回剽軽な魅力を振りまいていた奥村さんは打って変わって豪胆路線で舞台を支配。
しかし初日はDA PUMPのUSAを披露していたらしく、他日もアドリブとのギャップが楽しい王様でした。
初挑戦の木下さんは謎のフリフリダンスと伸びやかな踊りの調合が笑いを誘い
井澤さんは更なる渾身の炭坑節で殻を破った感のあるネズミ王。4者4様で楽しませてくださいました。

魔法の国で印象に刻まれたのは艶やかなオーラを放っていた朝枝さんのスペインと
京劇メイクが舞台映えし軽やかさもあった奥田さんの中国。
福田圭吾さんのロシアはバネの強さが爽快で観客を楽しませようとする見せ方も上手い。
アラビアでの本島さんの神々しさ、寺井さんの神秘的な雰囲気も美しや。
なぜに蝶々か不可解と位置付けられてしまう不利な設定にも関わらず、
地味だがバランスや回転が難しいテクニック満載なソロをだだっ広い空間で魅せられるだけでも称賛に値すると痛感。
順番前後して、騎兵隊長の速水さんは体感がしっかりしていて力強さもあり、なかなか好印象。

雪のコール・ドはクリスタルのような輝きが圧巻で、揃っているだけでなく
喜びに溢れた煌めきが幸福感を誘いました。
合唱隊が昨年のびわ湖公演バージョンとなり、バルコニーで歌うことで
より歌声が響き渡りバレエと調和して心洗われるひとときになったことも嬉しい演出です。

振付演出について申したいことは山ほどありますが、薄くなったとはいえ
1幕パーティー場面の紗幕は無いにこしたことはなく、取り払いを切望。
くるみ割り人形が王子に変身してクララと出会って以降も人形のお面を装着したり外したりの繰り返しも謎で
ネズミ王による魔法は容易に解けぬ恐ろしさを強調したいのかもしれませんが
意図も伝わりませんし、18日と21日に関してはお顔も見たい欲求が爆発しかけたが
それはさておき通気性の悪さも心配になり、出会ってから以降は装着の必要は無いでしょう。

子役たちの年齢設定が随分と低く、頑張っているのは分かっていても発表会に思えてしまうのは残念。
代わりに両親役を演じる新国立ダンサー観察に勤しみ、仲睦まじい2人もいれば家庭内不和を思わせる2人もいて色々な夫婦像があると発見できたのは幸運と言うべきか福田紘也さん小村さんの夫婦が面白く、
お調子者な旦那と拒絶する妻のやり取りから目が離せずずっと追ってしまったほどでした。
子供が貰うプレゼントは箱入りの物以外は2幕に登場するキャラクターを模した人形なのだが
なぜか1体だけ車輪と板付きの羊さん。ただもし私が子供なら欲しがるのは羊です。
(ガラガラと引けばグリゴローヴィヂ版の葦笛になるためだが、イーグリング版での羊は謎だ)

魔法の国のスカスカ感は今回も気になり、6本の柱ベンチはドロッセルマイヤー専用で
ディヴェルティスマンの合間合間に移動しながら腰掛けていくという物寂しさ。
クララと魔法の国の人々が一切顔を合わせぬままトップバッターのスペインが始まってしまうのも
違和感があり、お出迎えがないのは不思議です。

かなりざっくりな感想となってしまいましたが、カレンダーの写真からすると恐らくは来年も上演と思われ
今回以上に魅力を見つけられるよう努めていきたいと思っております。
(何だかんだ言いながらも連日楽しみ、火曜金曜は目を心臓印にして鑑賞していたのだが笑)
また思い出したことがあれば追記して参ります。

※ご参考までに、昨年の新国立初演時の感想はこちらです。
演出や振付の細かい不満について小姑の如く延々と綴っております。



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18日(火)は平日昼間からパーティー場面を真似てシャンパンで乾杯。


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公演限定カクテルは有田みかんと白ワイン。花のワルツカラーです。


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21日(金)、ホワイエのツリー近くで乾杯。


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21日は帰りが少々遅くなったが飲まずにはいられず、23時以降も営業しているドイツ料理店アチチュードへ。
昨年のくるみ最終日にムンタ先輩と訪れたお店を1人で再訪。


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赤ワインとドイツ風ポテトサラダ。赤ワインは渋い重口です。


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当ブログを通して知り合った、今年もお世話になりっぱなしな方と23日は昼夜公演の間にマエストロへ。


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くるみ割り人形の置物がクリスマスを演出。


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ツリーにもくるみ割り人形。


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前菜。みかんドレッシングなるものがあり、花のワルツを思い出しながらいただきます。


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リボン型パスタ。そういえば、クララは恋する憧れのドロッセルの甥っ子がパーティーから帰る際に
頭に付けていたリボンを外して手渡します。


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千秋楽。ブルスケッタとロゼワインで乾杯。チーズとくるみをのせたものもあり
鑑賞した23日昼と千秋楽登場のネズミ王、今日こそ勝つのだ!
くるみ割り人形を倒し、実は想いを寄せているクララと結ばれ
魔法が解けてネズミから貴公子な美しい姿(衣装からすると騎士でも)に戻るのだ、と今年も勝手に妄想。
だから、いくら主演舞台が映像化されているからといって『美女と野獣』ではないねん。


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新国くまさんたちは仕事納め。1年間様々な、時にはぐったり疲労困憊な
仕事放棄なポーズでも出迎えてくれましたが(笑)お疲れ様でした。


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千秋楽帰りはオペラシティのだん家にて当ブログお馴染みカウンセラー友人と乾杯。友人は烏龍茶を注文。
くるみの原作の舞台と何かで読みましたため、ニュルンベルクのソーセージを囲んでドイツビールといただきます。

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鴨肉とオレンジのグリル。オレンジがぱっと花開きました。
イーグリング版の花のワルツのイメージはポピーですが、見慣れてきたとはいえ何度観てもオレンジにしか見えぬ
我が乏しい視力をお許しください。

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ネズミ王はきっと3食チーズと想像。近代的な大砲を所有しているおもちゃの兵隊に対し
ネズミ王国は原始的なチーズ大砲。子ネズミも多いため、
防衛費よりも教育費社会保障費用を優先しているのかもしれません。

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2階から眺めるホワイエのツリー。初台より届けてくださった素敵な舞台の数々に今年も感謝、
ありがとうございました。ニューイヤーも楽しみにしております。



珍しいコッペリアにオーソドックスなくるみと芸達者な生徒さんたちのアリスで締め括り 川上恵子バレエスクール発表会 12月25日(火)《大阪市淀川区》

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12月25日(火)、メルパルク新大阪にて川上恵子バレエスクール発表会を観て参りました。

バレエ・コンサートで最も印象深かったのは板東ゆう子さんと山本隆之さんによる
『コッペリア』結婚式で踊られるパ・ド・ドゥ。
淡いピンク色に彩られた膝丈チュチュ姿のスワニルダと赤いベストのフランツで
マイナス20歳に見える可憐な少女と爽やか青年でほんわか柔らかな空気で満たされ
幸せに包まれたのは言うまでもありません。
山本さんによる、スタンダードな『コッペリア』パ・ド・ドゥを拝見したのは
恐らくは2008年7月高知での発表会以来10年ぶり。(管理人、人生初の土佐訪問)
しかし経過年齢とは反比例して外見は年々若返っていらっしゃるとしか思えず
大騒動を経て結婚式を無事迎えた新婚夫婦らしい熱々な雰囲気も満点で
願わくは全幕フランツをまた拝見したいと思えてなりませんでした。

第2部は『くるみ割り人形』より第2幕、安心と安全なオーソドックス演出です。
幕が上がると華奢で可憐なクララとドロッセルマイヤーが現れお菓子の国へと観客を導いていく流れで
細身のタキシード風衣装の山本さんが実にスタイリッシュなドロッセルさん。某国立と違って白塗りはありません笑。

クララ到着時は各国の踊りや花のワルツが勢揃いして舞台に華やぎをもたらした状態でお出迎えをして(これ大事)
衣装はカラフルな王道路線でどれもセンス良く整えていましたが
中でも葦笛の細かい装飾に覆われた黄緑色のチュチュがいたくゴージャス。
花のワルツは女性ソリスト2名は薄紫でコール・ドはピンク、ふわふわと花が舞う情景に心癒されました。
レースを模って重ね合わせたような舞台美術も見栄えし、色は2色であっても
後方には星空が覗く作りになっていて地味な印象は皆無。2幕のみの上演であっても
温もりときらりとした輝きに溢れるくるみを鑑賞でき、幸せなクリスマス当日となりました。

第3部は生徒さん中心の『不思議の国のアリス』。皆さん芸達者で主要な人物は殆ど揃い
トランプたちの踊りも斬れ味鋭く見応え十二分でした。音楽はディズニー中心でしたが
久々に聴くと素敵な曲で構成されていたと再確認。アリスといえば先月新国立でも上演された
クリストファー・ウィールドン版が刷りに刷り込まれていますが、
川上版の可愛らしいアリスも瞬く間の展開で楽しい舞台でした。
大掛かりな装置を搬入できぬ点をむしろ生かし、ドアから別世界へと逃げ出す場面では
ドアを持ったキャラクターが後方へ振り返る瞬間にアリスがささっと隠れるようにして袖へと消え
ドア1枚でも慌ただしい逃走劇を演出してしまうアイディア力に天晴れです。
衣装がまた凝っていて、ピンク色のホールケーキ型をしたチュチュや
トランプは4種のマークがチュチュに付けられていてとてもお洒落。1着1着見入ったのでした。

今年も年内最後の鑑賞は川上バレエ。珍しい配役のコンサートに温もりあるオーソドックスなくるみ2幕、
芸達者な生徒さんたちの実力と舞台転換のアイディアに恐れ入った『不思議の国のアリス』
そして何よりも山本さんの舞台で締め括ることができ2018年も良き年となりました。

※12月30日または大晦日、毎年恒例の総括を行って参ります。



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梅田スカイビル下の広場にて恒例のドイツクリスマスマーケット開催。くるみ割り人形が見守っています。

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駆け付けの1杯はホットワイン。スパイスが詰まっていて温まります。カップはお土産にそのままどうぞ。

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マトリョーシカ店も出店。クリスマス物のみならず、民話を描いた人形や箱も販売されていました。
どうも私はロシア民話の渋い絵柄がかなり好みらしい。何分眺めていても飽きません。

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くるみ割り人形が見守る店舗。

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お昼は5年前のレッスン再開初回時から親しくさせていただいている方と
グリルキャピタル東洋亭にて赤ワインで乾杯。

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帰りのメルパルク新大阪。今年最後の観劇も大阪でした。

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帰りの新幹線車内にて酒盛り。大阪の北新地ビールとロゼのスパークリングワイン
くるみやアーモンドの燻製盛り合わせをつまみに乾杯。

2018年バレエ総括

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2018年も本日で終わり。今年もたくさんの素敵な舞台に巡り合えました。
バレエは生身の身体で過酷な訓練を積みながら作り出される美しい芸術しかも舞台は生もの。
eスポーツの画面では味わえない魅力があり、数百年も前から絶えず人々を魅了しているともいえます。
ところでバレエ好き同士であっても好み嗜好は人それぞれ。
意見が割れたとしても露骨に否定はせず、そだねーと寛容な受け止めを心がけたいものです。
(自身への戒めでもある)
またついつい特定の出演者や主要人物ばかりを目で追ってしまっているならともかく
私も今年うっかりやらかしましたが、上演中にリラの精の魔法にかかってついうとうと。
目が覚めると同様の観客が多いと見受けたとはいえ、どんなプログラムであれ
出演者は誠心誠意の舞台を届けてくださっているわけですから
生きるのは勿論、ボーッと観てんじゃねーよ!と叱られるに違いありません。
ただ言い訳に過ぎませんが、居眠りしていた観客の多かったことよ、、、。

さて前置きはこのあたりにして、今年の鑑賞は約90回。ざざーーーーっと振り返って参ります。
とにかく長い且つ毎年恒例大晦日だけは好き勝手言いたい放題いつも以上に乱雑な物言いもありますが悪しからず。
一応当時の感想にも飛べるようにしており、アルコール写真は大体こちらにも載せております。
そのまま貼り付けた文もあれば修正を入れているものもありまちまちです。
誤字脱字も一層増えているかもしれません。
こんなに長ったらしい記事なんか年末の多忙な時期に読んでいられない、とお思いの方は(大半かと思います)が
恐れ入ります、年明けの2日か3日あたりの更新まで今しばらくお待ちください。

※上の左側の地図は今年訪れた都道府県。
右側の写真は今年特に感動感激が半端ないって!!と思えた舞台の6本です。
・ギレイ汗に平伏したくなったバフチサライの泉(8月大阪府八尾市)
・全幕アルブレヒト再び(9月愛媛県西条市)
・念願の東京での再演にてフロロに鳥肌(11月東京都港区)
・新国立総結集のアリス(11月東京都渋谷区)
・2年連続ながら諸々楽しんだ眠り、中でも最終日(6月東京都渋谷区)
・山本さん下村さん客演のドンキ以来11年ぶりに札幌での同じ会場にて閉館に伴う舞台(9月北海道札幌市)


1月
新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』 1月6日(土)7日(日)

2018年1発目は新国立。パ・ド・カトルは本島さんが別格オーラ。
ライバル心を燃やす細田さんとの優雅な対決も笑いを誘いました。
厚木などで行われたクラシックバレエハイライト公演ではピアノ独奏であったため
オーケストラ演奏で華やいだ幕開けとなりました。
小野さん福岡さんの端正正確なグランパクラシック、
米沢さん奥村さんのテクニックばかりに走らず
疾走感と幸福感をも備えたチャイコフスキー・パ・ド・ドゥは
マリインスキーの某男性ダンサーにも観て欲しい笑。

新国立お得意のシンフォニー・イン・Cの緻密で精緻な高揚感を与えてくださる出来栄えにも興奮。
んで、第三楽章プリンシパルの渡邊さんのジャンプがふわっと滞空時間の長いことよ。
中盤に開脚したまま大跳躍しながら(バレエ用語が相変わらず分からず乏しい表現ですみません)
舞台袖へと入っていく場面を間近で観たいがために
1階上手側席を確保した甲斐がありました。
あのジャンプを観ていると、薔薇の精が観たい欲求に駆られてなりません。
色気も十分ありますし、イーゴリ・コルプとは正反対の雄々しくも濃厚路線で何処かで踊ってくださるといいなあ。きっと薔薇頭似合うぞ。

2日目は昨年1月多摩センターでの発表会、一昨年には酒井はなさんのレッスン連れて行ってくれた記事にも登場した
幼少期から社会人の現在に至るまでバレエを続けている可愛らしく素直な自慢の後輩も観に来まして、
どの作品も楽しめたそうだが特にインCは圧巻だったそう。
ただでさえ頼りにならぬ先輩の新たな面を見られてしまったが、(昨年の心境の変化をほぼ洗いざらい話した)
「先輩が仰るなら間違いありません、注目します!」と張り切って3楽章観る気満々な様子で
終演後、「先輩の仰っていたことがよく分かりました!」とのこと。何処までも心優しい後輩である。


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この日は2014年のPDA東京公演以来一家総出で劇場へ。
母と妹ともにバランシンを踊る新国立が好きらしい。(但し皆個人行動が好きなため席はバラバラ)
まずは妹と紅白スパークリングワインで乾杯。
飲み物やブルスケッタの購入をさっさか済ませる姉の慣れっぷりに驚いていた。
そして姉の顔見知りの方々に次々と会い、更にはどこそこの楽章のために上手側前方席を取ったなど
家では決して話さぬ、よく分からぬディープな会話内容にも仰天していたが
考えてみれば私が会場で友人とあれこれ話している光景を目にするのは初めてであったためまあ当然か笑。
関西の大御所の先生にも会えて嬉しかったようであります。

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帰りは海鮮居酒屋にて日本酒熱燗と冷やで2018年新国立バレエ開幕を祝して乾杯。
前世はアザラシと言われるため、お刺身盛り合わせを前に興奮でございます。


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蟹とイカ、茸を網焼き。日本酒によく合います。

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さあ、これから3楽章鑑賞だ。



ハンブルク・バレエ団『椿姫』 2月3日(土)

世界バレエフェスなどでパドドゥは何度も観ておりましたが全幕は初。
本家のダンサーで観たいと思い、ラウデールとレヴォツォフで鑑賞です。
しっとり静か目の作品ですが、幕の核となるパドドゥが3つ用意されているため
想像よりも短く感じました。

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帰りは上野駅改札すぐそばのカフェでパリの雰囲気に浸りながら乾杯。



ハンブルク・バレエ団『ジョン・ノイマイヤーの世界 2月7日(水)


前回ご覧になった方々から、通常のパドドゥオンパレードなガラとは一味違うからと勧められておりようやく鑑賞。
ノイマイヤーが語り案内する展開で、ぶつ切り感がなく面白い演出でした。
噂に聞いていた菅井円加さんの身体能力にぶったまげた。

THE TOKYO BALLET Studio Performance 2月13日(火)


東京バレエ団のダンサー自ら振り付けた作品をスタジオで上演する企画。
初めて足を踏み入れる東バスタジオ、本で読んではいたが
宮殿のような外観に瀟洒な内装に仰天。
スタジオ内はダンサーとの距離が近く、1列目の方々は仰け反りそうなぐらいだったかと思います。
(私の中では去年11月の東京タワー隣接スタジオの発表会の近さといい出演者と観客互いの顔がぽっかり見える照明のほうが大衝撃だったが笑)

ブラウリオ・アルバレスさんによる混雑電車の乗客をユーモアに描いた
『ドアが閉まります』が一番面白かったのでした。



石井潤追悼公演『マニフィカト』『カルミナ・ブラーナ』2月11日(日)  《京都市》

バッハの曲で踊られたマニフィカトでの山本の清々しい爽やかさにうっとり。
吉田千智さんの優美な姿にも癒されました。
自由席でしたので最前列にて手を合わせて拝見。

カルミナ・ブラーナは石川真理子さんの潔く力強い女神に痺れ、
よくよく考えれば振付が歌詞に忠実で、フォルトナが化粧品ワゴンを持ってきたりと
一見変わった演出も意味合いがあるのだと後日分かったのでした。
同時に思い浮かべていたビントレー版カルミナも新国立、はよ再演してくれい。

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先斗町にてふらりと入店した京料理のお店にて、くみあげ湯葉と日本酒で乾杯。このあと京おでんもいただき
優しいお出汁が心身を温めてくれました。女将さんは箸袋の似顔絵そっくりです。

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翌朝は友人に贈る青色が爽やかな日本酒を持って新幹線へ。自身用にも購入し、朝10時半でございますが乾杯。
前日、山本さんがお召しになっていた衣装によく似た水色で、余韻に浸りつついただき目覚めは益々すっきり。
このあと上野へ直行してハンブルク・バレエ団『ニジンスキー』鑑賞
その後はベラルーシ料理店でウォッカ2杯飲んだが体調は良好快調。時々疑いたくなる我が体内構造です。

新国立劇場バレエ団『ホフマン物語』2月9日(金)10日(土)

私の中では待ち侘びた再演。某2名のダンサーが出演なさっていない2015年の初演時から
音楽、あらすじ、衣装、振付どれも気に入り心底楽しんでいただけに
再演の客入りの寂しさは残念無念。
特に小野さんのアントニアが初演時から好きで、可憐で身体が弱くてもホフマンに恋する一途さが愛おしく
登場してピアノを弾くホフマンの椅子の背もたれに手を置き顔を覗き込む際の音楽がまた伸びかやで甘酸っぱく
何度でも観たくなり思い出す場面です。
んで、今回強烈に印象に残っているのは私の中では実質主役・2日目に登場した
3幕のハーレムパンツに上半身裸体のセクシー坊さん。
頭の形がゆで卵の如く滑らかで腕が長く、肩の筋肉が頑強な付き方で
冬型の気圧配置な縦に入った腹筋線にも吸い寄せられ
おまけに色気もムンムンで骨抜きにされずにはいられずあああああああああ…。

次行きます。

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帰りは友と乾杯、牛すじの煮込みと赤ワイン。クラスレッスン見学と
セクシー坊さんの話にこの度も付き合っていただき、見学は2の勉強の姿勢で臨むカウンセラーな友には頭が下がる。

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ウイスキーロックとバレンタインサービスでチョコレート付き。話が止まりません。

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後日訪れたイタリアンレストラン「ジュリエッタ」。店名からして気になっており
本島さん米沢さんを思い出しつつ入店。店名の由来は車好きな店長さん曰くアルファロメオのジュリエッタとのこと。
前菜の盛り合わせ、1人客用に小サイズもあり。

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赤ワインはサンジョヴェーゼ。かなりの渋く濃厚な好みの味。
渡り蟹トマトクリームのキタッラはコシが強く、蟹の身とお出汁がしっかり絡まり美味しくいただきました。
早い話ですが3年後には再演して欲しい『ホフマン物語』、心待ちにしております。


※ホフマンの2日目は舞台上での公開クラスレッスンも見学できたのだが
順を追ってきちんと観ていたアリスの公開リハーサルと違って
とてもじゃないが記事化できず。
何しろ待機中のお姿も含め1人のダンサーしか目で追っていなかったため
感想がないに等しいのです…。
「小野さんどんな格好していましたか?」「米沢さん、クルクル元気に回っていましたか?」と知人から質問を受けたがあいやあ、記憶にない…。


ハンブルク・バレエ団『ニジンスキー』 2月12日(月)



全編でシェヘラザードを使いながらニジンスキーの苦悩や狂気をこれでもかと
凄まじく描いた作品で一度観ただけではよく分からずではあったが見入ったのは紛れもない事実。

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ニシンとビーツのサラダ(毛皮のコートを着たニシン)。
ニシンが好き→ニシン好き→ニジンスキー   
午後の東京での鑑賞にあたり、午前中に京都駅でニシンそばのポスターを眺めながら呟いていた。失礼いたしました。


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パプリカの肉詰めと具だくさんなボルシチ。どちらも野菜もたっぷり入っているため脂っこさはなく
胃にするすると入っていきます。
ウォッカはクーポンで人数分サービス、ムンタ先輩はウォッカは苦手でいらっしゃるそうで
私が2杯いただきました。つややかな喉越しで口に含むたびに「オッサン」のような声を漏らす管理人、
やはり前世はソ連の労働者の可能性大。
(バレエにも多少絡めたのだが、1月下旬に1人で新宿ゴールデン街のウォッカバーへ行ったばかり)


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キエフ風チキンカツレツ、切るとハーブバターソースが溢れ出ます。
リアブコさんとニジンスキーに乾杯、お2人ともキエフご出身です。


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蕎麦の実とポルチーニ茸の壷焼きゴルショク。パイの蓋を割ると香ばしい匂いがふわりと舞い上がります。
ムンタ先輩、公演の余韻に浸って至福の表情。私まで嬉しくなったのでした。
語り合ってつくづく思ったのは2015年世界バレエフェスティバルBプログラムで
リアブコが急遽代役で登場しマリア・アイシュヴァルトと組んで披露した『椿姫』パドドゥは忘れられません。


 

3月
DAIFUKU vol.3 Mixture  3月3日(土) 《横浜市》

大和雅美さんと福田圭吾さん監修の企画もすっかり定着し、
横浜のスタジオにて生演奏付きの公演実現。
馴染みのある曲中心で、堀口純さんを久々に鑑賞できたのも嬉しかったのでした。
圭吾さんが男はつらいよのテーマにのせて踊っていらしたのが一番のツボでした。
師匠の先生、喜んでいらっしゃるに違いありません。

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終演後、東光飯店別館にてあんかけ炒飯を食べようと香港路を歩いていると、この日の公演にぴったりな名前のお店発見。
観光客ではなく地元の親子連れグループが美味しそうに食事をする姿が見え
また小皿料理を取り揃え、一皿から歓迎との文字にも安心感を覚えてこちらに決定。
まずは紹興酒で乾杯。たっぷり入っています。

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有頭海老の唐辛子炒め。量は写真の見本の倍はありましたがペロリ。


東京シティ・バレエ団創立50周年記念公演『白鳥の湖』〜大いなる愛の賛歌〜3月4日(日)


藤田嗣治による日本初演時の美術と大野和士さん指揮の東京都交響楽団演奏で話題沸騰でしたが
結果として、シティの女性ダンサーのスタイルの良さやレベルの高さに驚かされ
4幕の音楽の使い方も実に効果的。ドラマ性が強まる演出でした。


日本バレエ協会『ライモンダ』3月11日(日)昼夜


滅多に全幕上演されない作品且つ私が一番好きな作品で、まずは上演実現は褒め称えたい。
米沢さんの清らかさ、酒井さんの艶やかな優雅さ、どちらも素敵なヒロインでした。
しかーーーーーし、演出や衣装時代考証に関しては突っ込みどころがあり過ぎ。
アブさん、そこまで顔の黒塗り必要かいな、まるでラッツ&スターです。
まあ、ライモンダと夢で逢えたら〜な展開ですがそういう問題ではない。
ジャンたちの甲冑だって妙に装飾が多く、どう見たってもっと近代のデザインよ。
十字軍時代は長いチュニック?にバケツ兜でしょうが。
あと、アブさんの見せ場が少な過ぎた。目当てに観にいらした方々は物足りない思いでいたでしょう。
新国立でも全幕の再演待っとります。アブさんやって欲しいダンサー、おるでー。
(某ダンサーならヌレエフ版のほうが合うかも。再来年のパリオペラ座来日公演で妄想決定だーー)

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昼は明治維新から4年後に開店した上野精養軒へ上京した友人と。
桜の花入りのスパークリングワインと一緒にいただきすっかり春です。

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『ライモンダ』食紀行。夜公演までの時間、昼の友人とお知り合いの方に混ぜていただき
会場近くのスペイン料理店へ。ワイン精通者でいらっしゃり、
選んでくださった白ワインはすっきり口当たりが良く昼間から進んでしまった。お目にかかれて楽しい時間に深謝。
『ライモンダ』のスペインの踊りは『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』と異なり
アブデルラクマンと共に突然やってきた一団による披露のため、押し迫る勢いの凄まじさに圧倒されます。
幕間には大阪からいらした方(先月京都の公演でもお目にかかった方)とロビーでワインで乾杯。
昨年関西で鑑賞したライモンダについて、また知人(8月の板橋区仲間?)も交えて語り合ったりと
笑いが止まらぬ楽しい幕間でした。今回も延々続く私の話に辛抱強く耳を傾けてくださり頭が下がります。

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『ライモンダ』食紀行。夜公演終演後は当ブログお馴染みのムンタギロフがお好きな
人生の先輩(ムンタ先輩)と上野桜テラスのお店へ。南仏ワインとスパークリングワインで乾杯。
キャロットラペ、プロヴァンス風イカと菜の花のサラダと。(正式名称失念)
具沢山のブイヤベース。ムンタ先輩は今回酒井はなさん初鑑賞、
大満足のご様子で私も嬉しくなり益々ワインが進みます。


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サングリア。レモンが大きめです。レモンやオレンジ、お塩もイスラムからもたらされた食文化の一部。
ポスターやチラシ、チケットに記載された薔薇もやはりイスラムより伝わった東西の交わりを象徴する花で
目に留まった瞬間、考えさせられるものがありました。


NBAバレエ団『海賊』3月17日(土)

宝満さん移籍後初の公演で、ダークなランゲデムがとてもお似合い。
ピンチヒッターのゲスト奥村さんがアリ役の日は特に新国立常連が大勢駆け付け、
宝満さんの門出と(グラン・パ・ド・ドゥ踊る宝満さんなんて初めて観た!)
奥村さんのゲスト出演を祝し大変な盛り上がりでした。
桜色の花園やエーゲ海の碧を思わせるメドーラのチュチュといい衣装のセンスも抜群。


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帰りは遅い昼食?を上野駅近くのスルタン(海賊の後ですので笑)へ。17時までランチ営業しています。
去年1月カデル・ベラルビさん版海賊のDVDを購入した直後に日本バレエ協会ラ・バヤデールがあり、
半端な時間に上野に到着しそうだったため探したところここを見つけ
両作品に合うと嬉しくなりながら利用したのでした。
こちらの海賊は従来の版とは音楽含めて全く異なる演出で、実質の主役はスルタン。
副題付けるなら「それゆけスルタン」と言ったところです。
かなりの暴君として描かれ、演者がよほどしっかりしていないと成立しない難役。
DVD収録キャストを観て、抜擢に大いに納得したのでした。

カレーセットとキングフィッシャービールで乾杯。馬の置物多し。
スルタンさんも移動時はこのような立派なお馬さんに乗っているのだろうか(妄想)。
ちなみにモンゴル1人旅経験者である妹曰く、乗馬で草原や森を駆けるのは楽しいらしい。


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その後新国立常連組より連絡をもらい、スルタンで呑んでいると返事すると嬉々として⁈笑ってくださったらしい。
合流して桜ハイボールで乾杯。季節物に弱い管理人、花園場面が思い起こされる色彩です。


エトワールへの道程2018 新国立劇場バレエ研修所の成果  3月24日(土)25日(日)


研修所の舞台鑑賞は益田裕子さんや加藤朋子さんが研修生だった2007年秋の発表会以来11年ぶり。
今回ゲストダンサーを目当てに2日間行ってしまいましたが色々なプログラムが組まれていてかなり充実。
原さんのシェヘラザードとリラ、また観たいと感じさせたが今どうしていらっしゃるのだろうか。
んで、修了生をにこやかに見守るちょいと保護者風なデジレ王子、
きっと面倒見が良い性格なのでしょうなあとうっとり。
眠りの妖精ソリストの色デザイン違いといい青い鳥の品と華のある透け透けこいのぼりでない衣装といい
バレエ団公演でもご活用願いたい。



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開演前には劇場内のレストランマエストロにてゆっくり語り合いたいと思っていた方と昼食を。
早くからバレエの話に花が咲きます。既に満開、しかも桜と違って散らない点が特徴でございます。

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別日、開演前の一杯。

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2日目終演後、この日はセント・パトリックスデー期間で季節限定のグリーンビールで乾杯。
そういえば、2015年同時期のトリプル・ビル帰りにも呑んだと記憶。爽やかな味わいです。

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この日もカウンセラーな友人が延々とデジレ王子さんの話に耳を傾け続けてくださった。
(ここ毎週末お付き合いいただいている…)
アイルランドのウイスキージェムソンのロックが進みます。


Amiバレエアート創立10周年記念発表会

ぶらり京王線の旅、な気分で行って参りました。
ゲストダンサー目当てで行きましたが到着しプログラムを開くまで誰がどの役でどこに出るのか分からず
(同様のこと、かなり多いのだが出演者欄に名前さえあれば関西だろうが北海道だろうが行ってしまう性分です)
ジャズクラスもあり、人生初ラインダンスを鑑賞。新国立の研修所、バレエ団出身で
現在は研修所でも指導をなさっている丸澤さんが中央で踊る姿を観ることができ良かった。
白鳥の湖全幕は生徒さんとゲストが一体のなっていて、コールドがまあ美しく揃っていて感激。
んで、白鳥全幕のうち1幕から登場する渡邊さんの王子を初鑑賞。
王子の憂鬱な心やオデットに惹かれていく過程を細やかに表現され、
ゴールデンウイークの新国立全幕公演が一層楽しみになったのでした。
これまで伝説の至近距離東京タワー横スタジオでの湖畔場面アダージオや
バレンタインバレエでの黒鳥パドドゥと断片的に観てきていたため、喜びもひとしお。
んで、3幕は黒一点のスペインで美女を率いて濃厚な香りムンムン。エスパーダも似合いそうです。

因みにこの日はほんの少し新国立とも縁があった亡き父の誕生日、しかも会場から程近い霊園に眠っており
新国立ダンサーが出演するバレエを観に府中まで来た報告を鑑賞前にできて父も喜んでいると思います。


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帰りは東府中駅近くのオリエンタルバルAKICHIにて。
チャイコフスキーの時代にはオリエンタルといえばスペインも含まれていたと考えを巡らせつつ
まずは赤ワインで乾杯。渋めで濃い味と店員さんより教えていただきすぐさま決定、好みの味でした。

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お肉がお好きないつものカウンセラー友人の要望、特製唐揚げ。かなり大ぶりです。

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魚介たっぷりなパエリアを囲みながら、『ドン・キホーテ』上演時には
床屋のお茶目な兄さんだけでなく濃厚キレキレエスパーダも観たいと、3幕まさかのスペイン話を始め
またもや延々と続く私の話に耳を傾けてくださったのでした。毎度ありがとうございます。


NHKバレエの饗宴2018  4月7日(土)

2年連続の新国立の出場(紅白かいな)を本当は手放しに喜びたかったが演目からしてそうもいかず。
予想がだいぶ的中し、昨年のテーマとヴァリエーションや2015年の眠り3幕のような
圧巻の舞台及び昨年のような会場が轟く喝采には至らず。
紅白やっている会場ですから魔法の国のモデルルーム感が余計に際立ち(クララたち、家具買いに行ったと妄想)
近くにいた子供の観客、保護者の方に向かって「何で葦笛が蝶々なの??」。
そりゃそうだ。昨年の初演時初日から何度も観ている姉ちゃんも分からんのよ笑。

スタダンのビントレー作品が秀逸で、スコットランドの人々の悲哀と希望を表す心が内側から溢れ、
何よりもダンサーたちが作品を愛してるやまないのが伝わってきた。
東バの整然としたバヤデール影たちにも拍手。

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帰りは渋谷駅すぐそばのパブにてスコッチウイスキーで乾杯。ビントレーさん万歳!


第17回星のバレエカーニバル 4月8日(日)《京都市上京区》

毎年恒例春の風物詩。山本さんの白鳥アダージオはやはり絶品だ!!
あの金糸入りの青いベルベットがこれほどまでに絵になるダンサー、なかなかお目にかかれません。


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京都らしい上品な味わいの料理の数々。日本酒は白鹿で乾杯。

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揚げ出し豆腐、そして貝模様の青いお皿のぼかし模様が綺麗で見入ってしまいます。
締めの釜飯もふっくら香ばしく美味しうございました。
さて帰京して仰天したのはハリルホジッチ監督の解任、思わず乗り合わせた客同士
熱血サッカー通でなくても開幕まで2ヶ月でのこのニュースには驚き合ったのでした。

新国立劇場『アイーダ』 4月20日(金)

とにかく新国立のアイーダはとんでもない豪華さだからと以前から勧められていて
久々にオペラ鑑賞。人海戦術な凱旋行進曲の出演者といいバレエシーンも思ったより多く
奥の奥まで階段を設けたバレエとはまた違った舞台の使い方も面白く、見入ってしまいました。
人間関係がバヤデール似通っていることも序盤の歌だけでも分かる素人にも親しみやすいあらすじで
バレエシーン以外も案外楽しめた。


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凱旋行進曲を聴いた後は、豪快に飲み干したくなりビールで乾杯。11年ぶりのオペラ、想像以上に堪能できました。



グラッシオバレエスクール第38回発表会  4月22日(日)《兵庫県姫路市》

山本さんが久々の全幕白鳥王子。いやあ、山本さんは偉大だ!!
ファンになった頃の13年前とお変わりないどころか年々若返っていらっしゃる印象で
骨の髄まで気品が宿り、苦悩する姿がまあ美しや。
コスプレに走らずあくまでクラシックバレエの綺麗な雰囲気を大事にして作られた
生徒さんたちのディズニー作品や、オズの魔法使いの弾むような展開も楽しく
バレエコンサートを行わずあくまで幕物にチャレンジし続ける
スクールの方針、これからも貫いて欲しいと思っております。

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帰りは姫路駅前の播州料理店GOTTOへ。昨年も同じ方(当ブログを通して知り合った関西の素敵な人生の先輩)と
来店したお店で、兵庫県産を使った料理が豊富。再度訪れたいと思っておりました。
スパークリングワインでまず乾杯。甘みある玉ねぎサラダ、志方牛のステーキどちらもボリュームございます。

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明石鯛の生春巻き、播磨灘のカルパッチョ、海の幸にそして舞台特にジークフリート王子の話に顔も綻びます。
どの料理もじっくり味わい海も山も近い播州の恵みを満喫です。

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2杯目は姫路ワインと明石産の弾力あるタコで乾杯。舞台の感想や今後の西日本での鑑賞予定、
また東京のバレエ事情を始め今回も延々続く話に耳を傾けてくださいました。
ゆったり寛げる雰囲気ですので姫路にお越しの際におすすめです。

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『白鳥の湖』鑑賞にあたり前日には一度は足を運びたいと思っていたノイシュヴァンシュタイン城(新白鳥城)へ。
雲1つない快晴の空に恵まれ、丘の下のバス停付近にて管理人撮影。
ただしドイツではありません。その名の通り、白鳥もいます。

上野の森バレエホリディ2018

昨年に続き天候にも恵まれ爽やかな陽気の中で散策。
東京バレエ団の創作作品発表も屋外で見るとまた違った楽しさがあり。
バレエに因んだワインの販売も興味津々で、私なんぞ割と生産国と味わいだけで注文を決める傾向にあるため
作品とどう結び付けて捉えていくか、勉強になりました。
バレエみくじをやりましたらまさかのジゼル!容姿雰囲気性格全て当て嵌まりませんが(心臓よりも肝臓大事にせい笑)
元祖と新鋭、咄嗟に2人のアルブレヒトが思い浮かびましたわよ。ひやっほー!!!!!


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最初の1杯。夏のような気候でしたのでスパークリングワインから飲もうとひとまずメドーラから。
女性らしさと躍動感、辛口であっても香りは甘やか、と複雑に絡み合う味が役のイメージに結び付くそうです。
思えば2006年のマリインスキーバレエ来日公演で初めて全幕『海賊』を鑑賞した際、
それまではひたすら崇高な印象があったメドーラがパシャを笑わせたり、
ビルバントの裏切りを目撃したと勇気を振り絞ってコンラッドに証言したりと
様々な要素を備えた役柄であると知り驚いた覚えがあります。メドーラ役はロパートキナでした。

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別のブースではバレエみくじを販売。初詣の習慣がなく、旅先で神社に立ち寄っても散策のみのため
約20年ぶりのおみくじです。表れた文字はまさかの「ジゼル」。
待てよ、冷静に考えよう。団体、キャスト、場所は異なれど一昨年と昨年ともに年間で最も印象深く残った作品であり
ここ最近ワイン摂取が習慣化しているため引き当てたのでしょう。ヒロインのイメージが備わっているわけがない。
記されている内容も面白く、バレエならではの助言が並んでいました。
・待人  花を抱きて来たる (人生終了後に献花に来てくださっても遅いんだが誰も来ないよりは良いか笑)
・病気  心臓をいたわれ  (肝臓のほうが心配なのだが)
・商法  葡萄酒を醸すと吉  (毎日ワイン、間違ってはいないのだ)

新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』4月30日(月祝)〜5月6日(日) 計6回


姫路での元祖王子の全幕白鳥から約1週間後に新国立ゴールデンウイーク公演開幕。
念願の渡邊さんのジークフリート王子を鑑賞、登場の瞬間前日のトロワとは全然違った
不思議なハーフバックヘアにちょいと驚いたが笑新たな髪型にお目にかかれたのは幸運と捉えましょう。
オデットに対して愛情光線を放ちっぱなしな一途王子で
あの静けさに包まれた、場を持たせるが難しい湖畔のアダージオでのサポートでもじっくりと魅せる術に
私の中ではやはり山本さん以来のダンサーだと再度痛感。
当日本番中に判明するルースカヤの付き人にもびっくりだったが
目の鋭さといい渋いロシアな格好がクレムリン訪問時に見かけた警備する警察や軍人に重なり、
付き人というよりも護衛官なお姿にも心を持っていかれました(桃色心臓印)
そういえば、何度も観ている白鳥の湖全幕だが日によってはトロワが最も印象に残ったのは
我が人生初バレエ鑑賞である1989年のABT来日公演以来29年ぶり。
オデットオディールでもなく王子よりでもなくカーテンコールに登場したミハイル・バリシニコフでもなく
トロワが良かったとはっきり口にしてしていたのは今も覚えております。

それから、柴山さんの厳格なクラシックスタイルを貫いたオデットオディールも好印象。
裏切ってもサポートは盤石なソロルだから(何のこっちゃ)
柴ちゃんの(すみません、勝手にそう呼んでおります)ニキヤも楽しみよ。

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演目限定カクテル、今回はメロン。。5月4日、駆け付けの1杯。昨年8年ぶりに購入したシーズンチケット最後の1枚です。
(次回の眠りは申込当時主演キャスト未定だったため単発で購入)

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初日にウォッカ写真を載せましたが、いなだのお刺身もいただきました。厚切りで身が締まってああ幸せ。

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5日は当ブログで知り合った方とスワンレイクカフェへ。白鳥の置物が窓辺に飾られています。
思えば初めて一緒に食事へ行ったのはちょうど1年前のこどもの日『眠れる森の美女』終演後。良い節目です。

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まずはスワンレイクビールホワイトヴァイツェンで乾杯。白鳥グラスで気分も上々。
昨秋東京タワー隣での発表会鑑賞後に1人で訪れ、次回の新国立白鳥全幕期間中の再訪を考えておりました。

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ムール貝の白ワイン蒸し。食べ終えた後にはリゾットでいただきました。2杯目は黒ビールとエールです。

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ビール中心に揃えたお店ですが、ワインもたっぷり注いでくださいます。シャルドネとカベルネソーヴィニヨン。
ワイングラスを置くと、コースターの白鳥模様が透かしで見えます。
新国立劇場開場と同じ1997年の西暦に喜びもひとしお。


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この日は毎度のカウンセラー友人と。延々続く話に頷きながらこの度もずっと耳を傾けてくださいました。
昨年2月のヴァレンタインバレエ後、こっそり!?秘めやかに黒鳥パ・ド・ドゥの余韻に浸っていたときと同じ
ブラック&タンで乾杯。今や堂々と喋り通しているが友にとっては果たしてどちらが良かったのか
時々心配になる今日この頃だが、一緒に楽しんでくださっている様子でひと安心。
4日は当ブログお馴染みのムンタ先輩とカウンセラー友人が会場にて初対面。お2方に対する感謝は尽きません。

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千秋楽、赤ワインで総括。昨年の『眠れる森の美女』、『シンデレラ』にしても
カヴァリエであれ御者であれ何処かしらに名前が載っていれば心の準備が整うのだが
今回はそうもいかず未掲載キャストはドッキリ度強し。

そういえば、最終日は完売であったため朝Z席を今度は機械操作に成功して無事入手。
しかしZの中でも観づらく舞台半分が見切れる席で困った、しかし初日とは異なりせっかく入手できたのだから
加えて既に5回観ているのだから取れただけでも良しとして喜んで観ようといざ開演。
舞台を眺めていると、花嫁候補たちと付き人を観るには
4階の中では舞台近くであるため最良席ではないかと考えが前向きに。
しかし付き人はどなたが務めるかは3幕開演まで分からず。現時点で2度お目見えしていますからさすがにもうないかと
あれやこれや脳内を巡らしているうちに幕が開き、現れたのは、、、初日と3日昼と同じ付き人さん!
4階とは思えぬほど近くから鑑賞でき、Z席のベテランではあるがこんなに嬉しき席と思えたのは初めてだ。



ウィーン国立バレエ団「ヌレエフ・ガラ」 5月9日(水)
コンテはコンテでも面白いコンテなら良いのだが、前半の殆んどを
眠気が襲うコンテだったせいか(私に見る目がないだけなのだが)
ゴールデンウイーク明けの平日夜、リラの精の魔法にかかっておりました。
ヌレエフセレブレーションはなかなか面白く、ガラの最後をライモンダ3幕の結婚式フィナーレに見たてて
アブさん含めて総登場したのは華やかで良かった。
ソロもあったのだがアブさんはもっと濃厚で野性味が強いほうが好みだ。
(やはり2020年のパリオペラ座来日公演、妄想するしかない)

スターダンサーズバレエ団『ドラゴンクエスト』 5月12日(土) 《神奈川県川崎市》

ゲーム音痴でドラクエで遊んだことがないどころか子供の頃
ファイナルファンタジーとストリートファイターの違いが分からなかったぐらいの知識欠乏なのだが
バレエは勧善懲悪はっきりしていてでも黒側の苦悩やコールド、パドドゥもしっかり含まれていて楽しい作品でした。


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帰りは新百合ケ丘駅前で友と乾杯。新百合ケ丘に来たのは3年前のスターダンサーズバレエ団公演
オール・チューダー・プログラム以来。益々開発が進んでいる印象があります。
高校が都内の小田急線沿線だったためこの辺りは芸術鑑賞教室で何度か来ており懐かしさもあり。
さて、暑い日でしたので終演後はまずシャンティガフから。

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2杯目は赤ワイン。まだ新国立白鳥の湖を引き摺っている状態にありましたが
ドラクエ、白鳥交互に繰り出す止まらぬ話にこの度も耳を傾けてくださいました。
ゲームがバレエ化できるならアニメも可能ではないかと話を強引に持っていき、
かれこれ8年倉庫で眠ったままになっている牧阿佐美さん版『椿姫』2幕序盤に現れる大きなブランコ。
マルグリットが数秒乗っておしまいでせっかく作ったのに勿体ない、
そこでバレエ版アルプスの少女ハイジを作ったら面白いのでは、と前々から巡らせていた妄想を熱弁。
冒頭は勿論伊集加代子さんのあのヨーデルな主題歌付きでアルプスの山々を背景にブランコに乗ったハイジが登場です。
そんな無謀な話も辛抱強く聞いてくださり深謝。(もののけ姫はミュージカル化しているらしい)

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団『眠れる森の美女』 5月19日(土)

代役で佐久間さん厚地さんペアが主演。好みは別として(失礼)新国立きらきら王子先駆けな存在として
活躍していた厚地さんの凱旋公演を目にできたのは嬉しく、ビントレーさんからの贈り物のようにも感じました。
佐久間さんの瑞々しさのある姫、幸福感一杯なパドドゥにも魅せられました。

衣装は大半はセンス良く、ゴールドを基調とした渋みある装いが目をひきましたが
唯一申したいのは4人の王子。上着も地味でグレーの鬘を装着しているため
年齢がいった役人に見えてしまったのでした。


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帰りはエールで乾杯。日本時間のこの日の夜はウィンザー城でメーガンさんとヘンリー王子の結婚式が執り行われ
帰宅後はテレビ中継を視聴した英国日和な1日でした。


NBAバレエ団ショート・ストーリーズ・9~バレエ・インクレディブル  6月15日(金)夜

宝満さんの11匹わんちゃんに大爆笑。NBAの男性ダンサーたちのテクニックやスタミナにも仰天でした。
そしてケルツがまた良い!!ぱっと見て楽しい心躍る気分になり大勢で一斉に踊り出す場面に目が益々冴え渡り
帰宅ラッシュの埼京線にぎゅうぎゅう詰めになりながら来たことも忘れたほど。

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翌日も鑑賞のため帰りは軽くビールで乾杯。会場入口でいただいたシーズンガイドブック(立派な装丁ですが無料!)を
読みつつ来春3月の宝満さん版『白鳥の湖』にも期待が膨らみます。
翌日は初台で昼夜2回『眠れる森の美女』、昼から計約9時間新国立劇場滞在。濃い週末でございました。


新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』6月9日(土)〜17日(日)計5回

2年連続かあ、と思っていたはずが上記画像のとおり今年の上位6本に入ってしまった。
理由は色々だが、衣装は突っ込みどころ満載とはいえども全体がパワーアップして
へんてこ衣装の印象が薄れていった気がいたします。
本島さんカラボスと細田さんリラの共演は映像化されて本当に嬉しい!

白鳥と眠りは前者のほうがドラマ性は強いため渡邊さんも白鳥のほうが印象に残るかと思っており
眠りは大期待してはいなかったのですが様式美がとことん貫かれた作品であっても
緻密に作り上げるパドドゥや内面が伝わってくるソロといい眠くなりがちな第2幕で
磁力のように吸い付けてしまう姿にまたもや驚き、、眠りの2幕でこうも惹かれて止まなかったのは山本さん以来じゃ。
髪型も、白鳥のときより自然でした。(リボン効果か)
透け透け鯉のぼりな青い鳥も、原作の設定である試練修羅場を潜り抜け乗り越えた
気高い王のイメージがそのまま嵌っていたのです。

んで、昨年に続き初日から韃靼ロシアの王子を拝見でき
馬に跨って弓矢持って草原を駆けている姿が容易に浮かぶ古風なお顔立ちといい渋ーい魅力が凝縮していることよ。
全日程ではなく2回でしたが登場するたびに、来た来た来た来た来た-------------------!!!と
興奮の坩堝でした。チャンチャン。

姫が倒れ、カラボスが正体を現した際に王子たちが剣を手に立ちはだかる場面が
体勢を低くして走りこんできて皆一斉に抜くため(しかも鞘におさめていたのでもない)まるで新国時代劇。
でも良いのです。着物と恐らくは袴もさまになる王子も日によっては登板していましたから(武士かいな)

今回は木村さん渡邊さんをゲストに迎えたきものイベントにも参加。成人式以来の着物でしたが
一応イーグリング版1幕のオーロラのイメージで、白地にピンクの薔薇柄の着物着て初台に行きましたです。
しかも着物の日は初日で、4人の王子の中に着物モデルを務めた韃靼王子がいましたから、
目はずっと心臓印でもうどうしましょーな状態でございました。
最終日はシーズンエンディングパーティーにも久々に参加。
友人からチケットを譲り受けての参加もそれはそれでうれしかったのですが
やはりアトレに再入会してシーズンチケット購入して自ら応募しての参加は喜びもひとしおでした。



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きもの食事会にて、ビールを独り占めしたわけではありません笑。
後半は白ワインもいただきつつお2人のお話に耳を傾け、マイム再現では眼前にデジレ王子。
興奮おさまらず余韻に浸りながら帰途につきました。
久々の着物で身体も悲鳴を上げたのか、翌日になってから節々が痛んだのは
前回の着物を着用した成人式当時より体重が7キロ少ないために(今も痩せ型ではないが当時はまさにアザラシ体型)
着物の重量に耐えられなくなったのか或いは約10年前の時点で年配者としか思えぬと言われ続ける
文章の影響が及んで身体も老齢化しているためか原因は不明であります。


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透け透け鯉のぼり衣装はいただけませんが、鯉のぼりは中国に由来すると知り
こうなったらこじ付けも兼ねて余韻に浸ろうと青い鳥鑑賞後のカクテルにブルーチャイナ。何度も来ているお店ながら
いつもビールやウイスキーを選びがちであるためカクテルを飲むのは初。甘く爽やかな味でございました。

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千秋楽、主演キャストを眺めながらのカクテル。

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16日は昼夜2公演、観客も体力気力勝負です。夜公演までは極力動かず体力温存が一番。
劇場内のマエストロで昼公演や初日、2日目の感想を語り合いつつ開演を待ちます。
海老と枝豆もトマトクリームパスタと白ワイン。最後はデザート代わりにキールもいただきました。


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昨年は着席形式だったそうですが、今年は再び立食形式に。好物が揃ってお皿に載っています。
この日まことに嬉しかったのは、歓談タイムで順番を待っている際
偶然前に並んでいた中高生ぐらいの女性とお母様との会話からして
ひょっとしたら共演された方であろうかと思い話し掛けてみたところ
足を運んだ発表会に出演していた生徒さんだったこと。
驚いていらっしゃいましたが、間近で見たゲストのリハーサルの話をしてくださりしばし会話が弾んだのでした。

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エンディングパーティーのあと、3人で打ち上げ。
カウンセラー友人2名はソフトドリンクを選びオレンジとクランベリー。
私は王道ハイボールで乾杯。今年に入ってから店長さんに顔を覚えられてしまった。
余韻に浸ったままいつもニンマリした顔で注文に行っているためかもしれません。(怪しい客だ)

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公演期間中に今回は嬉々として利用したカレー店青い鳥へ。
ビールを飲んでいると青い鳥がカウンターまで会いに来てくれました、
ではなくここに座った客を迎えてくれる鳥さんです。

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鯖のココナッツカレーと大根の和風カレーの2種盛り。渋めの組み合わせでございます。
複雑に絡むスパイスが心も身体も癒してくれました。

7月

東京バレエ団ブルメイステル版『白鳥の湖』7月1日(日)

沖さんがオデットオディールデビュー。双眼鏡を忘れてしまっていたのだが
それでも文化会館上階席でもよく見える存在感。
ロットバルトの手下たちである悪なる民族舞踊団にも毎回興奮。特にナポリの秋山さんが
可愛らしくも黒い魅力を備え、おどろおどろしさの見せ方も上手く目が行きました。

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ここ数日ほどの猛暑ではないが帰りは暑気払いで白鳥ならぬ白ビール。

東京シティ・バレエ団  ウヴェ・ショルツ・セレクション『オクテット』『ベートーヴェン交響曲第7番』7月8日(日)

オクテットのしっとりしたパドドゥ、ベト7のウルトラマンの隊員のような
手を繋いで光を囲む振付も面白く見入りっぱなしに。
昨年新国立でのベートーヴェン・ソナタで鑑賞した
私が一番好きなベートーヴェンの曲も生演奏で聴けたのも喜びをおぼえました。

バレエスタジオリアン10周年記念第4回発表会『シンデレラ』《川崎市》7月15日(日)

山本さんの全幕シンデレラ王子にうっとり。欲を言えば、
衣装がアシュトン版のようなタスキ型ですと尚良かったのですが
シンデレラの行動や姉たちの心理の変化もごく自然で説得力があり、
2016年のコッペリアに続き、新井さんに演出に引き込まれました。


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この日は36度超えの猛暑。通路や駅ホームが屋外、地上にある登戸駅での乗り換えだけでも
恐ろしい暑さに襲われたため、川崎駅から地上に出ず地下道を通って行けるお店にて
会場到着前にまずはシンデレラ・カクテルで乾杯。
ノンアルコールですがオレンジ入りであるのはバレエの『シンデレラ』を彷彿。

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帰りは新国立常連組3名で駅ビル内のバルにてまずはスパークリングワインで乾杯。
マグロとビーツのサラダに合います。お2方は生ビール。

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大阪が生んだ世界に誇る王子に敬意を表して大阪のクラフトビールをいただきながらメインはお肉の盛り合わせを。
魚介好みですが夜とはいえ暑さは残り、歩行距離もあったためパワーの出るものが食したいと思ったのであります。

新国立劇場こどものためのバレエ劇場『シンデレラ』7月21日(土)〜24日(火) 計5回

新国立の子供シリーズの中で唯一セリフがない演出で本公演にだいぶ近い。
前回2015年は1回観たが、今回は5回鑑賞。しかも思い入れが違うせいなのか
1度では気づかなかった箇所が多数あると判明し、工夫に富んだ演出を心底堪能できました。
パン、ラスク、ダブルソフト説とあらゆる例えが蔓延し、星の男性が取っ手をくるくる回すと
ドアが左右に開く素朴でアナログな馬車には思わず笑ってしまったが
バレエ団初の撮影タイム含めて、大人も楽しませていただきました。
いくつかのバレエ団でも撮影タイム導入はあり、私も何度か経験がありますが
このときのシンデレラ公演(22日午前回と24日午後回に限るが)ほど上手く鮮明に撮れた写真はございません。
座席云々以前に執念の勝利か笑。

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土曜日午前公演後、午後公演までの合間に人生の節目を毎度のお店で初祝い。
昨年6月公演『ジゼル』平日しかも月曜日昼公演後にも関わらず
乾杯のビールのあとに延々と続く我が喋りに付き合っていただきながらワイン1本を一緒に空けてくださった
カウンセラー友人その2なる女性と来店。

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平日火曜日の昼下がり、大人は隅っこでサッポロビール。
お若い方はご存じでないと思いますが、昭和45年より三船敏郎さんを起用した宣伝広告
「男は黙ってサッポロビール」は大きな反響を呼びました。

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最終日、昨年も同じく7月下旬に訪れた新宿西口のお店で赤ワインとトゥールーズソーセージで乾杯。
基本脂身は苦手だが、これは美味しくいただけるのだから不思議であります。

バレエ・アステラス2018  7月28日(土)

バランスの取れた演目選定、この人にこの作品??なプログラムもなく(バレエフェスは一部何だったんだろう)
これまでで最も見応えがあったアステラスでした。
オープニングのチャイコフスキーのエフゲニーオネーギン序曲演奏も嬉しく
格調高きロシアの郷愁も帯びた旋律に、レジュニナやマハリナ、チェンチコワやルジマトフらが出演していた
キーロフのロンドン公演映像を思い出しました。
スカーレット振付のジュビリーよりパドドゥが秀逸で、ライモンダのマズルカを
より洗練させたクラシカルな振付で高田さんの個性も活きていた印象。
来年のロイヤルガラのプログラムに入っていたら観に行きたい。

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当日は上野で世界バレエフェスティバル全幕プログラム『ドン・キホーテ』を鑑賞された
当ブログお馴染みムンタ先輩と行く予定であったものの台風到来で延期した恵比寿のカタルーニャ料理店を後日訪問。
バルセロナが位置し、トゥールーズにも近い州です。カタルーニャ独立問題の行方が気になります。
まずはコクのあるスペインビールで乾杯。オリーブ入りポテトのサラダと。

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松の実入りの甘めのパテ。濃厚で渋い味わいのワインに合います。

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鱈とトマトのガーリック煮込み、だったか正式名称は覚えていないが魚の旨味がじわり。ワインが止まりません。

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パスタで作られたパエリア、フィデウア。魚介が盛りだくさんで海鮮焼きそばの趣き、ワインが進みます。
サングリアもスパイシー。


清水洋子バレエスクール第20回記念公演『白鳥の湖』全幕  8月5日(日)《徳島県鳴門市》

スクール創立20周年記念に小野さん福岡さんを主演、山本さんがロットバルトを務めた公演。
そういえば、私の初の清水バレエ鑑賞が10年前の10周年記念公演(主演は酒井さん山本さん)でしたから感慨深い。
山本さんのロットバルト、とことん妖しく黒い色気を充満させていらっしゃいました。

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終演後は徳島駅に戻り、クレメント内にて今月開店したばかりの阿波料理店で乾杯。
まずはビールから。和田島の釜揚げシラス、すだちドリンクもあります。
久々に集まった個性が強過ぎる!?女性計4名で会話も弾みます。

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海鮮サラダにはお刺身もたっぷり、阿波牛のステーキもいただきます。日本酒は阿波天水。
阿波料理、お酒ともにどれも美味しく満足。

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鳴門市での20回記念公演の成功を祝して3杯目は鳴門鯛で乾杯。おめでとうございます。


清水純子バレエアカデミー第36回発表会 8月7日(火)《東京都渋谷区》

当ブログにも何度か登場、大学の後輩がグラン・パ・ド・ドゥデビュー。
古典中の古典である眠りでしたが登場時から堂々たる華やかさがあり、先輩の誇りであると改めて思った次第。
フルタイムの仕事と両立しながらよく頑張った。


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帰りは後輩のバレエ仲間の皆様と庄屋で乾杯。お刺身を囲んでニンマリ。
私と違い、皆さんレッスンに週一は通っていらっしゃるようで舞台出演経験も豊富。
かれこれ1年レッスンをしていない、以前にも増して鑑賞で手一杯な私にとって勉強になる話を多く聞けました。
かねてからの疑問であった、近年増え続けている大人のヴァリエーションクラスにおいて
先生はきちんと役柄や作品の背景を説明した上で指導しているか否かについて
初演年を始め事細かに説明していらっしゃる先生も存在するとの話に救われた、捻くれ鑑賞オタクな管理人でした。
皆さん身体を動かすのも、飲食お喋りも大好きなご様子で初対面の方ともすぐに打ち解けることができ
後輩を通して繋がったご縁に感謝。

第15回世界バレエフェスティバル(Bプログラム)  8月11日(土)

アレクサンドロワとラントラートフによる『ヌレエフ』パドドゥだけが目当てで鑑賞。
重々しくも深いドラマで魅せるアレクサンドロワに釘付けとなり、全編通して観たくなりました。
ボリショイシネマで上演してくれると嬉しい。
他はナニコレ珍百景な演目選定もあり、諸々難しいのでしょうなあ。



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帰りは上野駅のハードロックカフェにてパンダビールで乾杯。
翌日は朝から四日市へ向かうため、この日は1杯に抑えたのでした。

小原芳美バレエスタジオ創立35周年記念発表会『シンデレラ』全幕  8月12日(日)《三重県四日市市》


川崎市で鑑賞した新井さん版シンデレラを四日市にて上演。
山本さんが今度は継母を演じられ、女性より美しいであろう華麗なるマダムっぷりにうっとり。
娘たちをどうにか嫁がせようと奮闘なさるお姿も可笑しくて大笑い。


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帰りは近鉄四日市駅近くの寿司居酒屋へ。四日市を訪れた記念に四日市の地酒宮の雪と海の幸で乾杯。

第15回世界バレエフェスティバルガラ - Sasaki GALA -  8月15日(水)

アレクサンドロワとラントラートフのローレンシアに目を奪われアレクサンドロワの
気風の良さ、あたたかさ、観客を楽しませようとする心のこもり方、やはり好きだ!
ボッレとガニオのフェスならではの共演も目に焼き付け、ときめきはしないのだが(失礼)
見栄えし、役にぴたりと嵌るスターダンサー共演を鑑賞できたのは喜ばしい。

余興ガラは前回鑑賞した2006年よりも遥かに一体感あるストーリー仕立てで
サラファーノフのジゼルが上手すぎて驚愕。
古式ゆかしい儚い雰囲気、遠い目をしながらもはやる気持ちを抑えられずアルブレヒトに接する恥じらいといい
何処で身に付けたその演技力テクニック??と唸らせる怪演でした。

ただガラは良いとして、ABプログラムともに平日は空席が目立ち、
嘗てのフェスでは考えられぬ状況であったのは課題で今後いかにして開催していくか問われるでしょう。


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開演は17時で終演は非常に遅く夕食を摂る時間もないであろうと予想し、
当ブログお馴染みムンタ先輩と平日ながらバレエフェスらしく、15時より上野駅近くの多国籍料理店で乾杯。
かなりの量にお感じになるかもしれませんが、開演すると食事する時間もなく
これぐらいの量でむしろ丁度良かったほど。

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ロシア勢も出演しますので、ウォッカで乾杯!

佐々木美智子バレエ団創立40周年記念公演『バフチサライの泉』 8月16日《大阪府八尾市》

2013年に西宮で鑑賞以来のバフチサライ。佐々木バレエの節目の年に上演される看板作品です。
佐々木大さんの心を尽くす熱いヌラリに、もう佐々木さん以外誰で観ても物足りなさを感じてしまいそうです。
そして山本さんのギレイ汗の貫禄、色気、有無を言わさぬ威厳に平伏すしかなく
2人の女性を愛してしまった苦悩も胸に響き、ううううう。
韃靼群舞も大迫力で大地を揺るがしそうなエネルギーに大喝采。
東西の文化が入り乱れながら絡んで行く人間模様、そこから生じる悲劇にバレエも原作も大好きな作品と再確認です。

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バフチサライを控えておりますので韃靼蕎麦とビール。噛み締めるほどに味わいがあるお蕎麦です。

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帰りは関西在住の人生の素敵な先輩方と会場近くのお好み焼き屋さんにて
大阪府内で最も葡萄栽培が盛んな柏原市産スパークリングワインで乾杯。
粉物に合うワインとして開発したそうです。大阪らしいアイディアのもとで生まれた地元の名産物を味わえて嬉しい。

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ふわっとかりっと焼き上がったお好み焼き色々、大阪に来たらやはり食べたくなります。ビールも欠かせません。
阪神タイガース選手のサイン入りユニフォームも飾ってありました。

YUJI SATO BALLET FESTA7  8月18日(土)

めぐろで開催毎年恒例の佐藤勇次さんのスタジオ発表会。
山本さんが徳島に続き貝川さんの作品を踊られ、後光が差していました。手を合わせたのは言うまでもありません。
他の演目はまあ色々あり、世界バレエフェス開催中にも関わらずよくこれ披露するなあと
勇気を称えたいえプログラムもいくつかありましたが踊れぬ素人はおとなしくしておきます。
(当時の感想にはつらつら書いちまったが)


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帰りは会場近くのカレー屋さんに当ブログのレギュラーことカウンセラー友人と立ち寄り
赤ワインとチーズ入り茄子のせマッシュポテトで乾杯。友人はソフトドリンクでございます。
マッシュポテトの見た目は量少なめに思えますが、チーズとポテトがぎっしり詰まっていて十分な量でした。


JAPON dance project 2018 × 新国立劇場バレエ団「Summer/Night/Dream」夏ノ夜ノ夢  8月25日(土)26日(日)

念願、渡邊さんのコンテンポラリーを初鑑賞。
トゥールーズ時代の映像を探しまくりながら見てはいたものの生で鑑賞できるとなると感無量。
2幕の展開にはびっくらこいたが、ううむ、下着一枚姿を拝見できたのは吉とするか。
ただですねえ、DVDプレーヤー故障を心配するぐらい『美女と野獣』を見たり
ダイジェスト版ですが少女を誘惑していく『危険な関係』も何度も観ておりましたため
もっとダークで、狂おしい感情を抉り出された人物を踊るお姿も観たいなあと益々思ったのであります。

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初日は終演後家族合流し、妹の誕生祝いを本人の希望で中華料理店にて。妹を祝いつつ舞台の余韻にも浸る管理人。
この日は気温35度超え、まずは青島ビールで乾杯。

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2杯目以降は紹興酒。

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2日目は毎度のカウンセラー友人と。延々と続くライサンダーさんの話にお付き合いくださいました。
前週に引き続き、深謝。
せっかくですので、サマーの付く名称のカクテルにて乾杯。普段飲まない種類のお酒です。

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2杯目はジャポン版夏ノ夜ノ夢で重要な小道具であったマスクの名称のカクテルで乾杯。
ただ甘い2杯では足りず、結局締めにビールで喉を潤した管理人でした。

9月
ニトリ文化ホール閉館ファイナルバレエ公演(Final Ballet in NITORI BUNKA HALL ~ for the next stage ~)9月2日(日)《北海道札幌市》

はーるばる来たぜさっぽろーーー!と言うことで札幌での舞台鑑賞は11年前の下村由理恵さん山本さん客演の
全道バレエフェスティバル『ドン・キホーテ』以来。しかも会場は同じ、当時の名称は北海道厚生年金会館。
閉館に伴うバレエ公演を鑑賞でき不思議な思いに駆られました。
北海道の舞踊芸術に携わってこられた方々が集い、最後は眠り3幕。
篠原聖一さんが国王をゆったり優雅に踊られ、
オーロラ姫の飯野萌子さんデジレ王子の渡邊さんで締め括られ札幌まで観に来て良かったーーーと
新千歳空港到着から約5時間、渡邊さんのご登場に歓喜いたしました。
お2人も1週間前まではジャポンダンスプロジェクトでコンテンポラリーを踊っていながら切り替えもお見事。
私にとって初の年金会館は山本さん、最後のニトリは渡邊さん。思い入れの強い劇場となりました。

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下調べはせず店頭のお品書きを見てふらりと入った大磯にて日替わり丼。
名物ウニからカニ、海老、帆立、イクラ、鮪、サーモンと何種類もの鮮度抜群な海の幸を1食で味わえ大満足でした。
勿論北海道のお酒もいただき、根室のカップ酒でグラスにはカニの柄入りです。
お店の湯のみにはウニの絵、北海道らしさがあって旅情気分を誘います。
店員さんに東京から来たと話したところ、台風の予報が出ていて
関西や関東の皆さんを心配していると話してくださいました。
その台風直後に北海道は大きな地震に見舞われ、胸が痛むばかりでしたが
ホームページによれば市場は電気が復旧した8日から営業再開されたとのこと。是非お出掛けください!
さっぽろテレビ塔のすぐ近くです。



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保安検査が混み合っていたため早めに行って検査無事終了。
搭乗ロビーにも土産物店や食事できるお店も揃っていています。
お昼の海鮮丼が思いの外量が多くまだまだお腹いっぱいなため飲み物1杯ですが
札幌でバレエを観た後夜に飲むサッポロビールは格別な美味しさです!ああ観に行って良かった。

板東ゆう子ジュニアバレエ第12回発表会『ジゼル』『ピーターパン』『バレエコンサート』 9月9日(日)《愛媛県西条市》

ジゼル全幕で山本さんアルブレヒトを再び拝見。2016年の鹿児島以来です。
もう言葉はいりません。心に迫り、ただただ眼福でございました。
そして福岡さんのヒラリオンがまた良い味を出していて、
2009年以来の山本さんVS福岡さんの対決再実現に、板東先生は世界一幸せなジゼルです。
板東先生は普段はとっても気さくで面白いお方ですが(笑)舞台では薄幸な少女そのもの。
生徒さん中心のピーターパンも展開が楽しく、ゲストが脇を固めワニさん軍団に場内大笑い。

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風呂上りの一杯、道後の商店街入口に位置するお店にてモーニングコーヒーならぬモーニングみかんビール。
大テーブルでしたので、居合わせた他の観光客の皆さんと注文した品について会話が弾みました。
お試しみかんジュースセットやジェラートもあります。


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昼食はにきたつ庵にて、道後ビール飲み比べセットとむっちり新鮮な鯛が何枚ものせられた鯛丼。
ビールは左からケルシュタイプの坊ちゃん、アルトタイプのまどんな、スタウトの漱石、ヴァイツェンののぼさん。
ほんの少し甘みがあり喉を深く包み込むまどんなの味が一番好みでした。苦味が強い漱石も良し。

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公演鑑賞後は伊予西条駅前のお店にて、愛媛の地酒である石鎚山緑ラベル(瓶がワニ色)とお刺身盛り合わせで乾杯。
地元の銘酒を飲まずして帰京はできません。さらば愛媛、また来年足を運べますように。



沖田美延バレエスタジオ第11回発表会『真夏の夜の夢』『くるみ割り人形 』『バレエコンサート』9月16日(日) 《東京都中野区》

真夏では沖田さんの美しく軽やかなタイターニア、山本さんの風格ある緑星人な衣装も絵になるオベロンに
瞬きも惜しいほどに見入り、奥村さんの陽気なボトムがまたウキウキとさせてくださいました。


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何軒かに絞り、結果ふらりとこちらのお店へ。同伴は当ブログのレギュラー、カウンセラー友人。
まずはスパークリングワインで乾杯。友人はオレンジジュースです。
鎌倉野菜のバーニャカウダがみずみずしくて美味しく、前菜の盛り合わせも目にも楽しい品が勢揃い。

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2杯目は南仏の白ワイン。牡蠣の旨味たっぷりなアヒージョと合います。
友人はお代わりもオレンジジュース、毎度呑みに付き合ってくださいます。

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3杯目はシチリアの赤ワイン。運ばれてきた途端、樽を含んだ強い香りが漂いました。
ソフトドリンクしか口にしていない友人も良い匂いであると表現し、
ワインも男性ダンサーも極端な渋好みであることを再度理解してくださったようです(多分)。
今回の発表会のみならず、札幌と愛媛の話にも耳を傾けていただき深謝。

ケイバレエスタジオ32nd Concert  9月23日(日)《大阪府豊中市》

2年ぶりのケイスタの舞台。クラシックとコンテンポラリー両方の上演に喜びが沸き上がりました。
フィナーレの水兵さんたちは賑やかで楽しくもスタジオ移転後の新たな門出を優しく祝しているようにも見え
今後も舞台上演を継続して欲しいと願って止みません。


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朝からたこ焼きとビールです。場所柄観光客で賑わうお店ですが、店員さんの接客が元気且つ丁寧で好印象。
ソースは東大阪産だそうです。地名を読むだけでも美味しさは倍。


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帰りは2011年のケイスタ公演「ノートルダム・ド・パリ」の際に友人を通して知り合った関西在住の方と
梅田駅の地下にて2人でビール飲みつつスペイン奇想曲再演記念も兼ねてガスパチョでまずは乾杯。
(そういえば、2012年の関西の男性ダンサー集結のPDA公演前のお昼に起きた
我がたこ焼き焼けませんひっくり返せません事件の際にも食事をご一緒したのであった。恥ずかしや)



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オムそば、マヨネーズが多過ぎず美味しい。私の2杯目は日本酒熱燗です。
コンテンポラリーにスペインの味が入ったクラシックそして陽気な水兵さん、
山本さんのびっくり嬉しい3変化を堪能できた夜でした。ああ、余韻に浸って熱燗が身に沁みます。

Ballet Studio M発表会  9月29日(土)《大阪市天王寺区》

一昨年以来の岸本繭子さん主宰スタジオの発表会鑑賞。一にも二にも岸本さんのセンスがとても良く
日頃からたくさんの舞台をご覧になっているのも頷けます。
親しくさせている方のお嬢様が今回も福岡さんとパドドゥを踊り、
可愛らしく気品あるオーロラ姫に親戚のお姉ちゃん気分で嬉しくなったのでした。
ドンキハイライトは全幕並の見応えで、エレガントな岸本さんのキトリ、お調子者な福岡さん、
鼻血が出そうな男の色気全開な山本さんエスパーダのジプシーの場で爆発する圭吾さん、
3幕を品良く盛り上げた井澤駿さんとここでこのダンサーが観たいツボを抑えた配役も拍手。
とにかく台風からは逃れられて良かった良かった。

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帰りは『ドン・キホーテ』の余韻に浸って天王寺駅前のバルマル・エスパーニャへ。

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赤ワインをいただきながら乾杯。前菜の盛り合わせもボリュームがあり、味も良し。
今回と同じくクレオ中央で昨年1月に原田高博バレエシアター発表会『カルメン』を鑑賞した帰りにも
立ち寄ったお店で、活気があってお店のスタッフの心のこもった接客が気持ち良く
天王寺周辺でスペイン系演目を観た際には再訪したいと思っておりました。1人客も歓迎なお店です。


NBAバレエ団『リトルマーメイド』9月30日(日)12時公演

NBA新制作上演。ミュージカル風な演出ながら踊りの見せ場もたっぷりで肩肘張らずに楽しめる作品でした。
また人間のずる賢さや憎めない内面をもきちんと描かれていた点も好印象。
子供騙しな作品では全くなく再演が楽しみ。

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幸いにして帰りは雨がまだ降っておらず、ハイド・アンド・シークのカクテルでさくっと乾杯。
海の世界と陸の世界が、出会ったー、な色彩です。(世界ウルルン滞在記オープニング風にお読みください)

それにしても9月は札幌、愛媛、大阪2回。我ながらよく移動したもんだ。



10月
ON THE STAGE主催Dance Festival Vol.9 10月7日(土)

長年バレエを観てきたが、なかなか変わった企画でした。知人2人は良かったものの
バレエの楽しみ方は様々ですが、サポートを要するパドドゥだけはやはりねえ…。
踊れぬ素人は黙っておきますが。あ、当時の記事には意見をつらつら書いちまった。


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帰りは会場で会った、顔見知りの方々と乾杯。
まずはベルギービールから、お通しの辛い枝豆や生ハム盛り合わせに合います。



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2杯目以降はスパークリングワイン。6人中3人が愛酒家、ボトル2本空けました。
ハムをのせたカマンベールをいただきつつ、ワインが進みます。
初対面の方もいらっしゃいましたが、健康に良いからとバレエのバの字もよく分からず始めたら
古典作品の違う演出の見比べに夢中になったとのこと。更にはコールド観察には2階席が良いと嬉しい発見をして
益々鑑賞が面白くなったと仰る方もいて話が弾みました。
皆さんレッスンに定期的に通っていらっしゃる方ばかりで、勉強になることが山程あり
鑑賞街道まっしぐらな私を皆さん受け入れてくださってすぐ打ち解けることができたのも嬉しく安堵。



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12月のようなテーブル、ロティサリーチキンを豪快に切っていただきます。
思えば今年も残り2ヶ月半、瞬く間に過ぎる1年です。

Kバレエカンパニー『ロミオとジュリエット』10月12日(金)

Kバレエで最も好きな浅川さんが惜しまれながら引退。
艶やかで可愛らしさもある意志の強いジュリエットに、
もっともっと舞台を観たかったと思わずにいられませんでした。
浅川さんを気持ち良く送り出そうと団員も一層一致団結。
遅沢さんの髪型がどうしても、ルネッサーンス!の芸人のカタワレに見えてしまったが
ロミジュリの時代をそのままネタになっている?そういう問題ではない笑。


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帰りは乗り換える度に気になっていた神田駅改札内のバルにて浅川さんを思い出し余韻に浸りながら赤ワインで乾杯。
『ロミオとジュリエット』を観ると飲みたくなるのは赤です。お肉の盛り合わせはかなりボリュームがございました。


マシュー・ボーン版『シンデレラ』10月14日(日)

どうも白鳥は苦手なまま終演してしまった感があったが、シンデレラはいたく気に入った。
戦争を背景に危険と隣り合わせな状況にある人々を描き出し、プロコフィエフの曲も違和感なし。
戦争の愚かさ、美しいことを愛でる素晴らしさ両方を描いていた印象です。

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帰りは82宮益坂店との共同企画で、当日のチケット提示で1杯サービスされる
シンデレラカクテルで乾杯。大人のシンデレラから発想を得たのか甘酸っぱく、ほろ苦さもある味でした。
ボーン版シンデレラの舞台に違和感なく溶け込みそうな内装です。


佐藤朱実バレエスクール10周年記念公演『くるみ割り人形』10月21日(日)《江戸川区》

小野さん福岡さん始めゲスト多数。福田圭吾さんのドロッセルさんが魅力一杯で
かなり踊る場面が多く、見せ場を作りつつクララを優しく導いていました。
大人クラスの方々の呼吸の合った、皆で揃えることの喜びもが感じられたレ・シルフィードも素敵。
佐藤先生の指導方針が良いのだろうと思わせました。

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まずはネパールアイスビールで乾杯。地元のお客さんで賑わっている、居心地の良いお店でした。
テーブルマットに蝶々が描かれていますが、葦笛はチュチュでしたので安心。
大ぶりな海老とほうれん草たっぷりなカレー、ナンが大きく入りきりませんが美味しく完食。
すぐ近くに貼られていた、インドの方々が両手を合わせたポーズのメニューを見て再び思うのは
アリスのキャタピラー役の日程発表は当日か!?と思っていたらまもなく発表されました。

国際バレエアカデミアバレエ団(旧東京小牧バレエ団)『くるみ割り人形』10月28日(日)夜

モンゴル国立バレエとの共同制作の興味津々。金平糖と踊られたアヌシンさんが
柔らかな気品と芯が通りつつもコントロールの効いた余裕ある踊りに惹かれました。
また観たいダンサーが増えました。子役たくさんでも気づけば発表会状態になっていない演出も丸。
ジャンプくまさんも拍手喝采でした。


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帰りは隣駅の幡ヶ谷のモンゴル料理店にて馬乳酒で乾杯。モンゴルビールやウォッカも気になったが、
名称に惹かれて馬乳酒に。見かけによらずさっぱりした味です。
羊肉の肉汁が詰まった蒙古ボーズも美味しうございました。

11月

京都・パリ友情盟約締結60周年記念Ⅱ  京都バレエ団『屏風』『京の四季』11月3日(土)《京都府》
2演目とも和楽器の生演奏つき。京の四季は生花との共演で一応経験者としては興味津々。
屏風は日本版かルミナ・ブラーナのような趣きで、夜な夜な屏風から出てきた女に誘惑される
上半身裸体の山本さんのセクシーなことよ。

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銀閣寺近くに位置するうどん店のおめん、開店少し前に到着したところ開店後すぐに案内してくださいました。
1人でしたのでカウンターに掛けたところ、近くのご夫婦らしき方々が呑んでいらっしゃるます酒が美味しそうで
同じものをいただきたいと注文。すると隣のお1人の女性客の方から「お酒、美味しいですか?」と尋ねられ
すっきり品ある味と答えるとその方もご注文。祝日の昼下がりからカウンターにて
見知らぬ者同士楽しいお酒の注文リレーが行われたのでした。

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京都の地酒神聖で乾杯。茄子の田楽は京料理店を訪れると味わいたい一品で
香ばしい香りとお味噌の甘さが溶け合いお酒が進みます。
おでんは豆腐と鴨肉つくね、ぽかぽかと温まり味もよく染み込んでいてご馳走さまでした。
店員さんは明るく丁寧で常連観光客問わず居心地の良い空気が流れ、値段も手頃。また訪問したいお店です。
翌日は初台に戻って『不思議の国のアリス』でございます。



シュツットガルト・バレエ団ジョン・クランコ版『白鳥の湖』11月9日(金)

トロワがなし、通常王子のヴァリエーションでオディールが踊るなどユニークな演出。
プログラムに目を通しておけばより楽しく鑑賞できたであろうと反省。

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帰りは当ブログお馴染みムンタ先輩(ムンタギロフさんがお好きな人生の先輩)と軽く一杯。
エビスのマイスターと琥珀ビールでございます。
フォーゲルとガニオの『オネーギン』をご覧になった感想を聞かせていただき楽しいひとときでした。
『オネーギン』は原作も好きですしチャイコフスキーの華麗で郷愁漂う曲の数々にも心を揺さぶられ
繰り返しにはなりますが、新国立と同日程でなければ足を運びたかった公演です。
ムンタ先輩は翌日の新国立アリス夜公演にお越しくださいました。多謝。



新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』11月2日(金)〜11月10日(土) 計6回

満を持しての劇場初演。新国立での上演決定が発表されキャスト妄想に耽た昨年6月から1年半、
主役が決定し飛び上がって期待を膨らませた昨年12月から約11ヶ月。
嬉しさの一方予習を兼ねたロイヤルシネマで鑑賞しても今ひとつ実感が沸かず、9月の公開リハーサルでは期待が更に膨らみ
初日終演後は安堵も交じった幸福にただただ浸り続けました。

米沢さんのふわふわしながらも物凄いスピードで駆け抜けていくアリス、小野さんの勝気でかわいらしいアリス、
本家も驚愕であろう本島さんの艶やかなハートの女王、など挙げていったらキリがありませんが
渡邊さんのジャックの労働者階級を生きる朴訥とした庭師の青年の哀愁感や
理不尽な解雇にも逆らえず優しさ故にアリスにも当たらずただ悲しさを秘めた姿、(見た目が小津安二郎映画の青年だ)
ハートの騎士となっての奮闘、終盤における女王たちを前に披露するソロとアリスとのパ・ド・ドゥからは
ずっと抑えていたのであろう感情が洪水の如く全身から溢れて心に訴えかけ胸一杯。
この他9月に開催された公開リハーサルで目にした時点で既に響いてならなかった場面も
実際に衣装や装置も合わせて鑑賞すると喜びもひとしおで
新国立劇場バレエ団の全幕物新制作によるシーズン開幕公演初日にこうも胸に迫り幸せな気持ちになったのは
2008年のビントレー振付『アラジン』以来10年ぶりでした。
名前が載っていないダンサーであっても不思議の国の住人はじめ
チェシャ猫の黒子、涙の海のリフト担当、実はアリスとジャックの再会に貢献している欽ちゃんの仮装大賞も仰天な木々など
全ダンサースタッフの総力を結集して今までにない役柄や演出に取り組んだからこそ成しえたのでしょう。
まだまだ様々な光景が脳裏を過ぎります。
そうじゃ、ときめきはしないのだが(いつも失礼)イモ虫で開眼した?井澤駿さんが初めてとても素敵なダンサーだと思えた。
ラジャも暗く塗ったエキゾチックで妖しく、女性を虜にしていくイモ虫も似合っていた。
20年後ぐらいには、『ラ・バヤデール』で井澤さんラジャと
渡邊さん大僧正(ホフマンのとき坊主が似合うと分かり更に表現力も磨かれていることでしょう)の共演を今から妄想。

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テネシー州のお酒ですが、ジャック・ダニエルのシングルロックで乾杯。
着物行事でお世話になった方とこれまた魅力溢れる人生の先輩と3人で中間打ち上げといったところ。

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白ウサギに案内されて発見した新宿西口の穴に落っこちて行くと(そんなわけはないのだが)
魔法の国のアリス。気になっていたため訪問してみた。
ややメ◯ドカフェに通じる接客ではあったが親切丁寧な案内で、アリスになった気分で滞在できます。(ちょいと恥ずかしいが笑)せっかくですのでハートのテーブルにて
ハートのクイーンとハートのジャックカクテルに帽子屋のケーキ。

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昼夜公演の間は極力動かず体力温存に務めるため、劇場内のマエストロへ。
このブログを通して知り合いお世話になっている人生の先輩とアリス成功を白ワインで乾杯。
スープにはきのこがたっぷり入っていてキャタピラーの場面を思い出させます。

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あさりのクリームパスタ、白ワインが進みます。
福岡さんのマッドハッターなどこの日以前のキャストについてもあれこれ語り合いました。


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公演限定カクテルは柿とアマレット。日本の季節感を含ませたカクテルで、
ウィールドンさんがインタビューでお話しになっていた日本のアリスをやりたいとの願望に
無理矢理感はありますが重なります。甘さの中に柿の渋みある味が広がります。
(ファーストキャストのジャックのイメージかいな)
それはさておき、開演前に恒例の儀式⁈として乾杯。窓際の丸テーブルにもトランプが置かれていました。
写真もそれぞれ異なり、探すのもまた楽し。

篠原聖一バレエ・リサイタル DANCE for Life 2018『アナンケ(宿命)〜ノートルダム・ド・パリ〜より』11月11日(日)
2015年私の鑑賞ではダントツ1位のノートルダムが関東上陸。
山本さんの聖職者ながらエスメラルダに恋心を抱き悶え苦しむ姿が胸に刺さりました。
主要キャストは下村さん、佐々木大さん、青木崇さんで変わらず。
ただ、初演時の大阪に本部を置く佐々木美智子バレエ団のほうがジプシーや人々の
権力にも屈さぬエネルギーの強さが感じられました。地域性の違いかと思います。


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帰りは山本さんのファンでバレエにお詳しい方と浜松町のバルにて赤ワインで乾杯。
ボトルを開け、余韻に浸りながら延々と語り合っておりました。お通しのチーズクリームがほんのり甘く美味しい。
右側のチーズに名称は失念、スパイシーでワインのお供に嬉しい味でした。


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赤身ステーキ。アナンケ初演時のキャッチコピーには「フロロの肉欲」の文字もありました。

ジュエルズ  フロム  ミズカⅡ  11月17日(土)《横浜市》

小野さん福岡さんが宝満さんの新作に出演。小刻みに震える緊迫感ある作風で、もう1回見たい。
高橋竜太さんの舞台を目一杯使ったパワフルなコンテンポラリーも見ていて面白く3階の見張り台のような客席でも十分楽しめた。
上野さんとゴメスのリベルタンゴがスタイリッシュでいい締め括り。


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中華街は3月のDAIFUKU mixture鑑賞以来。少し奥まった細道に入ると
夜でも手頃で美味しいメニューを揃えたお店が多い印象。
まずは紹興酒で乾杯。この日は関内で上演のDAIFUKUと掛け持ちの方もいらっしゃり、
敬意を表してまたDAIFUKU成功と盛会を祈願して、歩きながら偶然見つけた福盛楼へ。
内装はモダンチャイニーズな雰囲気で寛げる空間です。
紹興酒と選べる定食セットをいただき、1500円程度でした。
写真には写っておりませんが、大ぶりな海鮮焼売とザーサイ、
ココナッツケーキ(これらも選択制)も付き、お得感がございます。



 Kバレエカンパニー『ドン・キホーテ』11月18日(日)

初Kバレエ鑑賞の母に勧められ(トートバッグまで買ってきた笑)、別日の同じ主演キャストで鑑賞。
小林さんの凛としたキトリ、山本さんのにこやかなバジル2人とも好印象。
空いたワインボトルがいつのまにか一輪差しになっていたり
ジプシーたちが居酒屋に送り届けてくれたのだろう登場シーンなど演出が細かくそしてスピーディー。
久々のKバレエドンキ、楽しめました。


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帰りは御徒町駅そばのバルにてスペイン産ワインで乾杯、前菜盛り合わせ。
1人で来ると大概この手の盛り合わせを注文することが多い。
目にも鮮やかな色合いです。


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タコとイカのイカスミガリシア風煮込み。(確かこのような名称)
お歯黒状態にはなってはしまいますが、お出汁たっぷりでワインが進みました。

Iwaki Ballet Company『ジゼル』夜の部《新宿区》11月25日(日)

昨年のアステラスから気になっていたポーランド国立バレエの影山さんを全幕で見ることが叶いました。
気高いお姫様なイメージがありましたが踊り出すとそれはそれは可愛らしく
いつかポーランド国立来日公演行って欲しいと願います。
主宰の井脇さんのつんと澄ました品格あるバチルドも美しや。


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乾杯は新宿駅近くのドイツ居酒屋シュマッツにて新宿シュタルクビア。
そういえば、ジゼルといえば葡萄の収穫祭つまりはワインですが
ドイツ料理を食べに来るとついビールを欲してしまう管理人でございます。

東京バレエ団 20世紀の傑作バレエ2「スプリング・アンド・フォール」「イン・ザ・ナイト」「小さな死」「ボレロ」11月30日(金)
初台で公演する東バは初鑑賞。文化会館で鑑賞したことがある作品でも
中劇場は客席との距離が近く見切れが少ないためより堪能できた気がいたします。
スプリングアンドフォールの川島さんの艶っぽさ、あたたかみに触れ心が潤いで満たされました。
ボレロに関しては上野さんのメロディは私好きです。省略するダンサーも多いらしい、終盤のブリッジも見事。


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東京バレエ団公演の帰りにオペラシティの店舗を訪れるのも不思議な気分。
スプリング・アンド・フォールにいたく感激したため、ドヴォルザークが生まれたチェコのビールで乾杯。
こちらではいつも英国産ビールを飲みがちなため、他国産を飲むのは新鮮です。クラシカルな模様のラベルにも注目。

11月、前半2週間は初台6回、京都、上野、東京の港区。我ながらよく観に行ったもんだ。

12月
原田高博バレエシアター第2回発表会  12月2日(日)《大阪狭山市》

昨年の1月に続き2回目の発表会も鑑賞。山本さん佐々木大さんが求婚者を務めるローズならぬ大御所アダージョや
生演奏付きで自然界の営みを描いた創作とバラエティに富んだプログラム。
前回も思ったが、原田さんは全身タイツがお好きなのだろうか。

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日中は落語家さんが案内する大阪水路クルーズに乗船。
船内販売もあり、せっかくですので河内長野産のお酒で昼から乾杯。


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お通しが鯖のブルスケッタ、ワインに合います。鯖も大好き。
ワインは余計な味が全くない、澄み切った味わいでした。


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鰹のカルパッチョもいただきました。管理人、きっと前世はアザラシです。

マリインスキー・バレエ  マリインスキーのすべて  12月3日(月)

ショピニアーナでは継承されているワガノワスタイルの優美さに感嘆。
ゴージャスなコンダウーロワ率いるパキータも華麗。
困ったときのスチョーピンはあっちこっちで大活躍。
チャイパドはある意味来日公演の伝説として語り継がれそうな予感が…笑。


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会場でお目にかかれた新国立常連の方と帰りは上野駅近くにて
豆乳ロールキャベツ鍋とイクラ帆立サラダを囲み、ビールとワインで乾杯。
幕間と食事の際にも、1996年のマリインスキー来日公演のお話もじっくり聞けた楽しい学びなひとときでした。
当時イルマ・ニオラーゼが出演していたと話題にしたところ
またもや年齢詐称疑惑が浮上する事態となりましたが寛大に受け止めてくださり深謝。
年によって鑑賞回数にばらつきがあり知識はまだまだ不足しておりますが、
来年でバレエ鑑賞歴30年を迎えます。(平成と共に歩んで参りました)

NBAバレエ団『くるみ割り人形』12月9日(日)

映像を効果的に活用し、クラシカルな雰囲気はそのままに人間に変身したラタトゥイユの葦笛がまた楽しい。
ここのくるみは本当に良いよ。

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今年も芸術劇場近くのドイツ料理店にて、ホットワインで乾杯。スパイスたっぷりで身体が温まりました。
後方の写真はハイデルベルクの冬景色です。
店員さんや常連さんとも打ち解け、話題の1つは山手線の新駅名が高輪ゲートウェイ。
公募を実施しながらなぜ1位の高輪にならなかったか疑問だ。

新国立劇場バレエ団『くるみ割り人形』12月18日(火)〜24日(月祝) 計6回

振付演出に関しては申したいこと山積みだが、(書き出したら止まらんのでここでは割愛)
何だかんだ言いながら初台でのクリスマス満喫いたしました。
(牧版のときも同様のことを書いていたおぼえが…。新国立のくるみ迷走はいつまで続くのか笑)
21日は長田さんの引退公演以来握手会にも参加、記念になりました。
間近で拝見したお衣装姿、眩しうございました。

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18日(火)は平日昼間からパーティー場面を真似てシャンパンで乾杯。



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カクテルは有田みかんと白ワイン味の花のワルツカラー。21日(金)、ホワイエのツリー近くで乾杯。

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21日は帰りが少々遅くなったが飲まずにはいられず、23時以降も営業しているドイツ料理店アチチュードへ。
昨年のくるみ最終日にムンタ先輩と訪れたお店を1人で再訪、赤ワインとドイツ風ポテトサラダ。
赤ワインは渋い重口です。




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前菜。みかんドレッシングなるものがあり、花のワルツを思い出しながらいただきます。


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リボン型パスタ。そういえば、クララは恋する憧れのドロッセルの甥っ子がパーティーから帰る際に
頭に付けていたリボンを外して手渡します。


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千秋楽。ブルスケッタとロゼワインで乾杯。チーズとくるみをのせたものもあり
鑑賞した23日昼と千秋楽登場のネズミ王、今日こそ勝つのだ!
くるみ割り人形を倒し、実は想いを寄せているクララと結ばれ
魔法が解けてネズミから貴公子な美しい姿(衣装からすると騎士でも)に戻るのだ、と今年も勝手に妄想。
だから、いくら主演舞台が映像化されているからといって『美女と野獣』ではないねん。



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千秋楽帰りはオペラシティのだん家にて当ブログお馴染みカウンセラー友人と乾杯。友人は烏龍茶を注文。
くるみの原作の舞台と何かで読みましたため、ニュルンベルクのソーセージを囲んでドイツビールといただきます。

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鴨肉とオレンジのグリル。オレンジがぱっと花開きました。
イーグリング版の花のワルツのイメージはポピーですが、見慣れてきたとはいえ何度観てもオレンジにしか見えぬ
我が乏しい視力をお許しください。

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ネズミ王はきっと3食チーズと想像。近代的な大砲を所有しているおもちゃの兵隊に対し
ネズミ王国は原始的なチーズ大砲。子ネズミも多いため、
防衛費よりも教育費社会保障費用を優先しているのかもしれません。

川上恵子バレエスクール発表会 12月25日(火)《大阪市淀川区》

今年も年納めは川上バレエ。実年齢マイナス20歳に見えた板東先生と山本さんのコッペリア、
オーソドックスながら細身のタキシード姿の山本さんドロッセルさんに引き寄せられたくるみ2幕、
そして芸達者な生徒さんたちによる不思議の国のアリス、と楽しさで溢れるプログラムで年内終了。
2018年も山本さんで締め括ることができ、良き年になりました。

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駆け付けの1杯はホットワイン。スパイスが詰まっていて温まります。カップはお土産にそのままどうぞ。


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お昼は5年前のレッスン再開初回時から親しくさせていただいている方と
グリルキャピタル東洋亭にて赤ワインで乾杯。


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帰りの新幹線車内にて酒盛り。大阪の北新地ビールとロゼのスパークリングワイン
くるみやアーモンドの燻製盛り合わせをつまみに乾杯。



◆映画
英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 『不思議の国のアリス』
映画観ても来日公演のときと同様そんなに記憶に残りはしなかったのだが、
ジャックのソロは早く渡邊さんで観たい観たい観たいと想像膨らんだ。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 『くるみ割り人形』
英国ロイヤルとバーミンガム、ライト版を持ちながらも衣装のみならずだいぶ演出が違っていた。

ボリショイ・バレエ in シネマ 2017-2018Season『パリの炎』
シュライナーたちも良かったが、来日公演で観たクリサノワ、ラントラートフ、サーヴィンの熱い熱いトリオによる
ドラマの深さを思い出してしまった。

ボリショイ・バレエ in シネマ 2017-2018Season『コッペリア』
シュライナーがきらきらで可愛らしく、キャラクターダンスのレベルの高さもボリショイならでは。

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 『マノン』
妖気なラム、ときめきはしないが(失礼)子犬のような横顔のムンタさん。作品の面白さを再確認です。
もはやこのバレエのために作曲されたとした思えぬマスネの音楽も秀逸で、
オペラ『マノン・レスコー』の曲を一切使用せずにメインテーマも備え、
キャラクターたちの感情を情緒豊かに表す旋律に再度聴き惚れました。
例え幸福な場面であっても悲しみを湛え悲劇の展開を予想させる
マスネの甘美な曲の数々はどれを聴いても胸が締め付けられずにはいられません。
中でも2幕での娼館におけるデ・グリューのソロ前に流れるワルツはスケール感があり
人々の欲望が塗れ渦巻き高笑いの声もが聞こえてきそうな旋律を含みながらも物哀しく響き
私の中ではバレエ音楽の中で3本指に入るワルツです。

2012年での本島さんのマノン、山本さんのデ・グリューは
今も我が鑑賞史の残る3本に入る名舞台として刻まれておりますが、とにかく新国立でも再演が待ち望まれます。
純朴な学生が人生を大転落していくデ・グリューも、徹底して残忍になりそうなレスコー、
どっちも観たいぞーーーーー!!!!!

英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2017/18 『白鳥の湖』
3幕の重厚壮麗な装置美術は生で観てみたい。
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映画館が入っているトリエ京王調布の1階カムラッドにて、地元産深大寺ビールで乾杯。



『ホワイト・クロウ』
ヌレエフの半生を描き、亡命の一部始終も再現。息を呑む展開で
こうも命懸けで西側へ渡ったのだから芸術監督を務めたパリ・オペラ座を底上げし栄華な時代を築き上げたのも納得。

ディズニー映画『くるみ割り人形と秘密の王国』

苦手なディズニーだし、12月はバレエ映画も目白押しだし見合わせるかあと思っていたところ
バレエジャポン記事での渡邊さんの解説を読み、すぐさま行く気になった。
身勝手単純な我が身を再度思い知ったのだがそれはさておき
一度観ただけでも全体を網羅しつつ、違和感を覚えそうな箇所であってもどう魅力として捉えるかまで
記憶し解釈する能力に頭が下がります。見習っても身につくものではないと分かってはいるが、賢さが羨ましい。


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帰りは白ワインとチーズケーキ。くるみを観ると甘い物の気分になりますがアルコールも欠かせません。



英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19 『うたかたの恋』

狂気じみたルドルフ皇太子と彼を巡る女性たちの関係をドロドロに描いた濃厚濃密な作品。リストの曲がマッチ。
ルドルフで観たいダンサー何名かいます。妄想だーーー。


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帰りは映画館すぐそばパルコの1階にてワインと小皿料理で乾杯。映画もワインも重厚濃厚でございます。



講座
ラファエラ・アカデミア2018年春期講座「バレエへの招待」バレエ再発見ーパ・ド・ドゥとパートナーシップ

パ・ド・ドゥはいかにして作り上げていくのか、往年のペアの映像も含め発見の連続でした。後期も受講いたしました。

◆演奏会

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中丸三千繪さんのコンサート(オペラシティ)
新国立が開場した20年前に話題になった曲が目白押し。『もののけ姫』と『タイタニック』の主題歌
更には熊川哲也さんが「違いのわかる男」で一斉を風靡し
バレエと男子の関わりに転換期をもたらしたといえる『ダバダ』まで
バレエと20年が詰まった構成に驚いた一夜でした。ペンライトも初体験。



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トゥールーズキャピトル国立管弦楽団
『火の鳥』を演奏すると前日に知り、今の私が行かないわけがありません。
当日チケットも確保、季節外れの大雪の中サントリーホールへ向かいました。
幸い隣席の方がバレエもお好きな方で、コンサートには行く習慣がまるでない私が
今回大雪の日にわざわざ来た理由をあれこれ説明すると納得いただけたご様子。
(理由が珍し過ぎて、希少動物に出くわしたかのような表情をなさっていましたが当然か)
そしてクラシックコンサート初心者でも楽しめるポイントを伝授してくださり
火の鳥妄想も十二分に楽しみ(いいのだろうか笑)、満足度高く会場を後にしたのでした。

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トゥールーズ管弦楽団のチケットの件でお世話になった方のお連れの方がソムリエで
後日勤務先のビストロにお邪魔しました。新国立の話になり
ニューイヤーバレエでペトルーシュカ、火の鳥、レ・シルフィードの上演を伝えたところ
行くなら3日間中どの日が良いかと尋ねられ、「真ん中!!」と即答。
クラシックファンの方にはペトルーシュカと火の鳥のほうが楽しみかもしれませんが
レ・シルフィードにも注目くださいねーと案内。


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フィルハーモニア・ブルレスケ。無料招待券応募受付中の記事を見つけ、応募して杉並公会堂にて火の鳥鑑賞。


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ロシア国立交響楽団。ストラヴィンスキーの子孫が指揮する火の鳥鑑賞。火の鳥祭りな2018年でした。

レッスン

1年4ヶ月ぶりに行ってきました。いくら鑑賞好きだからって少ないのは分かっておりますがなかなか難しいものです。
偉大な先生もそれはそれはご指導は優しく丁寧で、頭が上がりません。
手を合わせてスタジオをあとにしました。

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帰りは昼から毎度お馴染みの海鮮居酒屋にて4名で乾杯。サラリーマンの宴会ではありませぬ。
鑑賞の後のみならずレッスンの後もアルコールは欠かせません笑。

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奈良県吉野の日本酒もいただきました。たっぷり注いでくださいます。艶やかな喉越しでした。


今年もあとわずか。来年も楽しみな舞台はたくさんありますが、
国内バレエ団では新国立のニューイヤー、バヤデール(特に3月9日昼のソロル~!)。
1月17日には新シーズン演目発表とのことですので、また生さだ状態
(さだまさしさんがリスナーのリクエストに答えながらのんびり進行していく番組)でつらつら意見を綴って参ります。

来日公演はダントツでボリス・エイフマン・バレエの『アンナ・カレーニナ』。
新国立劇場バレエ団で2010年、2012年にも上演され再演リクエストも多数かと思いますが
恐らく新国立ファンも大勢駆けつけ、これまでに観たダンサーを思い出したり、
これから観たいダンサーを想像したりと楽しむことでしょう。
私は両者合体型で、カレー二ンの名演者とそのカレーニンに唯一対抗できるであろう
未だお目にかかっていないヴロンスキーの共演を妄想し
魂が引きちぎられそうになりながらどっぷりトルストイの世界に没頭いたします。アンナは本島さんが理想かな。
帰りは新国立ファン、嘗て観客の間でも大流行?した機関車ダンスを
上野公園或いは少し足を延ばして新橋駅SL広場で踊っているかもしれません。
(土日ですから少ないでしょうが、新橋のサラリーマンもびっくりだ)
もう1本楽しみであるのは5月のゴールデンウイーク明けに来日の中国国立バレエ。
2005年は反日運動の影響だったかで来日公演が中止となり、
クラシックとバレエ団独自の演目の鑑賞叶わず残念な思いでおりました。今年こそお目にかかれますように。

勿論元祖王子山本さんの舞台にも変わらず通い続けます。
今夜も西に向かって手を合わせ、年を越そうと決意です。

さて最後になりましたが、本年も当ブログにお越しくださった皆様、本当にありがとうございました。
年齢不詳発言やアルコールが入ってしまったがために特定のダンサーについての延々と続く話にも
お付き合いくださった方々、関西や四国に来ていながら少し前にに観たばかりの新国立ダンサーの姿をつい思い出し
話を始めても「ここを何処やと思っているんやああ!!」とお叱りにもならず寛大に受け止めて耳を傾けてくださった
西日本在住の方々にも重ねて御礼申し上げます。

繰り返しになり恐縮ですが当ブログは知名度低く、執筆やバレエ関連の仕事経験も一切ない
ただバレエ鑑賞が好きな素人が気ままに綴っているブログで
おまけに絵文字も顔文字もなく文字だらけ。読みづらい、読み終えるのに気力がいる、手軽に読めないなど
ご意見もいただいております。しかし結局開設当初からスタンス変わらず地味路線なまま今日に至っておりますが
近年は舞台関係者の方々の目にも留まっているとのお声もいただいたり
ブログをやっている旨は伝えていないながらたまたま居合わせた方や知り合った方より
文体や内容で探し当ててくださったりと思わぬところで読者の方がいらっしゃることも励みになっております。
よく正式名称が分からず申し訳ないと言われることもありますがお気になさらずに。
とりあえず「ア」で始まる名称にしようと思い付いた名前でございます。
近年耳にするのは「お酒の写真のブログ」「○○さんのファンで東京から西日本にしょっちゅう来ている人」
あとは昨年からは「アンデオール浮気日和」(失礼な笑)。こんな状態でございます。

まだまだ知識は不足しておりますが来年はバレエ鑑賞暦30年を迎えます。
初鑑賞が1989年ABT来日公演『白鳥の湖』、平成と共に歩んで参りました。
ちょうど30年を迎える夏頃に振り返りを行おうかとも考えております。
30年観ていて女性ダンサーは心惹かれた方は何人もいますが男性は2人のみ。
何を観て来たんだ??とこれまたお叱りを受けそうですが、好みがはっきりとしていますしこれが事実なのです。

皆様にとって2019年が良い年となりますように。今年もありがとうございました。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

12月31日 
本日購入し今年最後の買い物となったダンスマガジン最新号35、36ページを
既に穴が空きそうな勢いで読んでいるアンデオールバレエ日和管理人




【おすすめ書籍】【バレエ・リュスのページもあり】ビリービンとロシア絵本の黄金時代

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あけましておめでとうございます。昨年も当ブログにお越しいただき、まことにありがとうございました。
本年もバレエ(鑑賞中心ですが)、お酒、旅を主軸に継続して参りますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。

昨年最後の記事は読み返すと気が遠くなる且つ恥ずかしい発言多々で大変失礼いたしました。
新年一発目のテーマについては毎年考えるのですが、今月半ばには新国立劇場バレエ団ニューイヤーバレエ公演にて
久々に『ペトルーシュカ』、『レ・シルフィード』、ロシア民話を題材にし
今回は中村恩恵さんによる新振付による『火の鳥』上演を控えていますので2019年の始まりはこちらから。
バレエ・リュスに触れているページもある、ロシアの画家イワン・ビリービンの画集でございます。
ウェブ上での大型書店を始め、インターネットでも購入可能です。

酉年に因んで紹介した2017年1発目の記事にて新国立劇場バレエ団フォーキン版『火の鳥』2013年公演チラシの
左側に立てているポストカードもビリービンが手掛けた、まさに火の鳥を捕まえようとしているイワン王子の絵です。
(チラシに写った、山本隆之さんのイワン王子がまた麗しや)
ビリービンの絵は渋みある色彩で描かれ、一見地味に感じるかもしれませんが
非常に緻密で細やかな絵柄で、装飾にしても色の組み合わせにしてもよく見ると実に色彩豊か。
民族色の強いロシアの郷愁に誘われ、ずっと眺めていたくなる画集です。

ビリービンについては2013年に西宮市で開催された佐々木美智子バレエ団『バフチサライの泉』公演に出向いた際
神戸市内のロシア雑貨店いりえのほとりに立ち寄り
同年11月の新国立シーズン開幕作品フォーキン版『火の鳥』に関する
絵葉書を購入したいとイワン王子の柄を探していたところ
店員さんがあらゆる絵葉書の在庫を持って来て見せながら教えてくださいました。

ビリービンは舞台美術にも関わっていて、サンクトペテルブルク大学法学部出身でありながら
芸術家への道を進んだのはディアギレフと共通とのこと。
舞台美術デビューはリムスキー=コルサコフのオペラ『雪娘』でその後も
『火の鳥』(バレエ・リュスの版ではないのかもしれず、詳細分からず)始め
『金の鶏の物語』や『サルタン王物語』など数多くの美術を手掛けています。
ディアギレフ企画のオペラ『ボリス・ゴドゥノフ』では
『ペトルーシュカ』衣装を手掛けたアレクサンドル・ベヌアらと組んで衣装デザインを担当しています。
バレエ・リュスと画家たちについて触れたページにはベヌアによる
ペトルーシュカとバレリーナの絵も掲載されていますのでどうぞご覧ください。

そして、新国立劇場バレエ団2019年の一発目公演である1月公演『ニューイヤー・バレエ』もお見逃しなく。
久々の再演2作品と新制作の3本立てで、クラシック音楽ファンも目一杯お楽しみいただける構成です。
どうぞ劇場へと足をお運びください。


※鏡餅も重箱入りのおせち料理もなく新年らしい準備ほぼ皆無なまま年越しをしたものの
多少はお正月らしいめでたい写真を載せたいと思い、新年早々に購入した2本の日本酒でご堪能ください。
左側は奈良市の春鹿、右側は福島県白河市の千駒です。
並べてみると柄が渋い色彩で、諸々の我が好みを物語っていると思えます。

※皆様は年末年始どのようにお過ごしでしたか。
私は最後の大阪旅から30日の夜に帰京し、新国立中劇場で行われたレコード大賞の発表をテレビで見ておりましたが
この年も大賞受賞曲が分からず。◯◯坂の区別が付かん笑。
翌日はその年の流行曲や話題の歌い手確認のため紅白歌合戦を視聴、
未だにSexy ZoneとHey!Say!Jumpの区別が付かん笑。ファンの方、大変申し訳ございません。
管理人、フォーリーブスや長谷川一夫世代ではありませんが
東京都港区に位置する事務所所属の美形男性グループの構成人名全員を言えるのは
中学生の頃の給食時間に延々と流れていた嵐までが限界です。
ここ数年毎年のように家族から聞かれるのはどちらが年上かの質問。
今回は関ジャニ∞、お1人だけ私よりも学年が若い方がいると伝えると驚きの反応を見せておりましたが
新国立劇場開場100周年までは生存する目標を無謀を承知で掲げている長女を
年寄り扱いせんといてと言いたくはなったものの、高度経済成長期以前の生まれと疑いを持たれる
日頃の発言習慣物事の考え方捉え方を振り返れば致し方ないと痛感。

そしてもう1件、我が家で勃発したのはかれこれ12月初旬から始まっていたカレンダー騒動。
ただまたもや身内話になるのも如何なものかと感じますのでまたの機会に紹介するかもしれません。
お正月期間中にはようやく映画『マチルダ』を鑑賞、なかなか重たく単なるバレエ映画とは言い難い内容でした。
後日感想を綴って参ります。

例年1月は鑑賞予定が少ない時期ですが今年は中旬以降バレエその他の分野含めて目白押し。
一昨年と同様昨年1年間も飲酒飲食制限一切なし、有酸素運動ほぼなしで過ごしていながら
体調不良で予定していた鑑賞を見合わせた日が皆無であったのは奇跡と捉え
(花粉症ですが3月の猛威な時期も仕事中は箱ティッシュと親友であるにも関わらず
劇場、観劇前後の飲食店では無縁になる不可思議な身体をしているらしい)
若年層には含まれぬ自身の年齢を意識しながら1年を送りたいと思っております。



映画『マチルダ 禁断の恋』

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新宿武蔵野館にて、映画『マチルダ 禁断の恋』を観て参りました。
http://www.synca.jp/mathilde/


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まだ公開中でこれからご覧になる方もいらっしゃるかと思いますので詳しい感想は控えて簡単に。
あくまで個人の考えですが、「バレエ映画と思って観に行かないほうが良い」と思います。
マリインスキーバレエ来日公演会場でも宣伝に力を入れ、ゲルギエフが音楽監督との記載もあり
バレエ場面もふんだんにあるかと思いきやかなり少ない印象を持ちました。
それよりも陰謀、思惑、憎悪、嫉妬、性欲がこれでもかと絡んでいて
『ラ・バヤデール』も昼ドラもびっくりな泥沼な状況。
されど概ね史実として描いているようですから笑うなんぞできず、直視できぬ場面もいくつかあり
帝政ロシアが政情不安のみならず皇帝一族を巡る人間関係も非常に危うく脆い状態で
末期を迎えていったことが手に取るように伝わりました。

ロシアの歴史に興味があると言っていながら恥ずかしい話、
ニコライ2世即位を祝うためにモスクワ郊外に集まった約50万人の民衆が
記念品の配布を巡り混乱となって将棋倒しが起こり、約1400名もの死者と1300名以上の重傷者が出たとされる
ホディンカ平原の惨劇も初めて知りました。皇帝一族が絶対的権力と莫大な財力を持つ一方で
民衆が貧困に苦しみ続けていたことは書籍などを通して読んではいたものの
ロシアにおけるクラシック・バレエの栄華の源にもなっていた
一見煌びやかな財力ある王朝の陰でここまでの犠牲があったのかと
今更ながら知った思いです。(調べていけばまだまだあると思います)

終映後はお正月の初売りで賑わう新宿駅前とは思えぬ静寂に包まれ、
観客全員が黙り込んで誰一人として声を発せずお連れの方との会話も聞こえず。
それだけ重々しいものがのし掛かり後を引く作品だったのです。
ロシアでは上映中止を求める過激な抗議運動も起こりプーチン大統領が声明を発表する事態にまで至ったのも頷ける
かなり衝撃の強い内容でしたが、バレエ史や帝政ロシア史を知る上では観ておきたい作品で
鑑賞して良かったと思っております。


※マチルダ役のミハリーナ・オルシャニスカ来日インタビュー。
『千と千尋の神隠し』を観て以来日本への憧れを募らせていたそうです。
https://www.cinematoday.jp/news/N0105411


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書籍には、ニコライ2世は他の女性とのロマンスもあったが結婚相手には
アレクサンドラ皇后に思い定めていたと記述があったり、マチルダのことは書かれてもほんの少しにとどめているが
ソロルですかと尋ねたくなるほど映画では2人の女性の間を右往左往、激しくかなり揺れ動いています。
実際はどうであったかは、謎です。以前バレエ『アナスタシア』鑑賞時に読んだ資料によれば
結婚後は愛妻家且つ家庭にいるときは子煩悩なお父さんぶりで、
趣味が写真であったため家族写真をたくさん収めていたとのこと。

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武蔵野館近くのキリンシティにてウォッカスミノフミュールと
ジャンボなめこマリネ(分厚く酸味も丁度良し!)で乾杯。
ロシアではダーチャでキノコ狩りを行うと斎藤友佳理さんもインタビューで仰っていた。
民話にもしばしば出てくる食べ物です。



映画といえば、『ボヘミアン・ラプソディー』が大ヒットしあちこちの映画館で上映されているようですが
母と叔母が大のクイーン好きで妹はフレディ・マーキュリーを崇拝しているほどな親族身内でして
当然ながら映画も観たそうです。元旦の朝、日本のお正月らしく
宮城道雄さんの『春の海』が聴きたい私の要望など恐らくは通るはずもなく
朝も早よから我が家はクイーンの曲が鳴り響いておりました。
クイーンの人気は日本が先であったそうで、映画のヒットに便乗してか
報道番組でも初期の頃の映像を流し初来日の羽田空港における熱狂的な歓迎の様子も紹介していましたが
その映像に叔母が映っているはずです。以前から祖母や母から耳にはしていたのですが
どうやらドラムの人のおっかけだったそうで空港まで出迎えに行ったらしい。
時代も人も異なり黄色い歓声を上げることはないのだがその気持ちはよく分かると
情熱なる精神を受け継いでいる姪っ子は黙って秘めやかに再度頷いたのでした。




<事務連絡のようで恐縮2019>プロフィール更新/カレンダー騒動2018〜2019

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以下、鑑賞記はない呟きや身内話が続きます。
年始早々の多忙な最中そんなもの読んでいられぬとお思いの方は恐れ入ります、
次回更新予定の新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』まで暫くお待ちください。

※ニューイヤーの初日、残念ながら行けなくなってしまいました。初日速報は皆様の情報で楽しませていただきます。

年が明けましたので、例年通りプロフィールを更新いたしました。こちらです。(非常に長い紹介です)
今回の変更点は数字ぐらいで加筆も少なく、昨年の更新時とほぼ変わりありませんが宜しければご覧ください。
バレエ関連においては、好きな女性ダンサー欄に東京バレエ団の川島麻実子さんが加わりました。
以前から注目しておりましたが艶っぽさや優雅な美しさを備え
昨年11月に上演された20世紀の傑作バレエⅡノイマイヤー振付『スプリングアンドフォール』が決定打となりました。
2006年にコール・ド・バレエとして入団し着実に昇進を続けて今やプリンシパル。
いつまでも観ていたくなるダンサーです。

昨年はプロフィール更新と同時に1年の目標を2つ立てましたが

・長文になり過ぎないよう気をつけること
・少女漫画から飛び出したかのようなきらきら系男性ダンサーの魅力を理解する

どちらも達成できず、今回も同じ内容を掲げてはいるものの到達できそうにないため記すのは控えます。
長文については、新国立劇場バレエ団『不思議の国のアリス』総括で
キャストや写真の説明を除いて約8300文字に及んでしまい、まるで反省の色なし。
イモ虫の感想までなかなか辿り着きませんとのお声もいただき、最後までお読みくださった方は
大変気力を要する作業であったかと存じます。申し訳ございません、そして本当にありがとうございました。

きらきら系男性ダンサーについては、昨年世界バレエフェスティバルやマリインスキー公演にも足を運んだものの
やはりときめかず笑。関心を抱き始めるのは20年後ぐらいでないか、とムンタ先輩
(ワディム・ムンタギロフさんがお好きな当ブログレギュラー!?な人生の素敵な先輩、略してムンタ先輩)
からもしばしば言われます。同時に20年後ぐらいには、もし継続していれば
当ブログの文体も桃色心臓印や天体柄が彩り、いよいよ花園状態になるかもしれません。(ならないか)

さて、年が明け皆様のお家のカレンダーも2019年版が掲げられたり卓上に置かれているかと思います。
我が家は昨年に引き続き新国立劇場のカレンダーですが、今年分は購入を見合わせる予定でおりました。
理由は簡単で某2名のダンサーお2方とも載っていないため。
ですから母が昨年上野で見てきたパンダのシャンシャンか、或いは海の動物写真や世界遺産あたりにしようと
書店に立ち寄った際には眺めていたわけです。

ところが、どうやら母は新国立カレンダーの大きさ、文字のフォントなどいたく気に入っているらしく
(ご参考までにこちらです)新国立バレエの写真もあるのになぜ2019年版は買わないのかと不思議な様子。
2018年ほど良い写真が揃っていないからと話すと自らインターネットで調べ始め、
2019年のバレエ写真の演目を確認していたほどでした。そしてバヤデールや、眠り、シンデレラもあるのだから
加えてカレンダーで悩むのは面倒だから買ってきてと言われて管理人も折れ、購入に至ったのです。

大晦日に近づくとカレンダーを来年のものにしておくよう頼まれたのものの上の空、
2018年12月は2016年12月24日公演のシンデレラにおける
2幕でのパ・ド・ドゥ前の星の精やマズルカの左右対称な並びも美しい全員集合写真。
当時の髪型に申したいことはあれど、大河ドラマ『いだてん』ではないが
オリンピックと同様写っていることに意義があるのであって
何としても掲げたままにしておこうと粘りに粘るがさすがに年も明ければ私も断念。
新年のカレンダーを掲げた次第です。

掲げる前に、1枚1枚捲りながら母は写真確認に余念がなくオペラや演劇はチラッと見る程度でバレエはじっくり。
主として写っているダンサーの名前は下部に記されているものの目立たないため私が解説していきました。
小野さん、米沢さん、福岡さんはすぐ分かるようで、奥村さんはチュウチュウの人と言えばすぐ伝わり
(NHKバレエの饗宴テレビ放送で観たネズミの王様の印象が強いらしい。主役も踊る方なのだが)
柴山紗帆さんのシンデレラもあり。馬車も豪華だなど感心している様子でしたが
もし2幕か3幕の写真ならば写っていらしただろうにと想像止まらず。まあ昨年は2箇所に載っていらしたから良いか。

無事に2019年新国立劇場カレンダー長女の拙い解説が終わり掲げると、
取り外した、私が今年の写真に比べ頗る好んでいると思っているらしい2018年版も気になったようで
同様に解説する流れに。1枚1枚捲りつつ、眠り終幕の写真にはDVD鑑賞時と同じく
装置と衣装のバランスがおかしいと批評。デジレ王子役で写っている井澤さんは
NHKバレエの饗宴でのくるみ割り人形王子でよく覚えていたらしく、すぐさま分かったようであります。
そして12月。翌年のシンデレラにも写っている柴山さんには見覚えがあると気づき、いよいよお相手役。
上演期間中に『不思議の国のアリス』チラシを見せた際
福岡さんよりも先に名前と写真が載っているのは只者ではないとは思ったようで
何者かとは聞かれたのだが(異星人ではないのだが…)
2018年版カレンダーを見て、王子も踊る人であると初めて知ったとのこと。
DVD眠りの青い鳥、WOWOWバレエ・プルミエール放送映像や
アリスのチラシに載っているファーストキャストのジャック、
昨年の着物イベント写真に写っているダンサー、母の脳内ではそれぞれ全く繋がっておらず
今話している長女がアトレ再入会及び新国立舞台近くの席復帰のきっかけであり
参加の目当てのダンサーであるとは知る由も無いでしょうが、判明するのは時間の問題かもしれません。

以上、結局長々しい内容となり失礼いたしました。身内話、年内もあと数回はあるかもしれません。

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チラシの整理をしていたところ、演目場面縮小サイズが同じ写真を発見。
右側が2005年『ジゼル』能とバレエによる上演、左側が2017年6月公演『ジゼル』。
並べてみると2幕もジゼル衣装に袖が付き、お墓に葉っぱが絡んでいたのは2005年までだったか、
アルベルトタイツの紫は2006年までだったか、など
時を経て衣装や装置にも変化が生じていると分かりそして考えを巡らし
ワインを飲みながら興味津々に見入っておりました。『ジゼル』といえばバレエを観始めてから15年ぐらいは
作品の魅力を理解できずただ陰鬱な筋運びで可哀想な少女が主人公といった印象しか持っておりませんでしたが
年間鑑賞を振り返るとこの直近は3年連続で上位に入っている作品です。

2016年:鹿児島の白鳥バレエ
2017年:新国立劇場バレエ団6/25・26
2018年:愛媛の板東ゆう子ジュニアバレエ

同じダンサーであっても毎回新鮮な発見があり他作品以上に演者の表現力や解釈の幅、深さを問われる
面白い作品であると観れば観るほど感じております。

今年も様々なバレエを鑑賞しつつ、写真に写っていらっしゃるアルベルト役に限らず
我が心を鷲掴みにし続けて止まないお2方のダンサーの話題及びお酒の画像も恐らくは多めになるかと思いますが
はしゃぎ過ぎぬよう気をつけて参ります。改めまして、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。




めでたさは抑え目でも琴線に触れる3本立て 新国立劇場バレエ団 ニューイヤー・バレエ 1月13日(日)14日(月)

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大分更新が遅れて申し訳ございません。本日新国立2019/2020シーズン演目が発表されましたが
当ブログでは日曜日あたりに取り上げますのでまずはこちらから。
2019年の鑑賞1発目、新国立劇場バレエ団『ニューイヤー・バレエ』を2日間観て参りました。


『レ・シルフィード』

ノクターン:
小野絢子  寺田亜沙子  細田千晶  井澤駿(14日)
木村優里  寺田亜沙子  細田千晶  渡邊峻郁(13日)
益田裕子 廣田奈々
飯野萌子  川口藍  玉井るい  中田実里  広瀬碧  若生愛
朝枝尚子  今村美由起  加藤朋子  北村香菜恵  木村優子  小村美沙
関晶帆  原田舞子  土方萌花  廣川みくり  山田歌子  横山柊子

ワルツ:寺田亜沙子
マズルカ:細田千晶
マズルカ:井澤駿(14日)  渡邊峻郁(13日)
プレリュード:小野絢子(14日)  木村優里(13日)
パ・ド・ドゥ:小野絢子  井澤駿(14日)  木村優里  渡邊峻郁(13日)
華麗なる大円舞曲:全員


近年は発表会以外で目にする機会がなかなかない作品で、オーケストラ付きでの鑑賞は
昨年のマリインスキーバレエが初で今回が2度目。新国立では約20年ぶりの上演で
コール・ドに定評があるバレエ団だけに再演を待ち望んでおりました。
体重を感じさせずすっと駆け抜けていく軽やかさと楚々とした透明感のある細田さん、
抑制された中から優美さが香り手脚の先からふわっとした余韻を残していく寺田さんのお2人は
昨年のパ・ド・カトルでも感じましたがロマンチック・バレエの世界の体現が抜群に上手い。

小野さんは近寄り難い凛とした妖精で床に脚が付いていないと錯覚させる浮遊感に惚れ惚れとし
聞いた話では初日大緊張なさっていたらしい井澤さんは、孤高な妖精を目にして近づきたいが
衝撃のあまり戸惑いを隠せない詩人と見受け、これはこれで面白いと捉えた次第。

木村さんは笑みを浮かべる朗らかさのある妖精で、詩人さんに興味津々といったところ。
華奢で長い手脚のシルエットが美しく、お若いながら
ゆったりとした調べをいたく優雅に踊ることができる貴重なダンサーかもしれません。
渡邊さんは派手な技巧も含まれない非常にシンプルな振付であっても
感情の込めながら品位ある美しさで魅せ、観れば観るほど吸い寄せられこの度も驚愕。
何しろこの役といえば私の中では2016年に高知で拝見した山本隆之さんと映像のバリシニコフの印象が強く壁高し。
木村さん渡邊さんは白いバレエの中でも濃密な世界を描き上げ、
夜な夜な森へやってきた詩人が妖精に導かれて惹かれ合い禁断の恋へと突っ走っていると想像させ
『ラ・シルフィード』全幕も観たくなりました。(勿論ジゼル再共演も)

そして2019年もやります、渡邊さんの髪型考察。新年で気合が入ったのか
分け目明確なスタイルではありましたが照明の暗さや幻想的な舞台のせいか、さほど気にならず。
ソロルは頭飾りがあるため休止にいたしますので次回の新国立公演ではDance to the Futureにて行います。

コール・ドの統制美が作り出す澄み切った空気感も見事なもので
『ジゼル』や『ラ・シルフィード』と異なりはっきりとしたあらすじは無いながら
1人1人からしっとり柔らかな情緒が醸され、静謐な作品であっても
呼吸の合った優雅な踊りの連鎖、時折ふんわりと変えて行くポーズの数々に溜息が零れました。

最も気にかかったのは音楽の組み合わせ方で、幕開け前にイ長調の前奏曲が流れると
夢うつつになってしまう客が多かったようでした。
かなり静かな繊細な演奏で子守唄にも聞こえ、(それだけ丹念丁寧な演奏だったわけだが)
考えてみれば、発表会ではいきなりノクターンから始まる或いは
前奏曲が流れている間は大概出演者の読み上げが行われているため、
真っ暗な中で曲だけを聴く体験はかなり珍しい機会であると思われます。
マリインスキーの来日公演で上演された原典版は冒頭で軍隊ポロネーズが演奏され
作品の雰囲気には合わず近年は演奏されない場合が多いと知りましたが
目覚ましの促進及び眠気防止のためにもポロネーズを勇壮に演奏した方が良かったのではと思ったほど。
時節柄ニューイヤー公演ですし景気付けにも効果大であったでしょう。



『火の鳥』

火の鳥:木下嘉人
娘:米沢唯(14日)  五月女遥(13日)
リーダー(指導者):福岡雄大
王子:井澤駿
黒子:渡邊峻郁  趙載範  福田紘也
反乱軍:福田圭吾  宇賀大将  小野寺雄  髙橋一輝  佐野和輝  中島瑞生  渡邊拓朗


音楽はそのままに中村恩恵さん独自の解釈で描かれ振り付けられた新作。
火の鳥の木下さんはレディ・ガガも仰け反るであろう高い真っ赤なハイヒールで登場し
ずっと履きっぱなしのためバレエらしく踊る場面は無いに等しい難しい役どころながら
鳥であっても生き物の差異を超越した不思議な存在感を示し、肩回りを目一杯使っての羽ばたきも滑らか。

米沢さんは感情を前面に出すタイプの娘でチャーミング且つ観る者を惑わす何処か危なっかしい魅力もあり。
五月女さんは熱いものを内に秘める娘で冒頭でうずくまっている姿からゾクゾクと鳥肌が立つ緊迫感が伝わる力演。
みるみると惹かれてしまう吸引力のある踊りと細やかな表現にも目を見張り
敵であるはずの王子に恋心を抱きかけたり、女であるとばれてしまったときの絶望感には
胸が突き刺される思いがいたしました。米沢さん五月女さんともショートカットがとてもお似合いで
男性に扮していても時折女性らしさを覗かせる視線や仕草に同性でもドキドキと心臓の鼓動が止まらず。

雄々しいリーダーには福岡さん。衣装が白系のスーツで軍の兵士には違和感を覚えるデザインながら
持ち前の力強さや統率力で見るからに反乱軍の指導者に見えたのは福岡さんだからこそでしょう。
運命に翻弄され混乱に巻き込まれて行く王子を井澤さんが熱を迸らせながら生き生きと踊られ
反乱軍との対決もパワー漲る展開でした。

そして縦横無尽に跳び回り活躍していたのは黒子たち。
火の鳥を支えつつ謎めいた怪しさで場を覆い、素早い身のこなしで見せ場も多く
役名の通り黒い布で身を纏っていて目元しか見えない装いですがデザインが少しずつ異なり
更には各々のダンサーによく合っていて観察が楽しくもありました。
渡邊さんは着物のような重ね方で腰に帯を巻いていて例えるならば江戸時代のスパイ。
屋敷或いは城に忍び込んで悪党を退治している姿が目に浮かび(日本刀や手裏剣を所持していそうだ)
司馬遼太郎の小説に登場しそうなお姿です。筋骨隆々な腕が剥き出しになっている
1人ノースリーブの趙さんはハリウッド映画の大作物でビルを登っていそうなヒーロー、
詰襟でゆったりとした上着の福田さんは香港映画のアクションスターといったところか。
まあバレエとは全く関連のない妄想が尽きぬ役柄でございました。(お三方に対しては褒め言葉です。念のため)

賛否両論であったのは設定や演出。男装した娘の正体がばれて集団暴行を受けたりとかなり残虐性を含んだ展開で
時代に合わぬなど様々な意見が飛び交っていました。
また木下さんが終始ハイヒール姿のため踊る場面がないに等しい点も意見は分かれていたようです。
設定はやや分かりづらく凄惨な場面も確かに取り入れてはいたものの
バレエとしては緩急の効いたダレない振付で反乱軍たちの踊りも目を冴え渡らせる迫力を備え
中村さんの作品にしては背景は黒地ではあったものの珍しく暗闇系ではなく(失礼)、
胸を高鳴らせ魂を揺さぶるストラヴィンスキーの音楽を崩さぬ忠実な筋運び。
そのためか設定が分かりづらい理解に苦しむとは感じず存分に堪能できました。
士気を鼓舞する曲調から、反乱軍の男性が大勢登場する演出はぴたりと嵌りますし
思えばベジャール版では革命軍の青年が火の鳥に変身して仲間を率いる演出です。
(新国立移籍直前のトゥールーズ時代に渡邊さんがベジャール版火の鳥に主演された際の
リハーサル映像は何度観たことか。いつか劇場で鑑賞したいものです)

ただ、理解云々以前に布と布と間から射るような鋭い眼光を放つ
渋い魅力倍増な特定の黒子ばかりを目で追い虜になっていたが故
設定を気にする間もないまま何時の間にか終演となってしまったとも言えるのでしょうが(結局そこかい)
再演時にはより全体を見渡せるよう努める所存です。

※新国立劇場バレエ団インスタグラムより。火の鳥は白いガウンに赤い羽つきです。
https://instagram.com/p/Br6vN7yg84h/


『ペトルーシュカ』

ペトルーシュカ:奥村康祐
バレリーナ:池田理沙子
ムーア人:中家正博

見世物小屋の親方:貝川鐵夫
街の踊り子:奥田花純  柴山紗帆
若い商人:小柴富久修
2人のジプシー:渡辺与布  横山柊子
乳母:寺井七海 
赤井綾乃  稲村志穂里  菊地飛和  北村香菜恵  木村優子  清水理邦  関優奈  守屋朋子
皇室の御者:中島駿野  
4人の御者:太田寛仁  小川尚宏  樋口響  渡邊拓朗  
2人の馬丁:井澤諒  渡部義紀  
悪魔の仮装:速水渉悟


『レ・シルフィード』と同様に約20年ぶりの上演で、新国立での鑑賞は初。
前回は小野さんが子役で出演していらしたそうです。
初台お年玉企画として特別に子ども役で出演なさる出血大サービスがあっても良かっただろうにとも思いましたが
プリンシパルですしそんなことは不可能でしょうから本題参ります。

一にも二にも奥村さんが渾身のペトルーシュカを披露され、圧巻。
奥村さんのレパートリーを代表する役柄が生まれたと心底唸らせました。
骨が全部抜かれてしまったかの如くぐにゃぐにゃになり哀しみを湛えながらも心を突き動かす迫真に表現が凄まじく
何かと観るたびに「永遠の少年脱皮しつつある」とばかり綴っていたことを詫びたくなるほど
強烈な印象が刻まれ、胸を打ちました。

池田さんの人形ぶりも見事で、無機質でありつつも可愛らしさを備え
両手を広げながら脚を一切曲げずに前進してくる箇所での細かなステップは
実は強い体幹の持ち主と思わせるぶれない軸と素早さに目を奪われました。

中家さんの豪胆なムーア人は見かけは怖いが踊り出すとお茶目な面を覗かせる憎めない人形。
時に怪しく時に悪戯っぽい表情に様変わりしたりと作品に重厚感を与える暴れっぷりでした。
黒い部分や怪しさを漂わす役を心から楽しんで務めていらっしゃると窺えて
悪役であっても観ていてわくわくとさせられ、願わくは作品の主軸となって変幻自在にホフマンを操っていた
『ホフマン物語』リンドルフ役をもう一度観たいと切望です。

そして忘れてはならないのが作品を彩っていた群衆で
思わず観客も一緒になってお祭り騒ぎをしたくなる胸躍る表現満載でした。
ロシア民話の絵本を捲っているかのような色鮮やかな衣装の数々も目に訴え
役名は無くてもそれぞれ勝手に名前を付けたくなってしまうほど1人1人が役を生きていると思わせる広場に
目がもう2つは欲しいと感じたのは1度や2度ではありません。

まず、寺井さんの黄色い煌びやかな衣装を纏った嫋やか且つゴージャスな乳母が絶品。
寺井さんを筆頭にいかにもロシアらしい巨大なカチューシャや
色とりどりの民族衣装の女性ダンサーのスタイルも映え、目にも麗しい姿が並び壮観でした。
寺井さん以外はアーティスト階級ながら、お祭り騒ぎな空間の中にいても場の雰囲気に押されず
衣装負けもしない華やぎがあり、バレエ団の層の厚さを再確認です。
4人の御者はコサック上手く、全員若手にも関わらず詰め物して恰幅の良いロシアのおっさん感(褒めています)抜群。

広場の周りではカップを掲げながら弾ける玉井さん、飲食にも夢中で
両手を下で交差させながらペトルーシュカの真似事を行う
マトリョーシカのような特大スカーフを巻いた小村さんが目を惹き
福田(圭)さんによるウォッカであろう酒瓶を手にオロオロする青年、終盤の女装行列も大笑い。
渡邊(峻)さんの白いものが混じった哀愁感ある中年警察官も良い味を出し
槍を片手に威厳を保とうとしていても子供達が駆け寄ってきたりと慕われている優しい男性で
私が10年前モスクワの街々で見かけた強面な警察官達とは大違い。(道尋ねなど到底できず想像するだけでも萎縮)
きっと丁寧に道案内してくださるでしょう。広場の賑わいが極致に達した頃には
気づけば立ったまま居眠りで職務放棄(笑)、馬丁が必死に揺すっても起きる気配はなく観察が楽しい役柄でした。

『火の鳥』と同じく音楽を生で、しかも新国立劇場のバレエ付きで鑑賞できたのもまことに喜ばしいこと。
ロシアの色彩感と郷愁感溢れる一風変わった旋律は病み付きになる魔力が宿っていると痛感、
広場での賑わいと人形たちの悲哀の対比も鮮やかで悲しい物語であっても
バレエを目一杯楽しめた気持ちにさせる力があると感じます。
久々、しかも新年1発目ニューイヤー・バレエでの上演は嬉しい実現で、再演を今から心待ちにしております。

『レ・シルフィード』、『ペトルーシュカ』といった他のバレエ団で何度か鑑賞している作品でも
新国立劇場バレエ団における上演はやはり格別。新制作の中村恩恵さん版『火の鳥』も披露され、
めでたさは抑え目かもしれませんがニューイヤー公演に相応しい構成で存分に堪能できた2019年1発目の公演でした。

最後に広報部御中、アリスのときに比較すると発信頻度もホワイエの内装も寂しさが募りました。
『ラ・バヤデール』では一層たくさんのリハーサル写真など楽しみに待っております。



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鑑賞前に立ち寄ったお店ポエム幡ヶ谷店へ。
2016年高知で『レ・シルフィード』鑑賞時も高知新京橋店にてコーヒーを飲み、同じルートを辿ってみた。

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ホワイエで毎度の儀式。公演限定カクテルは今回は無しのため、スプマンテの白で乾杯。
今年も通います新国立、通い始めてから今年で15年です。

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『レ・シルフィード』鑑賞記念にバー・ノクターンへ。以前通りかかったのを思い出した。

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『ペトルーシュカ』も堪能いたしましたのでウォッカで乾杯。
ウォッカが飲みたい旨を伝えるとマスターがありとあらゆる銘柄を出してくださり
写真も記念にどうぞと言ってくださったため撮影。
いただいたのはいかにもロシアらしいラベルの左から3番目の銘柄で、全てを飲んだわけではありません。

ちなみに、高知にもノクターンというお店ございます。こちらです。隣は龍馬屋。(2016年10月撮影)
2016年高知での『レ・シルフィード』鑑賞の際に興味を持ち、
どんな趣きのお店か未確認であったがどちらにしても夜行バスの時間の都合上断念。
店も目当ての詩人役ダンサーも異なりましたが東京で実現でき嬉しかったのでした。




新国立劇場2019/2020シーズン バレエ&ダンス ラインアップ発表

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当ブログでは出遅れましたが、新国立劇場2019/2020シーズン バレエ&ダンス ラインアップが発表されました。
一部の主役キャストも決定しています。
https://www.nntt.jac.go.jp/release/detail/23_013294.html

2019/2020シーズン バレエ ラインアップ

ロメオとジュリエット

【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【振付】ケネス・マクミラン
【装置・衣裳】ポール・アンドリュース
【照明】沢田祐二
【指揮】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

2019年10月19日(土)14:00 オペラパレス 
2019年10月20日(日)13:00 オペラパレス
2019年10月20日(日)18:30 オペラパレス
2019年10月24日(木)13:00 オペラパレス
2019年10月26日(土)13:00 オペラパレス
2019年10月26日(土)18:30 オペラパレス
2019年10月27日(日)14:00 オペラパレス

2019年10月19日(土) 14:00
ジュリエット:小野絢子 ロメオ:福岡雄大

2019年10月20日(日) 18:30
ジュリエット:木村優里 ロメオ:井澤 駿

2019年10月26日(土) 18:30
ジュリエット:小野絢子 ロメオ:福岡雄大

2019年10月27日(日) 14:00
ジュリエット:米沢 唯 ロメオ:渡邊峻郁

 
くるみ割り人形

【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【振付】ウエイン・イーグリング
【美術】川口直次
【衣裳】前田文子
【照明】沢田祐二
【指揮】アレクセイ・バクラン
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【合唱】東京少年少女合唱隊

2019年12月14日(土)13:00 オペラパレス 
2019年12月14日(土)18:00 オペラパレス
2019年12月15日(日)13:00 オペラパレス
2019年12月15日(日)18:00 オペラパレス
2019年12月17日(火)13:00 オペラパレス
2019年12月21日(土)13:00 オペラパレス
2019年12月21日(土)18:00 オペラパレス
2019年12月22日(日)13:00 オペラパレス ぴあスペシャルデー
2019年12月22日(日)18:00 オペラパレス

2019年12月14日(土) 13:00
クララ:米沢 唯 王子:井澤 駿

2019年12月14日(土) 18:00
クララ:小野絢子 王子:福岡雄大

2019年12月15日(日) 13:00
クララ:池田理沙子 王子:奥村康祐

2019年12月15日(日) 18:00
クララ:米沢 唯 王子:井澤 駿

2019年12月22日(日) 13:00
クララ:小野絢子 王子:福岡雄大

2019年12月22日(日) 18:00
クララ:木村優里 王子:渡邊峻郁


ニューイヤー・バレエ

【指揮】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京交響楽団

セレナーデ
【音楽】ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
【振付】ジョージ・バランシン

『ライモンダ』よりパ・ド・ドゥ
【音楽】アレクサンドル・グラズノフ
【振付】マリウス・プティパ
改訂振付・演出牧阿佐美

『海賊』よりパ・ド・ドゥ
【音楽】リッカルド・ドリーゴ
【振付】マリウス・プティパ

DGV Danse à Grande Vitesse
【音楽】マイケル・ナイマン
【振付】クリストファー・ウィールドン 
【装置・衣裳】ジャン=マルク・ピュイサン
【照明】ジェニファー・ティプトン

2020年1月11日(土)14:00 オペラパレス 
2020年1月12日(日)14:00 オペラパレス
2020年1月13日(月・祝)14:00 オペラパレス


マノン

【音楽】ジュール・マスネ
【編曲】マーティン・イェーツ
【振付】ケネス・マクミラン
【装置・衣裳】ピーター・ファーマー
【照明】沢田祐二
【指揮】マーティン・イェーツ
【管弦楽】東京交響楽団

2020年2月22日(土)14:00 オペラパレス
2020年2月23日(日)14:00 オペラパレス
2020年2月26日(水)19:00 オペラパレス
2020年2月29日(土)14:00 オペラパレス
2020年3月1日(日)14:00 オペラパレス  

2020年2月22日(土) 14:00
マノン:米沢 唯 デ・グリュー未定

2020年3月1日(日) 14:00
マノン:小野絢子 デ・グリュー:福岡雄大


ドン・キホーテ

【音楽】レオン・ミンクス
【振付】マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー
【改訂振付】アレクセイ・ファジェーチェフ
【装置・衣裳】ヴャチェスラフ・オークネフ
【照明】梶 孝三
【指揮】アレクセイ・バクラン
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

2020年5月2日(土)14:00 オペラパレス
2020年5月3日(日・祝)14:00 オペラパレス
2020年5月4日(月・祝)14:00 オペラパレス
2020年5月5日(火・祝)14:00 オペラパレス
2020年5月9日(土)14:00 オペラパレス 
2020年5月10日(日)14:00 オペラパレス 

2020年5月2日(土) 14:00
キトリ:米沢 唯 バジル:井澤 駿

2020年5月3日(日・祝) 14:00
キトリ:木村優里 バジル:渡邊峻郁

2020年5月4日(月・祝) 14:00
キトリ:柴山紗帆 バジル:中家正博

2020年5月5日(火・祝) 14:00
キトリ:池田理沙子 バジル:奥村康祐

2020年5月10日(日) 14:00
キトリ:小野絢子 バジル:福岡雄大


不思議の国のアリス

【音楽】ジョビー・タルボット
【振付】クリストファー・ウィールドン
【美術・衣裳】ボブ・クロウリー
【台本】ニコラス・ライト
【照明】ナターシャ・カッツ
【映像】ジョン・ドリスコル、ジュンマ・キャリントン
【パペット】トビー・オリー
【マジック・コンサルタント】ポール・キエーヴ
【指揮】ネイサン・ブロック/冨田実里(日替り)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団
【共同制作】オーストラリア・バレエ

2020年6月5日(金)19:00 オペラパレス
2020年6月6日(土)13:00 オペラパレス
2020年6月6日(土)18:30 オペラパレス
2020年6月7日(日)14:00(貸切) オペラパレス
2020年6月10日(水)~12日(金)のうち1日程 オペラパレス
2020年6月13日(土)13:00 オペラパレス  ぴあスペシャルデー
2020年6月13日(土)18:30 オペラパレス
2020年6月14日(日)14:00 オペラパレス

 
2019/2020シーズン ダンス ラインアップ

中村恩恵 × 新国立劇場バレエ団
「ベートーヴェン・ソナタ」

2019年11月30日(土)14:00 中劇場
2019年12月1日(日)14:00 中劇場


新国立劇場バレエ団
DANCE to the Future 2020

2020年3月27日(金)19:00 小劇場 
2020年3月28日(土)13:00 小劇場
2020年3月28日(土)18:00 小劇場
2020年3月29日(日)14:00 小劇場

 
小野寺修二 カンパニーデラシネラ
「ふしぎの国のアリス」

2020年6月20日(土)14:00 小劇場
2020年6月21日(日)14:00 小劇場
2020年6月26日(金)19:00 小劇場
2020年6月27日(土)14:00 小劇場
2020年6月28日(日)14:00 小劇場

キャストは未定ですが、今年のこどもバレエの日程も発表されています。順序通り、今年は『白鳥の湖』です。
新国立劇場 こどものためのバレエ劇場『白鳥の湖』2019

2019年7月27日(土)11:30 オペラパレス
2019年7月27日(土)15:00 オペラパレス
2019年7月28日(日)11:30 オペラパレス
2019年7月28日(日)15:00 オペラパレス
2019年7月29日(月)11:30 オペラパレス
2019年7月29日(月)15:00 オペラパレス
2019年7月30日(火)11:30 オペラパレス
2019年7月30日(火)15:00 オペラパレス


1作品毎に長々と語り続け、さだまさしさんの番組『今夜も生でさだまさし』状態にならぬよう簡潔に参ります。
同シーズンにマクミラン作品の2本上演に踏み切り、アリスに続いて
ウィールドン作品も新たにレパートリー入りさせるなど
大原監督が心からやりたいと願ってきたであろう作品が揃いました。

まず改元後初のシーズンオープニングはマクミラン版『ロメオとジュリエット』、2016年以来3年ぶりの上演です。
三大バレエや華やかな古典ではない作品ですが前回は売れ行きが頗る良く、
今更ながら人気を誇る作品であると感じると同時にチケット入手に苦労された方もいらっしゃることと存じます。
敵同士の家に生まれながら惹かれ合い、危険と隣り合わせな状況にも負けずに愛を貫き
駆け抜けるようにして生きていった若い恋人たちの物語をどう紡いでいくか、
今から楽しみでございます。ティボルトやマキューシオの発表も待たれます。

12月は3年連続となるイーグリング版『くるみ割り人形』。
繰り返しで恐縮ですが1幕パーティー場面の紗幕は廃止を切望です。
クララに出会い王子に変身して以降の、王子のお面装着は取り止めにしてください。
取ったり付けたりの行為には意図があるのでしょうが伝わってきませんし
通気性が良いとは言い難い物を装着したまま汗だくで踊るダンサーの身にもなっていただきたい。
そしてエピローグで外に出るクララとフリッツには長袖のお洋服を着せてあげてください。
とても上流階級の子女には見えず笑、手すりをべたっと握る行為にも疑問が。(凍傷になりそうだ)
クララたちと接点がないまま開始してしまう各国の踊りや
だいぶ目は慣れてはきたものの蝶々の設定やオレンジ衣装及び
モデルルームの如くスカスカな魔法の国にはやはり首を傾げてしまうが
ダンサーはかなり踊り込んできたはずで、公演回数は今年も多いようですから次こそは新鮮な主役抜擢を望みます。
11月には札幌公演も決まっています。

来年も新年1月の3連休はニューイヤー・バレエ。今年に比較すると、お馴染みのクラシック作品も含まれた構成です。
『セレナーデ』は4年ぶり。今シーズンはお休みのバランシン作品上演は喜ばしく
新国立お得意の繊細で爽やかなコール・ドを堪能できるでしょう。
2017年のNHKバレエの饗宴で会場を轟かせ、鳴り止まぬ拍手を半ば強引に終わらせて
休憩に移らざるを得ない状況にまで至った『テーマとヴァリエーション』も早い再演を期待したいところです。
『ライモンダ』、『海賊』よりパ・ド・ドゥも古典バレエの醍醐味があり嬉しいのですが
『ライモンダ』こそ全幕再演の実現を切に願います。牧阿佐美さんの配慮でアブさんも極悪人には描いておらず
緻密な衣装や装置も美しく(お饅頭の騎士と名付けたくなるジャンのふくよかな肖像画は除外)
11年前の米国公演でも大好評を博した作品です。タイトルロールの経験がおありの吉田都さん就任後にはあり得るか⁉
旅をテーマとした、スピード感がありそうなウィールドン振付DGV Danse à Grande Vitesseにも
期待が高まります。男性主体の演目が少ない点だけ引っ掛かり、追加演目があっても良さそうな気もいたします。

2月下旬から3月は首を長くして待っておりました8年ぶりの再演、マクミラン振付『マノン』。
情欲金銭欲が渦巻く退廃したパリを舞台に蠱惑的な魅力で人々を惹きつけたのち壮絶な生涯を終える少女マノンと
マノンとの出会いにより恋に溺れ道を踏み外していく生真面目な神学生デ・グリューを巡る濃密重厚な作品、
早く初台でお目にかかりたいものです。今回特定の配役については触れない方向でおりましたがここだけはお許しを。

未定欄のデ・グリューに入ってくれーーー!!!徹底して冷酷非情になりそうなレスコーも観たいがな。

数ある作品の中でも極めて厚みが必要な物語ですから、ベテランも投入していただきたい。
楠元さんや山本さんが出演され、舞台を引き締めてしてくださると嬉しく
蕩けそうに甘美なマスネの音楽も聴き惚れること間違いなしですが
この作品の2012年公演回顧と2020年妄想においては興奮の余り年末の総括状態になりかねないため、次行きます。

ゴールデンウィークは『ドン・キホーテ』。やや古色蒼然とした演出ですが(失礼)
抜けるような青空が映える港町での楽しい大騒動に明快な音楽でいつ観ても心躍る気持ちにさせてくれる作品です。
このままいくとキャストが多数組まれそうな勢いで、再演を重ねていますからこちらも思い切った抜擢があると期待。
ただやはり、結婚式にはキトリのお父さんにも臨席して欲しいと願います。

締め括りは今シーズンの開幕作品で劇場側もびっくり、8公演全日程完売した『不思議の国のアリス』。
アリスと愉快な仲間たちが早くも初台に帰ってきます。
前回は手堅く2キャストでしたが再演時はもう1キャスト組まれるかもしれません。
舞台は勿論ですが、ジョビー・タルボットの摩訶不思議な音楽をまた目一杯聴けるのも大きな喜びでございます。

ダンス公演では中村恩恵さん振付『ベートーヴェン・ソナタ』再演もあり
その名の通りベートーヴェンの数々の曲を使用した、ベートーヴェンと取り巻く人々の
苦悩や葛藤を時に重々しく、時に軽やかに細やかに描いた作品で初演時は完売。
シック且つ凝った衣装や演者を暗闇からぽっかりと浮かび上がらせる照明も見どころです。

DTFも今シーズンと同様4回公演。ダンサーが手がける
新たな作品初演の場に居合わせる幸運に浸れることが楽しみな公演です。

今年のこどもバレエの演目と日程も発表され、順序通り『白鳥の湖』。
9月(確か)には大阪フェスティバルホールでの開催が決まっています。
2016年の初演時は見逃しておりますため今年は行く気満々です、
バレエ鑑賞人生最初の転換期であった2005年当時のセルゲイエフ版『白鳥の湖』プロダクションを踏襲した
ビジュアル系ロックバンドなロットバルトや花嫁候補たちのお揃いソフトクリーム風頭飾りといった
懐かしい衣装や装置にも注目し、2019年夏はちょうどバレエ鑑賞歴30年の節目にあたるため
若かりし頃の我が身を振り返る鑑賞にもなるかもしれません。

結局長く書き連ねてしまい申し訳ございません。東京五輪が開催される2020年には
ビントレー振付『ファスター』再演も待ち望んでおりましたが難しかったもよう、
しかしいずれにしても楽しみな2019/2020シーズンプログラムです。
大原監督最後の任期のシーズンを見届けていきたいと思っております。



英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19 『ラ・バヤデール』

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シアタス調布にて英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 2018/19 『ラ・バヤデール』を観て参りました。
http://tohotowa.co.jp/roh/movie/?n=la-bayadere



【振付】マリウス・プティパ
【追加振付】ナタリア・マカロワ
【音楽】レオン・ミンクス
【指揮】ボリス・グルージン
【出演】
ニキヤ(神殿の舞姫):マリアネラ・ヌニェス

ソロル(戦士):ワディム・ムンタギロフ

ガムザッティ(ラジャの娘):ナタリア・オシポワ

ハイ・ブラーミン(大僧正):ギャリー・エイヴィス

ラジャ(国王):トーマス・ホワイトヘッド

マグダヴェーヤ(苦行僧の長):アクリ瑠嘉

アヤ(ガムザッティの召使):クリステン・マクナリー

ソロルの友人:ニコル・エドモンズ

【第1幕】
ジャンベの踊り:
マヤラ・マグリ、ベアトリス・スティクス=ブルネル

パ・ダクシオン:
エリザベス・ハロッド、ミーガン・グレース・ヒンキス
アナ・ローズ・オサリヴァン、ロマニー・パジャック
クレア・カルヴァート、金子扶生
マヤラ・マグリ、ベアトリス・スティクス=ブルネル
リース・クラーク、ニコル・エドモンズ

【第2幕】
影の王国(ヴァリエーション1): 崔 由姫
影の王国(ヴァリエーション2): ヤスミン・ナグディ
影の王国(ヴァリエーション3): 高田 茜

【第3幕】
ブロンズ・アイドル:アレクサンダー・キャンベル

ヌニェスのニキヤは強烈なまでに異質なオーラのある舞姫でか弱くはなさそうだが(失礼)
信念の強さが滲む立ち姿や強靭なテクニックの持ち主でありながら誇示せずポーズを繰り出していく安定感もお見事。
常に情熱を溢れさせている点も面白く、ソロルとの抱擁でも大僧正からの求めに対する拒絶でも
品格を保ちつつも炎が上がりそうな熱さが全身から表れていました。

ムンタさんは2015年の新国立劇場バレエ団客演時に比べると戦士らしく見えつつあったが
やはりニキヤのほうが遥かに強そうな(失礼)ソロル。
映画紹介映像で戦士役であると説明する際に力こぶを作っていたのだが妙に微笑ましく(笑)
ヌニェスとオシポワに挟まれたら男性は誰でも弱って見えてしまい
戦士であっても泥や汗塗れになって前線や危険地帯入りした経験がなさそうと
想像してしまうのは致し方ないかとも納得。ニキヤの奉納の舞の場面における困り顔は
デ・グリューに続き可哀想な子犬系の可愛らしさに思えてしまったのだが
テクニックはそれはそれは高く、柔らかくふわりと舞う跳躍には歓声を上げてしまいそうになったほどです。

押しが強い令嬢であったのやオシポワのガムザッティ。ゴージャス美人とはまた違う傾向の美しさで
ニキヤにもソロルにもとことん押し迫り、有無を言わせずああ怖し。
婚約式では驚異的な跳躍力をいとも簡単に繰り出し、単に高いと思わせるだけでなく
全身から勝利の確信が放出されているかの如く自信たっぷりな姿が気持ち良ささえ覚えました。

濃密さを舞台に与えていたのはエイヴィスの大僧正で、熱しかけたフライパンに
バターが1箱投入されたかのようなこってり感。
ギラギラとした目つきからは卑しい光線が放ち、ニキヤでなくても恐れおののくのも無理はありません。

マカロワ版の面白さの1つが影の王国のあとに執り行われる結婚式。ドラマを引き摺るボリュームある演出で
ニキヤの怨念、ガムザッティの執念、追い詰められたソロルの優柔不断さがいよいよ入り乱れて泥沼化は頂点に達し
ニキヤとソロルのみならずガムザッティも最後の最後まで高い演技力を要求されると再確認。
遂には寺院崩壊が起こり、怒涛の流れを経て終幕を迎えます。

インタビュー映像では今も尚スタジオで指導にあたるマカロワ本人も登場。
振付家になろうとしたのではなくプティパ作品を最善の形で見せたいと思っただけ、
といった内容を語り古典バレエへの敬意がひしひしと伝わりました。
数あるバレエの中でも最たる難しさであろう大人数で静かに揃いながら坂下りをする
影のコール・ドリハーサルにも焦点が当てられ、リーダーの考え方やまとめ方、
音楽が救いであるなど興味が尽きぬ話が盛りだくさん。集団でアラベスクしながら坂下りとは
こんなダンサー泣かせな振付をいかにして思い付いたのか恨めしく感じることもあるでしょうに
次々に飛んでくる指摘を受け止めて真摯に取り組むコール・ドのダンサーの姿に益々の拍手を送りたくなりました。

ところで、英国ロイヤル・バレエ団によるマカロワ版『ラ・バヤデール』は1992年の来日公演で鑑賞。
ニキヤがダーシー・バッセル、ソロルがゾルタン・ソリモジ、ガムザッティがフィオナ・チャドウィック、
そしてブロンズアイドルが熊川哲也さんでした。人生二度目の来日公演鑑賞でありバヤデール鑑賞は初。
まことに悔やまれるのは舞台内容はあまり記憶になく、衣装美術がとにかく豪華絢爛であった点と
全身金ピカのブロンズアイドル、作曲者が同じですので当然ではありますが
音楽が『ドン・キホーテ』に似ている点のみ。あとは連なって彩られた真珠が
アクセントになっている影の衣装デザインの記憶が微かにある程度です。
しかし全幕物の迫力やバレエを観る上で美術衣装にもより注目するきっかけになった作品であり
ロイヤルのバヤデールは今回のシネマ公開まで映像では抜粋で1、2回程度しか観たことがないにも関わらず
何度も鑑賞していたような気持ちになったのは、写真に穴が空きそうなほど
来日公演プログラムに繰り返し目を通していたためかもしれません。
更には当時は若手に属しながら既にスターダンサーの地位を確立していたバッセルが司会進行を務め後輩を見守る姿に
バレエを観始めて数年経過し知りたいことが山々であってもインターネットもなく映像資料もまだまだ少なく
書籍や公演プログラム、生の舞台頼みであった頃を思い出したのでした。


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舞台はインドですので、シアタス調布近くのカレー店にてインドビールで乾杯。
店名がラージャでお皿にも片仮名表記されています。地域密着型のお店でのんびり寛げました。

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窓際に置かれていた仏像をまじまじと眺めていると、仏像オタクとお思いになったのか
記念に写真もどうぞと店員さんがテーブルに置いてくださり、撮影。なぜか五円玉の首飾りをかけています。



オペラ入門で闘牛士に乾杯 藤原歌劇団公演『ラ・トラヴィアータ』(椿姫)1月25日(金)26日(土)

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1月25日(金)26日(土)、東京文化会館にて藤原歌劇団『ラ・トラヴィアータ』(椿姫)を観て参りました。

https://www.jof.or.jp/performance/1901_traviata/cast.php


※ご訪問いただきありがとうございます。当ブログ、日頃芸術鑑賞の9割超をバレエに費やしている
管理人が書いております。オペラは昨年11年ぶりに1本『アイーダ』を鑑賞、
『椿姫』においては今回が初鑑賞で乾杯の歌がどの幕で披露されるのかすらも今年に入るまで知らずにいた
入門以前のレベルでございます。オペラ鑑賞の書籍や日本オペラ協会のホームページに目を通して足を運んだものの
歌手の方々の経歴や声質、作品の細かな設定、音楽についてはまだまだ知識理解不足で
オペラ通の方や藤原歌劇団さんのファンの方々からすれば偏り過ぎる鑑賞に
疑問を覚える方も多々いらっしゃることと存じます。どうかお許しください。


ヴィオレッタ:砂川涼子(25日) 伊藤晴(26日)

アルフレード:西村悟(25日) 澤﨑一了(26日)

ジェルモン:牧野正人(25日) 折江忠道(26日)

フローラ:丹呉由利子(25日) 髙橋未来子(26日)

ガストン:松浦健(25日) 真野郁夫(26日)

ドゥフォール:東原貞彦(25日) 泉良平(26日)

ドビニー:田島達也(25日) 上田誠司(26日)

グランヴィル:坂本伸司(25日) 清水良一(26日)

アンニーナ:牧野真由美(25日) 鈴木美也子(26日)

ジョゼッペ:有本康人(25日、26日)

使者:相沢創(25日、26日)

召使:市川宥一郎(25日、26日)

【指揮】佐藤正浩
【演出】粟國淳
【合唱】藤原歌劇団合唱部
【バレエ】竹内菜那子(谷桃子バレエ団) 渡邊峻郁(新国立劇場バレエ団)
【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団


藤原歌劇団のブログに舞台写真や袖での集合写真も掲載されています。
https://www.jof.or.jp/performance/blog/1901_traviata/

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初日25日(金)掲示キャスト

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2日目26日(土)掲示キャスト

砂川さんのヴィオレッタは柔らかで繊細な歌声、伊藤さんは強く張りがあり
全編通してほぼ歌いっぱなし、しかも終盤では寝床でも悲しみを訴えながら歌い上げる声量の維持に
オペラ歌手であれば当然であるのかもしれませんが聴き入ってしまいました。
明快で耳に残りやすいヴェルディの曲調にも助けられ、バレエの場面は無くても
乾杯の歌とヴィオレッタのソロ(軽やかな曲調で小径という歌詞が含まれている)が入った第1幕は
瞬く間に過ぎていった気がいたします。思えば『アイーダ』も
インディージョーンズに通じる旋律と感じさせたプロコフスキー版のバレエ『三銃士』もヴェルディです。

予習とオペラの学習も兼ねて今年のお正月にテレビで視聴した、バレエでいえば『白鳥の湖』や『くるみ割り人形』、
『眠れる森の美女』、『コッペリア』辺りの作品が揃っているであろう
何処かで聴いたクラシックシリーズのような入門者にも嬉しい構成の
NHKニューイヤーオペラコンサートには偶然にもお2方ともご出演。
他の出演者の中では安井陽子さんは新国立劇場バレエ団『カルミナ・ブラーナ』、
森麻季さんはKバレエカンパニー第九がきっかけで存じ上げておりましたが
砂川さん、伊藤さんもオペラ界を代表する歌い手でいらっしゃるとこのとき初めて知り、
本当に知識不足ですみません。初『椿姫』鑑賞でのヴィオレッタが
砂川さん、伊藤さんであったのはひときわ幸運に思えました。
初日のアルフレード西村さんのヴィオレッタに向けた艶っぽい歌声も印象に刻まれております。

2幕は前半後半の間に舞台転換があり(白鳥の湖でのジークフリート王子の成人祝いと湖畔の場の間、
プティ版こうもりでのヨハン自宅とカフェマキシム・ド・パリの間に行われる転換のための小休止といったところか)
前半の聴きどころはジェルモンがアルフレードを説得するプロヴァンスの海と陸。
管理人も高校の音楽の授業で習ったため、また会場でも歓声が沸いていましたから
オペラの中でも傑作の曲なのでしょう。
余談だが、小中高通して音楽の鑑賞授業で習った曲はバレエは『剣の舞』ぐらいで大半がオペラ。
児童生徒ながら不満が募り、小学校の音楽の教科書にはマラーホフも載っていたのだが
全く取り上げてもらえず寂しかったものです。

さて、転換のための小休止に入りいよいよフローラの邸宅。バレエ場面へ突入です。
まず竹内さんが鮮やかなオレンジ色の衣装をまとって登場。
軽快且つダイナミックに場を明るく照らして盛り上げ、たっぷりと魅せていました。

そして竹内さんが下手側に両手を掲げて合図をすると、お待ちかね渡邊さんの登場です。
被っていた闘牛帽を勢い良く袖へと投げ、ピンクのマントを手に
金色に彩られた白地のまさにマタドールな衣装で颯爽と現れてワイルドな色男オーラ大全開。
豪奢な衣装で着飾ったオペラ歌手の方々に囲まれ歌声が響き渡る中においても埋没は一切なく
場を圧倒するオーラで寧ろより舞台に華やぎを加え、バレエ公演と違い踊るスペースが
決して広々とはしていない条件であっても短時間の場面にソロもあれば
リフト付きのパ・ド・ドゥを含む細かく詰め込まれた振付1つ1つの見せ方が上手く、
気持ち良いほどにポーズも映えてマント捌きも鮮やか。絵になる花形闘牛士でございました。
(花形といっても巨人の星ではありません。念のため)
ぎらりとした視線や、4人だったか牛に扮して下手側奥から対角線上に並んだ男性たち
1人1人を手で突き刺すように次々と仕留めて前進していく箇所は
両日R側の席で鑑賞していた者からすると自身に迫ってくるような感覚に襲われ、
椅子からずり落ちそうになるほどの衝撃を受けて完全に心臓を射抜かれたのでした。
振付は伊藤範子さん。短時間の場面に緩急ある流れを作り出し詰め込み過ぎず
且つ見栄えするよう工夫を凝らした振付で、たった5分10分であっても
竹内さん渡邊さんの魅力が炸裂する場面でオペラの中盤を一気に高揚させるバレエシーンでした。

さて、オペラでもやります髪型考察。オールバックにシニヨンのように1つでまとめ、
これまでバレエでのエスパーダでもエスカミーリオでも目にしたことがないスタイル。
恐らくは演出家による時代考証がしっかりとなされ、昔の闘牛士の髪型に整えたのであろうと
バレエとオペラ両方に精通していらっしゃる方は仰っていました。
ペリー提督の兄の肖像画並みであろう太く長いもみあげが気にかかりましたが
闘牛士の伝統スタイルを採用した故と捉えております。

思えば、そもそも渡邊さんに注目した大きなきっかけは爽やかな王子貴公子ではなく
新国立劇場バレエ団移籍前トゥールーズのキャピトル・バレエ時代の映像で観た、一癖も二癖もある3つの役柄で
(ベジャール版火の鳥、ベラルビ版海賊の悪役スルタン、同版美女と野獣の野獣。野性味三部作と勝手に呼んでいる)
勿論クラシックのノーブルな役も素敵ではあるのですがギョッと身震いするような鋭さや濃厚さを備えた
良い意味で男臭い役柄も生の舞台で観たいと願ってきただけに、夢が1つ叶った気持ちでおります。

ところで前言と少々矛盾しますが、竹内さんを抱えた際の渡邊さんの美しい横顔に見惚れていると
まとめ方はシニヨンではないがオールバックで1つに束ねた、
類似した髪型の伊達男なスペインの役柄を何処かで見覚えが。
上演中に脳裏の記憶はまもなく終わりを告げようとしている平成に入って間もない頃へタイムワープ、
先にも少し触れましたが渡邊さんが新国立劇場移籍前に所属していたキャピトル・バレエ団芸術監督で
元パリ・オペラ座エトワールのカデル・ベラルビさん。1989年10月発行のダンスマガジン29号35ページに載っていて
ヌレエフ版『ドン・キホーテ』恐らくエスパーダです。抱えているメルセデス?はマリ=クロード・ピエトラガラ、
約30年前のやや古めの書籍ですが、整った色気あるお顔のベラルビさんを目にできますので
もしお手元にございましたらご覧ください。
裏表紙をアレッサンドラ・フェリとミハイル・バリシニコフが飾っている号です。

オペラといえば新国立でもバレエより料金設定が高く、敷居も非常に高いと思いがちでしたが
粟國さん版『椿姫』はあくまで伝統に即しつつも華美過ぎず上品にまとめた美術衣装にも目を奪われ
(最後の上演から久しく再演がないが牧阿佐美さん版椿姫のサロンとよく似た色調であった印象)
客層や会場も堅苦しい雰囲気はなく、『白鳥の湖』における
有名な情景の曲が流れる場面が分からぬ状態と同等なオペラ入門者でも肩肘張らずに堪能できました。
闘牛士のダンサー目当てでまさかの上野でのオペラ、しかも2日連続での鑑賞とは我が鑑賞史では前代未聞。
1本の舞台の中でオペラとバレエ両方の魅力に触れ、更には渡邊さんで観てみたいと願っていた
趣きの役柄をも鑑賞でき、胸一杯でおります。
新国立劇場御中、来期の『ドン・キホーテ』では渡邊さんのエスパーダ実現を切望いたします。
ヘンテコな振付(失礼)のソロも含め、観客を魅了するに違いありません。髪型は藤原歌劇団椿姫バージョンで。



※公演は来月テレビ放送されます。是非ご覧ください。

2月25日(月)【2月24日(日)深夜】午前0時00分~

◇藤原歌劇団公演「椿姫」
<演 目>
歌劇「椿姫」(全3幕)
ヴェルディ 作曲

<出 演>
ヴィオレッタ・ヴァレリー:砂川涼子
アルフレード・ジェルモン:西村悟
ジョルジョ・ジェルモン:牧野正人   ほか

<合 唱>藤原歌劇団合唱部
<管弦楽>東京フィルハーモニー交響楽団
<指 揮>佐藤正浩
<演 出>粟國淳

収録:2019年1月22・25日 東京文化会館
http://www4.nhk.or.jp/premium/



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ロビーに飾られていたサイン入りポスター。
ト音記号や音符を使うオペラ歌手の方が何人かいらっしゃり、歌い手らしいサインと感じます。
伊藤晴さんはその名の通り、笑顔のお日様が可愛らしい。

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人生初、新国立劇場以外でのオペラ鑑賞に乾杯。
乾杯の歌が出てくる作品ですからグラスを掲げたくなるのは自然かもしれませんが、
1幕後の休憩では砂川さんや西村さんの歌声などオペラの話題も上がりましたが
2幕後の休憩でしたので脳内も会話も黄色い歓声状態、闘牛士一色でございました。
2日目も、同じく2幕後は話題は闘牛士のみ笑。
両休憩に耳を傾けてくださった、当ブログお馴染みで藤原歌劇団にもお詳しい方との語らいに感謝いたします。

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帰りは新国立常連の方とスペイン料理店で乾杯。余韻に浸りつつ、鑑賞の目当ては同じでしたが
オペラ歌手の方々の魅力や音楽についても精通していらっしゃり
語られるのは幅広い視点による感想でいたく細やか。勉強になりました。

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スペインといえば、カバ。きりっと辛口で爽やかです。

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店員さんより写真もどうぞと言ってくださり撮影、お店のあちこちに闘牛士の絵が飾られていました。
中には伝統スタイルと思われるオールバックな闘牛士の絵もあり。

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アンチョビとシェリー。他にもワインを飲んでいたかもしれぬ。
このあと東京駅へ移動して大阪へ。『椿姫』と同じく舞台はパリですが
時代も趣きもだいぶ異なるモダンでお洒落な作品を観て参りました。
現在劇団四季で上演中のウィールドン版が話題になっていますが
大阪でも素敵な出演者、振付によって届けられた舞台にお目にかかれましたので詳細は後日。


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全冊読破はできずまだまだ勉強不足だが、公演情報を知ったときから斜め読みしてきた
図書館で借りたオペラ関連書籍。昨年の『アイーダ』鑑賞前には行っていなかった事前準備、
目的によってはこうも気持ちの入れ方が違ってくる、かくも単純な性格の我が身であるとこの度も痛感です。

30年以上前に亡くなった母方の祖父は独身時代オペラを好んで観ていたそうで
特に『椿姫』がお気に入りだったらしいのだが、今年に入ってから知ったのは
藤原歌劇団のどなたかの追っかけに情熱を注いでいたとの事実。相当好きな歌手がいたらしいが名前までは分からず
今年の正月明けに母方の祖母も亡くなり、親族中に聞き回らない限り真相究明は困難であろうが
オペラ(祖父)、バンド(叔母)、バレエ(私)、3人の共通点は親族の中でも見かけは極めてのほほんとしていながら
一度夢中になると凄まじいエネルギーを放出する追っかけ三世代。遺伝とは恐ろしや。



話題はウィールドン版だけではない Sur La Pointe Ballet第6回発表会『パリのアメリカ人』ほか 1月27日(日)《大阪府伊丹市》

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1月27日(日)、大阪府伊丹市にてSur La Pointe Ballet第6回発表会を観て参りました。
初めて鑑賞するスタジオの舞台です。主宰は丸山祥子さん、
原田高博バレエシアター発表会でも拝見しており、とても綺麗な先生でいらっしゃいます。
https://sur-la-pointe.jimdo.com/

前半は小品や作品の1場面をコール・ド付きで上演するプログラムで
幼児ぐらいの生徒さんも多数出演でしたが、皆順番をしっかり覚えていて立ち位置もバッチリ。
とにかく落ち着いていて、よそ見をしている子も皆無。先生の指導が行き届いていると窺えました。
『海賊』花園は50人超えの大規模版でしたが、コール・ドの息がとても合っていて
膝丈のふわりとした淡いピンクや紫色のチュチュが広がる景色は春爛漫な景色。
モスクの屋根からフラワーシャワーが降り注いでいるような背景も美しく
水色のハーレムパンツ衣装で揃えた小さい生徒さんたちはここでも落ち着きある舞台姿で
上級生たちのコール・ドと調和し、一体感のある花園でした。

丸山先生のブログに、リハーサルや舞台の様子の写真が掲載されています。
http://slpballet2006.blog.fc2.com/

後半は『パリのアメリカ人』。発表会で観るのは初めてです。
この作品といえば、現在劇団四季が上演中のクリストファー・ウィールドン版が話題沸騰で思い浮かびがちですが
山本隆之さんが踊る画家の青年がお洒落で爽やか。白いシャツに茶色いパンツという簡素な衣装でも
様になってしまうのは山本さんだからこそでしょう。
ところで山本さんの画家といえば、2005年11月の小林紀子バレエシアター『二羽の鳩』
ロバート・テューズリーさんの代役で出演された、冒頭ではスケッチブック片手にデッサンに打ち込む少年役。
惜しくも足を運べず、公演直後にカラー写真が多数掲載された雑誌クララは何度も読み返しましたが
当時に重なるお変わりない若さは驚異というほかありません。
加えて衣装も似ていて、作品は異なってもお目にかかりたいと祈ってきた人間味ある画家の役を
14年の歳月を経てようやく拝見できた思いでおります。

丸山さんのエレガントなリズと山本さんの画家のパ・ド・ドゥを軸に
ゲスト恵谷彰さんの花屋さん、末原雅広さんのウェイターに花売りさん、街の人々、
警察官たち(女の子も含まれていましたが男装でも役の入り込みが見事)など
生徒さんたちの個性を生かしてオリジナルの筋立てにしつつ
作品本来の洒落た雰囲気を保ちながら可愛らしく華やかな作品に仕上がっていて
最後は盛大なフィナーレでショーのように締め括り、楽しい気分で会場をあとにいたしました。
丸山さんのセンスにゲストの魅力そして生徒さんの頑張りが噛み合った寒い気候でも心がほっと潤い華やぐ発表会で
2019年遠征及び大阪第一弾、嬉しい鑑賞スタートです。


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大阪でー生まれたー、と歌いたくなる大阪の名所通天閣。早朝ですし音痴ですので歌っておりません。ご安心を。
通天閣すぐ下にある銭湯にて朝風呂。お笑い芸人中川家の中川礼二さんのネタ
通天閣のおっちゃんに登場しそうな男性が靴箱の位置を親切に教えてくださり、朝もはよからディープな大阪を満喫。

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通天閣の通り。

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駅に貼り出していた告知。これは行きたい、神戸でのアリス展。期間中に関西を訪れた際には立ち寄ろうと思います。
右端に書かれた、不思議の国の脱出ゲームにも興味あり。
新国立劇場バレエ団来シーズン最後の演目は今シーズンの開幕を飾った
クリストファー・ウィールドン版『不思議の国のアリス』再演です。

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昼食は梅田のシャンデレールにて。シンデレラ、シャンデリアではない。
この付近に来て思い出すのは2013年の夏、ケイバレエスタジオ公演鑑賞で大阪を訪れた際
関西版にしか載っていないケイスタ公演のリハーサル記事を読みたいがために
早朝に日経新聞の販売所へ出向いて現地にて購入したこと。我ながらオタクだ。
現在は新聞も購読していないため、興味あるバレエ記事が掲載された際には近所の販売所へ行く回数も増えました。

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辛口シードルと一緒にガレット・パリジェンヌをいただきます。
内装がお洒落過ぎて管理人、明らかに1人浮いておりますが
サワークリームを溶かしながらいただき、シードルも進んで2019年初の大阪での昼時に乾杯です。
回りの装飾や写真に添えられたフランス語(読めませんが)を眺めていると
料理が出てくるのもあっという間でございます。

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セットの飲み物、カフェラテ。砂糖を掴む道具は注射器にように下を押すと鋏が可動する仕組み、
分かるまで暫く時間がかかってしまった。

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どんぐり共和国梅田店。この場所は撮影可でございます。店舗によって品揃えも全く異なって限定商品もあり、
バレエを通して全国制覇したいと密かに思っております。梅田行きと書かれたねこバスはこの店舗のみの販売です。

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約4年半ぶりの伊丹ホール。前回訪れたのは2014年10月でした。

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終演後はこの日一緒に鑑賞した、レッスンで親しくなった多趣味な文化人なる先輩が
以前に訪れ美味しかったとお墨付きの会場近くに位置する白雪ブルワリーレストラン長寿蔵(チョウジュクラ)へ。
蔵を改造した木目調の温もりある広々とした空間です。

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伊丹産じゃがいもを使ったほくほくずっしりと甘みのあるアンチョビポテト(かき氷状になっている)といった
地元の料理を始めお酒に合う和洋様々な料理をいただきました。お酒も進みます。

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ビール飲み比べセット。

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松竹所属のマジシャン、ビックリツカサさんがテーブルを回りトランプ手品を披露してくださいました。
客参加型で、巧みな話術に絶妙な突っ込みそしてタネが全然分からぬマジックの連続で楽しいひととき。
写真どうぞ載せてくださいとのことでしたので載せます笑。

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白雪の日本酒もいただきました。高所からポットのような入れ物からついでいく
面白い注ぎ方で、近隣テーブルの方々も注目なさっていたほど。
帰りは夜行バスで帰京。睡眠不足が一気に押し寄せたのか熟睡して東京に到着です。
大阪でバレエを観るようになってから早いもので14年目、
今年も「大阪の東京人」として浪速を巡る旅が1回でも多くありますように。





母なる星の中村祥子さん Kバレエカンパニー『ベートーヴェン 第九』『アルルの女』2月2日(土)夜

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2月2日(土)夜、Kバレエカンパニー『ベートーヴェン 第九』『アルルの女』を観て参りました。
http://www.k-ballet.co.jp/performances/2019no9.html

公開リハーサルの様子。中村さん、宮尾さん、荒井さんの写真が多数掲載されています。
https://natalie.mu/stage/news/317459

アルルの女

振付:ローラン・プティ
音楽:ジョルジュ・ビゼー

フレデリ:宮尾俊太郎
ヴィヴェット:荒井祐子

熊川哲也さん、吉田都さんがパ・ド・ドゥのみ披露された
5年前のオーチャードガラには足を運びましたがKバレエでの鑑賞は初。
作品全編は一昨年東京バレエ団公演で初鑑賞し、本家の映像も観ず日本のカンパニーでしか観ていないのだが
決してプティのダンサーらしい体型ではなくてもポーズや踊りそのもので
ヴィヴェットのしみじみとした悲哀感を出す荒井さんの姿に引き寄せられました。
配役を知ったときから抱いていた期待を裏切らぬ好演であった印象です。
宮尾さんは隣にヴィヴェットがいながらも孤独感を抱えたフレデリで、予想ほどもっさり感もなし。(失礼)
鑑賞眼が乏しいだけではあるが、最後窓からのダイビングジャンプはどなたがやっても
競泳選手に見えてしまい(終盤のソロが半ばに差し掛かると第1コーーーース、フレデリ、と
一昔前の競泳大会のように紹介したくなる)もしまた作品を鑑賞する機会があれば一層注目したいと思う場面です。

コール・ドの女性はどうしても女学生に見えてしまうのは致し方ないが
(パリ・オペラ座あたりはどんな絵になるのか調べてみようと思う)
これはこれで日本らしくて良いかもしれぬと考えを改めた次第。
鎖のように連なりながら小刻みに移動していく流れも揃っている且つ可愛らしさと何処か寂しさを帯びた表情も良く
男性はここ数年で平均身長が高くなったのか私が学生時代土日祝日に勤務していた
某家電量販店の黒ベスト黒ズボンな制服を着崩してしまいました状態にならず。
皆なかなかサマになってしたのは意外な驚きでした。

ところで宮尾さんについて、私はファンではないのだが(失礼)
Kバレエに長らく在籍している稀有な男性ダンサーであるのは貴重な存在で評価に値するのではと近年感じます。
2年前、国内外の男性ダンサー数名が紹介されたあるファッション雑誌に『海賊』舞台写真とともに掲載された際には
不可解な例えで紹介され、(一緒に取り上げられていた昨今過激な発言表現で話題になっている方や
最近怪我から復帰した方、新国立のダンサー、ちょうど5年前のローザンヌで1位受賞のダンサー含めて
松田優作もびっくり何じゃこりゃな例えや内容の羅列であった…)
熊川さん版の数々のレパートリー出演経験があり、経験を生かして
若手への指導でも活躍されている点なども紹介いただきたいと思えてならなかったと記憶しております。

ベートーヴェン 第九

演出・振付:熊川哲也
音楽:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「交響曲 第9番 ニ短調 作品125」

第一楽章 大地の叫び
山本雅也
酒匂麗 益子倭 佐野朋太郎 本田祥平

第二楽章 海からの創世
井上とも美 毛利実沙子 佐伯美帆
河合有里子 萱野望美 吉田このみ 高橋怜衣

第三楽章 生命の誕生
成田紗弥 堀内將平
新居田ゆり 盧文伊 栗山廉 田中大智

第四楽章 母なる星
中村祥子
矢内千夏 石橋奨也 小林美奈 堀内將平 栗山廉 西口直弥

合唱:藤原歌劇団合唱部


6年ぶり2度目の鑑賞。前回より全体がすっきりとまとまった印象で一段と楽しく、
65分が瞬く間に経過した印象でした。

まず第一楽章の山本雅也さんの跳躍力に驚嘆。煮え滾っていたマグマが遂に噴火したような爆発力で
力みなく余裕もあり、抜擢に納得です。
ダンサー、照明、音楽の調和において特に魅せられたのは第三楽章。
個性が全く異なる井上さん、毛利さん、佐伯さんの深海を泳ぐような滑らかさが気持ち良く
舞台上に映し出された揺らめき輝く水面の如き照明の万華鏡を思わせる広がりも
視界に優しく入り、癒しのひとときでした。

そして第四楽章で中村さんが登場。熊川さんがシングルキャストで務め続けてきた(恐らく)役を
女性が踊ったときの様子に興味津々でしたが、黒と白を合わせたワンピースのような衣装を纏い
長い手脚が映える、迷いのない潔さを備えた神々しさが圧巻。
爪先立ちのまま長めのバランスを取る場面もあり、ガラを除いてクラシック作品ではあまり好まぬ振付ですが
今回のような男女の性差を超えたような頂点に君臨する星といった役柄を考えると
微動だにしないポーズの持続はまさに天から糸で繋がっている凄みが出ているかのようで好印象でした。
通常は男性が駆使するテクニックである片脚を前方へ90度に伸ばしたままの回転技だけは
(名称分からず申し訳ございません)苦戦を強いられていましたが最後手を掲げてのポーズは堂々たるもの。
シンプルな線ながらも天体図を想起させる大掛かりな装置を背景に
大勢のダンサーが一斉に登場し、統制が取れつつ1人1人が躍動する流れも爽快で
今年に入ってから2週連続3度目の鑑賞、何かとご縁を感じる藤原歌劇団の大迫力な合唱と溶け合うクライマックスは
感情の昂りが最高潮に達する中でも「母なる星」に相応しい
中村さんの突き抜けた存在感が放つオーラに圧倒されながら幕が下りました。

楽章ごとにがらりと色調が変わり、前回も十分に楽しめましたが
だいぶ改訂が加えられたそうでよりすっきりと見栄えする舞台で
ベートーヴェンの大曲をバレエと共にじっくり味わえた気分。
次回のKバレエ鑑賞は少し先ですが『マダム・バタフライ』を予定しており、楽しみにしております。


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帰りは渋谷にてドイツビールで乾杯。ベートーヴェンの壮大な曲を聴くと、豪快に飲み干したくなるものです。



鍵を握るのは悪魔に乞い愛娘を蘇らせたロットバルト 日本バレエ協会『白鳥の湖』2月9日(土)

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雪が舞う2月9日(土)、日本バレエ協会『白鳥の湖』を観て参りました。
昨年の英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団来日公演で急遽東京でも『眠れる森の美女』主演を務めた
佐久間奈緒さん、厚地康雄さんの共演をまた観たいと思い足を運んだ次第です。


オデット/オディール:佐久間奈緒
ジークフリート王子:厚地康雄
ロットバルト:ソン・イ
道化:高橋真之
パ・ド・トロワ:寺田亜沙子 平尾麻実 江本拓

※キャストは後日追記いたします。


佐久間さんはバーミンガムでトップを務めてきた経歴を思わせる貫禄のオデット/オディール。
決して大柄ではなく手脚が恐ろしく長い体型ではないにも関わらず
誇示せず余裕あるテクニックで魅せ、表現の豊かさ細やかさにも吸い寄せられました。
英国で経験を積まれてきただけあってマイムも雄弁で見せ方を心得ているのでしょう。
過剰な印象を与えず、オデットの哀しみと大勢の白鳥たちを率いる長らしい強さがひしひしと伝わり
派手に勢い良く見せようとせず、丹念に紡ぎ上げて行く過程にいつの間にか目を奪われていきました。
オディールでの成熟した色気を醸し二ヒッと笑みを浮かべる悪女も気持ち良し。
(そういえば佐久間さん、カラボスも大好評であった)

厚地さんは徹頭徹尾エレガントで、登場の瞬間から空気がガラリと変わり、
村に突如お城が聳え立ったような良い意味で異質感たっぷり。
好みは別としても、誰がどう見ても優雅この上ない王子様な容姿です。
1幕2幕での紺色に立て襟の上着がまたよく似合い、サポートする姿も
佐久間さんとの練り上げられたパートナーシップも見事で
ほんの僅かな視線の交わしや手の取る際のタイミング、優しさ、
そしてオディールとのパ・ド・ドゥで床に座った状態のオディールを爪先立ちさせてから
大胆に飛び込ませるリフトも隙がなく全幕共演の舞台を再び鑑賞できた喜びに浸り続けました。
新国立きらきら系王子の先駆けとして活躍し、バーミンガム復帰後も
益々レパートリーを広げているそうで一新国立常連としては喜ばしい限りです。

衣装はバーミンガムからの持ち込みのようで、(1幕2幕は自信がない)
3幕4幕の上下黒で金色の縦線模様は記憶が正しければサドラーズ・ウェルズ時代と変わっておらず
吉田都さんやシンシア・ハーヴェイも出演していた80年代後半の来日公演においても
使用されていたデザインと思われます。ライト版にしても昨年新制作のスカーレット版でも
英国の演出では王子の陰鬱な心情を示したいのかスカーレット版では軍人である設定の事情か
暗めの色で整えたいようですが舞踏会では下は白の方が華やいで、
城で花嫁候補を選ぶ盛大な宴に臨む王子らしいと勝手な理想を抱いてしまいます。

盤石の技術で晴れやかに盛り上げていた道化の高橋さん、伸びやかで華のあるトロワの寺田さんも印象深く
群舞は身長はバラバラであっても相当な訓練を積んだのか1幕は闊達、湖畔では整然とした揃いよう。
2幕4幕での全員で描く円は円周率3.14、コンパスを用いたかの如く正確で
4幕では円のまま左右対称の状態で順々に上体を起こしていき、途中からは中央前方に移動し
三角形の構図が出来上がる流れも息を呑む滑らかさでした。
1幕終盤ではトロワの3人が群舞の先頭に立ち統率しながら描いていく構図が締まりもあり好印象でした。
特に西日本でも度々鑑賞している佐々木夢奈さん、2017年の協会公演『ラ・バヤデール』影の王国で
先頭を務めていた清水美帆さんを発見できたのも嬉しいことでした。

今回最たる注目であったのはロットバルトの描き方でしょう。
プロローグから亡くなった若い娘と登場し、その後の展開を示唆する演出が披露されました。
実のところプレトークを聞く或いはプログラムを読まねば分かりづらく、
今も全理解には至らず観終えてからあれこれ調べるうちに話が繋がっていったのですが
乙女の年齢で亡くなったオディールを蘇らせようと悪魔に祈り
(棺から起き上がったオディールは死神のような怖さが宿っていた)
オディールに心が傾けるよう王子に魔力で操り仕向けたりと
ロットバルトが多面性のある人物に思え、『それゆけロットバルト』なるドラマの主人公として
独立した舞台を観てみたいとも思わせました。(例えの名称のセンスの無さはご了承ください)
衣装が湖畔は黒系の羽根つきの装いでしたが3幕は三国志あたりに登場しそうな長髪帝王で
笑いが込み上げてしまったものの、見せ場もふんだんにありソン・イさんは長身が映える存在感。

3幕も工夫が凝らされ、単に順序の関係でスペインをオディール登場後に発進させるのではなく
目回りを黒く仕上げたメイクで明らかにロットバルトの一味であると示し、
振付はオーソドックスながら広間が徐々に悪なる色で覆われていく過程を描いていた点も
ロットバルトの魔力強大化が覗けてユニークな展開でした。
女性陣の衣装がいかにもスパニッシュな赤系ではなくグレーや暗めの紫の渋い色彩に銀色の装飾でまとめた
シックなデザインもロットバルトと統一感を持たせていてじっくり観察。

振付で1点望むならば、パ・ド・ブレではなく袖から勇んでの飛び出しであったオデットの登場で
登場姿も時間をかけて観たい場面ですから、さざ波のような震えや繊細さを帯びた
佐久間さんの脚捌きを披露いただきたかったと思っております。

思えば篠原聖一さん演出の作品は全国各地で鑑賞する機会に恵まれており、東京のみならず
北海道札幌市でのドン・キホーテ全幕、福島県いわき市での漁夫とその魂、大阪府八尾市では
ロミオとジュリエットやノートルダム・ド・パリ、愛媛県西条市でのジゼル、シンデレラ、白鳥の湖、
ドン・キホーテなど振り返ってみると鑑賞回数多数。
物語の流れがスムーズ且つ不自然さがないようにしつつ見せ場を増やしたり
悪役敵役と捉えがちな役柄をより魅力あるキャラクターとして描写する演出が盛り込まれて
作品に厚みが加わり、観ていて一層引き込まれていくのです。今年も引き続き鑑賞機会があることを願います。



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鑑賞前に神田のドイツ料理店シュマッツヘ。外は再び雪が舞い始め、都心も雪国に。
吉幾三さんの歌を思い浮かべつつ、(ここはバレエ精通者でもあった川端康成の雪国のほうが良いか)いざ入店。

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当ブログに度々登場いただいているムンタ先輩(ワディム・ムンタギロフさんがお好きな人生の素敵な先輩)と新年会。
先輩はバナナの香り漂うビール、私は飲み比べセットで乾杯。

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ムンタ先輩、昨年の英国バーミンガムロイヤルバレエ団来日公演で厚地さんのエレガントな魅力に触れ
協会白鳥初日をご覧になる運びに。新国立劇場でも活躍されていたダンサーを注目してくださったのは嬉しく、
今年鑑賞した公演やこれから楽しみな公演など語っているうちに美味しく完食でございます。
手前のジャーマンタルタル唐揚げはザワークラウト入りタルタルで食感も良く、
シュニッツェルは極薄でカリッとしておりカリーヴルストは絹引きタイプで胃もたれせず。

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デザートは黒ビールを使用したほろ苦いソースがかかったアイスクリームとユーハイムのバウムクーヘン。
甘過ぎず丁度良いバランスでした。



【必見今夏おすすめ来日公演】エイフマン・バレエ『アンナ・カレーニナ』

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2年前に書いた2月の記事と重複する部分がありますが悪しからず。

本日は2月17日、NHKではフェドセーエフ指揮の『くるみ割り人形』全曲演奏と
深夜からは英国ロイヤル・バレエ団リアム・スカーレット版『白鳥の湖』が放送され
今宵NHKはチャイコフスキー音楽が舞う夜となりそうですが(私も先程までくるみ割り人形全曲演奏を視聴中でした)
2月17日はチャイコフスキーが交響曲第6番『悲愴』第三楽章の作曲に着手した日であるとのこと。
この曲といえば、新国立バレエファンの中でも再演希望が特に多いボリス・エイフマン版『アンナ・カレーニナ』の
音楽してお馴染み。特に急速なテンポでめまぐるしい展開の第三楽章は第2幕における物語佳境で
いよいよアンナが追い詰められ苦悩を一層露わにしながら悲劇の結末へと突っ走る強烈な場面です。
私にとっては、同じくこの作品での使用曲『組曲第1番ニ短調』や『幻想序曲ロメオとジュリエット』と並び
三大バレエ鑑賞時には今一つ分からずにいたチャイコフスキーの音楽の魅力に初めて気づいた曲の1つでもあります。

2年前にはエイフマン・バレエがトロント公演に向けて制作したと思われる動画を紹介いたしましたが
今年2019年7月には21年ぶりに来日公演が実現。招聘元のジャパンアーツのサイトでも動画が紹介されています。
悲愴の第三楽章に合わせて様々な場面が編集され、映像だけでも心を揺さぶられて
見れば見るほど公演が待ち遠しくなります。

東京公演概要。オール・チャイコフスキーな構成である使用曲が順序通りに紹介されている点も嬉しい。
https://www.japanarts.co.jp/eifman2019/karenina.html#top





言わずと知れたトルストイ原作の長編小説をバレエ化していますが
思い浮かべるだけでも壮大さに押し潰されそうだ、或いは以前読破に挑戦したが
途中で脱落してしまった方(私です…)、人間関係が複雑で混乱し困り果てた方もご安心ください。
エイフマン版はアンナ、カレーニン、ヴロンスキーの3人に焦点が当てられ
舞踊そのものでパワフルに情熱を帯びて展開していくためすっきり整理され、非常に分かりやすい筋運びです。
音楽はチャイコフスキーの多彩な曲からの構成ですが、あたかもこの作品のために
作曲されたかのような印象を与えられるほど場面全てにぴたりと嵌っている点や
姿形を変えてアンナたちの運命を力強く彩っていく群舞、スタイリッシュな衣装にもご注目ください。
目に、耳に、心に強く訴えかけてくる作品です。
組曲第1番ニ短調が奏でられる中でアンナとヴロンスキーの禁断の現場を目撃してしまう
カレーニン(カレーニンは見た、なる状況)の突き刺さるような苦しみや
本来ならば不倫はいけませんが、許されぬ恋に身を焦がすアンナに気づけば感情移入してしまいそうになる
悲愴第1楽章の切ない旋律に乗せて遂にヴロンスキーと一夜を共にする寝室での美しく狂おしいパ・ド・ドゥ、
そして2幕中盤の悲愴第3楽章でアンナが激しく追い詰められていく場面など
見所を挙げ出したら止まらず5本の指を超えてしまうのは目に見えております。

新国立劇場バレエ団の上演を振り返ると厚木三杏さん、長田佳世さんのアンナはそれぞれ素敵でしたが
何と言っても山本隆之さんの心から愛するアンナに拒絶されながらも深く優しい愛情を捧げる姿があまり切ない
ときに激しく迫る場面においても凄みの中に慈悲深さが垣間見え
魂を引き裂かれそうになったカレーニンは2012年の再演から約9年が経過した現在もなお忘れられません。
芸術選奨文部科学大臣賞の受賞理由作品にも選ばれていたことにも大いに納得で
再びの鑑賞の機会があればと願うばかりです。アンナは近年益々艶やかさが増し
美しさにも磨きがかかっている本島さんで観たいと妄想しており
鬼気迫るドラマティックな表現にぐっと引き込まれるに違いありません。
カレーニンを捨ててでも恋に落ち、駆け落ちの関係にまで発展しアンナの人生を狂わせる
青年ヴロンスキーは恐ろしく難役になりそうですが。
(山本カレーニンに対抗できるヴロンスキー、ハードル超えて棒高跳び並み、いやエベレスト登頂並みに難度高しだ。
他キャストではカレーニンに魅力がありつつもヴロンスキーに走る行為にはまあ納得がいったが
厚木さんアンナが夫を裏切る行為には初演再演両方においてどうしても首を縦には振れなかったと記憶)
話が二転三転しましたが、とにかく本家の来日公演実現は心から歓喜。
そして新国立でも再演して欲しい作品でございます。

大変幸運なことに、7月13日(土)にはびわ湖ホール公演もあります。
関西近郊にお住まいの方々、勿論遠方の方々もどうぞお越しください。
その名の通りびわ湖に面しており、ロビーから眺める風光明媚な景色は格別です。
https://www.biwako-hall.or.jp/performance/2018/12/20/post-767.html



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ロビーからの景色(撮影:2016年7月22日下田春美バレエ教室公演コッペリアにて)


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ホールのカフェはテラスもあり。(撮影:2016年7月22日下田春美バレエ教室公演コッペリアにて)


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天候に恵まれたら、湖畔のサイクリングもおすすめです。駅前の案内所でレンタルサイクル受付を行っています。
(撮影:2017年12月2日京都バレエ団くるみ割り人形鑑賞前にて)


当ブログで来日公演を熱心に宣伝紹介するのは珍しく、過去に取り上げたのは
ボリショイとモスクワ音楽劇場かと記憶。それだけ、エイフマン・バレエは
是非とも多くの観客にご覧いただきたいと思っております。東京公演では『ロダン』もあり、
地獄の門に隣接する東京文化会館で鑑賞できるとは不思議な心持ちですが、観てみたい作品です。
『アンナ・カレーニナ』鑑賞後は機関車ダンスの真似事を
うっかり上野公園或いは新橋駅前SL広場でしないよう気をつけねば。





スペシャル 指揮者対談Part2 福田一雄×井田勝大 〜ロマンティック・バレエ 大研究〜

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2月23日(土)、神保町ブックハウスで開催された
スペシャル指揮者対談Part2 福田一雄さんと井田勝大さんによる
ロマンティック・バレエを紐解く講座に参加して参りました。
https://balletcollege.amebaownd.com/posts/5612233

福田さんと井田さんのお話を聞くのは初。人間版バレエ広辞苑と呼びたくなる福田さんから噴水の如く溢れ出す
数々のバレエ史仰天エピソードは驚愕の連続で、井田さんは歯切れ良い口調且つ噛み砕きながらの分かりやすい説明で
バレエ指揮をする楽しさ難しさを始め、勉強になる事柄が凝縮した講座でした。
中でも痛快ぶりが止まらぬ福田さんが語る、伝記にも書けぬであろうアダンのぶっ飛び逸話や
『ジゼル』には第3幕があった、ロマンティック・バレエをテーマにしつつも音楽の話を膨らませ
『ドン・キホーテ』結婚式の一部分は実はミンクスではないなど目から鱗が落ちるお話満載。瞬く間の2時間でした。
ご年齢を考えると、語ってはピアノを弾いて曲解説を行いまた語り始める福田さんのエネルギーにも脱帽です。

余談ですが、挙手による質問コーナー前に申込時に参加者からあった質問として紹介された
アルブレヒトのジゼルに対する想いは本気か遊びか、元々はどちらであったのかとの質問は私からでございます。
ダンサーや演出家によって解釈は様々ですし、同じダンサーであっても
踊る版によって違う表現解釈を求められることもあり、初演はどちらであったのか常々気になっておりました。
参加申込の際、入力フォーム最後に設けられていた疑問質問欄を見るや否や即座に書き込んでしまいましたが
初演時の台本をもとに井田さんが丁寧に答えてくださり大変感謝しております。
終了後には福田さんから台本も見せていただいて感激すると同時に
バレエ史について更に学んでいきたいと一層興味が増した次第です。
こういった作品の背景や歴史、歴代のダンサーについて学ぶ講座は今年も可能な限り受講して参りたいと思います。



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会場はブックハウス2階です。親しみのあるお名前が付いたお部屋へ。

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ひふみ座入口含め、店主今本さんより許可をいただき撮影掲載いたします。
1階は所狭しと絵本が並び、入口近くではジブリ書籍特集を開催中。管理人、狂喜乱舞(笑)。
『風の谷のナウシカ』の映画版しかご覧になっていない方は是非漫画版もお読みください。
映画では悪女の印象が刻まれているトルメキアの王女クシャナの秘めた悲しみや
工房都市ペジテの真相についても事細かに描かれていて、まるで違う物語に感じます。
ナウシカといえば今年歌舞伎化され12月に新橋演舞場で上演、12年ぶりの歌舞伎鑑賞を予定しております。
情景描写が繊細な小説版トトロもおすすめです。ジブリについて語り始めると
アルコール摂取していない状態でも延々と続くため次行きます。

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暫し神保町散策、狭い路地に位置する古いラドリオへ。以前訪れた、タンゴが流れる向かいのミロンガもどうぞ。

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日本で初めてウィンナコーヒーを出したお店だそうで、今も看板メニューとして愛されています。
ウィーンではアインシュペンナーと呼ぶと知ったのは、高校生の頃に読んだオーストリア旅行ガイドがきっかけで
随分遅かったのでした。(小説や文庫本は殆んど読まず、バレエ以外の本といえば
旅行関連書籍ばかり借りては妄想旅情に浸る変わり者な高校生でした。
その願望は今、バレエを通して少しずつ叶っているところでございます)

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神保町へ行くと足を向けたくなるロシア語本専門店ナウカジャパン。
バレエ関係の書籍もあり、文は読めませんが歴代の旧ソ連圏時代から現代にかけてのダンサー写真多数掲載本は
時間を忘れて見入ってしまう充実ぶり。写真と名前を照らし合わせると、
どうにかキリル文字も読み解けた気持ちになります。
キャラクターダンスの名手ユリアナ・マルハシャンツも載っていて
ソ連崩壊以前からのボリショイ好きには嬉しきことでした。
『くるみ割り人形』から『真夏の夜の夢』まで約10本のバレエ作品解説付き絵本や
つぶらな瞳で随分と素朴なオネーギンの表紙にびっくりした挿絵入り『エフゲニー・オネーギン』など
胸が高鳴る発見は1回2回ではおさまらず、気づけば何時間でも過ごしてしまいそうな空間です。
ロシア人女性の店員さんによる案内も(勿論日本語堪能です)穏やかで丁寧、また来店いたします。
窓側に掲げているのは、古い絵本を切りページを取り繋げたものだそうで残念ながら売り物ではないとのことですが
渋みある色彩で描かれたロシアの物語の世界に誘われる絵ばかりです。



【速報】【どちらもおすすめ】新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』初日/NBAバレエ団『白鳥の湖』

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昨日新国立劇場でラ・バヤデール初日を、そのあと上野にてNBAバレエ団白鳥の湖初日を観て参りました。
新国立は初日、NBAは新制作初日ですので詳しい感想は両方とも公演期間終了後に書いて参ります。
新国立バヤデールは2人の看板女性プリンシパル小野さんのニキヤ、米沢さんのガムザッティの対決が再実現。
火花散らし合うプライドのぶつかり合いに片時も目が離せぬ展開でした。
福岡さんは戦士がよく似合い、影コール・ドの集中度の高さ繊細さには息を呑み
数あるバヤデールの中でも群を抜いて壮麗豪華な美術衣装はうっとり見入るデザインです。
明日以降も公演は続きますのでどうぞお越しください。

新制作のNBA白鳥は幕開けからダークな雰囲気に引き込まれ
音楽も従来観てきた演出と変わっているところもいくつかありましたが違和感なく
切り貼りになりがちな3幕も工夫が凝らされ、スピーディーな展開で面白い舞台でした。
白鳥コール・ドの揃い方、呼吸の合い方も見事です。本日も公演があり、コジョカルとコルネホが客演します。

私は本日は再び新国立劇場へ。初めてバヤデールを鑑賞してから早27年、
人生初ドロラグヴァ(ソロルの友人)に注目の1日となりそうです。
本日に備え、昨日出番頻度確認も兼ねて目で追っていたところ、
2幕は序盤から最後まで舞台上に立ち、3幕エピローグにも登場。これは楽しみだ。
それから余談ですが、貝川さんのラジャは亡き父にそっくりでして
2013年のジゼルから貝川さんが年老いた役を演じられると瓜二つな印象を受けて参りましたが
年齢を更に重ね、益々似た容貌に驚きを覚えております。

話があちこちに苦行僧の如く飛びましたが、昨日本日ともに東京都内は公演大混戦。
新国立とNBAに東京シティも重なっていますが
お時間ある方はどうぞバレエ公演に足をお運びください。

バレエ関連テレビ放送雑感 フェドセーエフ指揮『くるみ割り人形』全曲 /映画『チェコ・スワン』/英国ロイヤル・バレエ団『白鳥の湖』/藤原歌劇団『椿姫』

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ここ最近バレエ関連のテレビ放送が立て続けにありましたため、雑感程度ですが綴って参ります。
かなり簡素な点は悪しからず。テレビ放送の感想なんぞ読む気にはならぬという方は恐れ入ります、
次回更新予定のボリショイシネマ『ラ・シルフィード』或いはNBAバレエ団『白鳥の湖』までお待ちください。

※写真は椿姫テレビ放送視聴用に購入した闘牛を想起させるラベルのスペインワイン。



◆フェドセーエフ指揮『くるみ割り人形』全曲演奏

バレエ無しで全曲演奏を聴いた際に受ける印象はどんなものか、興味津々に見始めました。
『白鳥の湖』は2年前に全曲をオーケストラの定期演奏会にて演奏を鑑賞しておりますがくるみは初でございます。
結果、公演発表会含めてバレエ作品の中では恐らくは最たる鑑賞回数であるが故
どうしても踊るテンポが刷り込まれてしまっているため時折ゆったりとした演奏には驚きを覚えたものの
パートごとに用いられている楽器をじっくり観察できたのは収穫。
そして映し出された客席をよく見ると、指揮者すぐそばにてご鑑賞の方も含め
つい気持ち良くなってしまったのかドロッセルマイヤーの魔法にかけられたのか
スヤスヤとした表情の方もちらほらいらっしゃり、心地良い演奏であったのだろうと想像できます。
因みに、オーケストラ後方側の席も何度かカメラが向き
鮮明まではいかずとも観客の表情はほんのり分かる程度には映されていました。
思い出したが、昨年の3月下旬季節外れの大雪の中にて足を運んだ
トゥールーズキャピトル管弦楽団の演奏会は同じ会場のサントリーホールで開催され
後方側の席にて鑑賞いたしましたが、もし放送されていたと考えると冷や汗もの。
ストラヴィンスキー『火の鳥』演奏中は妄想に耽り、1人ニンマリしていた
我が見苦しい顔が日曜日夜のお茶の間に発信されていた可能性もあり得たのですから
鑑賞中の顔は要注意であると痛感です。

話をくるみに戻します。バレエシーンが無い分はっきりと分かるのは、数あるくるみの中でもどの版が好みであるか。
当然ながら過去に観たバレエが思い浮かぶのですが、とにかくくるみは多くの演出振付を鑑賞しているものの
咄嗟に浮かぶプロダクションこそ自身が特に気に入り心を奪われた舞台であると再確認できるのです。
浮かんだのは通い詰めている新国立ではなくボリショイのグリゴローヴィヂ版、
しかもアルヒーポワとムハメドフ主演の1989年の映像でございます。
子供騙しではなく、人形たちや花のワルツの人々がマリーと王子の結婚を盛り立て舞台転換も見事。
そしてフィナーレの結婚式ではマントした王子の腕の中にマリーが飛び込みお姫様抱っこで高揚も最高潮へと達し
収録から30年が経とうとした現在もなお、色褪せない舞台であると感じております。

◆チェコ・スワン
http://czechswan.jp/

清泉女子大学での講座ラファエラ・アカデミアで知り合った方が映画館にてご覧になったと教えていただき放送視聴。
私の中では、映画通の素敵な先輩と呼んでおります。
チェコの中年以上の女性たちが白鳥の湖に挑戦する話で、素朴であたたかな交流が気持ちよく響く映画でした。
バレエダンサーの女性の人柄も落ち着きがあり、例えばこの手のダンス映画にありそうな、
ダンサーのプライドが高い余りに年配の女性たちに対して苛立ったりする場面が無かった点も好印象。
終始丁寧で穏やかな語り口で教え、女性たちの純粋な喜びに触れるうちに
失いかけていた自信を取り戻していく過程も見え、ほっと和む作品でした。
練習中に、水ではなくビールが飲みたいとアルコールを欲していた点には思わず少し親近感を抱いた次第。
そういえば、チェコは世界きってのビール消費国です。
(レッスン回数は少ないものの、再開後は終了後必ずと言って良いほど
スタジオ近くの海鮮居酒屋へ日中から飲みに行く管理人でございます)

◆英国ロイヤル・バレエ団『白鳥の湖』

シネマでも上映された新作のリアム・スカーレット版。調布にて昨年鑑賞いたしました。
英国系の白鳥では共通なのか、チャイコフスキーの時代に設定してリアリティを追求する余り
1幕の祝祭感が表現、衣装、美術含めてかなり抑え目であった印象です。
(確かスカーレット版も時代は1800年代後半あたりの設定であったと記憶)
ただ目も眩むような3幕の壮麗重厚な美術衣装は思わずじっと見入り、いつの日か生で観たいと再度思わせました。
NBS御中、来日公演で持ってきてくださるよう願います。

◆藤原歌劇団『椿姫』

1月下旬に東京文化会館にて上演されたオペラ。2回観に行き、待ち侘びていたテレビ放送です。
親しみやすいヴェルディの音楽に衣装美術が上品で華やか、オペラ入門者でも十二分に堪能できる舞台でした。
さて最たる注目は2幕のバレエシーンのカメラワーク。オペラ通の方によれば
オペラの場合バレエシーンであっても歌手ばかりが映されてしまう舞台もあり、不安が過っていらしたとのこと。
緊張しながら録画を確認したところ、そこはNHK。ダンサーもたっぷりアップで撮ってくださっていてああ安堵。
実は収録日であった初日は1階R側でカメラ席のすぐ近くであったため
ダンサーもしっかり撮るようにと念力を送り、通じたか通じていないかはさておき
次々とテレビ画面に現れるギラリとした闘牛士に歓喜して笑いが込み上げ瞬く間の出番でした。

それからテレビ放送視聴もう1つの目的は、バレエシーンの歌詞。
他の場面は歌手と字幕交互に観ていたため概ね歌の内容は頭に入っていましたが
バレエシーンとなれば闘牛士ばかりに目が行き、字幕なんぞ観る間もない。
放送にてようやく歌詞の内容を把握できました。まず闘牛士はビスカヤ出身のピキージョという名前らしい。
意外にも細かな設定がなされている点に驚きながら読み進めていくといたく官能的な内容で、娘に恋した闘牛士に対し
1日に5頭の牛を倒してみせるよう内気な娘はお題を出し、勝利したら身も心も捧げる意思がある様子。(会場近くを神田川が流れているとはいえ、輝夜姫か笑)
闘牛士は分かったと答えて出かけて行き(甘い言葉を残していくわけでもなく実に簡潔。高倉健さんのようだ)
対角線上に前進しながら牛に扮した男性たちを勢い良く上から手で突き刺すようにしていったのち、
見事達成した有言実行の闘牛士が美しい娘の元へと駆け寄っていった振付の意図がようやく把握できたのでした。
自らの腕前で愛を示す勇ましさ、これが闘牛士が恋人を手に入れる方法であると周囲は讃え
興奮も最高潮へと達したところで終了です。

ダンサー出番は本当にここのみで、もう暫く立ち役として舞台にいて欲しかったとも思えましたが
たった数分であっても強烈な印象を残し、事実会場も大きな拍手が沸き起こりましたから
振付の伊藤さんのセンスに竹内さん渡邊さんの技量表現双方がぴたりと噛み合い、歌詞の意味に似つかわしいお2人で
舞台を何倍にも艶やかな華やかさで満たしてくださった見事なバレエシーンでした。
カーテンコールは名前も合わせて、渡邊さんの邊の字がはっきり見えるほどにアップで映され満足な収録内容です。

さて明日明後日も新国立にて『ラ・バヤデール』鑑賞ですが、明日昼公演は管理人の母も参ります。
先入観なく観て欲しいため詳細は話さずにおりますが
コール・ドの美しさや衣装美術の豪華さ、父そっくりの貝川さんラジャーに感激するのは目に見えており、
更にはソロルの印象も何かしら残ればと願う前夜でございます。



ボリショイ・バレエ in シネマ 2018-2019Season『ラ・シルフィード』

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新宿TOHOシネマにて、ボリショイシネマ ヨハン・コボー版『ラ・シルフィード』を観て参りました。
https://liveviewing.jp/contents/bolshoi-cinema2018-19/

シルフィード:アナスタシア・スタシュケヴィチ
ジェイムズ:セミョーン・チュージン
占い師マッジ:アンナ・バルコワ
エフィ:クセニア・ジガンシナ
グエン:アルトゥール・ムクルチャン

スタシュケヴィチのシルフィードは意志をはっきりと示しながらも軽やかさと抜群の浮遊感で魅了する妖精。
一見可憐さよりも凛とした渋い美しさを備えた容姿でキャストを知った際には
シルフィードが似合うか少々不安もありましたが幕が開けば心配無用。
盤石の技術と繊細な指先、ふとした首の傾げ方に至るまで見せ方を心得た踊りで気づけばジェイムズと共に
すっと吸い込まれてしまいそうになる魅惑的な妖精でした。

ボリショイのラ・シルフィードで思い出すのは2003年の世界バレエフェスティバルで
代役出演で当時まだ新鋭であったマリーヤ・アレクサンドロワとセルゲイ・フィーリンが披露したパ・ド・ドゥ。
残念ながら実際に観てはいないのだが、どちらかといえば女性も惚れる姉御肌な雰囲気を持つアレクサンドロワが
シルフィードなんぞ踊っても惹きつけるのは困難ではないかとの声もありながら
雑誌の批評では一点の曇りのない技術でチャーミングに魅せたといった絶賛の記事を読み
どんな役でも自身のものにして心を奪うアレクサンドロワに興味を一層抱くきっかけになったのでした。
今でも海外の女性ダンサーでは真っ先に挙げるほど、かれこれ12年以上のファンでございます。

チュージンのジェイムズは何を考えているのか分かりづらい、風変わりな雰囲気の青年で
例えばシルフィードを見つけても喜びを大露わにするような表現は控えめでありながら
じわりじわりと幸福を噛み締めたり、悲嘆に暮れたりと掴みどころのない性格が表れていて面白く鑑賞。
脚捌きの美しさには目を見張り、目が冴え渡るソロでは大喝采を浴びていました。

バルコワは数あるラ・シルフィードの中でも美魔女っぷりはトップクラスに君臨であろうマッジ。
(対抗できるのは新国立劇場2016年公演でぶったまげる怪演を見せた本島美和さんぐらいか)
皺々な老女とは程遠い艶かしさすら覗く色っぽさまで備えてはいるものの
登場しては不吉な予言をするわけですから、ジェイムズやエフィ側からすればたまったものではありません。
ジガンシナが演じる、誰もが羨む美女であり結婚を間近に控えたエフィが可哀想でなりませんが
結局は幸せを勝ち取る運命であったのは日頃の堅実な行いが呼び寄せたのかもしれません。

改訂はヨハン・コボーで、ブルノンヴィル版との違いが今ひとつ分からず終いでしたが
祝宴の場でのスコットランド舞踊ではボリショイお得意なキャラクターダンスのレベルの高さにこの度も驚かされ
バグパイプ奏者の陽気な演奏っぷりにウイスキーが飲みたくなったのは言うまでもありません。

ボリショイシネマ名物・カテリーナ・ノヴィコワさんによる解説も健在で
最近は演目に合わせた服でご登場なのか、今回は水色と白のキンガムチェック柄のワンピース。
いたく可愛らしいデザインで、即座に浮かんだのは神戸屋レストランの制服でしたが
次回『ラ・バヤデール』ではサリーでもお召しになるのだろうかと今から想像が膨らみます。

もう1つの見所は準備中の舞台でインタビューが行われるためスタッフたちの動きがよく分かること。
以前バヤデールではテーブルに小道具を置く際、スタッフの方々も役になりきって椅子に腰掛け
位置を入念に確認していた光景からバレエ愛が伝わり、思わず頬が緩んだものです。
マッジが使う炎の釜のような装置の搬入担当者は点灯して光具合をじっくり見ていて、
光が顔を強烈に照らしていたため怪談話や肝試し状態であったのはご愛嬌。
電気コードが無い作りである点にも感心し(後日述べるが、新国立バヤデールの聖なる炎?装置は電気コードが丸見え)
物語の世界観を崩さぬ配慮が見て取れました。

次回は今月下旬に『ラ・バヤデール』。太鼓の踊り付きのダイナミックな婚約式も楽しみです。

※ブルノンヴィル版シルフィードといえば、新国立劇場の細田千晶さんによる
透明感のある輝きとまさに何処かへ飛んでいってしまいそうな浮遊感に
儚い雰囲気を持ち合わせた名演が今も忘れられません。もう1度観たいシルフィードです。




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物語の舞台スコットランドに因み、帰りはスコッチウイスキーとハギスで乾杯。

音楽もがらりと変えての挑戦 NBAバレエ団『白鳥の湖』3月2日(土)

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3月2日(土)、NBAバレエ団『白鳥の湖』を観て参りました。
新国立劇場での『ラ・バヤデール』初日終演後そのまま上野へ向かい、同じルートの観客多し。
375年(授業にて皆ゴー、で覚えた方もいらっしゃるかと思います)のゲルマン民族大移動ならぬ初台族の大移動です。
http://www.nbaballet.org/performance/2019/swan_lake/

オデット/オディール:平田桃子(英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団)

王子:高橋真之

ロットバルト:宝満直也

王妃:朝見麻衣子

ベンノ:前沢零

パドトロワ 鈴木恵里奈 野久保奈央

大きい白鳥:浅井杏里 猪嶋沙織 阪本絵利奈 関口祐美

小さい白鳥:伊東由希子 大島淑江 勅使河原綾乃 米津美千花

姫:竹内碧 柳澤綾乃 須谷まきこ

スペイン:新井悠汰 安西健塁 大森康正 河野崇仁 清水勇志レイ 三船元維 多田遥 森田維央 山田悠貴

マズルカ:伊東由希子 浦野梓 児玉彩香 津田真実 小林治晃 高橋開 長谷怜旺 古道貴大

ポルカ:北村桜桃 木村優花 武井由香里 向山未悠 佐藤史哉 竹内俊貴 玉村総一郎 中村瑛人

ルスカヤ:北原佑季子 白井希和子 鈴木恵里奈 平居郁乃

平田さんは小柄で非常に華奢ながら力に溢れたオデットで弱々しさは皆無。
長年バーミンガムでトップを張っている経験の豊かさを思わせる統率力のあるヒロインとして魅せ
腕を広げて侍女たちを守ろうと懇願する姿、静謐な場面においても
一挙手一投足でドラマを描き上げる姿から目が離せませんでした。
鉄壁の技術が特に光っていたのはオディールのコーダで、
いとも簡単に一度に何回転しているのか混乱するほどのスピード感、安定した軸に仰天。
決して体操競技状態になっていない点も好感を持ち、王子を更に翻弄する魔性が
いよいよ頂点へと達する勢いすら感じさせて騙されてしまう王子の誓いに説得力を与えていました。

高橋さんはこれまでマキューシオやスターズアンドストライプスなどテクニック系の役の印象が強く
『くるみ割り人形』ではカヴァリエも務めていらっしゃいますが
2月の日本バレエ協会『白鳥の湖』でも道化を好演されたばかり。
どんな王子になるか楽しみと不安半々でしたが、現れてびっくり。見るからに爽やかで端正な王子でした。
さっぱりとした趣きで、個性的なパーマも封印し自然なさらさらヘア。
(スターズアンドストライプスとマキューシオではなかなか独創的な髪型でした)
役をどう見せるか踊り方を徹底して研究されたのでしょう。これまでよりも背が高く見え、思い悩む表情も良く
あどけなさを残しつつもオデットに出会ってから徐々に大人びていく様子も明確でまことに驚かされました。

主役並に見せ場も多いロットバルトには演出も手掛けられた宝満さん。
白いオールバックで、暗雲が立ち込め不穏な展開を予期させるプロローグから
オデットと王子の行く末の鍵を握る人物として物語を引っ張っていらっしゃいました。
オデットのみならず王子も登場するプロローグについては
私の理解力欠陥が問題なのだが設定が分かりづらい印象があったとはいえ
これまでに目にしたことがない独自の演出に想像を逞しくさせる効果もあったのは事実です。

会場で、また翌日の新国立劇場でも最も話題になっていたのは音楽の使い方。
入れ替えが多々あり、スタンダードな演出とはだいぶ異なる選曲でした。
例えばパ・ド・トロワはあるもののお馴染みのゆったりしたワルツで始まるのではない曲で
女性のヴァリエーションでは元は花嫁候補のソロ、現在では
チャイコフスキー・パ・ド・ドゥの女性ヴァリエーションで親しまれている曲が使用されていて当初は違和感大。
舞台への集中が途切れかけてしまったときもありましたが
3人ともきびきびとした正確な軽快さのある踊りで、自然と見入っていきました。

また民族舞踊(確かルスカヤ?)ではジョン・クランコ版『オネーギン』で
オネーギンがオリガと戯れる際の曲が使用されるなど
従来の『白鳥の湖』とはだいぶ曲変更がなされ、耳に馴染みはあっても心がついていかぬ箇所多数。
多少演出に独自性はあるにせよ音楽が元々密な構築によって完成され、世界各国で上演を重ねている
バレエの代名詞ともいえる作品において音楽を大胆に入れ替えた演出によって
観客を引き込むことがいかに難しいか感じた次第です。

そうはいっても戸惑いばかりではなく、むしろ工夫が凝らされ面白みがあると思わせた箇所の印象のほうが強く
例えばスペイン。男性9人構成でキャスト表を見た際には女性ダンサーの長いスカートが翻すさまを
目にできないのは光景に艶やかさが欠ける心配も募りましたが
技術や身体能力の高さを備えた男性ダンサーたちのダイナミックな持ち味が舞台一杯に表れた力作で
ロットバルトの手下である設定は目まわりを黒く彩る悪人風メイクだけでなく
身体の節々から出る王子を陥れる気満々なギラッとしたオーラからも明らか。
ダンサーの持ち味を知り尽くしているからこそ出来上がった大きな見せ場はこの日一番の喝采だったでしょう。

場面は戻って、1幕終盤に狩への出発を憂愁な曲ではなく序曲のような勇壮な曲を用いて
男性たちが一斉に出発する箇所も他にはない演出。
王子が友達に恵まれ、このときばかりは吹っ切れた若さが垣間見えて面白い展開でした。

スペイン以外は各国の姫君たちが民族舞踊を従える演出で、切り貼り感なし。
2年前に立川で観たスタジオカンパニー公演でも感心し、やや長めのふんわりとした
色違いの鮮やかなチュチュを着た姫たちのゴージャスなこと。
気品がありながらもプライドのぶつかり合いも感じられ、締まりのある舞踏会でした。

そして白鳥のコール・ドの揃い方も忘れられません。特に円形から左右対称に人の字に並んでいく
複雑なフォーメーション変化は息を呑み、白鳥に変えられた悲しみとオデットを慕う優しさもが伝わる
全員の心の合わせ方にも拍手です。

衣装は全体を通して品良くカラフルで特に1幕ワルツ女性の桜色は春めいた喜びに溢れ、祝祭感を後押し。
紅色とピンクの袖にスカート部分や頭飾りにピンクと金色を取り入れたルスカヤも可愛らしく
細かな模様の数々を凝視せずにいられませんでした。

脳裏に刷り込まれているが故、音楽の用い方に関しては首を一瞬傾げる場面もありましたが
昨年の『海賊』に続き新作の続々発表に踏み切る勢いに、バレエ団の今後の公演にも期待感を抱かせます。
5月公演『リトルマーメイド』と『真夏の夜の夢』再演も今から楽しみです。




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帰りは御徒町まで歩きドイツ料理店へ。
(2階は美容院で読み方はロメオとのこと。新国立2019/2020シーズン開幕前に行ってみるか)

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ドイツ風ラビオリのグラタンとケストリッツァーシュヴァルツビアで乾杯。
1人でも丁度良いメニューも多種揃っています。



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